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おこぼれ話13 スイートポテトでスイートな時間
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2年生の秋、僕たちは生活科の授業でスイートポテト作りを行うこととなった。
学校での調理実習はこれが初めてである。
先生曰く、トッピングを持ってきていいのことで、他にもトッピングを持ってくるという子もいたので、僕は前日にスーパーでカラースプレーやらアラザンやら苺パウダーやらを買ってきて持っていくことにした。
翌日、僕は自慢げにそれらのトッピングを班の仲間に見せた。みんなキラキラした目で見てくれていた。
そして実習の時間。トッピングを片手にいよいよ家庭科室へ…
しかしそのテーブルにはすでにカラースプレーが用意されていた。
どうやら先生曰く、「トッピングは学校側で用意していた」のこと。こちらの聞き間違いであった。
トッピングを持ってくると言ってた子も持ってきてなかった。
だが僕が持ってきたトッピングは使うことが許可された。感謝。
さっそく調理開始、といっても僕が活躍したのはトッピングの部分だけだが。
アラザンやチョコに苺パウダー…僕らの班のスイートポテトは僕のトッピングのおかげで他の班以上に華やかになった。
しかし僕はトッピングの小袋を縛る輪ゴムを忘れてしまった。
後片付け中、班の仲間から「リョーマのトッピングが袋でぐちゃぐちゃになってる」との知らせがあり、あわててみてみると、小袋からトッピングがこぼれて小袋を入れてたジップロックの中でてんやわんやになっていた。
小袋の扱いまでは頭が回ってなかった。こりゃ失敬。
完成したスイートポテトは給食時間にいただくことに。つまり我々は給食のメニューが1品増えるわけだ。
給食時間、いただきますの前にその日の日直がその日のメニューを読み上げるのだが、日直の人はメニュー表に書かれていない「スイートポテト」も読み上げなければならなかった。
日直の男女ふたりが交代交代で1品ずつ読み上げ、メニュー表のメニューをすべて読み上げた後、男子の日直がスイートポテトを読み上げる番…しかし彼はスイートポテトを読み上げることに気づかず、読み上げが終わったものと思っていたからか硬直していた。そもそも先生から「スイートポテトも読み上げるように」というアナウンスはなかったのだから仕方がない。
彼が固まっている間、クラス中に「がんばれー!」と彼の背中を押す声が響き渡る。そしてその数秒後…
「…スイートポテトです!」
…その瞬間、クラス中から拍手が沸き起こり、教室中が暖かな雰囲気に包まれた。
いまだかつて「スイートポテト」のフレーズでここまで人を暖かな気持ちで包んだことは我々人類の歴史上であっただろうか?まさにそんな感じだった。
さらにその日の帰りの会、班の仲間からトッピングを持ってきた僕に対して「ありがとう」の言葉が送られた。
教室でクラス全員が見守る中で感謝の言葉が大勢から送られるのは初めての経験だった。こちらもとても暖かい気持ちになった。
この日はクラス中がスイートポテトより甘く、そしてあたたかな気持ちに包まれた日であった。
学校での調理実習はこれが初めてである。
先生曰く、トッピングを持ってきていいのことで、他にもトッピングを持ってくるという子もいたので、僕は前日にスーパーでカラースプレーやらアラザンやら苺パウダーやらを買ってきて持っていくことにした。
翌日、僕は自慢げにそれらのトッピングを班の仲間に見せた。みんなキラキラした目で見てくれていた。
そして実習の時間。トッピングを片手にいよいよ家庭科室へ…
しかしそのテーブルにはすでにカラースプレーが用意されていた。
どうやら先生曰く、「トッピングは学校側で用意していた」のこと。こちらの聞き間違いであった。
トッピングを持ってくると言ってた子も持ってきてなかった。
だが僕が持ってきたトッピングは使うことが許可された。感謝。
さっそく調理開始、といっても僕が活躍したのはトッピングの部分だけだが。
アラザンやチョコに苺パウダー…僕らの班のスイートポテトは僕のトッピングのおかげで他の班以上に華やかになった。
しかし僕はトッピングの小袋を縛る輪ゴムを忘れてしまった。
後片付け中、班の仲間から「リョーマのトッピングが袋でぐちゃぐちゃになってる」との知らせがあり、あわててみてみると、小袋からトッピングがこぼれて小袋を入れてたジップロックの中でてんやわんやになっていた。
小袋の扱いまでは頭が回ってなかった。こりゃ失敬。
完成したスイートポテトは給食時間にいただくことに。つまり我々は給食のメニューが1品増えるわけだ。
給食時間、いただきますの前にその日の日直がその日のメニューを読み上げるのだが、日直の人はメニュー表に書かれていない「スイートポテト」も読み上げなければならなかった。
日直の男女ふたりが交代交代で1品ずつ読み上げ、メニュー表のメニューをすべて読み上げた後、男子の日直がスイートポテトを読み上げる番…しかし彼はスイートポテトを読み上げることに気づかず、読み上げが終わったものと思っていたからか硬直していた。そもそも先生から「スイートポテトも読み上げるように」というアナウンスはなかったのだから仕方がない。
彼が固まっている間、クラス中に「がんばれー!」と彼の背中を押す声が響き渡る。そしてその数秒後…
「…スイートポテトです!」
…その瞬間、クラス中から拍手が沸き起こり、教室中が暖かな雰囲気に包まれた。
いまだかつて「スイートポテト」のフレーズでここまで人を暖かな気持ちで包んだことは我々人類の歴史上であっただろうか?まさにそんな感じだった。
さらにその日の帰りの会、班の仲間からトッピングを持ってきた僕に対して「ありがとう」の言葉が送られた。
教室でクラス全員が見守る中で感謝の言葉が大勢から送られるのは初めての経験だった。こちらもとても暖かい気持ちになった。
この日はクラス中がスイートポテトより甘く、そしてあたたかな気持ちに包まれた日であった。
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