幼馴染み(♀)がプレイするMMORPGはどうしてか異世界に影響を与えている

坂森大我

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第四章 穏やかな生活の先に

聖域

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 息を呑む諒太。大量の英数字が流れる空間だけでなく、現れた女神らしき女性がスーツを着ていたからだ。しかも、その容姿には見覚えがある。彼女はゲーム雑誌で見たことのある敷嶋奈緒子プロデューサーに酷似していた。

「疑問を覚えるのも無理はありません。聖域は向こう側の影響力が強い。貴方の目に映る私自身は恐らくその影響を受けていることでしょう……」
 言って女性は自らがセイクリッド神であると付け加えた。

 説明されたとして受け入れるのは難しい。見慣れた格好の女性がセイクリッド世界の神であるだなんて……。
 まあしかし、彼女がセイクリッド神であるのなら、一つの疑問が解消される。想像していた通りの事実が判明していた。

「やはり俺が大賢者か……?」
 小さく返された問いにセイクリッド神は頷いている。勇者に選定するだけでなく、彼女は二つ目の重責を諒太に課していたらしい。

「こうして私と対面できる事実はそれを否定しません。なるべくして訪れた現状でしょう」
 他人事のように語られると、あまり良い気分ではない。しかしながら、諒太は事実を受け入れ、募る疑問をぶつけていく。

「なら、貴方は接続した先を知っているのか? それとも貴方自身も同質化を受けているとでも?」
 諒太は問いを重ねた。分からないことだらけだ。疑問を解消しなければ、この混乱から抜け出せそうにない。

「私自身は同質化の影響外。加護を与えるリョウと同じです。また接続先については理解していますよ」
「ならどうして向こう側の格好をしている? 貴方はこの世界の神だろう?」
 思わず諒太は強く返している。改変を受けていないというのなら、なぜにスーツを着込んでいるのかと。

「それはこの場所がかつてサポートセンターと呼ばれていたからです。数多のプレイヤーなる者が意見を伝える場所。向こう側の神と民を繋ぐ場所こそが聖域なのです。従って、降臨した姿は向こう側の情報が流れ込みやすい。もっとも、それは見た目だけの話ですけれど……」

「サポートセンター……?」
 接続する世界をセイクリッド神が間違えたとしか思えない。サポートセンターなる施設の存在は同質化先が運命のアルカナであることを意味し、ゲーム情報が世界に流れ込んだ原因を明確にしていた。

「じゃあ、貴方はどうしてゲーム世界を選んだんだ!? 勇者ダライアスのような強者を呼び出せば良かったんじゃないか!?」
 諒太は声を荒らげていた。かつて世界を救った勇者ダライアス。妙な同質化により彼の功績だけでなく、存在した痕跡すらもなくなってしまったのだ。

「懐かしい名です。確かにダライアスのような勇者を捜しておりました。暗黒竜ルイナーが晦冥神により生み出されてからずっと……」
 セイクリッド神は語る。どうやら改変の影響を受けていないとの話は真実であるらしい。勇者ダライアスを覚えている人間はもう諒太しかいないのだから。

「貴方を選定した理由は一つだけ……」
 どうやらセイクリッド神は訳あって諒太を選んだらしい。適当に選んだわけではなかったようだ。

 続く話に諒太は声を失っていた。彼女が告げた理由。疑問しか思い浮かばない話に。

「ダライアスを超える強者であること――――」

 頭を何度も振ってみるも、思考は纏まらなかった。また彼女の返答は回答になっていない。諒太はゲームキャラを選んだ事実を問うていたというのに。

「俺は架空の存在だぞ!? セイクリッド世界は疑似世界と接続したんだぞ!?」
「懸念はありましたが、私は何よりも世界の存続を望みます。ルイナーを討伐できるのならば、過度な同質化も厭わない。その想いはダライアスの召喚を神託にて伝えた頃から少しも変わっておりません」
 そういえばベノンの石碑に見たと思う。神は改変を受けたとしても、世界の存続を望まれているのだと。

「命を懸けて戦ったダライアスは痕跡すら消えてしまったんだぞ!? 世界を救おうとしたベノンだって!」
「勇者リョウ、言ったはずです。私は何よりも世界の存続を望んでいると……」
 確信犯であったのかもしれない。彼女にとって守るべきは世界。如何なる犠牲も躊躇う理由にはならなかったのだろう。

「けれど、ダライアスの偉業は今も残っていますよ?」
 どうしてかセイクリッド神はそのように話す。世界のどこを探そうとも彼の話は出てこないはずなのに。

 彼女の話には疑問しか思い浮かばない。加えて彼女が語るダライアスの痕跡も受け入れ難いものであった。

「ルイナーの封印という事実が……」
 どうしてかセイクリッド神はそのように話す。ルイナーの封印は明確に勇者ナツの功績であるというのに。

「いや、封印したのは勇者ナツだろう!? ダライアスは消失したんだ!」
 セイクリッド神の返答は諒太を苛つかせるだけであった。ゲームではなく現実世界で偉業を成したダライアス。彼が残した全ては勇者ナツに取って代わったはずなのだと。

「いいえ、そもそもどうして向こう側が封印にこだわるのか考えてみてください。貴方なら分かるはず。同質化の影響外に存在し、双方を知る貴方ならば……」
 そういえば疑問に感じていた。運命のアルカナがどうして最終ボスを封印させようとしているのか。討伐ではない理由が分からなかったのだ。

 けれども、改めて考えると分かるような気もする。根幹となる事象に縛られているのではないかと。

「ダライアスが……封印を選択したからか……?」
 独り言にも似た諒太の話に頷きが返されていた。それは肯定を意味し、運命のアルカナにある疑問点を解消するものに違いない。

「本来なら向こう側には別の回答が用意されていました。しかし、同質化には抗えなかったようです。勇者ダライアスが討伐を諦め、封印に切り替えたこと。その事実は接続先に影響を与えています。向こう側の理は同質化によってねじ曲げられています。そもそも大部分の改変を受けたのは向こう側なのですから」

 嘆息する諒太。どうにも納得がいかない。セイクリッド世界の英雄は自身が戦った世界ではなく、ゲーム世界にのみ痕跡を残していた。
 ゲーム世界の主題に関与するという格好で……。

「勇者リョウ、今も私は貴方を選定して良かったと考えております。貴方なら負の連鎖を断ち切れる。成長を遂げた貴方の姿に確信しました」
 セイクリッド神が続けた。困惑するだけの諒太に構うことなく。

「貴方ならルイナーを討伐できるはずと――――」

 絶句するしかない。確かに夏美はそのような話をしていたけれど、まさかセイクリッド神から同じ話を聞くなんて思いもしないことだ。

「できるのか……?」
 疑問は多岐に渡る。諒太にその資質があるのかどうか、若しくは目的が封印と決まったルイナーを討伐できるのかどうか。

 小さく笑みを見せたかのようなセイクリッド神は問いを返すことなく頷いている。
「晦冥神が生み出したるルイナーはそもそも改変因子です。彼女に関しては対処方と同じく、向こう側が影響を受けました。罰であり試練であるルイナーは償うか打ち勝つかの未来にしか誘いません。もちろんそれは世界が滅びるのか、討伐するかの二つだけ。またこの世界において討伐が可能であるならば、向こう側も同じ可能性を残すでしょう……」

 どうやら全ての起点となっているのは勇者ダライアスが封印を施したことのよう。封印を基軸として改変が起こり、現状に至るのだと思われる。従ってゲームでは封印が最終目標となり、三百年後の現状に行き着く。ダライアスが封印をしてしまったからこそ、ゲーム世界は封印にこだわる。

「セイクリッド神はどこまで知っている? 俺は三百年前に現れるべきか?」
 ここで諒太は質問を変えた。既に確定したような話。歴史にある大賢者がルイナーとの一戦に現れたことについて。

「それこそが貴方を選定して良かったと思えること。勇者リョウは過去に干渉できる。ダライアスにはない力ですから……」
 現実世界から直接召喚されたのだとすれば、過去に干渉できるはずもない。勇者リョウはゲームという疑似世界から呼び出されているのだ。だから諒太には三つの世界があると言えた。

「どうして運命のアルカナが三百年前となった? やはりダライアスが関係しているのか?」
「接続した二つの世界。向こう側はこちら側の世界背景をほぼそのまま反映されております。なぜなら世界の力が弱かったからです。大部分が同質化による改変を受けることになりました。ただし、こちら側も同質化の影響を受けております。既に気付いておるでしょうが、レベルやスキルといった概念。向こう側のルールがこちら側に入り込んでおります」

