リョーマ伝~小学生編~

一刀星リョーマ

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記録ノ41 私をスキー教室に連れてって

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冬休み、僕は母の誘いで12月27~30日、年末四日間のスキー教室に行くこととなった。
毎年3学期にはスキー学習がある。2年生までは学校のグラウンドに作られた雪山でのみ行われるが、3年生からはそれに加えてスキー場での学習が始まる。
そこで運動音痴でゲレンデでろくに滑ったことのない僕は本番を前にスキー教室に行ってしっかりゲレンデに慣れておこうという訳だ。
自分は自由な時間が無くなることを嫌い、習い事を絶対やりたくない人間だったが、スキーがうまくなりたい思いがあったこと、期間があらかじめ定められた短期間であることからこれには前向きであった。

スキー教室の日、まず僕は朝の六時に起きて食事し着替える。学校の日は6時40分起きなのでそれより圧倒的に早い。
その後まだ暗い街中を車で移動し、1時間ぐらいかけて集合場所の商業施設に到着。この教室を主催しているスポーツクラブがここに入っており、駐車場にはバスが待機している。まだ眠い中での移動はこの時点で過酷だった。
8時前後にバスは出発しゲレンデへ。9時からお昼ぐらいまでティーチングを受けた後はバスでお昼ごはん(クラブ側が発注した弁当)。そのあと夕方までまたティーチングだ。
まわりのメンバーは皆小1~小2ばかりで、ほとんど年下だ。
丸一日スキー漬けは習い事に慣れたことのない自分の体にはきついものがあり、弁当も疲れて全部は体に入りきらず毎回残してしまったが、それでもゲレンデでうまく滑れるようになりたい、少しでもクラスのみんなと平等にやりあえるようになりたいという思いから頑張ろうと思えた。

しかし嫌なこともあった、自分の担当の先生が厳しい人だったのである。
年を取った男の先生だったが、僕がメンバーの中で年長者という理由で僕がミスをしたりしたら少しきつめに言ってきた。「お前みんなより年上なんだから」などと。
僕が彼を苦手そうにしていたのはいろんなグループの様子を見て回ってた教室のリーダー先生も気づいてくれたらしく1日目終了後に「明日は別の先生に変えるからね」と言われた。

そして2日目からは別の若い女の先生が僕の担当となった。彼女は優しくて1日目より断然気持ちが楽になった。
まわりのメンバーの中でも特に下手だった僕は、先生からハの字を安定させる金具を板につけてもらい、徐々にコツをつかんでいった。

そして最終4日目の午後には検定が行われる。全日本スキー連盟の実技検定5級を受けるのだ。
4日間学んだことがしっかり体に身についていればたやすく合格できる。自分の中では検定とはいえ今までの教室の延長線上と考えて特別緊張はしなかった。
そして僕は無事に検定に合格。毎朝早起きで夕方まで疲れた体に鞭打ってつらいこともあったけど僕は乗り越えた。このスキー教室を。ただ滑れるようになりたくて。
教室が終わった瞬間、僕の心は今までにない達成感に満ち溢れた。

こうして僕のスキー教室は幕を閉じ、楽しい年越しを迎えられる…はずだった。
翌日大晦日、僕の体に悲劇が起きる!以下次回!
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