5 / 62
第一章 航宙士学校
オープンレース
しおりを挟む
セントグラードにある第一上層ブロックに十万人を収容できる大規模なレース競技場があった。本日はグランプリレース競技組織とGUNSが協賛する航宙機フェスティバルが催されている。
「うわ! 凄い人だなぁ……」
スタンドを埋め尽くす人だかりにミハルは圧倒されていた。先日、強引に決められた通り、彼女はオープンレースなるものにエントリーしている。
オープンレースはショーのメインイベントだった。ティーンエイジクラス、フルエイジクラス、プロフェッショナルクラスという三クラスのレースが予定されている。
ミハルが参加するのはティーンエイジクラスだ。実をいうとオープンレースは航宙士学校の威信をかけた戦いではない。なぜなら航宙士学校だけで競うのではなく、十代のパイロットであれば誰にでも参加資格があったからだ。セントラルにある各航宙士学校には優先枠が設けられていたものの、残りの出場枠は予選を勝ち抜いた大学生やセミプロたち。時にはGUNSの若手パイロットまでもが参加していたから、航宙士学校としてはいまいち盛り上がりに欠けた。学校対抗戦でもなければ、それがイベントの枠を出ることはない。
「ミハル・エアハルトさんですか? ティーンエイジクラスの選手はこちらに……」
係員に誘導され、ミハルは控え室へと向かう。心なし気持ちが昂ぶってきた。レース前の独特な雰囲気。緊張とは違ったけれど、ミハルは鼓動を早めている。
控え室にはティーンエイジクラスの選手が揃っていた。思い思いにストレッチをしたり集中したりと、レースへの意気込みが伝わってくる。
「まあ、私は普段通りだ……」
言ってミハルはギアを操作。別にやるべきルーティンもなかったから、彼女は途中までだった動画の続きを見ることにした。
「ティーンエイジクラスの皆さん、機体チェックの前に軽く説明させて頂きます。予選時にレース機の経験がある方も復習の意味で聞いてください」
ミハルが動画を再生するや、直ぐさま係員が機体についての話を始めた。
水を差された感がありミハルは不満そう。操縦の説明なんてと顔を顰めている。
「レース機は一般の機体と同じではありません。推進機も違いますしスピードに特化していますから、あらゆる機能が簡略化されています。練習時から必ずヘルメットの着用をお願い致します」
全方位モニターが航宙機に採用されてから、ヘルメットは使用されなくなっていた。既にレース機以外ではセフティバブルというジェル噴出式の安全機構に取って代わっている。
「レース機はパイロットを映す鏡だと表現されます。なぜならレース機はパイロットの実力通りにしか動かないからです。AIによる制御は一つとして存在せず、全ての機動がパイロットの能力に依存します。AIアシストに慣れた方には操縦しづらいでしょう。レース前には十分な練習をし、機体に慣れるようお願い致します」
一般的な航宙機にはAIアシストシステムが必ず備わっている。元々は脳波アナライザーを利用したオートパイロットの技術であったが、意志決定の判定にどうしても曖昧さを残してしまうために補助機動として採用されていた。
視覚や聴覚によって意識した情報を元にAIが方角補正や予備動作を始める。これによりランディング時や障害物の回避機動における事故を革命的に減ずることができた。
一般機はより安全に、戦闘機はより高度な回避を現実のものとし、全てが次世代機へと進化している。ただ、それらはあくまでアシストであって、進行中の機動に逆らったり、入力操作より優先されたりすることはなかった。
「ヘルメットっていつの時代……? 鬱陶しいな……」
不満を口にしながらも、ミハルはヘルメットを手にする。子供の頃に装着したことはあったけれど、視界が狭まるし窮屈だしと良いイメージは持っていない。
「以上で説明は終わりです。選手の皆さんは機体のチェックをお願い致します。実際に乗って頂き、危険を感じるようでしたら直ぐに申し出てください」
操縦や機構の説明などが終わると、選手たちはドックへと案内された。全員揃っての移動となっていたため、またもや渋々とミハルは行列のあとを行く。
スターティンググリッドの後方にドックはあった。どうやら個別に担当整備士がいるらしい。従って、ここでも興味のない話を聞く羽目になるミハル。補講免除のためとはいえ、面倒なことこの上ない。
「ミハルちゃん、これが乗ってもらう機体だよ。学校にある機体とは全く異なるから、充分に練習しておいてね」
別に練習なんてとミハルは内心思っていたけれど、整備士はミハルの側を離れなかった。流石にやり過ごすこともできず、今度もまた不承不承に自機へと乗り込んでいく。
