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最終章 勇者として
レベリング
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一応は装備を整えた五人。かといって彼女たちは全員が後衛職である。無骨な鎧を着込んだ者は一人として存在しない。
「マジか……。フレアさんでも呼ぶべきかな……」
諒太以外は風魔法の使い手ロークアットに氷魔法がメインのセリス。加えてミーナは治癒士であり、ソラもまた支援役であった。
前衛が一人に後衛が四人。しかも支援役が二人もいるなんて馬鹿げたパーティーである。
「セイクリッド神のお告げじゃなぁ……」
もう少しバランスの良いパーティーを予見してくれないかと諒太は嘆息している。さりとて未来は決まっているのだ。この四人を育て上げ、ルイナーに対抗しなければならなかった。
「場所はエクシアーノの北東にある森だ。基本的に四人は見学だけでいい。俺が魔物を倒す様子を見ているだけだな」
諒太の説明にロークアットたちは揃って眉根を寄せた。レベルアップとは自ら戦った末に成されるもの。ソラを除いた三人にはそういう認識があった。
「皆様、マスターの話を信頼してください。ワタシも一緒にいるだけでレベルが70を超えましたし。何なら空を飛んでいただけでしたね」
ソラの話に頷く三人。まるで意味が分からなかったけれど、実際に一緒にいるだけでレベルが上がったというソラに納得するしかなかった。
「とりあえず、パーティー申請をした。全員、俺と一緒に戦うことを承諾してくれ」
パーティー申請は既に済ませている。あとは個人個人が受諾すれば問題なし。また諒太の要請には立ち所に応答があり、全員が速やかにパーティーメンバーとなっている。
時間を惜しむように諒太が出発すると、四人もまた同じように歩く。
「リョウ様、また転移魔法を見せてくださいまし!」
ロークアットがそういうも、生憎と諒太は目的地に行ったことがない。
「この前、堪能しただろ? 俺は行ったことのある場所にしか飛んで行けん。目的地は狩り場にした経験がないからな……」
借金返済に奔走していた折、聖王国のギルドで幾つか依頼をこなしていたけれど、エクシアーノから北側は基本的に何もなく、依頼の内容は基本的に南部であったのだ。
「残念です。皆様にも体験していただきたく存じますのに……」
「まあ帰りはひとっ飛びだ。面倒なのは往路だけだな」
諒太たちは雑談をしながら、エクシアーノの北東を目指す。目的を告げることなく、ロークアットたちを森林へと連れてきていた。
踏み入る前に諒太が四人に向けて話を始める。
「ここで超ハピルという魔物を倒す。しかし、俺には問題があってな。運に左右されることが何よりも苦手だ。幸運値が100を超えている人は?」
諒太が問いかける。このミッションで重要なのは幸運値が全てだ。オツの洞窟におけるハピルも諒太は一匹しかエンカウントしていない。ならば幸運値に秀でた者が先頭を歩き、超ハピルをおびき出すという算段である。
諒太の問いには三人が手を挙げた。ロークアットにセリス。更にはミーナが高々と手を挙げている。
「ならば幸運値150を超えるものは?」
徐々に振り落としていくつもりだった。しかし、残ったのはロークアットだけ。セリスとミーナは幸運値が150に満たないのだと判明している。
「じゃあ、ロークアットが先頭を歩いてくれ。魔物が現れたなら、俺が討伐するから」
「了解しました……」
諒太が先頭を歩いたところで、幸運値を必要とする魔物が湧くとは思えない。であれば、諒太が二番手を行き、エンカウントしたところで入れ替わる。超ハピル祭りというイベント中であっても、諒太ならば外ればかりを引くはずなのだ。
しばらく森を進むと、進行方向から木の枝が折れるような音が届く。
「リョウ様!?」
「お疲れ。どうやら当たりを引いたみたいだ……」
生まれつき幸運だというロークアットは早速と超ハピルを引き当てたらしい。不死王の霊薬をドロップさせたときと変わらず、彼女は今も幸運に愛されているようだ。
茂みの中から現れたのは巨大なひよこ。ハピルをそのまま大きくしただけのようにも感じる魔物であった。
【超ハピル】
【竜種・Lv120】
【物理】強
【火】強
【水】強
【風】強
【土】強
【氷】強
【雷】強
夏美曰くLv100以上推奨との話。確か彼女は堅いと口にしていた。あらゆるジョブで討伐は可能となっているようだが、全ての面で耐性が高く設定されている。
