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第三章 死力を尽くして
敗戦報告
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皇都レブナでは二度目となる交戦の結果報告が行われていた。
光皇宮へ足を運んだ報告者はハニエム皇連軍総統である。敗戦に終わったものの、どうしてか雰囲気は悪くない。
「カザイン皇、残念ながらこの度は撤退となりました……」
ハニエムは連軍における最高権力者であるけれど、戦場である光皇路にまで出向いていない。本国に留まったまま指示を出すだけであり、実際の交戦は部下に一任していた。
「まあよい。上手く始末したのだろう?」
「もちろんでございます。不穏分子であるヘーゼン星院家とリグルナム星院家の嫡子は共に戦死した模様です……」
ハニエムの報告にカザイン光皇は満足げに笑う。彼は撤退を憂えるよりも弄した策が成された事実を喜んでいた。
「ここまでは余の思惑通り。ハニエム、あとは星系を奪い取るだけである。エザルバイワを局地司令官に任命するのだ。皇座を継ぐにたる実績を与えてやってくれ」
「仰せの通りに。エザルバイワ皇子には特別な船を用意し、光皇路最高司令官に任命致します。つきましては少しばかり人員の補充と予算の増額を……」
「良きに計らえ。兵はゼクスの民を徴兵せよ。放っておいても死ぬだけだ。食糧を保証するだけで簡単に集まるだろう。予算は如何様にも使うが良い。ただし、必ずや星系を奪い取るのだぞ?」
大戦が起きた裏側でカザイン光皇とハニエムの密談が行われていた。今もカザインは光皇路に戦力を残している。次なる命令があれば即座に侵攻する手はずとなっていた。
「ハニエム、既に臣民は新星系への移住しか望んでおらん。もうそれしか希望がない。皇家に批判の目が向かぬようにしろ。それが貴様の仕事だ……」
「お任せください。此度の侵攻でエイリアンの戦力をかなり削いでおりますから。現在、アルバの幾つかを巨大艦船として変造中であります。エザルバイワ皇子にその一つをお任せ致します。光皇路の基地を兼ねた最新鋭の巨大戦艦。その完成をもって戦争は新たな局面を迎えることでしょう……」
二度の敗戦もカザインは引くつもりがないようだ。それどころか勝つつもりらしい。カザイン光皇はハニエムに全権を与え、ハニエムはその期待に応えるだけだ。
既に多くの犠牲を生んだ銀河間戦争であるが、今もまだ終息する気配すらない。
恐らく戦争はこの先も続いていくだろう。なぜなら攻め手であるカザインが和平など望んでおらず、彼らはどのような犠牲も厭うことなく太陽系を侵略しようとしているのだから……。
光皇宮へ足を運んだ報告者はハニエム皇連軍総統である。敗戦に終わったものの、どうしてか雰囲気は悪くない。
「カザイン皇、残念ながらこの度は撤退となりました……」
ハニエムは連軍における最高権力者であるけれど、戦場である光皇路にまで出向いていない。本国に留まったまま指示を出すだけであり、実際の交戦は部下に一任していた。
「まあよい。上手く始末したのだろう?」
「もちろんでございます。不穏分子であるヘーゼン星院家とリグルナム星院家の嫡子は共に戦死した模様です……」
ハニエムの報告にカザイン光皇は満足げに笑う。彼は撤退を憂えるよりも弄した策が成された事実を喜んでいた。
「ここまでは余の思惑通り。ハニエム、あとは星系を奪い取るだけである。エザルバイワを局地司令官に任命するのだ。皇座を継ぐにたる実績を与えてやってくれ」
「仰せの通りに。エザルバイワ皇子には特別な船を用意し、光皇路最高司令官に任命致します。つきましては少しばかり人員の補充と予算の増額を……」
「良きに計らえ。兵はゼクスの民を徴兵せよ。放っておいても死ぬだけだ。食糧を保証するだけで簡単に集まるだろう。予算は如何様にも使うが良い。ただし、必ずや星系を奪い取るのだぞ?」
大戦が起きた裏側でカザイン光皇とハニエムの密談が行われていた。今もカザインは光皇路に戦力を残している。次なる命令があれば即座に侵攻する手はずとなっていた。
「ハニエム、既に臣民は新星系への移住しか望んでおらん。もうそれしか希望がない。皇家に批判の目が向かぬようにしろ。それが貴様の仕事だ……」
「お任せください。此度の侵攻でエイリアンの戦力をかなり削いでおりますから。現在、アルバの幾つかを巨大艦船として変造中であります。エザルバイワ皇子にその一つをお任せ致します。光皇路の基地を兼ねた最新鋭の巨大戦艦。その完成をもって戦争は新たな局面を迎えることでしょう……」
二度の敗戦もカザインは引くつもりがないようだ。それどころか勝つつもりらしい。カザイン光皇はハニエムに全権を与え、ハニエムはその期待に応えるだけだ。
既に多くの犠牲を生んだ銀河間戦争であるが、今もまだ終息する気配すらない。
恐らく戦争はこの先も続いていくだろう。なぜなら攻め手であるカザインが和平など望んでおらず、彼らはどのような犠牲も厭うことなく太陽系を侵略しようとしているのだから……。
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