リョーマ伝~小学生編~

一刀星リョーマ

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おこぼれ話93 脈拍大好きリョーマさん

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「リョーマ、手首のここ触ってみろ。そこは脈って言ってな、心臓の鼓動と同じ動きしてんだ…」
小4のある日、父から教わり人間の体に「脈」と呼ばれるものがあることを知った。
その日以来、心臓と同じ動きをする不思議な「脈」の魅力に魅せられた僕は、暇さえあれば自分の脈を触ることがマイブームとなっていった。
ゲームと漫画に次ぐ大きな趣味といっても過言でなかったかもしれない。

初めて脈の存在を知ってから約2週間後、暇してて僕が家で適当に体を触っていたところ、足の甲に何やら覚えのある感触を感じ取る。
「これって…脈じゃね?手首だけじゃね~の?」
…脈は手首以外にも存在するという衝撃の事実を知る。ならば他にも脈をはかれるところがあるかもしれない。
その日以来、僕の手は脈を探しに体中を駆け巡る旅を始めた。もはや立派な脈ヘンタイだ。
僕の手は様々な場所の脈を探し当てた。こめかみ、腋、鼻、足首の近く…意外なところにも脈があることを知り、ますますその魅力に取りつかれていった。

その脈好きが高じて、小5の冬休みには自由研究で「脈拍についてのレポート」を行った。
運動した後や入浴後、TVを見てリラックスした後など異なる状況下での脈拍数の違いを自らはかってまとめたのだ。
あの時父が教えてくれた「脈」。それが「脈々」とつながって自由研究にまで発展するとはあの日の父も僕も予想できなかったであろう。
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