上 下
59 / 502

記録ノ59 トラウマの本棚

しおりを挟む
※今回、若干のいじめ描写があります

週一回、学校の図書室でクラス一人一冊ずつ本を借り、それを一週間学級文庫に置くということをM田先生が担任の時の2・4年生のころに行っていた。
僕は決まって同じシリーズの本を選んで借りていた。
学級文庫の時だけではない、普段図書室で本を借りるときも、夏休み・冬休み前の長期貸し出しの時も決まってそのシリーズを借りていた。
ただ、そのシリーズは大変人気のため、長期貸し出し時は一人三冊が借りられる中でそのシリーズは一人一冊という条件が付いていた。だから図鑑(本来は図書室内での閲覧のみで貸出禁止だが、長期休み時の貸し出しのみ貸し出しOK)とかも一緒に借りていた。
4年生の途中までは僕のその趣向に文句を言うものは誰一人としていなかったが、4年生の秋ごろから状況が一変する。

「リョーマ、お前それしか読まねえのかよ」
「やーい〇〇マニア~!」

…それまで当たり前にやっていたことを否定され、何より自分の好きなものを馬鹿にされたことはつらかった。
このことがトラウマとなり、以来僕は学校の図書室で図鑑以外の本を借りることはなくなった。
図書室で本を手に取ろうとしても「これはオレが読んでもいいのか…また馬鹿にされないか…」となってしまうのである。
このことが響いて、その年の冬休み前の長期貸し出し時には図鑑含め一切本を借りることができなかった。

図書室だけではない。本に限らずマンガやアニメなど自分の好きな作品を人に勧めることができなくなってしまったのである。(コロコロコミックの作品はクラス内にファンが多いので例外)
さらには自分の手で今まで読んだことのなかった新しいマンガなどに手を出すこともできなくなってしまった(これもコロコロ作品は例外)。
後者は中3で克服できたが、前者は高校生ぐらいまで引きずることとなる。

人間、好きなものと嫌いなものがあって当たり前だ。一人の人間がすべてのものを愛せないように、全世界の人間から愛される、嫌いな人がいない作品なんて存在しない。嫌いなものを無理に好きになれとは言わない。
だが誰だって好きなもののことを馬鹿にされたら辛いはずだ。そのことを頭に入れておいてほしい。
偉そうな口を叩ける立場ではないが…

…と、ここまで書いてみたが正直自分の人のこと言えない。そう、そんな僕にもこの当時好き嫌いがあった…
その話は次回。

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

💚催眠ハーレムとの日常 - マインドコントロールされた女性たちとの日常生活

XD
恋愛
誰からも拒絶される内気で不細工な少年エドクは、人の心を操り、催眠術と精神支配下に置く不思議な能力を手に入れる。彼はこの力を使って、夢の中でずっと欲しかったもの、彼がずっと愛してきた美しい女性たちのHAREMを作り上げる。

冴えない俺と美少女な彼女たちとの関係、複雑につき――― ~助けた小学生の姉たちはどうやらシスコンで、いつの間にかハーレム形成してました~

メディカルト
恋愛
「え……あの小学生のお姉さん……たち?」 俺、九十九恋は特筆して何か言えることもない普通の男子高校生だ。 学校からの帰り道、俺はスーパーの近くで泣く小学生の女の子を見つける。 その女の子は転んでしまったのか、怪我していた様子だったのですぐに応急処置を施したが、実は学校で有名な初風姉妹の末っ子とは知らずに―――。 少女への親切心がきっかけで始まる、コメディ系ハーレムストーリー。 ……どうやら彼は鈍感なようです。 ―――――――――――――――――――――――――――――― 【作者より】 九十九恋の『恋』が、恋愛の『恋』と間違える可能性があるので、彼のことを指すときは『レン』と表記しています。 また、R15は保険です。 毎朝20時投稿! 【3月14日 更新再開 詳細は近況ボードで】

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

小さなことから〜露出〜えみ〜

サイコロ
恋愛
私の露出… 毎日更新していこうと思います よろしくおねがいします 感想等お待ちしております 取り入れて欲しい内容なども 書いてくださいね よりみなさんにお近く 考えやすく

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

カクヨムでアカウント抹消されました。

たかつき
エッセイ・ノンフィクション
カクヨムでアカウント抹消された話。

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

昨日19万円失った話(実話)

アガサ棚
エッセイ・ノンフィクション
19万円を失った様とその後の奇行を記した物

処理中です...