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記録ノ115 エプロン作りでああどんでん返し
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7月下旬、家庭科の授業にて夏休み明け直後に行われる修学旅行のとある行事で着用予定のエプロンの制作を行っていた。
エプロンは学校で用意されたカタログに書かれた中から好きなデザインをひとつ選び、それをミシンを使って授業で縫っていくのだ。授業で作れる期間は限られているので、授業時間で完成できなかった場合は休み時間を使って作ることも可能だ。
デザインにはガリガリ君やミズノなどの既存のキャラクターやブランド物や、ドラゴンなどが描かれたオリジナル系など様々なものがあった。
僕が選んだデザインは、黒・こげ茶系の色をベースに金色の狼と爪痕が描かれたいかにも男児ウケしそうなデザインだ。ガリガリ君も迷ったけどちょっと派手すぎるし他に選んでいる人もいなかったのでやめた。
一方この狼のデザインは僕と親しい人を含めて選んでいる人がかなりいた。
制作のほうであるが、僕は裁縫が超がつくほど苦手だ…というか家庭科自体が苦手だ。料理だって今でも得意料理がインスタントだ。
つまり進行も周りより遅かったのだ。ただでさえ苦手なのにエプロンという今までよりはるかに難易度が高いうえにデカいものを作らなければならないのだ。
5年生の時にはナップザックを作ったが、エプロンはそれより圧倒的に全長が長い。
結局、授業時間では完成しなかったので、後日休み時間に続きを作ることとなった。他にも授業時間中に完成しなかった人はいっぱいいるので恥ずかしいことではない。
それから数日後の中休み、僕はM上先生とともに家庭科室へ赴いた。
作りかけのエプロンが入ったダンボールの中から自分の作りかけの狼のエプロンを探すがすぐには見つからない…2分ぐらいたった後でようやくそれを見つけたが、見つかったエプロンは完成済みであった。
「アレ?オレまだ全然作りかけだったのに…」
そのエプロンを入れていた袋には名前が書かれてなかった。僕も自分のエプロン袋に名前を書いた記憶がない。
先生は「もしかしたら同じエプロンを選んだ子が間違えてリョーマのやつを作ってここに入れっぱなしにしたのかもしれない」と言い、他に狼のエプロンも見つからなかったため僕はすでに完成していたエプロンを使うことになった。
思わぬハプニングとはいえ手間が省けてめでたしめでたし…と、そんな浮かれ気分で教室に戻ろうとしたその時、M上先生に呼び止められる。
「リョーマ、〇〇さんがもうひとつ狼のエプロンを見つけたんだけどこれこそリョーマのじゃない?」
再び家庭科室に戻った僕。そこで見せられたのは時を同じくして家庭科室でエプロンを作っていた女子が別の段ボールから発見したもうひとつの狼のエプロン。案の定袋には名前がなかった
間違いない、この前半もギリギリ終わってないような進行具合、オレのだ。
しかし一度何者かに完成されたエプロンを使う気分になってた僕は結局エプロンを作る羽目になるのがイヤで先生にこう返した。
「それ絶対僕のじゃありませんよ、僕もうちょい進んでたと思いますし、縫い目の具合とか明らかに僕のじゃありません!」そういって僕は家庭科室を後にしようとした。
しかしその直後M上先生は「自分が楽したいからってウソついて逃げようとするな!せっかく見つけてくれた〇〇さんの思いを踏みにじることにもなるんだぞ!」とお怒りの言葉を発した。
「ごめんなさい…」
結局その後、先生や家庭科室にいた女子の手伝いもあり、残りの中休みで無事エプロンを完成させることができた。
一刀星リョーマ、どこまでも楽したい最低な生き物であった…
エプロンは学校で用意されたカタログに書かれた中から好きなデザインをひとつ選び、それをミシンを使って授業で縫っていくのだ。授業で作れる期間は限られているので、授業時間で完成できなかった場合は休み時間を使って作ることも可能だ。
デザインにはガリガリ君やミズノなどの既存のキャラクターやブランド物や、ドラゴンなどが描かれたオリジナル系など様々なものがあった。
僕が選んだデザインは、黒・こげ茶系の色をベースに金色の狼と爪痕が描かれたいかにも男児ウケしそうなデザインだ。ガリガリ君も迷ったけどちょっと派手すぎるし他に選んでいる人もいなかったのでやめた。
一方この狼のデザインは僕と親しい人を含めて選んでいる人がかなりいた。
制作のほうであるが、僕は裁縫が超がつくほど苦手だ…というか家庭科自体が苦手だ。料理だって今でも得意料理がインスタントだ。
つまり進行も周りより遅かったのだ。ただでさえ苦手なのにエプロンという今までよりはるかに難易度が高いうえにデカいものを作らなければならないのだ。
5年生の時にはナップザックを作ったが、エプロンはそれより圧倒的に全長が長い。
結局、授業時間では完成しなかったので、後日休み時間に続きを作ることとなった。他にも授業時間中に完成しなかった人はいっぱいいるので恥ずかしいことではない。
それから数日後の中休み、僕はM上先生とともに家庭科室へ赴いた。
作りかけのエプロンが入ったダンボールの中から自分の作りかけの狼のエプロンを探すがすぐには見つからない…2分ぐらいたった後でようやくそれを見つけたが、見つかったエプロンは完成済みであった。
「アレ?オレまだ全然作りかけだったのに…」
そのエプロンを入れていた袋には名前が書かれてなかった。僕も自分のエプロン袋に名前を書いた記憶がない。
先生は「もしかしたら同じエプロンを選んだ子が間違えてリョーマのやつを作ってここに入れっぱなしにしたのかもしれない」と言い、他に狼のエプロンも見つからなかったため僕はすでに完成していたエプロンを使うことになった。
思わぬハプニングとはいえ手間が省けてめでたしめでたし…と、そんな浮かれ気分で教室に戻ろうとしたその時、M上先生に呼び止められる。
「リョーマ、〇〇さんがもうひとつ狼のエプロンを見つけたんだけどこれこそリョーマのじゃない?」
再び家庭科室に戻った僕。そこで見せられたのは時を同じくして家庭科室でエプロンを作っていた女子が別の段ボールから発見したもうひとつの狼のエプロン。案の定袋には名前がなかった
間違いない、この前半もギリギリ終わってないような進行具合、オレのだ。
しかし一度何者かに完成されたエプロンを使う気分になってた僕は結局エプロンを作る羽目になるのがイヤで先生にこう返した。
「それ絶対僕のじゃありませんよ、僕もうちょい進んでたと思いますし、縫い目の具合とか明らかに僕のじゃありません!」そういって僕は家庭科室を後にしようとした。
しかしその直後M上先生は「自分が楽したいからってウソついて逃げようとするな!せっかく見つけてくれた〇〇さんの思いを踏みにじることにもなるんだぞ!」とお怒りの言葉を発した。
「ごめんなさい…」
結局その後、先生や家庭科室にいた女子の手伝いもあり、残りの中休みで無事エプロンを完成させることができた。
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