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おこぼれ話60 リョーマズバックドラフト

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4年生の時、現役消防士が学校を訪れ、消防士の仕事や火災時の避難のポイントなどを教えてくれる出前授業があった。
学校には消防車もやってきて、朝投稿時に何食わぬ顔で学校の駐車場に止まっている消防車の存在感に圧倒されながら校舎へ入っていったのを覚えている。

そんなこんなで出前授業の時間。視聴覚室に4年生全員が集まって行われた。
消防士の面々の自己紹介に続いて、消防士服をはじめとする消防士が実際に使用する道具等の紹介、火災時の避難や身を守るためのポイントを教えてくれた。
視聴覚室には実物の消防士服が用意され、触れることができた。
僕も手に取ってみたが、重い。とにかく重い。10年生きてきた中でこんなに重い衣料品に触れたことないってぐらい重かった。これだけ重いものを着ても機敏に動けるんだから訓練された消防士たちはスゴイ。
そして1着当たりのお値段も驚いた。うろ覚えだが90数万~100万円台だったはずだ。人々の命を守るための仕事だ。そのための道具ならそれだけの値段がするのもうなずけると子供心に思った。

最後は今回学んだことの実践として火災を想定した避難訓練。
今までも火災時を想定した避難訓練は年数回ペースで行ってきたが今回は煙発生装置を使って本格的に火災を再現するのだ。自分の命を守るための訓練なのでこんなこと言うのは不謹慎かもしれないがかなりの臨場感が出る。
だが考えようによってはこの臨場感とスリル、リアル感こそが子供たちに本物の火災時を想定させるという狙いなのだろう。
そしていよいよ訓練の時間。
「火災です、火災です。すぐに外に避難してください。」
先生方のアナウンスとともに視聴覚室に煙が発生。僕たちはハンカチで口と鼻を抑えて玄関へと向かっていく。
だが煙を見た僕の第一印象はこうだった。

「なんかスポーツドリンクみたいな色だ…」
なんだそりゃ。確かにあの時の煙は白く濁った色をしていてスポーツドリンクっぽかったが。文章で色を伝えにくいのが申し訳ない。
だが誤解のないように言うが僕はきちんとこれを本物の火災だと思いながら真面目に訓練に取り組んだ。
いつも避難訓練の時は「本物の災害や火災だと思って取り組むように」と先生から言われている。もちろん今回とて例外ではない。
訓練には予告があるが、本物の火災や災害にはもちろんそれはない。訓練にまじめに取り組んでこそ自分の身を守れるのだ。
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