「ポジションチェック、計器異常なし……」
航宙士学校で習った通りの手順を踏み、ミハルはエンジンを始動する。レース機は使い慣れたSBF推進機とは違ったが、コックピットに目新しい機能は見られない。だが、機体は異様に小さく、背後より届くエキゾーストノイズは明確に学校の機体と異なっていた。
まあでも大丈夫でしょと軽くミハルは頷いて、発進する旨を管制に告げた。
「ミハル・エアハルトですが、発進してもよろしいですか?」
『こちら競技場管制、リクエストを受諾しました。セントグラード航宙士学校ミハル・エアハルトさんはグリッドへと進んでください』
抽選の結果、ミハルは十番グリッドとなっていた。十番グリッドはスターティンググリッドの一番端であり、レース用語でいうところの大外である。
「十号機、ミハル・エアハルト発進しますっ!」
ゴンと踏み込んで、ミハルはいきなりフルスロットル。しかしながら、それはいつも通りである。とろくさい学校の機体では何の問題もなかった。
「っ――!?」
想像よりも強いGがミハルを襲った。息が詰まりそう。思わずスロットルを緩めそうになるけれど、何か負けたような気がして再び一杯まで踏み込んでいる。
まるでミサイルのように加速していく。考えていたよりもずっとパワーがあった。今までの機体が子供用の玩具であったと考えてしまうほどに。
「確かに凄い機体ね……」
それでもミハルは直ぐに慣れて、手足のごとく機体を操る。時折、派手な機動を見せたりして大歓声を浴びていた。
「先生はこういったことを私に体験させたかったのかな?」
少しばかり変わった機動を見せると観客たちは即座に反応する。だが、ミハルには響かなかった。幾ら観客が騒いだとしても実際には何も聞こえなかったし、何より見せ物になるのは好きじゃなかったから。
結局、コースを二周ほどしてミハルはドックに戻ってしまう。もう十分だと言わんばかりである。
「ミハルちゃん流石だね! セントグラード代表は伊達じゃないな。だけど今年に関して言えば、ちょっと厳しいと思うね……。もっと練習した方がいいんじゃない?」
褒め殺しかと思えば、整備士は気になる話を口にした。
流石に苛っとしたミハルはムッとした表情をして問いを返している。
「他にどんな選手がいるのですか?」
少しきつめの口調は自負心のせいだ。勝つのは自分以外にあり得ないとさえ彼女は思っている。
「今年は百回目の記念大会だからね。ティーンエイジクラスにまで軍部が出張ってきてるんだよ。今年十九歳になるジュリア・マックイーン。お姉さんが銀河連合軍でエースを張っているだけじゃなく、自身も軍部期待の新鋭なんだ。その実力は折り紙付きらしいね」
女の子?――ミハルは益々眉間にしわを寄せた。百歩譲って男の子ならまだしも、同年代の女の子だと分かっては穏やかじゃない。
「どの子だろう?」
ドックを見渡す限り、女性らしいパイロットは一人しかいない。
ピンク色のパイロットスーツ。遠目にも分かる長い黒髪を後ろで結わえている。恐らくは三号機に乗る彼女がその人だろう。
ミハルはジッと女の子を見つめながら小さく頷いた。
「彼女を徹底マークだ。私で連覇が途切れるとか格好悪いし……」
必ず勝つのだと心に誓った。
徐々にグレンの思惑通りになっていく。当初は勝ち負けなどどうでも良かったのに、気付けば誰よりも意気込んでいる。
「絶対に負けられない!――――」
「うわ! 凄い人だなぁ……」
スタンドを埋め尽くす人だかりにミハルは圧倒されていた。先日、強引に決められた通り、彼女はオープンレースなるものにエントリーしている。
オープンレースはショーのメインイベントだった。ティーンエイジクラス、フルエイジクラス、プロフェッショナルクラスという三クラスのレースが予定されている。
ミハルが参加するのはティーンエイジクラスだ。実をいうとオープンレースは航宙士学校の威信をかけた戦いではない。なぜなら航宙士学校だけで競うのではなく、十代のパイロットであれば誰にでも参加資格があったからだ。セントラルにある各航宙士学校には優先枠が設けられていたものの、残りの出場枠は予選を勝ち抜いた大学生やセミプロたち。時にはGUNSの若手パイロットまでもが参加していたから、航宙士学校としてはいまいち盛り上がりに欠けた。学校対抗戦でもなければ、それがイベントの枠を出ることはない。
「ミハル・エアハルトさんですか? ティーンエイジクラスの選手はこちらに……」
係員に誘導され、ミハルは控え室へと向かう。心なし気持ちが昂ぶってきた。レース前の独特な雰囲気。緊張とは違ったけれど、ミハルは鼓動を早めている。
控え室にはティーンエイジクラスの選手が揃っていた。思い思いにストレッチをしたり集中したりと、レースへの意気込みが伝わってくる。