「なるほどな。てかレベルは俺と変わらんくらいだが、ナツたちのレベリングには不向きじゃないのか?」
基本的に経験値は自身よりも強い魔物の方が多い。自身のレベルを下回ってしまえば極端に経験値は下がってしまう。
「まあでも、あいつらが狩ってるんだ。無駄なことをするメンバーじゃねぇな」
恐らくは最大レベルの150まで有効な魔物であるはずだ。レベルに比例しない一定の経験値がもらえるのだと思う。
「ロークアットは下がってろ。あとは俺がやる」
念のため大盾を出し、三人を守ってくれと話してから、諒太は超ハピルの前へと歩む。
「マスター、ワタシは若鶏のもも焼きが食べたいです!」
割と格好をつけていた諒太。雰囲気をぶち壊すような変態従魔の声に足を止めてしまう。
「ソラ、魔物は倒せば消える。それにこのヒヨコはこれでも竜種だぞ?」
「ええ? 焼き鳥にしましょうよ! マスターの獄炎攻めで丸焼きです!」
尚も焼き鳥を要求するソラに薄い視線を向けてから、諒太は土竜叩きを構えた。好戦的ではないと聞いていた通りに、超ハピルは攻撃をしかけないことには戦闘状態とならないのかもしれない。
「こないのなら、こっちから行くか……」
諒太は殴りかかる。堅いと聞いていたけれど、打撃スキルを上げるのには最適だ。この先も土竜叩きを使用するならば、ここでスキルレベルを50程度に上げておきたいところ。
「ピー!!」
何とも可愛らしい声で鳴く。大きさを除外すれば、見た目は完全なヒヨコ。それを殴りつけるには多大な精神力が必要であった。けれど、諒太は感情を押し殺し、超ハピルをタコ殴りにしていく。打撃スキルと全員のレベリングを成し遂げなければならなかった。
戦闘が始まり、諒太は殴り続けている。超ハピルも攻撃してくるけれど、モーションは大きく油断さえしなければ全ての攻撃が簡単に避けられていた。
「ナツも通話中だったが、堅いとしか言ってなかったな。てか、これはレベル100以下でも上手いプレイヤーなら討伐できるんじゃ?」
基本的にクチバシで突くような攻撃しかしてこない。時間さえかければ低レベル討伐も可能だと思う。何しろ的は大きく、そこまで俊敏値が高くない諒太でも圧倒できたのだ。
殴るたびに打撃スキルが上昇している。それに比例して攻撃力が増しているはずだ。しかし、幾ら殴りつけても上位攻撃が繰り出される様子はなく、今もまだ超ハピルは隙だらけのクチバシ攻撃を繰り出すだけだ。
「もう打撃スキルは30だぞ? ひょっとして滅茶苦茶な体力値なんじゃ?」
そうとしか思えない。この先に強攻撃と猛攻撃が控えているのだから、弱攻撃しかしてこない現状から容易に察することができた。
「ピー!!」
「マスター、良い感じです! 雛鳥をトゲトゲで殴りつけ、蹂躙するなんて素晴らしい。弱者相手にも容赦しないドS中のドSですね!」
「るせぇよ! こいつは竜種だっていっただろ!?」
ソラからすれば応援であったものの、諒太にとっては罪悪感が増すばかりだ。
確かに蹂躙している。殴りつけるたび声を上げる超ハピルに、諒太は心を痛めていた。
「ピー! ピー!」
そんな折り、いつもと違う反応があった。ここまでは一度鳴くだけであった超ハピルが二度鳴いている。ここから強攻撃が始まるのかもしれない。
「おっしゃ、いくぜ!」
「マスター待ってください!!」
土竜叩きを振りかぶった直後、ソラが諒太を制止する。また良からぬ話かと思えば、彼女は意外な話を口にしていた。
「ヒヨコがテイムを要求しています!!」
唖然とする諒太。強攻撃が繰り出されるのかと思いきや、超ハピルの反応はテイムの要求らしい。
「本当か? ソラはこいつと意思疎通できるのか?」
「嘘など言いませんよ! ほら、既に頭を下げているでしょう?」
言われてみると、確かに超ハピルは頭を下げて、地面に伏すような格好である。これがテイムの要求であれば、ソラの話は真実なのだろう。
「しっかし、俺たちはレベリングに来たんだぞ?」
「じゃあ、無慈悲に殴り殺してくださいまし!」
確かにソラが話す通りだ。諒太は抵抗すらしなくなったヒヨコを殴り続けなければならない。
どうしようかと考えたものの、流石に気が引ける。とりあえずはテイムしてみて、次回以降は適度に殴りつけてからインフェルノで始末しようと思う。
ひれ伏す超ハピルに近付き、
「テイム!」
諒太はソラにしたようにテイマースキルを実行する。すると超ハピルが輝きだし、直ぐさま脳裏へと通知が届いた。
『リョウは超ハピルのテイムに成功しました』
あまり意味がないように思えたけれど、罪悪感には勝てなかった。無抵抗のヒヨコに殴りかかる精神力を諒太は持っていないのだ。