 そういえばアーシェはレベルという概念を知らなかった。フレアもまた同じだ。彼女たちは同質化が進むにつれ、そういった概念を自然と受け入れていた。

「三百年前となったのは全てダライアスがいたからこそ起きた同質化。もう貴方にも分かるでしょう? 勇者ナツという存在はダライアスの存在理由を否定しました。向こう側が設定した理によると神が選定する勇者は一人。過去に使命を終えたダライアスはどうあっても新しい世界線に残れなかったのです。ダライアスは現在から見て三百年前にルイナーを封印しました。従って、彼の立場に取って代わった勇者ナツは必然的に三百年前の存在となっております」

 概ね諒太が予想したままであったけれど、腑に落ちないこともある。それは夏美のスキル習得を手伝った折。確かに諒太は勇者として三百年前にいたのだ。

「俺は三百年前も勇者だったぞ? 間違いなく確認したし……」
「知っております。しかし、問題などなかったでしょう? 何しろ勇者リョウは別に世の理に反したわけでも、抗ったわけでもありません」
 どうしてかセイクリッド神はそのように話す。諒太は明らかに世界が定めたルールに抵触していたはず。

「どうしてだ? あの瞬間、三百年前には勇者が二人いたんだぞ……?」
 どうしても分からない。全てを知るような彼女と比べ、諒太には回答を導く情報がなさ過ぎた。

 ところが、返答には気付かされている。限りなくグレーといえる状況であったことを。
「貴方が三百年前の世界に転移した方法。それこそが存在を許された理由です。全ては向こう側の理に従っただけですからね」
 言われて思い出す。確かに諒太はケーブルで接続し、夏美に召喚してもらった。諒太は通常の出張手続きを踏んで入り込んだのだ。

 出張であれば勇者が世界に増えることもある。それは明確な決まりごとの抜け穴であった。勇者だけが出張を禁じられているなんて決まりは存在していない。

「いやでも、俺はレベルが上がったんだ。明らかに異常だったはず!」
「レベルが上がったのは貴方が世界を変えた結果。貴方自身が望んで動かした世界ではないですか?」
 どうしてかセイクリッド神は諒太に責任を丸投げするように語る。異常を来したのは諒太のせいであると。

「俺が何をしたってんだ? 全部、あんたがしたことだろう!?」
 必死になって言い返す。諒太は何もしていないのだ。世界を変えたなんて話は言いがかりなのだと。

 しかし、セイクリッド神は首を振る。如何にも諒太が間違っていると言った風に。

「召喚時のこと。私は時空の改変に耐えられる力を貴方に授けました。貴方が同質化を受けることなく、立派な勇者となれるように……。私たち神は世界間の理を外れる転移時に、僅かな力を授けるくらいしかできません。神が直接世界に手を下せば、数多ある世界間のバランスが崩れてしまうからです。従って私たちは神託を授けるといった回りくどい方法を取り、世界が自浄作用的に回復できるように促すだけなのですよ」

「なに……言ってんだよ…………」
 諒太は受け入れられない。セイクリッド神が語る全てを。彼女が話す通りであれば、セイクリッド神は何もしていない。神様のおかげだと考えていたことは全て諒太が引き起こしていたことになる。

「貴方は常に揺れ動く世界の中心にいたでしょう? 願うがまま物品を転送し、受け取ったこと。成長途中にもかかわらず、勇者に選定されたこと。あるはずのない物品を取り出して見せ、事前に手に入れてしまったこと。それらは私が授けた力を貴方が過剰に行使した結果です……」

 諒太は顔を振るだけだ。もし仮にセイクリッド神が話す通りであれば、出鱈目な出来事は全て諒太のせいである。先んじて新属性スクロールを手に入れたこと。未確認のレアモンスターに遭遇したこと。挙げ句の果て、未熟なまま勇者に選ばれたことまで。
 戸惑う諒太を放置してセイクリッド神は原因となった力について語る。

「時空を歪めし者――――」

 呆然と頭を振る諒太。記憶にある初期称号がセイクリッド神から授けられた加護だとは思いもしないことだ。加えて、その力が単に同質化の影響を防ぐ対策でしかなかっただなんて。