「まあ、私は普段通りだ……」
言ってミハルはギアを操作。別にやるべきルーティンもなかったから、彼女は途中までだった動画の続きを見ることにした。
「ティーンエイジクラスの皆さん、機体チェックの前に軽く説明させて頂きます。予選時にレース機の経験がある方も復習の意味で聞いてください」
ミハルが動画を再生するや、直ぐさま係員が機体についての話を始めた。
水を差された感がありミハルは不満そう。操縦の説明なんてと顔を顰めている。
「レース機は一般の機体と同じではありません。推進機も違いますしスピードに特化していますから、あらゆる機能が簡略化されています。練習時から必ずヘルメットの着用をお願い致します」
全方位モニターが航宙機に採用されてから、ヘルメットは使用されなくなっていた。既にレース機以外ではセフティバブルというジェル噴出式の安全機構に取って代わっている。
「レース機はパイロットを映す鏡だと表現されます。なぜならレース機はパイロットの実力通りにしか動かないからです。AIによる制御は一つとして存在せず、全ての機動がパイロットの能力に依存します。AIアシストに慣れた方には操縦しづらいでしょう。レース前には十分な練習をし、機体に慣れるようお願い致します」
一般的な航宙機にはAIアシストシステムが必ず備わっている。元々は脳波アナライザーを利用したオートパイロットの技術であったが、意志決定の判定にどうしても曖昧さを残してしまうために補助機動として採用されていた。
視覚や聴覚によって意識した情報を元にAIが方角補正や予備動作を始める。これによりランディング時や障害物の回避機動における事故を革命的に減ずることができた。
一般機はより安全に、戦闘機はより高度な回避を現実のものとし、全てが次世代機へと進化している。ただ、それらはあくまでアシストであって、進行中の機動に逆らったり、入力操作より優先されたりすることはなかった。
「ヘルメットっていつの時代……? 鬱陶しいな……」
不満を口にしながらも、ミハルはヘルメットを手にする。子供の頃に装着したことはあったけれど、視界が狭まるし窮屈だしと良いイメージは持っていない。
「以上で説明は終わりです。選手の皆さんは機体のチェックをお願い致します。実際に乗って頂き、危険を感じるようでしたら直ぐに申し出てください」
操縦や機構の説明などが終わると、選手たちはドックへと案内された。全員揃っての移動となっていたため、またもや渋々とミハルは行列のあとを行く。
スターティンググリッドの後方にドックはあった。どうやら個別に担当整備士がいるらしい。従って、ここでも興味のない話を聞く羽目になるミハル。補講免除のためとはいえ、面倒なことこの上ない。
「ミハルちゃん、これが乗ってもらう機体だよ。学校にある機体とは全く異なるから、充分に練習しておいてね」
別に練習なんてとミハルは内心思っていたけれど、整備士はミハルの側を離れなかった。流石にやり過ごすこともできず、今度もまた不承不承に自機へと乗り込んでいく。
「ポジションチェック、計器異常なし……」
航宙士学校で習った通りの手順を踏み、ミハルはエンジンを始動する。レース機は使い慣れたSBF推進機とは違ったが、コックピットに目新しい機能は見られない。だが、機体は異様に小さく、背後より届くエキゾーストノイズは明確に学校の機体と異なっていた。
まあでも大丈夫でしょと軽くミハルは頷いて、発進する旨を管制に告げた。
「ミハル・エアハルトですが、発進してもよろしいですか?」
『こちら競技場管制、リクエストを受諾しました。セントグラード航宙士学校ミハル・エアハルトさんはグリッドへと進んでください』
抽選の結果、ミハルは十番グリッドとなっていた。十番グリッドはスターティンググリッドの一番端であり、レース用語でいうところの大外である。
「十号機、ミハル・エアハルト発進しますっ!」
ゴンと踏み込んで、ミハルはいきなりフルスロットル。しかしながら、それはいつも通りである。とろくさい学校の機体では何の問題もなかった。
「っ――!?」
想像よりも強いGがミハルを襲った。息が詰まりそう。思わずスロットルを緩めそうになるけれど、何か負けたような気がして再び一杯まで踏み込んでいる。
まるでミサイルのように加速していく。考えていたよりもずっとパワーがあった。今までの機体が子供用の玩具であったと考えてしまうほどに。
「確かに凄い機体ね……」
それでもミハルは直ぐに慣れて、手足のごとく機体を操る。時折、派手な機動を見せたりして大歓声を浴びていた。
「先生はこういったことを私に体験させたかったのかな?」