「マスター、名前を付けましょう! 【やきとり】なんてどうですか!?」
「竜種だと言っただろうが……。却下だ!」
早速と名前を提案するソラであったが、彼女は今も焼き鳥が食べたいだけだ。真剣に考えているとは思えない。
「やきとり良いじゃないですか? それとも【エムドレイ】にしますか?」
「お前が考える名前はろくなもんじゃねぇな!?」
「エムドレイにしましょうよ! 何だかマスターのドSランクが上がった感じがして、ワタシも鼻が高いです!」
ここには高貴な女性が三人もいたというのに、ソラはオブラートに包むことなく、怪しげな話を続けている。
「ああもう、やきとりで良いよ! やきとりに決定だ!」
エムドレイと名付けるくらいなら、やきとりにすべきだ。軽蔑の眼差しを美女たちから向けられることを考えれば、竜種にやきとりと名付けるくらいは許容内である。
「おお、やきとり! 美味しく焼けると良いですね!」
「食べねぇからな?」
はしゃぐソラに構わず、諒太はやきとりのステータスチェック。一応は仲間なのだから、使える場面があるかもしれないと。
【やきとり】
【幸竜種・Lv120】
【ランク】★★★★
【ATK】95
【VIT】200
【DEF】150
【INT】5
【AGI】60
【スキル】コンパニオン
【備考】テイム中(リョウ)
何とAランクの魔物であった。お馬鹿であるのはともかく、レベルとランクに相応しいステータスを持っている。
「コンパニオンって何だ……?」
ここで諒太は気になるスキルを発見している。コンパニオンと聞けば色気のあるお姉さんのイメージだが、恐らくは異なる意味があるはずだ。
「リョウ様、本当にテイムされたのですか?」
遠巻きに見ていたロークアットが諒太に近付き、疑問を口にする。既に立ち上がって諒太にピタリと身体を寄せる様を見れば明らかであったというのに。
「成功したらしい。こいつはコンパニオンってスキルを持っているんだが、どういうスキルなのか知っているか?」
ロークアットは首を振ったけれど、諒太の問いにはセリスが手を挙げている。
「リョウ、コンパニオンは仲間を呼ぶスキルです。非常に厄介なスキルで軍隊アリなど単体では弱い魔物の自衛手段ですね」
冒険者の経験があるというセリス。彼女は諒太の問いに答えを持っていた。
コンパニオンとは仲間を呼ぶスキルであるらしい。先ほどは使う間もなく蹂躙されたということだろうか。
「マスター、それならやきとりに仲間を呼ばせたらどうです? のこのことやって来た脳天気でお馬鹿なヒヨコ共を一網打尽にできます!」
「お前は毒ばかり吐くな!?」
即座にツッコミを入れたものの、確かに悪くない提案である。思考が悪そのものであったけれど、元よりここにはレベリングに来たのだ。超ハピルたちに情けをかける場合ではない。
「やきとり、仲間を呼べるか?」
「ピー!」
諒太の問いかけが分かったのか、やきとりは羽をバタバタとさせている。どうやら諒太の望み通りにしてくれる感じだ。
「親友たちが沢山いるそうです……」
「訳さなくていいから!」
親友たちと聞けば更なる罪悪感がある。しかし、ここは心を鬼にすべきだ。
「やきとり、呼んでくれ……」
「マスター、素敵です! やきとりの目の前で親友を焼き鳥にしてしまうだなんて! そのあとテイムを解いて、やきとり自身も獄炎で焼かれてしまうのですね?」
「お前は黙っててくれないか?」
一々、心の痛いところを突いてくるソラ。諒太は彼女を睨みながらも、やきとりに仲間を呼ぶように伝えている。
「ピピー!!」
鬱蒼とした森に、やきとりの鳴き声が響く。
すると静まり返った森に木々がへし折れる音が近付いてきた。
「マジか……」
現れたのは五匹の超ハピルであった。正直に先ほどの戦闘で仲間を呼んでいたとすれば、苦戦していたかもしれない。諒太一人で倒しきるのは困難であったことだろう。
例によって例のごとく、超ハピルは攻撃を仕掛けないことには戦闘状態に移行しないようだ。各々に羽の毛繕いをしたりして、平穏そのものである。
「さあ奴隷たちよ、覚悟しなさい! ドSキング様に焼かれるが良いです! マスターの血肉となり、死に絶えるがいいです!」
どうにもソラは興奮しているようだ。諒太のエスっ気を彼女は望んでいる感じだ。
言われた通りにするのは癪であったが、殴りつけて倒すのはやめておく。推奨レベルが100以上なのだ。ロークアットたちの方に流れてしまっては彼女たちが危険である。更なる友人を呼ぶ可能性もあることから、強大範囲魔法で殲滅すべきであろう。
