スパルタ上司と甘くとろけるチョコレートキス

散りぬるを

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 ひくつく入り口を舌全体を使って舐め上げられ、ジュルル、と音を立てて啜られた。入り口から花芽までを何往復も激しく舐められる。
 いちいち「イく」なんて宣言していられないほど、甘く鋭い刺激に翻弄された。

「君のここ、チョコレートよりずっと美味しいよ?」
「そんなわけない、ですっ」
「本当。ずっと舐めていたいくらいだ」

 米山部長は、わたしの太ももに頬擦りしながら官能的な声をもらす。
 妖艶な流し目を向けられると、触れられてもいない肌がゾクゾクと感じた。
 ――この上司、エロ過ぎる。

「んうぅ……会社とキャラが変わり過ぎですよ」
「言ったでしょ。会社にいる時の俺とプライベートの俺は違うって。それに今は、君の上司じゃなくて、好きな人に溺れるただの男だよ」

 舌を伸ばして花芽をくすぐられ、#膣_なか__#を指で擦られた。
 溢れ出る声を懸命に抑えるけれど、抑えようとすればするほど敏感になって、耐えられなくなる。

「ねぇ、指増えたの気付いてる? って、それどころじゃないか。もう充分かな。最後に指でもイッておこうか」
「ンアアッ――」

 意識がぼんやりとするなか、米山部長が衣服を脱ぐ気配がした。
 天井から視線をずらして米山部長を見る。
 引き締まった身体に、がっしりとした肩と腕。そして、硬く反り立つものに、顔が熱くなった。
 見過ぎ、と苦笑する米山部長は手早く避妊具を装着し、わたしの脚の間に入ってきた。

「いい?」

 硬くなった昂りを擦り付けながら、優しく尋ねられた。
 こくん、と頷くと、米山部長はゆっくりと体重をかけながらわたしのナカに入ってきた。

「んっ、う……」
「大丈夫? 一度抜く?」
「嫌です、抜かないでください……」

 押し広げられていく圧迫感に苦しさを覚える。
 こういう行為があまりにも久しぶりで、力の抜き方を忘れてしまっていた。
 懸命に深呼吸をしてリラックスしようとするけれど、身体は強張ったままだった。

「焦らないで。時間はたっぷりあるんだから」

 米山部長はわたしの耳元でそう囁くと、耳朶じだを甘噛みし、チロチロと舐め始めた。
 舌を動かされるたびに聞こえる濡れた音と、息遣いが直に触れて、苦しかった下腹部がまた疼きだす。

「んっ、ふあっ」
「耳も弱いんだ? んっ、はぁ……急に腰を押し付けたらダメだよ……ほらまた。おねだりされてるって思って良いのかな」

 熱い昂りが、ズズズ……と押し込まれていく。
 耳への激しい愛撫を受け、無意識に腰が揺れた。その度に、昂りを奥へ、奥へと押し進められた。

「全部入ったよ、分かる?」
「ん、ふぅ……わかんない、けど、苦しいです」
「もうすこし馴染むまで、こうしていようか」

 言い終わるなり唇を奪われて、意識がぼうっとして、とろけそうになる。大きな背中に手を回して、優しく撫でる。しっとりとした肌を手のひらで感じながら、指先で硬い筋をなぞった。

「はぁ、好きだよ……紗和……、ずっと好きだった」

 唐突に名前で呼ばれて、胸の奥が甘くときめいた。

「誰よりも、愛しいって思ってるよ。君のこと、誰にも渡したくない」
「んっ、あっ」

 腰が小刻みに揺れ始める。なかいっぱいに硬い昂りを感じて、苦しさと同時に気持ち良さに襲われる。
 二人が繋がるところからは卑猥な音が立ち続け、わたしが感じるほどに音が大きくなっていった。

「可愛いよ、紗和……とろけた顔も、甘い声も、揺れる胸も、いやらしい音を立てるココも、全部が可愛い」
「やっ、激しいっ……あぁっ!」

 耳元で繰り返し「好き」と「可愛い」を囁かれながら、奥をズンズンと突き上げられる。
 前戯で感度を高められたせいで、あっという間に二回連続で達した。
 ぐったりとして呼吸を繰り返すだけのわたしを、米山部長はうつ伏せになるよう転がして、今度は後ろから身体を重ねた。
 寝ながら後ろから奥を突かれて、先ほどとは違う快感に責め立てられる。

「あぁっ、これダメッ、すぐイッちゃう!」
「耳、舐めながら擦ってあげるよ」
「ンァアア!」

 思考が、溶ける。
 なにも考えられなくなって、ただ与えられる快感を追うだけになってしまった。
 これ以上感じるのが怖い、だけど、やめないでほしい。
 苦しかったことすら忘れるほど、米山部長の昂りになかが馴染んで、もっともっととねだる。

「そろそろ、俺も……出していい?」
「うんっ……めちゃくちゃにしてっ、乱暴に腰振って出してっ……」
「はぁっ、ははっ……そういうのが好きなの? 良いよ、お望み通り」

 ――犯してあげる。

 耳に強く押しつけられた唇。
 欲情にまみれた低く甘い囁き。
 腰を持ち上げられ、膝立ちで後ろから犯される。
 パンパンと肉がぶつかり合う音と、激しく乱れた息と声が部屋に響いた。

「出すよ、紗和。君の奥にっ」
「あぁぁあ!!」

 避妊具を着けていることも忘れ、なか出しされている想像をして派手に達した。
 上司に身体中を貪り尽くされた――そんな余韻に浸って、身体の中も外もビクビクと痙攣した。
 米山部長はわたしの中からアレを引き抜いて、後始末をすると、わたしを仰向けにして抱き締めた。

「大丈夫?」

 わたしはこくりと頷き返して、深く息をついた。

「激しかった……です……」
「ごめん。君がたくさん感じてくれるから、暴走してしまったよ。すごく可愛くて、理性も何もかもなくなってた。……もしかして、引いた?」
「ふふっ、そんなことないです。むしろ、感情的な部長を見られて嬉し、んっ」

 チュッと唇を塞がれた。
 何事かと目を瞬くと、米山部長は柔らかく微笑んだ。

「プライベートでは、名前で呼んでほしい」
「……そんな急に……」
「できない? そっか、君にはまだ早かったか」

 よしよしと頭を撫でられて、仕方ないかと残念そうにため息をつかれる。

「なっ、名前くらい余裕で呼べますよ! 将彦さん、将彦さん、将彦さん! ほら!」
「……ふっ、あははっ。やっぱりその顔が一番好きだな、俺」

 しまった。いつもの癖でドヤ顔が……。
 恥ずかしさから将彦さんの肩に顔を押し付けた。
 そうしてじゃれあって、軽いキスを続けて、また見つめ合う。
 たった数時間で、こんなにも関係が変わるとは思わなかった。
 バレンタインデーに便乗してお礼のチョコレートを用意しなかったら、こんな関係になることはなかっただろう。

「これからは、恋人としてよろしくお願いします。もちろん、引き続き部下としても、よろしくお願いします」
「こちらこそ。上司としてだけじゃなく、恋人としても君をそばで守るよ」

 惹かれ合うように、唇が深く重なる。
 バレンタインデーの甘い夜は、まだまだ終わりそうになかった。
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