乱交パーティ会場のワケあり清掃員は、メガネ紳士に恋をする。

散りぬるを

文字の大きさ
上 下
8 / 9

嫉妬

しおりを挟む
 ここでようやく乙津さんが服を脱いだ。たくましい体つきで、うっすらと割れた腹筋が見える。その下の、反り立ったものが先走りに濡れていた。
 手早くゴムをつけて、私の脚の間に入ってきた。

「部屋の温度は大丈夫ですか? 寒くない?」

 硬いソレを割れ目にこすりつけながら訊かれる。
 早く挿れて欲しくて仕方がない。
 私は曖昧に頷いて、夢中でソレをなかへと導いた。

「はぁ、一度挿れたら止めてあげられませんからね」
「いいっ、いいからっ」

 押し拡がる感覚と圧迫感に震え、乙津さんのソレを逃すものかと締め付ける。
 今日まで処女じゃなくて良かった、感じなくてもセックスをやっといて良かったと心から思う。

「あ……はぁ……あー、乙津さんの、気持ち、いい……」

 乙津さんが丁寧にほぐしてくれたおかげか、久しぶりの挿入にも関わらず、痛みもなくすんなり奥へ入っていった。
 乙津さんの首を引き寄せぎゅっと抱き締める。

「はぁ……ほんとに気持ちいい……」

 口が寂しく感じ、乙津さんの耳を舐めてしゃぶった。

「んっ、梢さん、あまり俺をあおらないでください。動くのを我慢しているんですから」
「動いてください、あむっ、たくさん動いて」
「ダメですよ。慣れるまで、ゆっくり」

 耳責めに乙津さんが感じてくれている。
 吐き出す息が甘くて、低くかすれていた。
 乙津さんとのキスは気持ちよくて、腰を前後に揺さぶられるのも堪らなく快くて、なぜか涙が溢れた。

「梢さん?」
「乙津さん、気持ちいい?」
「すごく気持ちがいいですよ。梢さんとなら、何度でもしたいって思ってます」
「気を遣ってませんか……?」
「まさか。俺だって楽しんでますよ。今までの男なんか忘れて、俺だけを見てください」

 乙津さんは「つまらない」なんて思っても口にはしないだろう。けど、心から気持ち良かったって思ってもらいたい。乙津さんにだけは、失望されたくない。
 なにかしなくちゃと心が焦りだす。これが良くないのだと分かっているのに、相手を満足させなくちゃとスイッチが入ってしまう。

「梢さん、余計なこと考えてますね?」
「えっ」
「俺はね、梢さんが感じてくれるだけで気持ちが良いんですよ」
「乙津さん……」

 優しい言葉に胸の奥がじんと熱くなった。
 のに、乙津さんの瞳が怪しく光ったのを見て、急に嫌な予感がしてくる。

「あの、乙津さん?」
「だいぶ俺のに馴染んできましたね。そろそろ、激しく動いても良さそうだ」

 乙津さんが妖艶な笑みを浮かべて、腰を引いた。
 初めはゆっくり前後に大きく動かして、徐々に小刻みに激しく奥を責め立ててくる。

「あっ、乙津さっ、アァッ!」
「梢さん、俺のでたくさん中イキしましょうね? あぁ、イッても止めてあげませんから。俺に抱かれながら他の男を思い出した罰ですよ。俺、こう見えて嫉妬深いんです。あー、もうキツく締まってきた。ほら、はじめての中イキですよ。可愛い顔を見せてくださいねっ」
「ひアッ――」

 ズンと一突きされて、何かがぶわっと溢れて弾けた。快感が強すぎて声が出ない。
 シーツを強く握って奥歯を噛み締め、鋭い快感が突き抜けて消えると、ようやく息ができた。
 けれど、またすぐに奥を揺さぶられて、次の快楽に犯される。

「乙津さんっ、待って! まだっ」
「俺を満足させなきゃって思ってくれたんでしょ? 俺はただ、その気持ちに応えているだけですよ」
「ダメッ、イクッ、アァーー! はぁ、はぁ、はぁ……えっ、ちょっ、待って、やだやだやだ!」
「言ったでしょう、梢さんが感じてくれているだけで、俺も気持ち良いって。だから、もっと可愛いイキ顔を見せて俺を満足させてくださいね?」
「やだっ、も、感じたくないーー!」
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

ヤクザの若頭は、年の離れた婚約者が可愛くて仕方がない

絹乃
恋愛
ヤクザの若頭の花隈(はなくま)には、婚約者がいる。十七歳下の少女で組長の一人娘である月葉(つきは)だ。保護者代わりの花隈は月葉のことをとても可愛がっているが、もちろん恋ではない。強面ヤクザと年の離れたお嬢さまの、恋に発展する前の、もどかしくドキドキするお話。

暴君幼なじみは逃がしてくれない~囚われ愛は深く濃く

なかな悠桃
恋愛
暴君な溺愛幼なじみに振り回される女の子のお話。 ※誤字脱字はご了承くださいm(__)m

危険な残業

詩織
恋愛
いつも残業の多い奈津美。そこにある人が現れいつもの残業でなくなる

スパルタ上司と甘くとろけるチョコレートキス

散りぬるを
恋愛
2月14日バレンタインデー。その日、大園紗和(26)は朝から頭を悩ませていた。 物腰柔らかな口調とは裏腹に、妥協を許さないスパルタ上司ーー米山将彦(34)にチョコを渡すかどうかで。 それは「日頃のお礼として」用意したチョコだったのだが、米山に対して苦手意識を持つ紗和は、昼休みになっても渡せずにいた。しかし、ふいに訪れた2人きりの時間。そしてまさかの、米山からの告白。 会社では見せることのない米山の意外な一面に、紗和はドキドキしてしまって……? 最初から最後まで甘い、バレンタインデーをテーマにした短編です。 ※ムーンライトノベルズからの転載です。

若社長な旦那様は欲望に正直~新妻が可愛すぎて仕事が手につかない~

雪宮凛
恋愛
「来週からしばらく、在宅ワークをすることになった」 夕食時、突如告げられた夫の言葉に驚く静香。だけど、大好きな旦那様のために、少しでも良い仕事環境を整えようと奮闘する。 そんな健気な妻の姿を目の当たりにした夫の至は、仕事中にも関わらずムラムラしてしまい――。 全3話 ※タグにご注意ください/ムーンライトノベルズより転載

鬼上官と、深夜のオフィス

99
恋愛
「このままでは女としての潤いがないまま、生涯を終えてしまうのではないか。」 間もなく30歳となる私は、そんな焦燥感に駆られて婚活アプリを使ってデートの約束を取り付けた。 けれどある日の残業中、アプリを操作しているところを会社の同僚の「鬼上官」こと佐久間君に見られてしまい……? 「婚活アプリで相手を探すくらいだったら、俺を相手にすりゃいい話じゃないですか。」 鬼上官な同僚に翻弄される、深夜のオフィスでの出来事。 ※性的な事柄をモチーフとしていますが その描写は薄いです。

一夜の男

詩織
恋愛
ドラマとかの出来事かと思ってた。 まさか自分にもこんなことが起きるとは... そして相手の顔を見ることなく逃げたので、知ってる人かも全く知らない人かもわからない。

パート先の店長に

Rollman
恋愛
パート先の店長に。

処理中です...