「奈落に燻る不浄なる炎よ……幾重にも重なり烈火となれ……」
インフェルノを選択。五匹程度であれば巨大なヒヨコであろうとも、飲み込めるだろう。セシリィ女王陛下から大量のMP回復ポーションをいただいたことだし、遠慮せずに撃ち込むだけだ。
「き、きたー! マスターによる地獄焼きの時間ですぅ! 拷問が始まりますぅ!」
はしゃぐソラを無視して諒太は詠唱を続ける。一撃で倒せない可能性もあるにはあったけれど、その場合は無詠唱のファイアーストームを撃てるだけ撃ち込むつもりだ。
「インフェルノォォ!!」
一瞬のあと、眼前にそびえ立つ炎の柱。瞬く間に五匹の超ハピルは獄炎に飲み込まれてしまう。
「ピー!」「ピー!」「ピー!」
この鳴き声は故意に設定されているはず。プレイヤーに心痛を与えるその鳴き声は獄炎の中でも響いていた。
諒太はファイアーストームを40発用意している。生き残る超ハピルがいるのなら、透かさず撃ち放ってやろうと。
程なくインフェルノが消失。しかし、レベルアップの通知がない。だとすれば超ハピルは耐性と体力値任せで生き残ったのだと思われる。
「ファイアーストーム!!」
諒太が撃ち放つや、背後から声が届く。
「INTバフです!」
「アイスニードル!!」
「エターナルブレス!!」
何と三人が追撃を加えてくれた。諒太にとって初めてのパーティープレイである。
ミーナのバフ魔法から、ロークアットとセリスのAランク攻撃魔法。ファイアーストームはBランクであったから、彼女たちのAランク魔法は追撃として相応しいものだ。
全てが着弾している。辺りには濛々と土煙が立ち籠めていた。正直にどうなっているのか分からなかったものの、視覚よりも聴覚によって諒太は現状を理解することになった。
『リョウはLv130になりました』
鳴り響く通知音。諒太は一瞬にしてレベルが11上がっていた。追撃の必要はあったけれど、労力を考慮しても十分な成果である。
今もまだ脳裏に通知音が響いていた。言わずもがな、それはパーティーメンバーのレベルアップ通知だ。
『ロークアットはLv105となりました』
『セリスはLv109となりました』
『ミーナはLv109となりました』
『ソラはLv100となりました』
『やきとりはLv130となりました』
レベルが低かったロークアットとソラは大幅にレベルアップを遂げている。やきとりもまた諒太と同じレベル130。このことから低レベルほど多くもらえる仕様は変わらないけれど、恐らくは超ハピルのレベルより高くなったとして、そこまで経験値が減ることはないと予想できた。
「これは捗るな……」
「マスター、ワタシはヒールを習得できました!」
レベルが100になったことで、ソラは新たな魔法を覚えたらしい。ヒールはキュアの上位魔法であり、回復ポーション一本分の回復量がある。
「信じられません。レベルが25も上がるなんて……」
ロークアットは呆然と自身のステータスを眺めていた。これまでウンともスンとも言わなかったレベルがここに来て25も上昇するなんてと。
「リョウさま、これは一体どういうことなのでしょう?」
流石にミーナが問いを投げる。彼女はこれまで世界を渡り歩いて来たのだ。その折に何度も魔物と戦ったことだろう。しかし、上限の90に達したミーナは一つですら上がらなかったはず。
「まあ簡単にいえば世界の理が変わったんだ。セイクリッド神がそう話していた」
口にしたのは嘘であるけれど、彼女たちが納得するには女神のせいにするしかない。ゲーム世界の変更点が同質化したなんて口が裂けてもいえなかった。
「リョウ、驚きました。私がまだ強くなれるだなんて……」
「君たちにはレベル150を目指してもらう。この分ならそんなに時間はかからないだろう。ルイナーの攻撃に耐えられるくらいまで成長してくれ」
三人ともが頷いていた。強遺伝子を持つ自分たちの使命を諒太に聞いたのだ。セイクリッド神が見たという未来に自分たちがいたという話。ルイナー討伐の決戦に参加していることを。
「やきとり、貴方は良い子ですねぇ。クッキーあげますので、もっとお友達を呼んでいただけますか?」
「ピー!」
ソラがやきとりを餌付けしている。味をしめたのか彼女は更なる仲間を呼ぶようにと急かしていた。
「ソラは本当に鬼畜だな……」
嘆息するしかないが、ここはソラの考えに乗っておくべきだ。幾らでも仲間を呼べるのであれば、安全にレベル上げがこなせるというもの。
こうなってくると、やきとりの賢さが最低レベルなのは助かっている。今し方の惨状を見たというのに、クッキー程度で親友を呼んでくれるのだから……。
兎にも角にも、レベリングは考えていたよりも効果が得られそうだ。諒太は現状に満足することなく超ハピルを狩り続けようと考えていた……。
「マジか……。フレアさんでも呼ぶべきかな……」
諒太以外は風魔法の使い手ロークアットに氷魔法がメインのセリス。加えてミーナは治癒士であり、ソラもまた支援役であった。
前衛が一人に後衛が四人。しかも支援役が二人もいるなんて馬鹿げたパーティーである。
「セイクリッド神のお告げじゃなぁ……」
もう少しバランスの良いパーティーを予見してくれないかと諒太は嘆息している。さりとて未来は決まっているのだ。この四人を育て上げ、ルイナーに対抗しなければならなかった。
「場所はエクシアーノの北東にある森だ。基本的に四人は見学だけでいい。俺が魔物を倒す様子を見ているだけだな」
諒太の説明にロークアットたちは揃って眉根を寄せた。レベルアップとは自ら戦った末に成されるもの。ソラを除いた三人にはそういう認識があった。
「皆様、マスターの話を信頼してください。ワタシも一緒にいるだけでレベルが70を超えましたし。何なら空を飛んでいただけでしたね」
ソラの話に頷く三人。まるで意味が分からなかったけれど、実際に一緒にいるだけでレベルが上がったというソラに納得するしかなかった。
「とりあえず、パーティー申請をした。全員、俺と一緒に戦うことを承諾してくれ」
パーティー申請は既に済ませている。あとは個人個人が受諾すれば問題なし。また諒太の要請には立ち所に応答があり、全員が速やかにパーティーメンバーとなっている。
時間を惜しむように諒太が出発すると、四人もまた同じように歩く。
「リョウ様、また転移魔法を見せてくださいまし!」
ロークアットがそういうも、生憎と諒太は目的地に行ったことがない。
「この前、堪能しただろ? 俺は行ったことのある場所にしか飛んで行けん。目的地は狩り場にした経験がないからな……」
借金返済に奔走していた折、聖王国のギルドで幾つか依頼をこなしていたけれど、エクシアーノから北側は基本的に何もなく、依頼の内容は基本的に南部であったのだ。
「残念です。皆様にも体験していただきたく存じますのに……」
「まあ帰りはひとっ飛びだ。面倒なのは往路だけだな」
諒太たちは雑談をしながら、エクシアーノの北東を目指す。目的を告げることなく、ロークアットたちを森林へと連れてきていた。
踏み入る前に諒太が四人に向けて話を始める。
「ここで超ハピルという魔物を倒す。しかし、俺には問題があってな。運に左右されることが何よりも苦手だ。幸運値が100を超えている人は?」
諒太が問いかける。このミッションで重要なのは幸運値が全てだ。オツの洞窟におけるハピルも諒太は一匹しかエンカウントしていない。ならば幸運値に秀でた者が先頭を歩き、超ハピルをおびき出すという算段である。
諒太の問いには三人が手を挙げた。ロークアットにセリス。更にはミーナが高々と手を挙げている。
「ならば幸運値150を超えるものは?」
徐々に振り落としていくつもりだった。しかし、残ったのはロークアットだけ。セリスとミーナは幸運値が150に満たないのだと判明している。
「じゃあ、ロークアットが先頭を歩いてくれ。魔物が現れたなら、俺が討伐するから」
「了解しました……」
諒太が先頭を歩いたところで、幸運値を必要とする魔物が湧くとは思えない。であれば、諒太が二番手を行き、エンカウントしたところで入れ替わる。超ハピル祭りというイベント中であっても、諒太ならば外ればかりを引くはずなのだ。
しばらく森を進むと、進行方向から木の枝が折れるような音が届く。
「リョウ様!?」
「お疲れ。どうやら当たりを引いたみたいだ……」
生まれつき幸運だというロークアットは早速と超ハピルを引き当てたらしい。不死王の霊薬をドロップさせたときと変わらず、彼女は今も幸運に愛されているようだ。
茂みの中から現れたのは巨大なひよこ。ハピルをそのまま大きくしただけのようにも感じる魔物であった。
【超ハピル】
【竜種・Lv120】
【物理】強
【火】強
【水】強
【風】強
【土】強
【氷】強
【雷】強
夏美曰くLv100以上推奨との話。確か彼女は堅いと口にしていた。あらゆるジョブで討伐は可能となっているようだが、全ての面で耐性が高く設定されている。
「なるほどな。てかレベルは俺と変わらんくらいだが、ナツたちのレベリングには不向きじゃないのか?」
基本的に経験値は自身よりも強い魔物の方が多い。自身のレベルを下回ってしまえば極端に経験値は下がってしまう。
「まあでも、あいつらが狩ってるんだ。無駄なことをするメンバーじゃねぇな」
恐らくは最大レベルの150まで有効な魔物であるはずだ。レベルに比例しない一定の経験値がもらえるのだと思う。
「ロークアットは下がってろ。あとは俺がやる」
念のため大盾を出し、三人を守ってくれと話してから、諒太は超ハピルの前へと歩む。
「マスター、ワタシは若鶏のもも焼きが食べたいです!」
割と格好をつけていた諒太。雰囲気をぶち壊すような変態従魔の声に足を止めてしまう。
「ソラ、魔物は倒せば消える。それにこのヒヨコはこれでも竜種だぞ?」
「ええ? 焼き鳥にしましょうよ! マスターの獄炎攻めで丸焼きです!」
尚も焼き鳥を要求するソラに薄い視線を向けてから、諒太は土竜叩きを構えた。好戦的ではないと聞いていた通りに、超ハピルは攻撃をしかけないことには戦闘状態とならないのかもしれない。
「こないのなら、こっちから行くか……」
諒太は殴りかかる。堅いと聞いていたけれど、打撃スキルを上げるのには最適だ。この先も土竜叩きを使用するならば、ここでスキルレベルを50程度に上げておきたいところ。
「ピー!!」
何とも可愛らしい声で鳴く。大きさを除外すれば、見た目は完全なヒヨコ。それを殴りつけるには多大な精神力が必要であった。けれど、諒太は感情を押し殺し、超ハピルをタコ殴りにしていく。打撃スキルと全員のレベリングを成し遂げなければならなかった。
戦闘が始まり、諒太は殴り続けている。超ハピルも攻撃してくるけれど、モーションは大きく油断さえしなければ全ての攻撃が簡単に避けられていた。
「ナツも通話中だったが、堅いとしか言ってなかったな。てか、これはレベル100以下でも上手いプレイヤーなら討伐できるんじゃ?」
基本的にクチバシで突くような攻撃しかしてこない。時間さえかければ低レベル討伐も可能だと思う。何しろ的は大きく、そこまで俊敏値が高くない諒太でも圧倒できたのだ。
殴るたびに打撃スキルが上昇している。それに比例して攻撃力が増しているはずだ。しかし、幾ら殴りつけても上位攻撃が繰り出される様子はなく、今もまだ超ハピルは隙だらけのクチバシ攻撃を繰り出すだけだ。
「もう打撃スキルは30だぞ? ひょっとして滅茶苦茶な体力値なんじゃ?」
そうとしか思えない。この先に強攻撃と猛攻撃が控えているのだから、弱攻撃しかしてこない現状から容易に察することができた。
「ピー!!」
「マスター、良い感じです! 雛鳥をトゲトゲで殴りつけ、蹂躙するなんて素晴らしい。弱者相手にも容赦しないドS中のドSですね!」
「るせぇよ! こいつは竜種だっていっただろ!?」
ソラからすれば応援であったものの、諒太にとっては罪悪感が増すばかりだ。
確かに蹂躙している。殴りつけるたび声を上げる超ハピルに、諒太は心を痛めていた。
「ピー! ピー!」
そんな折り、いつもと違う反応があった。ここまでは一度鳴くだけであった超ハピルが二度鳴いている。ここから強攻撃が始まるのかもしれない。
「おっしゃ、いくぜ!」
「マスター待ってください!!」
土竜叩きを振りかぶった直後、ソラが諒太を制止する。また良からぬ話かと思えば、彼女は意外な話を口にしていた。
「ヒヨコがテイムを要求しています!!」
唖然とする諒太。強攻撃が繰り出されるのかと思いきや、超ハピルの反応はテイムの要求らしい。
「本当か? ソラはこいつと意思疎通できるのか?」
「嘘など言いませんよ! ほら、既に頭を下げているでしょう?」
言われてみると、確かに超ハピルは頭を下げて、地面に伏すような格好である。これがテイムの要求であれば、ソラの話は真実なのだろう。
「しっかし、俺たちはレベリングに来たんだぞ?」
「じゃあ、無慈悲に殴り殺してくださいまし!」
確かにソラが話す通りだ。諒太は抵抗すらしなくなったヒヨコを殴り続けなければならない。
どうしようかと考えたものの、流石に気が引ける。とりあえずはテイムしてみて、次回以降は適度に殴りつけてからインフェルノで始末しようと思う。
ひれ伏す超ハピルに近付き、
「テイム!」
諒太はソラにしたようにテイマースキルを実行する。すると超ハピルが輝きだし、直ぐさま脳裏へと通知が届いた。
『リョウは超ハピルのテイムに成功しました』
あまり意味がないように思えたけれど、罪悪感には勝てなかった。無抵抗のヒヨコに殴りかかる精神力を諒太は持っていないのだ。
「マスター、名前を付けましょう! 【やきとり】なんてどうですか!?」
「竜種だと言っただろうが……。却下だ!」
早速と名前を提案するソラであったが、彼女は今も焼き鳥が食べたいだけだ。真剣に考えているとは思えない。
「やきとり良いじゃないですか? それとも【エムドレイ】にしますか?」
「お前が考える名前はろくなもんじゃねぇな!?」
「エムドレイにしましょうよ! 何だかマスターのドSランクが上がった感じがして、ワタシも鼻が高いです!」
ここには高貴な女性が三人もいたというのに、ソラはオブラートに包むことなく、怪しげな話を続けている。
「ああもう、やきとりで良いよ! やきとりに決定だ!」
エムドレイと名付けるくらいなら、やきとりにすべきだ。軽蔑の眼差しを美女たちから向けられることを考えれば、竜種にやきとりと名付けるくらいは許容内である。
「おお、やきとり! 美味しく焼けると良いですね!」
「食べねぇからな?」
はしゃぐソラに構わず、諒太はやきとりのステータスチェック。一応は仲間なのだから、使える場面があるかもしれないと。
【やきとり】
【幸竜種・Lv120】
【ランク】★★★★
【ATK】95
【VIT】200
【DEF】150
【INT】5
【AGI】60
【スキル】コンパニオン
【備考】テイム中(リョウ)
何とAランクの魔物であった。お馬鹿であるのはともかく、レベルとランクに相応しいステータスを持っている。
「コンパニオンって何だ……?」
ここで諒太は気になるスキルを発見している。コンパニオンと聞けば色気のあるお姉さんのイメージだが、恐らくは異なる意味があるはずだ。
「リョウ様、本当にテイムされたのですか?」
遠巻きに見ていたロークアットが諒太に近付き、疑問を口にする。既に立ち上がって諒太にピタリと身体を寄せる様を見れば明らかであったというのに。
「成功したらしい。こいつはコンパニオンってスキルを持っているんだが、どういうスキルなのか知っているか?」
ロークアットは首を振ったけれど、諒太の問いにはセリスが手を挙げている。
「リョウ、コンパニオンは仲間を呼ぶスキルです。非常に厄介なスキルで軍隊アリなど単体では弱い魔物の自衛手段ですね」
冒険者の経験があるというセリス。彼女は諒太の問いに答えを持っていた。
コンパニオンとは仲間を呼ぶスキルであるらしい。先ほどは使う間もなく蹂躙されたということだろうか。
「マスター、それならやきとりに仲間を呼ばせたらどうです? のこのことやって来た脳天気でお馬鹿なヒヨコ共を一網打尽にできます!」
「お前は毒ばかり吐くな!?」
即座にツッコミを入れたものの、確かに悪くない提案である。思考が悪そのものであったけれど、元よりここにはレベリングに来たのだ。超ハピルたちに情けをかける場合ではない。
「やきとり、仲間を呼べるか?」
「ピー!」
諒太の問いかけが分かったのか、やきとりは羽をバタバタとさせている。どうやら諒太の望み通りにしてくれる感じだ。
「親友たちが沢山いるそうです……」
「訳さなくていいから!」
親友たちと聞けば更なる罪悪感がある。しかし、ここは心を鬼にすべきだ。
「やきとり、呼んでくれ……」
「マスター、素敵です! やきとりの目の前で親友を焼き鳥にしてしまうだなんて! そのあとテイムを解いて、やきとり自身も獄炎で焼かれてしまうのですね?」
「お前は黙っててくれないか?」
一々、心の痛いところを突いてくるソラ。諒太は彼女を睨みながらも、やきとりに仲間を呼ぶように伝えている。
「ピピー!!」
鬱蒼とした森に、やきとりの鳴き声が響く。
すると静まり返った森に木々がへし折れる音が近付いてきた。
「マジか……」
現れたのは五匹の超ハピルであった。正直に先ほどの戦闘で仲間を呼んでいたとすれば、苦戦していたかもしれない。諒太一人で倒しきるのは困難であったことだろう。
例によって例のごとく、超ハピルは攻撃を仕掛けないことには戦闘状態に移行しないようだ。各々に羽の毛繕いをしたりして、平穏そのものである。
「さあ奴隷たちよ、覚悟しなさい! ドSキング様に焼かれるが良いです! マスターの血肉となり、死に絶えるがいいです!」
どうにもソラは興奮しているようだ。諒太のエスっ気を彼女は望んでいる感じだ。
言われた通りにするのは癪であったが、殴りつけて倒すのはやめておく。推奨レベルが100以上なのだ。ロークアットたちの方に流れてしまっては彼女たちが危険である。更なる友人を呼ぶ可能性もあることから、強大範囲魔法で殲滅すべきであろう。
「奈落に燻る不浄なる炎よ……幾重にも重なり烈火となれ……」
インフェルノを選択。五匹程度であれば巨大なヒヨコであろうとも、飲み込めるだろう。セシリィ女王陛下から大量のMP回復ポーションをいただいたことだし、遠慮せずに撃ち込むだけだ。
