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記録ノ100 愛するあなたへ送る会
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2011年3月上旬、毎年恒例の6年生を送る会が行われた。
去年までの4年間、学年ごとに定められたゲームやら歌やらの出し物を頑張って6年生に感謝を伝えてきたが、今年は出し物だけではない。運営や司会進行などは我々5年生の役目。会の主役はもちろん6年生だが、作り手側の主役は我々5年生だ。6年生に喜んでもらうためにも責任をもって会を成功させねばならない。
まずは学年別の出し物。我々5年生の出し物は〇×クイズだ。
そのクイズコーナーは「6年生が1問でも間違えたらもう1年学校にいてもらう」という5年生代表者による衝撃のセリフ(もちろん台本だが)から始まる。僕は子供ごごろに「子供だましな展開だな…こんなんで6年生は満足せえへんやろ…」なんて思ったが、6年生の中にも「えっ!?」ってリアクションしてくれた(もちろん本心でなく自主的な演技だと思うが)人がいてなんか微笑ましくてほっとした。
そんなこんなでクイズスタート。問題は6年生の担任の先生に関する問題や、6年生が1年生の時の学芸会の劇、さらには3階(5・6年生の教室は3階)の水飲み場の蛇口の数といったマニアックな問題も出された。
一通りクイズを終えた後、5年生代表が「えっ!?間違えたって?それじゃあもう1年ここに…と思ったけど大好きな6年生のためにもう1問出します!」といって正真正銘最後の問題へ。
その問題は「この学校の名前は××小学校である。〇か×か。」と間違った学校名を読み上げ、6年生が全員×を出して「全員正解です!」という展開になると台本ではなっていた。
しかし「正解です!」を読み上げる生徒が本番数日前の練習で「もしわざと〇を出している人がいたらセリフをどうするか?」と先生に相談。〇を出している人がいたら「ほとんどの人が正解なのでOKです!」とのセリフとすることとなった。
しかしわざと間違える人はだれ一人おらず、台本通りに「全問正解です!」とコール。
こうして僕たちの学年出し物は成功に終わった。
ちなみに何年生か忘れたが、下の学年にもクイズを行った学年がいた。
こちらは6年生の小学校生活6年間の中に世の中で起きた出来事や流行に関するクイズで、問題の後には答えに合わせた歌を歌う(例えば崖の上のポニョに関する問題なら全員でポニョを歌う)など凝っていた。
学年別の出し物が終わった後は、ラストを飾るキャンドルセレモニー。
場内が暗転した後、6年生代表者がろうそく片手に「これは友情の火です…」というセリフから始まり、最後は5年生代表者数人が自分のろうそくに6年生代表数人から火をもらい、「意志が受け継がれていく」イメージが灯され、終了する。
このセレモニーは6年生の卒業だけでなく、我々5年生が4月から新6年生として学校をひっぱっていく意思の引継ぎ式でもある。「6年生を送る会」は「5年生が6年生になる準備をする会」ともある種言えるだろう。
いっつもこのセレモニーは「毎年一緒じゃん」なんて目でみて飽き飽きしていたが今回は自分たちが受け継ぐ側なので今までこのセレモニーを行ってきた先輩たちの重みを感じながら観ていた。
あのろうそくの火のように、4月からは自分たちが皆を暖かく包み、時に厳しく時にやさしく接する先輩になろう。
皆の中にはそんな思いがあったであろう。
こうして6年生を送る会は無事大成功に終わり、2週間後には卒業式。
6年生皆が明るい気持ちで未来への第一歩を踏み出し、ぼくらも新たな最高学年へ明るい気持ちで輝かしい新年度へ踏み出せる…はずだった。
送る会から約一週間後、日本中を悲しみが襲ったあの日がやってくる。
そう。3.11だ。北海道内も大きく揺れた…
次回からはこの3.11の話をしよう。
去年までの4年間、学年ごとに定められたゲームやら歌やらの出し物を頑張って6年生に感謝を伝えてきたが、今年は出し物だけではない。運営や司会進行などは我々5年生の役目。会の主役はもちろん6年生だが、作り手側の主役は我々5年生だ。6年生に喜んでもらうためにも責任をもって会を成功させねばならない。
まずは学年別の出し物。我々5年生の出し物は〇×クイズだ。
そのクイズコーナーは「6年生が1問でも間違えたらもう1年学校にいてもらう」という5年生代表者による衝撃のセリフ(もちろん台本だが)から始まる。僕は子供ごごろに「子供だましな展開だな…こんなんで6年生は満足せえへんやろ…」なんて思ったが、6年生の中にも「えっ!?」ってリアクションしてくれた(もちろん本心でなく自主的な演技だと思うが)人がいてなんか微笑ましくてほっとした。
そんなこんなでクイズスタート。問題は6年生の担任の先生に関する問題や、6年生が1年生の時の学芸会の劇、さらには3階(5・6年生の教室は3階)の水飲み場の蛇口の数といったマニアックな問題も出された。
一通りクイズを終えた後、5年生代表が「えっ!?間違えたって?それじゃあもう1年ここに…と思ったけど大好きな6年生のためにもう1問出します!」といって正真正銘最後の問題へ。
その問題は「この学校の名前は××小学校である。〇か×か。」と間違った学校名を読み上げ、6年生が全員×を出して「全員正解です!」という展開になると台本ではなっていた。
しかし「正解です!」を読み上げる生徒が本番数日前の練習で「もしわざと〇を出している人がいたらセリフをどうするか?」と先生に相談。〇を出している人がいたら「ほとんどの人が正解なのでOKです!」とのセリフとすることとなった。
しかしわざと間違える人はだれ一人おらず、台本通りに「全問正解です!」とコール。
こうして僕たちの学年出し物は成功に終わった。
ちなみに何年生か忘れたが、下の学年にもクイズを行った学年がいた。
こちらは6年生の小学校生活6年間の中に世の中で起きた出来事や流行に関するクイズで、問題の後には答えに合わせた歌を歌う(例えば崖の上のポニョに関する問題なら全員でポニョを歌う)など凝っていた。
学年別の出し物が終わった後は、ラストを飾るキャンドルセレモニー。
場内が暗転した後、6年生代表者がろうそく片手に「これは友情の火です…」というセリフから始まり、最後は5年生代表者数人が自分のろうそくに6年生代表数人から火をもらい、「意志が受け継がれていく」イメージが灯され、終了する。
このセレモニーは6年生の卒業だけでなく、我々5年生が4月から新6年生として学校をひっぱっていく意思の引継ぎ式でもある。「6年生を送る会」は「5年生が6年生になる準備をする会」ともある種言えるだろう。
いっつもこのセレモニーは「毎年一緒じゃん」なんて目でみて飽き飽きしていたが今回は自分たちが受け継ぐ側なので今までこのセレモニーを行ってきた先輩たちの重みを感じながら観ていた。
あのろうそくの火のように、4月からは自分たちが皆を暖かく包み、時に厳しく時にやさしく接する先輩になろう。
皆の中にはそんな思いがあったであろう。
こうして6年生を送る会は無事大成功に終わり、2週間後には卒業式。
6年生皆が明るい気持ちで未来への第一歩を踏み出し、ぼくらも新たな最高学年へ明るい気持ちで輝かしい新年度へ踏み出せる…はずだった。
送る会から約一週間後、日本中を悲しみが襲ったあの日がやってくる。
そう。3.11だ。北海道内も大きく揺れた…
次回からはこの3.11の話をしよう。
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