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記録ノ13 嵐の幼小交流

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僕の通っていた小学校には1年生秋の恒例のイベント「幼小交流」なるものが存在する。
これは学校の近所の幼稚園(僕の通っていた幼稚園とは別)の園児たちと遊ぶというもの。すなわち”幼”稚園と”小”学校の交流だから”幼小交流”なのだ。
幼小交流は2回行われ、1回目は園児側が僕の学校に遊びに来て、2回目は逆に僕たちが幼稚園に遊びに行く。

幼小交流では僕たち小学生側が3人1組となって園児たちの相手をする。どんな遊びをするのか、何をしたら園児たちは喜んでくれるのか、など自分たちで考えてやることを決めるのだ。
ここで僕たち小学生側が求められていたのは”お兄さん・お姉さんとしての素質”であった。
正直僕にはそれがわからなかった。
園児たちが何が好きかとかわからなかったし、お兄さんといっても僕は一人っ子だからアニキとは何かなんてわかりゃしなかった。

1回目の時も正直ほとんどボーっとしていた。何をすべきかわからなかったから。
時々班の仲間に指摘されればほかの班員のみようみまねで園児たちの世話をした。
でも控えめだった。派手目にやって失敗すればかえってみんなの迷惑になってしまうと思ったから。
正直言って幼小交流は個人的に楽しいとは言えないものであった。

それから約2週間後に2回目の幼小交流の日を迎えた…のだがその日は雨雲に覆われ人生でこんな暗い朝の空みたこたねぇよ!ってくらい空は真っ暗、雷が落ちるほどの大雨、絵に描いたような悪天候であった。
休みになるレベルの悪天候であったが休みにはならなかった。
教室に入った直後、班の仲間の女子から「リョーマくん、これじゃあ幼小交流中止だね…」と声をかけられた。
僕はその瞬間すぐさま「やったー!」と声をかけた。つまらない幼小交流が大雨でつぶれて嬉しかったのだ。
悪天候の中学校まで来たかいがあったと思った。
もちろん女子からは「”やったー”じゃない!!」って怒られたのだが。

その後朝の会で先生の口から幼小交流の中止ではなく”延期”が発表された。
延期でもうれしかった。嫌いなイベントが伸びるのだから。

それから数日後、日を改めて幼小交流2回目は開催された。
僕はというと…1回目とだいたい同じであった。
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