「嘘だ……」
 全ては神が成したこと。諒太はそう考えていた。だからこそ、事実を伝えられた今も否定してしまう。

「貴方は時空の変化に影響を受けないばかりか、影響を与えてしまう。それは私が望んだ以上の成果。だからこそ勇者リョウにはセイクリッド世界を救う力があると私は考えています……」
 全ては諒太のやらかしであるとセイクリッド神はいう。かといって彼女はその力を歓迎しているとも話す。

「いやでも、俺は借金を返済できなかったぞ!?」
 尚も反駁を唱える。けれども、無駄なことであった。即座に返答するセイクリッド神にはその指摘が間違っていると分かっているらしい。

「確かに間に合いませんでしたが、あの瞬間に貴方の願いは叶っているじゃないですか?」
「そんなはずない! 俺の願いは明確に否定されたはず!」
 奴隷回避に向け金策をしていた。だが、諒太は少しばかり足りなかったせいでGM集団に捕まったのだ。

「真なる願い。世界が定めた幸運値という呪縛のせいで遅くはなりましたが、貴方の願いは叶っています」
 ゴクリと唾を飲み込む。どうしても否定したい諒太だが、続けられた話には言葉がなかった。

「最後にアダマンタイト鉱石を手に入れたではないですか?」
 そういえば最後の瞬間はアダマンタイト鉱石の入手ばかりを願っていた。改めて考えると借金の返済よりも……。

「猛毒により失われかけたときもそうです。勇者ダライアスにも同じ加護を与えておりましたが、彼では助かっていなかったでしょう」
 反論する前に続けられてしまう。まるでソラが浄化を覚えたことまで諒太の意志が反映されたかのように。

「貴方には世界を動かす力があります。世界とは生きとし生けるもの全ての意志。よって貴方は世界に愛されているといえます。これからも世界は貴方と共にあるでしょう」
 どうにも理解できなかったけれど、諒太は受け入れてもいた。セイクリッド神が関与していないのなら、それは自分のせいなのだと。

「世界? それは貴方とは別のもの? 貴方が生み出したのですよね?」
 問いを返したのは理解するためだ。改めて使命を遂げようという覚悟を決めるため。

「私は世界を創造しただけ。ここでいう世界とは存在的なものとは異なります。概念に近いもの。けれど、世界には意志が宿っているのです。創造神たる私が世界の存続を望めば、世界は自浄作用的にそうあろうとします。ときに守護者を生み出したり、ときに勇者を選んだりして……」

 返答は納得できるものであった。セイクリッド神が関与できない事象。地上のことは全て世界による意志なのだと。大精霊という存在や妖精女王といった存在を生み出し、挙げ句の果て頼りない勇者を選定してしまった。

 諒太は考えている。やるべきことに変化がない今、進むべき道に間違いはないのかと。疑問はここで全て解消しておこうと思う。

「じゃあ、俺は大賢者として過去にいけるのか?」
 現時点で確定しているかのような話。ロークアットの創作本にあるように、諒太は大賢者としてルイナーと戦うことになるのかどうか。

「私に向こう側の未来を覗き見ることはできません。けれど、貴方が真に願ったのならば、それは成されることでしょう」
 やはり否定はされない。到達すべき未来の過程であるというのなら、諒太は大賢者として戦うべきだ。間違っても勇者として現れてはならない。

「向こう側のってことは、こちらの未来なら分かるってことか?」
「概ねは……。だからこそ私は神託により危機を伝えています。今見える未来は一つ」
 セイクリッド神には、この先の未来が見えるという。ならば諒太は聞いておく必要があった。そもそも聖域は神託を受ける場所。これより先の困難があれば、些細なことであっても役立つに違いない。

 ところが、その神託は考えていたようなものではない。どうにも困惑する内容が続いている。

「ルイナーと戦う勇者リョウ。仲間と共に世界を救おうとする貴方の姿が……」

「仲間? ソラのことか?」
 ルイナーと戦うのは決定事項だ。ならば仲間とは従魔であるソラだと思う。

 けれども、セイクリッド神は首を振る。諒太の話は敢えなく否定されていた。それどころか諒太は思いもしない話を聞かされてしまう。
 どう考えても到達し得ない未来の話を……。

「仲間は五人です――――」
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