リョーマ伝~小学生編~

一刀星リョーマ

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記録ノ58 意識高い友達のこと。

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あなたは小学生のころ、「あきらかに自分より上の年齢の人が読むような難しい本を好んで読む」、「目立つ役より目立たない役を好んでやりたがる」、「とにかく大人びた行動をとりたがる」といった「意識高い」クラスメイトはいただろうか?
もちろん何を好もうが考えようが個人の自由だが、僕のクラスにもこんな感じの友達がいた。「トモくん」である。
彼は幼稚園年少から僕とクラスメイトで、以来小4までずっとクラスメイトだ。

小2までは特に意識高い感じの行動は見られなかった。だが小3から少しずつ意識高い行動が見え始める。
3年生の学芸会の役決めである。王様に立候補した僕を含め、彼と親しい人間の多くが主役級の役を第一希望にする中、彼はセリフがひと言しかないナレーターの役(ナレーターとはいえちゃんと舞台に立ってセリフを読み上げる。複数人いてセリフは一人一言)であった。
彼がナレーターを第一希望にした理由は「セリフが少ない役のほうがいいから」というもの。
僕含め彼のまわりにいた友達は皆して首をかしげていた。
彼はこの時「セリフが少ない役のほうが負担が少ないからいい」という意味で言ったのだろう。皆、目立ちたいざかりの小3だから理解できないのも仕方ないか(ほかにもセリフが少ない役を第一希望にしてた子はいたけどね)。

4年生の秋ごろからは「朝、学校行く前におはスタじゃなくてニュース観てます」アピールをやたらしてくるようになる。
彼と親しい友達は僕含め、朝学校に行く前におはスタを観ていた。彼も例外ではなかったがこのころに突然おはスタ卒業宣言をし、「ガキっぽい番組よりニュースを観ているオレは大人です」的アピールをしてくるようになった。

しかし彼もイナズマイレブンなどのまわりではやっているゲームはやるし、上記のおはスタ卒業宣言後もコロコロコミックを変わらず読み続けるなど周りの友達と変わらないところもあった。
しかし僕はひとつ引っかかることがあった。
彼は「コロコロは禁止されていないのにクレヨンしんちゃんは禁止されている」ということである。

彼はある日まわりでクレしんの話題になった時に「自分は母親から”下品だから”という理由でクレしんを見ることを禁止されている」と公言した。
しかし彼はクレしんと同じぐらいか、見方によってはそれ以上に下品な漫画が何本も載っているコロコロを普通に読んでいる。
親に内緒ではない。親の公認を受け堂々とだ。
自分はこのことが疑問で仕方がなかった。
彼には5つ上の姉と、それより上(年齢差不明)の兄がいる。
おそらく兄や姉が幼いころにしんのすけのマネをして迷惑をかけたとか、そういうことがあってトモくん家ではクレしん禁止条例が発布されたのだろう。
恨むのはクレしんのみで他のお下品マンガは無問題とか?

誤解のないようもう一度言っておこう。
「何を好もうが考えようが個人の自由だ」と。
トモくんとはもめることもあったけど考えが違えども僕にとっては大事な友達のひとりだ。
長いことクラスを一緒にしてきたのだから。
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