少しばかり変わった機動を見せると観客たちは即座に反応する。だが、ミハルには響かなかった。幾ら観客が騒いだとしても実際には何も聞こえなかったし、何より見せ物になるのは好きじゃなかったから。
結局、コースを二周ほどしてミハルはドックに戻ってしまう。もう十分だと言わんばかりである。
「ミハルちゃん流石だね! セントグラード代表は伊達じゃないな。だけど今年に関して言えば、ちょっと厳しいと思うね……。もっと練習した方がいいんじゃない?」
褒め殺しかと思えば、整備士は気になる話を口にした。
流石に苛っとしたミハルはムッとした表情をして問いを返している。
「他にどんな選手がいるのですか?」
少しきつめの口調は自負心のせいだ。勝つのは自分以外にあり得ないとさえ彼女は思っている。
「今年は百回目の記念大会だからね。ティーンエイジクラスにまで軍部が出張ってきてるんだよ。今年十九歳になるジュリア・マックイーン。お姉さんが銀河連合軍でエースを張っているだけじゃなく、自身も軍部期待の新鋭なんだ。その実力は折り紙付きらしいね」
女の子?――ミハルは益々眉間にしわを寄せた。百歩譲って男の子ならまだしも、同年代の女の子だと分かっては穏やかじゃない。
「どの子だろう?」
ドックを見渡す限り、女性らしいパイロットは一人しかいない。
ピンク色のパイロットスーツ。遠目にも分かる長い黒髪を後ろで結わえている。恐らくは三号機に乗る彼女がその人だろう。
ミハルはジッと女の子を見つめながら小さく頷いた。
「彼女を徹底マークだ。私で連覇が途切れるとか格好悪いし……」
必ず勝つのだと心に誓った。
徐々にグレンの思惑通りになっていく。当初は勝ち負けなどどうでも良かったのに、気付けば誰よりも意気込んでいる。
「絶対に負けられない!――――」
0
お気に入りに追加
10
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
四代目 豊臣秀勝
克全
歴史・時代
アルファポリス第5回歴史時代小説大賞参加作です。
読者賞を狙っていますので、アルファポリスで投票とお気に入り登録してくださると助かります。
史実で三木城合戦前後で夭折した木下与一郎が生き延びた。
秀吉の最年長の甥であり、秀長の嫡男・与一郎が生き延びた豊臣家が辿る歴史はどう言うモノになるのか。
小牧長久手で秀吉は勝てるのか?
朝日姫は徳川家康の嫁ぐのか?
朝鮮征伐は行われるのか?
秀頼は生まれるのか。
秀次が後継者に指名され切腹させられるのか?
日本新世紀ー日本の変革から星間連合の中の地球へー
黄昏人
SF
現在の日本、ある地方大学の大学院生のPCが化けた!
あらゆる質問に出してくるとんでもなくスマートで完璧な答え。この化けたPC“マドンナ”を使って、彼、誠司は核融合発電、超バッテリーとモーターによるあらゆるエンジンの電動化への変換、重力エンジン・レールガンの開発・実用化などを通じて日本の経済・政治状況及び国際的な立場を変革していく。
さらに、こうしたさまざまな変革を通じて、日本が主導する地球防衛軍は、巨大な星間帝国の侵略を跳ね返すことに成功する。その結果、地球人類はその星間帝国の圧政にあえいでいた多数の歴史ある星間国家の指導的立場になっていくことになる。
この中で、自らの進化の必要性を悟った人類は、地球連邦を成立させ、知能の向上、他星系への植民を含む地球人類全体の経済の底上げと格差の是正を進める。
さらには、マドンナと誠司を擁する地球連邦は、銀河全体の生物に迫る危機の解明、撃退法の構築、撃退を主導し、銀河のなかに確固たる地位を築いていくことになる。

続・歴史改変戦記「北のまほろば」
高木一優
SF
この物語は『歴史改変戦記「信長、中国を攻めるってよ」』の続編になります。正編のあらすじは序章で説明されますので、続編から読み始めても問題ありません。
タイム・マシンが実用化された近未来、歴史学者である私の論文が中国政府に採用され歴史改変実験「碧海作戦」が発動される。私の秘書官・戸部典子は歴女の知識を活用して戦国武将たちを支援する。歴史改変により織田信長は中国本土に攻め入り中華帝国を築き上げたのだが、日本国は帝国に飲み込まれて消滅してしまった。信長の中華帝国は殷賑を極め、世界の富を集める経済大国へと成長する。やがて西欧の勢力が帝国を襲い、私と戸部典子は真田信繁と伊達政宗を助けて西欧艦隊の攻撃を退け、ローマ教皇の領土的野心を砕く。平和が訪れたのもつかの間、十七世紀の帝国の北方では再び戦乱が巻き起ころうとしていた。歴史を思考実験するポリティカル歴史改変コメディー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる