リョーマ伝~小学生編~

一刀星リョーマ

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記録ノ79 スライダーで滑り降りてく夏の終わり

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すでに夏休みが終わった8月下旬。毎年恒例のいとこのユウとハヤが今年も北海道にやってきた。
彼らは千葉在住なのでまだ夏休みは続いている。北海道の夏休みは短い。つくづく彼らがうらやましいと何度思ったことか。
今年は彼らと一緒にプールや温泉のあるホテルに日帰り入浴に行くことに。
ユウとハヤのお父さん(すなわち僕の叔父)が面倒係で、ユウとハヤ、もう一人の親戚の子、そして僕の計5人で行くことに。

このホテルには何度も日帰り入浴に訪れているが、やっぱり近い年齢の子と一緒に来るといつもとはまた違った雰囲気で楽しめる。
プール内は広い。メインのプールも湖かっ!てぐらい広いがさらにジャグジーやサウナ、水着のまま入れるフードコートなど充実している。
夏季限定の屋外プールもある。屋外プールも広くて満足。滝のような水が流れるエリアもある。
そしてプールの人気者ウォータースライダーもある。しかしこれは別料金だ。プール内で受付をしてチケット(リストバンド式。その日限り乗り放題)を購入する必要があるのだ。

ユウとハヤ、そしてもう一人の子は迷わず購入(叔父が払ってくれた)。しかし僕だけ買わなかった。
怖かったからだ。
前々回触れた別のプールのスライダーは低かったからまだ大丈夫だった。しかしここのスライダーは高くて屋根がついた薄暗いタイプだ。
前々回触れたプールにもこのタイプのスライダーはあった。だが僕は滑らなかった。そっちのタイプは怖かったからだ。
だから僕は皆がスライダーを楽しんでる間僕はその出口でみんなが滑り降りるのを待っていた。

昼ごはん前、僕はいとこたちにさんざん聞かれた。
「リョーマはスライダーやらないの?」と。
その質問攻めは昼ごはん時も続いた。
「ねえリョーマもスライダーやろうぜー?」
そして叔父も「リョーマ、みんながこういってんだからやらないか?」と一言。
この一言で僕は決心した。
「よし!オレも滑る!」

そして昼食後はさっそくスライダーの受付へ。
ここのスライダーは「ゴムボートに乗って滑るタイプ」と「生身で滑るタイプ」の2種類がある。
僕が最初に滑ったのはボートのほう。ボートは2人乗り可能で、ぼくはいとこたちと乗った。
いざ乗ってみると自分の予想していた恐怖感はほとんどなかった。少しはあったけどそれは自分の予想していたものよりははるかに小さい恐怖であった。楽しさと興奮のほうが勝ったのだ。
僕はその後何度も滑った。さっきまで恐怖してたのがウソのようだ。
それで生身のほうは…一回滑ってみたがこっちは恐怖が強かったので一回しか滑らなかった。

なんにせよ、僕はこの日一歩踏み出す勇気を少しは覚えた…かどうかはわからない。でもスライダーの恐怖は克服できたはずだ。
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