「き、きたー! マスターによる地獄焼きの時間ですぅ! 拷問が始まりますぅ!」
はしゃぐソラを無視して諒太は詠唱を続ける。一撃で倒せない可能性もあるにはあったけれど、その場合は無詠唱のファイアーストームを撃てるだけ撃ち込むつもりだ。
「インフェルノォォ!!」
一瞬のあと、眼前にそびえ立つ炎の柱。瞬く間に五匹の超ハピルは獄炎に飲み込まれてしまう。
「ピー!」「ピー!」「ピー!」
この鳴き声は故意に設定されているはず。プレイヤーに心痛を与えるその鳴き声は獄炎の中でも響いていた。
諒太はファイアーストームを40発用意している。生き残る超ハピルがいるのなら、透かさず撃ち放ってやろうと。
程なくインフェルノが消失。しかし、レベルアップの通知がない。だとすれば超ハピルは耐性と体力値任せで生き残ったのだと思われる。
「ファイアーストーム!!」
諒太が撃ち放つや、背後から声が届く。
「INTバフです!」
「アイスニードル!!」
「エターナルブレス!!」
何と三人が追撃を加えてくれた。諒太にとって初めてのパーティープレイである。
ミーナのバフ魔法から、ロークアットとセリスのAランク攻撃魔法。ファイアーストームはBランクであったから、彼女たちのAランク魔法は追撃として相応しいものだ。
全てが着弾している。辺りには濛々と土煙が立ち籠めていた。正直にどうなっているのか分からなかったものの、視覚よりも聴覚によって諒太は現状を理解することになった。
『リョウはLv130になりました』
鳴り響く通知音。諒太は一瞬にしてレベルが11上がっていた。追撃の必要はあったけれど、労力を考慮しても十分な成果である。
今もまだ脳裏に通知音が響いていた。言わずもがな、それはパーティーメンバーのレベルアップ通知だ。
『ロークアットはLv105となりました』
『セリスはLv109となりました』
『ミーナはLv109となりました』
『ソラはLv100となりました』
『やきとりはLv130となりました』
レベルが低かったロークアットとソラは大幅にレベルアップを遂げている。やきとりもまた諒太と同じレベル130。このことから低レベルほど多くもらえる仕様は変わらないけれど、恐らくは超ハピルのレベルより高くなったとして、そこまで経験値が減ることはないと予想できた。
「これは捗るな……」
「マスター、ワタシはヒールを習得できました!」
レベルが100になったことで、ソラは新たな魔法を覚えたらしい。ヒールはキュアの上位魔法であり、回復ポーション一本分の回復量がある。
「信じられません。レベルが25も上がるなんて……」
ロークアットは呆然と自身のステータスを眺めていた。これまでウンともスンとも言わなかったレベルがここに来て25も上昇するなんてと。
「リョウさま、これは一体どういうことなのでしょう?」
流石にミーナが問いを投げる。彼女はこれまで世界を渡り歩いて来たのだ。その折に何度も魔物と戦ったことだろう。しかし、上限の90に達したミーナは一つですら上がらなかったはず。
「まあ簡単にいえば世界の理が変わったんだ。セイクリッド神がそう話していた」
口にしたのは嘘であるけれど、彼女たちが納得するには女神のせいにするしかない。ゲーム世界の変更点が同質化したなんて口が裂けてもいえなかった。
「リョウ、驚きました。私がまだ強くなれるだなんて……」
「君たちにはレベル150を目指してもらう。この分ならそんなに時間はかからないだろう。ルイナーの攻撃に耐えられるくらいまで成長してくれ」
三人ともが頷いていた。強遺伝子を持つ自分たちの使命を諒太に聞いたのだ。セイクリッド神が見たという未来に自分たちがいたという話。ルイナー討伐の決戦に参加していることを。
「やきとり、貴方は良い子ですねぇ。クッキーあげますので、もっとお友達を呼んでいただけますか?」
「ピー!」
ソラがやきとりを餌付けしている。味をしめたのか彼女は更なる仲間を呼ぶようにと急かしていた。
「ソラは本当に鬼畜だな……」
嘆息するしかないが、ここはソラの考えに乗っておくべきだ。幾らでも仲間を呼べるのであれば、安全にレベル上げがこなせるというもの。
こうなってくると、やきとりの賢さが最低レベルなのは助かっている。今し方の惨状を見たというのに、クッキー程度で親友を呼んでくれるのだから……。
兎にも角にも、レベリングは考えていたよりも効果が得られそうだ。諒太は現状に満足することなく超ハピルを狩り続けようと考えていた……。
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