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おこぼれ話30 CAN YOU SPEAK ENGLISH?~シーズン2~
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3年生以降も年に1回ほどALTの先生による授業が行われた。毎年ALTの先生は変わる。この年来たのはアメリカ出身の女の先生だ。
その1~2週間ほど前から予習として英語の授業が行われた。といっても簡単なものだが。
A~Zの各アルファベットから始まる代表的な英単語を黒板に貼られたカードを使って覚えるというのが最初のほうの授業だ。
「A」から始まる単語として描かれてた単語のひとつが「アストロノーツ」すなわち宇宙飛行士なのだが、クラスメイトのケイちゃんには「安藤さん」と聞こえたらしくカードに描かれた宇宙飛行士のイラストを指さして「安藤さ~ん!」と言って盛り上がっていた。僕もその様子を見て当時のケロロ軍曹のOP曲「なんて素敵な土曜日」に出てきた「安藤さんと踊りましょう」というフレーズが頭をよぎり、そのフレーズを口ずさみながら爆笑していた。
その後、S藤先生との1対1の英会話の時間。先生が一人一人順番に「Do you like 〇〇?」と好きなものを聞いてくるので生徒は起立し、そのものが好きだったら「Yes I do」そうではなかったら「No I don't」と答えるのだ。
「〇〇」の部分で何を聞いてくるかは生徒ごとに異なり、先生が普段の生徒の様子から生徒の好きなものを予想し、聞いてくるのだ。
例えば野球をやってる子には「Do you like Baseball?」と聞いてきた。
そして当然僕にも番が回ってくる。S藤先生が僕に聞いてきたのは…
「Do you like Pink?」
…この質問をされた直後の僕の心の叫びは「ふざけるな!クラスの前で大恥かかせおって!ピンクはとっくの昔に卒業してんだよ!過去を蒸し返すな!」
確かに僕にはピンク好きの時代があったが(詳しくは幼稚園編の記録ノ10を参照)、この時点ではすでにそれを卒業して1年以上たっていた。S藤先生はその時代を知らないはずなのになぜ?と戸惑いもあった。他の生徒を通じて知ったという可能性もあるが。
いずれにしろ、この時の僕にとっては黒歴史なのだ。それを大勢の前でほじくり返してほしくなかったのだ。向こうも悪気があっていったわけではないのは今となっては十分承知だがこの当時の自分には怒りしかなかった。
質問の直後、僕はキレ気味で「No I don't」と返した。
それから1~2週間たってALTの先生が来る日。
今回の授業ではALTの先生への質問コーナーが設けられ、生徒が日本語で質問し、通訳担当のS藤先生がそれを英訳してALTに伝え、ALTの先生が英語で返答し、その後S藤先生が生徒たちに向けて質問の答えを日本語訳するという仕組みで行われた。
自分は英語はちんぷんかんぷんであるが、ALTの返答の中に紛れ込む知っている単語や固有名詞などを見つけ出し、なんとかS藤先生の翻訳の前に答えを理解しようとしていた。
例えば「好きな野球チーム」という質問には「レッドソックス」という単語が入ってたのですぐに答えがわかったし、「好きな魚」では「サーモン」という単語が聞こえたのですぐに答えがわかった。
ALTの先生の返答には義務教育で習わないような文法や単語だって普通に使われていたが、僕は「前後の文や単語で何とか意味を理解する」という攻略法をここで生み出した。
これが後の人生で役立った…かどうかは微妙だ…中学に入ってからは英語はできるときとできないときの差が激しかったから…
その1~2週間ほど前から予習として英語の授業が行われた。といっても簡単なものだが。
A~Zの各アルファベットから始まる代表的な英単語を黒板に貼られたカードを使って覚えるというのが最初のほうの授業だ。
「A」から始まる単語として描かれてた単語のひとつが「アストロノーツ」すなわち宇宙飛行士なのだが、クラスメイトのケイちゃんには「安藤さん」と聞こえたらしくカードに描かれた宇宙飛行士のイラストを指さして「安藤さ~ん!」と言って盛り上がっていた。僕もその様子を見て当時のケロロ軍曹のOP曲「なんて素敵な土曜日」に出てきた「安藤さんと踊りましょう」というフレーズが頭をよぎり、そのフレーズを口ずさみながら爆笑していた。
その後、S藤先生との1対1の英会話の時間。先生が一人一人順番に「Do you like 〇〇?」と好きなものを聞いてくるので生徒は起立し、そのものが好きだったら「Yes I do」そうではなかったら「No I don't」と答えるのだ。
「〇〇」の部分で何を聞いてくるかは生徒ごとに異なり、先生が普段の生徒の様子から生徒の好きなものを予想し、聞いてくるのだ。
例えば野球をやってる子には「Do you like Baseball?」と聞いてきた。
そして当然僕にも番が回ってくる。S藤先生が僕に聞いてきたのは…
「Do you like Pink?」
…この質問をされた直後の僕の心の叫びは「ふざけるな!クラスの前で大恥かかせおって!ピンクはとっくの昔に卒業してんだよ!過去を蒸し返すな!」
確かに僕にはピンク好きの時代があったが(詳しくは幼稚園編の記録ノ10を参照)、この時点ではすでにそれを卒業して1年以上たっていた。S藤先生はその時代を知らないはずなのになぜ?と戸惑いもあった。他の生徒を通じて知ったという可能性もあるが。
いずれにしろ、この時の僕にとっては黒歴史なのだ。それを大勢の前でほじくり返してほしくなかったのだ。向こうも悪気があっていったわけではないのは今となっては十分承知だがこの当時の自分には怒りしかなかった。
質問の直後、僕はキレ気味で「No I don't」と返した。
それから1~2週間たってALTの先生が来る日。
今回の授業ではALTの先生への質問コーナーが設けられ、生徒が日本語で質問し、通訳担当のS藤先生がそれを英訳してALTに伝え、ALTの先生が英語で返答し、その後S藤先生が生徒たちに向けて質問の答えを日本語訳するという仕組みで行われた。
自分は英語はちんぷんかんぷんであるが、ALTの返答の中に紛れ込む知っている単語や固有名詞などを見つけ出し、なんとかS藤先生の翻訳の前に答えを理解しようとしていた。
例えば「好きな野球チーム」という質問には「レッドソックス」という単語が入ってたのですぐに答えがわかったし、「好きな魚」では「サーモン」という単語が聞こえたのですぐに答えがわかった。
ALTの先生の返答には義務教育で習わないような文法や単語だって普通に使われていたが、僕は「前後の文や単語で何とか意味を理解する」という攻略法をここで生み出した。
これが後の人生で役立った…かどうかは微妙だ…中学に入ってからは英語はできるときとできないときの差が激しかったから…
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