リョーマ伝~小学生編~

一刀星リョーマ

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記録ノ29 HABURARE ~メインキャラの悲劇~

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僕の通っていた小学校では毎年3月上旬の卒業式前のタイミングで「6年生を送る会」というイベントがある。
在校生が各学年ごとにゲームや合唱などを行い、6年生の卒業を祝うイベントだ。
僕たち2年生が行う出し物は「6年生と勝負だ!」という2年生VS6年生のゲーム対決だ。

ゲームに参加するのは2年、6年のそれぞれの代表メンバー(立候補制)。
僕はそちらには立候補しなかったが、ゲーム開始前後のスピーチに立候補した。
卒業式のスピーチと同じく台本があり、一人一言読み上げる形だ。
学年集会で最初に台本を学年全員に配った後、先生が読み上げたい人を挙手性で募ったのだが、皆が手をあげた直後に爆弾発言が…

「この読み上げは、学芸会で三蔵一行の役をやった人はできませーん!!」

…そう、前回言った悲劇とはこのことだ。僕は学芸会でメインの三蔵一行の沙悟浄をやったからスピーチを読み上げる権利が消失する形となってしまったのだ。
僕は心の中で思わず「手ェあげさせておいて~!」と怒り心頭だった。
同じく三蔵一行役だった他の手をあげたメンバーも声をそろえて「え~っ!?」という感じであった。

ぶちぎれて活火山となってしまった僕は台本のタイトルの「6年生と勝負だ!」を鉛筆で黒く塗りつぶし、その上に「先生を〇す(実際は伏字なし)」と書き換え、さらに本編中の一部のセリフも「先生〇ね(これも実際は伏字なし)」
と書き換えたりし、それを自分の近くに座っていた友達に見せて面白がっていた。自分としては大爆笑が取れるものと思っていたが、やはりというか友達は誰一人笑ってなかった。

このことは帰宅後、母にはひた隠しにしていたが、僕に台本をみせられた友達一人であるマスナガ君(この日わが家に遊びに来ていた)を通じて母の知ることとなり、当然しっかりお叱りを受ける羽目となった。

その翌日、僕の怒りが届いたわけでは決してないと思うが、スピーチの読み上げ役を再募集することとなり、三蔵一行役も立候補可能となった。
心の天気が昨日から続いていた噴火&災害規模の豪雨状態から一気に雲一つない青空へと変わっていった。
「先生を〇す」なんて書いたことが恥ずかしく、申し訳なく思って反省した。
そして再立候補の結果、僕はスピーチを読み上げることとなった。

なぜあの時三蔵一行役を対象外にしたのかは先生側のアナウンスがなかったため不明だ。
あくまでも僕の憶測だが、あの時は手をあげた人があまりにも多かったためいったん絞ろうと制限したのだろうと思う。
その後やっぱやめるって子が出て欠員がでたから再募集したのだと思われる。

こうして波乱の二年生もいよいよ終わりに近づき、中学年のスタートとなる3年生の足音が近づいてくる。
でも2年生編はもうちょっと続く。
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