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記録ノ44 大豆パーティ~手塩にかけた我が子をにがりに浸し、でも真の主役はポン酢~

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3年生が始まってから一年間、総合の時間で取り組んできたことがある。
大豆に関する調べものだ。
大豆に関することをいろいろ調べ、実際に学校の畑で大豆を育て、2月に育てた大豆を使って豆腐を作るのだ。

まずは5月ごろ、宿題として大豆が使われている料理を調べてきてと先生に言われた。
僕は両親などに聞いたりして調べた。
豆腐はもちろんのこと、納豆に煮豆さらにはみそやしょうゆ…大豆は米と同じぐらい日本人の食卓に欠かせない作物といっても過言ではないだろう。
そんな中、父は僕にこう提案した。
「湯葉って言えばみんなに物知りって自慢できるぞ。みんな答えないと思うから…」
僕はその言葉を信じて、発表の時に湯葉の名をあげようとした。」
しかしその翌日…

「それじゃあ、調べてきた人は手をあげてください!…じゃあまずは原子さん!」
「湯葉!」
「はい!確かに湯葉は大豆からできていますね!」
…湯葉をまさかの一発目で取られてしまった。
「オヤジイイイイイ!」…僕は心の中で叫んだ。
まあ、原子さんも同じ考えだったのだろう僕と。
結局、その後も名前が挙がったのは厚揚げなどのちょっとマニアック所ばかりで豆腐や納豆などのメジャー所は最後らへんになるまで名が上がることはなかった。

続いて身の回りにある食品の原材料を調べて、大豆が使われている製品のラベル等を集める宿題があった。
調べてみると意外なものにも大豆が使われていた。チョコボールにも確か含まれてて驚いた。大豆はやはり日本人の食生活と切っても離せない存在であることが見て取れる。

大豆を育てていく中でもいろんなことを知った。一番驚いたのはえだまめが大豆の若い時であるということだ。
育てていって、実がついた時に知ってみんな驚いていた。
同時期にある番組で自分より年上の人が大豆を栽培してるのを見てその人が「大豆育ててたのに枝豆できちゃった」
とコメントして共演者に枝豆は大豆の若い時と教えられるシーンを見て「そんなことも知らないの?大人なのに」と偉そうに思ったこともあったもんだ。

さて、秋に収穫した大豆はその後上記の通り2月に行われる豆腐作りの際の材料となる。
保護者の方も呼んでみんなでいただくその名も大豆パーティだ。
豆腐を作る過程で出るおからの触感が気に入った。それ以来一時時期マイブームになっていった。わずかな時期であるが。
おからは豆腐を作る過程で出るものであることをここで知った。おからという存在自体はケシカスくんで知った。漫画の知識って役に立つね。

完成した豆腐は冷ややっことしてポン酢でいただく。今まで冷ややっこをポン酢でいただいたことはなかった。というかポン酢そのものを口にしたこと自体ほとんどなかった。
しかしポン酢をかけた豆腐を食べた瞬間、僕はあまりのうまさに感動した。豆腐にではない、ポン酢にだ。
僕はあまりのうまさに自分の皿に残ったポン酢をなめた。もちろん先生に怒られたが。
それ以来僕は家で冷ややっこを食べるときはポン酢をかけることがほとんどになった。

僕がこの学習で一番学んだことは大豆の成長や用途、豆腐の作り方ではない。ポン酢のうまさだった。
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