リョーマ伝～小学生編～

記録ノ5 REDorWHITE～運動会の変～

６月、小学生生活最初の運動会が始まる。
幼稚園の頃の運動会は秋だったが、小学校は5月下旬～6月初頭に行われる。
幼稚園の運動会は赤組と白組という概念はなく、団体競技はクラスごとに1チームでやって優勝クラスは決めずワイワイやる感じであったが、小学校は赤組と白組に分かれ、優勝チームもしっかりきまる。
同じクラスの仲間同士でもバチバチになる（あくまでも僕がそう思っているだけ）真剣勝負の場となるのだ。

そして組み分けは運動会の1ヵ月前に配られたプリントで発表された。僕のチームは赤組だ。
なんとなく赤組になりたかったのでうれしかった。

しかし翌日の体育の授業で行われたチームごとの練習で事件が起きる。
赤組と白組に分かれて練習するため、僕は赤組のところに集まったのだがなぜかクラスの白組の女子に「リョーマくんは白組でしょ」とつまみ出されて白組のところに連れてかれてしまう。

翌日も、その次の日も、僕が赤組に集まろうとするたびにその女子につまみ出されて白組に連れていかれた。
どうやら彼女は自分の母を通じて僕が白組というデマを伝えらえてたらしい。
あまりにしつこく感じたので僕は先生を通じて彼女に抗議した。
先生は彼女に「リョーマくんは赤組って保護者の方にも連絡済みですよ」と弁明してくれたが、女子のほうは「でも私のお母さんからは白組って聞いたよ」と言い返した。
結局先生はそのことに何も言い返さなかった。

その後も僕は赤組に行こうとするたびに彼女につまみ出される羽目になるのだが、そのことに対して先生はなんの文句も言わなくなった。
僕も次第に「もうどーでもいいや」という気持ちになり、結局次第に「自分は白組」として受け入れ練習に参加するようになり本番は白組として参加した。

この事件がきっかけではないと思うが、翌年からチーム分けは1組が白、2組が赤という感じにクラスごとに所属チームが統一されるようになる（小5～小6あたりでまたクラスの中で赤と白に分かれるようになる）のだがそれはまた別の話…

なんにせよ、僕をつまみ出した彼女には悪気はなかったのだ。単なる勘違いだったのだ。
あの当時は心の底で彼女を恨んでいたが今はそのことを深く反省している。