23 / 504
記録ノ23 去りし者たちの記憶
しおりを挟む
2学期が始まってしばらくして、僕らのクラスに悲しいニュースが相次いだ。
転校だ。2学期中になんと3人のもクラスメイトが僕たちのクラスを去ることとなってしまった。
入学以来ずっと一緒だった仲間がいなくなってしまい、クラスには悲しいムードが漂い続けた。
今回はこの3人との思い出を語るとしよう。
1人目はリョータ、彼は一言でいうとやんちゃな問題児であった。
ズル休みの常習犯で、学校を休んだ日に普通に近所の公園で遊んでいる姿をクラスメイト達にたびたび目撃されていた。
そのことを聞いた先生からもクラス全員に「リョータ君が休んだ日に公園で遊んでいるのを見かけたら注意するように」と呼びかけたほどだった。僕も一度彼を注意したことがある。
クラスの集合写真を撮るときも彼がふざけて下を向いていたため、僕らのクラスだけ後日撮り直しとなった。
相変わらずズル休みするもんだからなかなか取り直しの機会も取れず先生も彼にはおかんむりであった。
そんな彼も決して悪いだけのヤツじゃない。
僕たちクラスメイトにコンビニでアイスをおごってくれたことがあったからだ。
それが彼との一番の思い出だ。子供だけでコンビニにはいるのも初めての経験だった。
そんな彼は3人の中で一番乗りでの転校。それも事前の連絡もなく突然の話だった。当然クラス中「えっ…」という感じだった。
転校が知らされるまでの数日間も彼はずる休みしていた。
2人目はミウ、彼女は僕と同じ幼稚園であったが、幼稚園の時は別のクラスであったため面識はなかった。僕も卒園アルバムを見返して同じ幼稚園だったことを知った。
彼女は作文で賞を取るほどの優等生だった。
彼女は僕と家が近く、よく僕の家に遊びに来てたし、僕も彼女の家に何回か足を運んでいる。
彼女が欠席したとき、彼女の家にプリントを届けたこともある。
彼女が僕の家に来た時僕の家にあるとある漫画を好んで読んでいた。
それは何かというと「でんぢゃらすじーさん」だ。
作文で賞を取るような優等生女子があのうんこちんこのオンパレードの漫画を見て大爆笑していた。
そのことを知った僕の父は僕に「女の子にじーさんを読ませるとは何事だ」と怒った(本気で怒ったわけじゃないが)が、彼女自ら読んだと事情を説明して誤解を解いた。
彼女の家での思い出は、彼女の部屋の家庭用スクリーンでしんちゃんの映画を見たことである。
3人目はカリン。3人の中では一番親しく、一番よく遊んだ。
例の焼肉パーティにも参加している。
彼女は年数回の土曜参観や終業式などの特別な日にはよくチャイナドレス姿で登校していた。
その姿を見た僕たち男子数人からは「アブチャン」とからかわれていた。
ご存じのない方のために説明すると「アブチャン」は当時の人気番組「はねるのトびら」の名物コーナー「回転SUSHI」において北陽の虻ちゃんが演じていたチャイナドレス姿のキャラである。
当時の僕たちにとってチャイナドレス=アブチャンであった。
もちろん女子たちはそのたびに僕ら男子を怒っていた。
彼女は3人の中で最後に転校していったが、転校の話が最初に出たのは7月ごろ。
3人の中で一番乗りの発表であった。
3人目のカリンが転校したのが10月上旬。
クラスにしばらく喪失感が漂い続けるが、1か月に明るいニュースが舞い込んでくる。
その話は次回…
転校だ。2学期中になんと3人のもクラスメイトが僕たちのクラスを去ることとなってしまった。
入学以来ずっと一緒だった仲間がいなくなってしまい、クラスには悲しいムードが漂い続けた。
今回はこの3人との思い出を語るとしよう。
1人目はリョータ、彼は一言でいうとやんちゃな問題児であった。
ズル休みの常習犯で、学校を休んだ日に普通に近所の公園で遊んでいる姿をクラスメイト達にたびたび目撃されていた。
そのことを聞いた先生からもクラス全員に「リョータ君が休んだ日に公園で遊んでいるのを見かけたら注意するように」と呼びかけたほどだった。僕も一度彼を注意したことがある。
