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記録ノ18 大乱戦焼肉ブラザーズ~食べ盛りのキミたちへ、ニクニクパラダイス~

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2年生の5月下旬某日、我が家の庭で父の会社の人を呼んで焼肉パーティをすることとなった。
その日は平日であったが父の会社が休業日だったため午後より開催。
母からは「その日は友達から家に行ってもいい?って聞かれても断るように」と言われた。

そして当日。教室に入った直後さっそく友達のリュウくんから「今日オマエんち行ってもいい?」って言われた。
そして僕は自慢も兼ねて「今日はウチで焼肉やるからダメ」と断った。
すると彼は「いいな~オレも焼肉食いてぇな…」とポロリ。
母に怒られるのを承知で僕は「わかった!来てもいいよ!責任はオレがとる!」と彼が家に来ることを許可。
すると彼の口から、我が家の焼肉の話が焼肉の煙のようにクラス中に広がっていった。
「今日リョーマん家で焼肉やるって!」「リョーマの家で焼肉パーティだって…」


そして問題の放課後、僕が帰宅するとすでに焼肉は始まっていた。
家路につき、庭から漂う炭火の香り…一日勉強を頑張った自分へのご褒美のように感じた。
家の中にランドセルを置いて、さっそく肉をいただく僕。
「リョーマくん、いま学校で何勉強してんだ?」「きょうの給食何だった?」
「今日は漢字のテストをやりました!今日の給食はラーメンでした!」
肉を囲めば、知らないおじさん達(誤解のないように言うと、父の仕事仲間)に話しかけられても緊張せずに話せる。焼肉にはそんな不思議な力があるイベントだ。

そんなムードの中、ついに彼がやってきた。
「ようリョーマ!もう始まってたか焼肉!」
第一陣はリュウ、僕の帰宅から5分後ぐらいの到着であった。
「リョーマ!呼んじゃダメって言ったでしょ!」
もちろん母からみっちり怒られた。焼肉中は楽しい雰囲気を守るため軽めのお叱りだったけど…
それにしても”第一陣”?そう、我が家に来たのはリュウだけじゃない。

「おっ!リョーマ盛り上がってるんじゃんか!」「うまそうな肉じゃん!」
リュウの到着からわずか1~2分後、第二陣の中のいい男子2人が到着。
しかし彼らだけでは終わらない…その後も数分に1~2人ペースでクラスメイト達がやってくる。
「お邪魔しまーす!」「リョーマくんのお母さんごちそうになります!」
一人、また一人と増えていく子供たち…軽めに怒っていた母もだんだん開いた口が塞がらない状態になっていた。
我が家の常連友達から、数回しか我が家に来たことない子、さらには初めて我が家にくる子までいろいろ入り混じった結果、クラスの半分、しかも男子に至ってはクラスほぼ全員(1名だけ来なかった)がこの日我が家を訪れるという結果となった(女子は二人来た)。
この光景を見た近所に住んでいる隣のクラスの男子(焼肉には参加せず。なお彼は3年生で僕とクラスメイトに)も「1組男子ほぼ全員きてるー!」と驚きを隠せなかった様子であった。
食べざかりの子供たちは大人たちの分も肉を一枚、また一枚とほおばっていく。

本来なら我が家と父の仕事仲間でワイワイやろうね!ってパーティのはずが、クラスメイトの登場で、大人たちはあまり肉を食べられず…今となっては申し訳ないことをした…
ちなみに父曰くあるクラスメイトは肉を食べたそうな顔でまだ皿に肉が残ってた父の仕事仲間の一人に「無理して食べなくていいんだよ」と肉を催促するニュアンスで言うと、仕事仲間の方は「ち、違う!」と慌てたという…

なんにせよ、焼肉は人をつなぐ魔法を持っている、僕はそう思う。
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