クラスの集合写真を撮るときも彼がふざけて下を向いていたため、僕らのクラスだけ後日撮り直しとなった。
相変わらずズル休みするもんだからなかなか取り直しの機会も取れず先生も彼にはおかんむりであった。
そんな彼も決して悪いだけのヤツじゃない。
僕たちクラスメイトにコンビニでアイスをおごってくれたことがあったからだ。
それが彼との一番の思い出だ。子供だけでコンビニにはいるのも初めての経験だった。
そんな彼は3人の中で一番乗りでの転校。それも事前の連絡もなく突然の話だった。当然クラス中「えっ…」という感じだった。
転校が知らされるまでの数日間も彼はずる休みしていた。
2人目はミウ、彼女は僕と同じ幼稚園であったが、幼稚園の時は別のクラスであったため面識はなかった。僕も卒園アルバムを見返して同じ幼稚園だったことを知った。
彼女は作文で賞を取るほどの優等生だった。
彼女は僕と家が近く、よく僕の家に遊びに来てたし、僕も彼女の家に何回か足を運んでいる。
彼女が欠席したとき、彼女の家にプリントを届けたこともある。
彼女が僕の家に来た時僕の家にあるとある漫画を好んで読んでいた。
それは何かというと「でんぢゃらすじーさん」だ。
作文で賞を取るような優等生女子があのうんこちんこのオンパレードの漫画を見て大爆笑していた。
そのことを知った僕の父は僕に「女の子にじーさんを読ませるとは何事だ」と怒った(本気で怒ったわけじゃないが)が、彼女自ら読んだと事情を説明して誤解を解いた。
彼女の家での思い出は、彼女の部屋の家庭用スクリーンでしんちゃんの映画を見たことである。
3人目はカリン。3人の中では一番親しく、一番よく遊んだ。
例の焼肉パーティにも参加している。
彼女は年数回の土曜参観や終業式などの特別な日にはよくチャイナドレス姿で登校していた。
その姿を見た僕たち男子数人からは「アブチャン」とからかわれていた。
ご存じのない方のために説明すると「アブチャン」は当時の人気番組「はねるのトびら」の名物コーナー「回転SUSHI」において北陽の虻ちゃんが演じていたチャイナドレス姿のキャラである。
当時の僕たちにとってチャイナドレス=アブチャンであった。
もちろん女子たちはそのたびに僕ら男子を怒っていた。
彼女は3人の中で最後に転校していったが、転校の話が最初に出たのは7月ごろ。
3人の中で一番乗りの発表であった。
3人目のカリンが転校したのが10月上旬。
クラスにしばらく喪失感が漂い続けるが、1か月に明るいニュースが舞い込んでくる。
その話は次回…
0
お気に入りに追加
0
あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【Vtuberさん向け】1人用フリー台本置き場《ネタ系/5分以内》
小熊井つん
大衆娯楽
Vtuberさん向けフリー台本置き場です
◆使用報告等不要ですのでどなたでもご自由にどうぞ
◆コメントで利用報告していただけた場合は聞きに行きます!
◆クレジット表記は任意です
※クレジット表記しない場合はフリー台本であることを明記してください
【ご利用にあたっての注意事項】
⭕️OK
・収益化済みのチャンネルまたは配信での使用
※ファンボックスや有料会員限定配信等『金銭の支払いをしないと視聴できないコンテンツ』での使用は不可
✖️禁止事項
・二次配布
・自作発言
・大幅なセリフ改変
・こちらの台本を使用したボイスデータの販売

会社の上司の妻との禁断の関係に溺れた男の物語
六角
恋愛
日本の大都市で働くサラリーマンが、偶然出会った上司の妻に一目惚れしてしまう。彼女に強く引き寄せられるように、彼女との禁断の関係に溺れていく。しかし、会社に知られてしまい、別れを余儀なくされる。彼女との別れに苦しみ、彼女を忘れることができずにいる。彼女との関係は、運命的なものであり、彼女との愛は一生忘れることができない。

クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる