368 / 377
最終章 世界に光を
愛を乗せて
しおりを挟む
「次元転換術式起動!!」
絶対に仕留めてやるのよ。
もう試し撃ちなど必要ない。絶対に次の一撃で葬り去る。
ぶっつけ本番だろうとも、私は黒竜の存在を光の世界へと固定するの。
「魔法陣展開! 黒竜補足!」
封印式の一部を変更した術式を発動しています。
それは黒竜の存在を闇の次元から引きずり出すものであり、この世界での存在を明らかとするもの。
「さあ、盛大にいきましょうか! 闇の存在は消えてなくなればいい!」
今や私は愛で満たされた女神の使徒。黒く澱んだ存在じゃないわ。
溢れるほどの幸福。漏れ出す輝きは半端ないわよ!
「夢を見るだけなら闇でも構わない……」
私は再び多角魔法陣を脳裏へと展開。
超複雑な二十四芒星陣を一字一句間違えることなく。
「でも夢じゃ満たされないの……」
手の平には今までとは明確に異なる超大魔法陣が出現しています。
きっと私は世界を救うだろう。
虹色に輝く魔法陣に確信している。
問題の二枚目。ここが山場だと思う。暗黒にて死に戻りを喰らわなければ、その先の未来は開かれるはず。
「私はこの世界で愛されたいのよぉぉっ!!」
三枚目の魔法陣が重なる。私は目一杯の魔力を注ぎ、術式を完結。
今や光の次元に固定された黒竜へと向かって、超大魔法ロナ・メテオ・バーストを撃ち放つ。
「ロナ……メテオ……バァァアアアストォォオオオッ!」
眼前に現れたのは月と見紛うほどの巨大な隕石でした。
懸念であった構文エラーはない。ならば、その威力を信じるだけ。魔王因子の原因である黒竜に降り注げと……。
「悪夢は醒めるものなのよォォッ!!」
大爆発が起きています。
上空にいる私は突風に襲われ、ペガサス諸共遠くへ飛ばされていく。
「ちょっと、しっかりして!」
大量の粉塵が宙を舞い、今もまだ爆発による黒煙が視界を覆っています。
何とかペガサスを立て直した私は黒竜がいた地点を振り返る。
二発目が必要ならばと、脳裏に術式を思い浮かべながら。
「あっ……?」
一陣の風が吹き抜けていく。
濛々と立ち上っていた黒煙や粉塵は霧が晴れるようにして、徐々に薄まっていきました。
「やった……」
強大な影はもうそこにありません。
封印したのではなく、光の次元に固定していました。つまり黒竜はあの攻撃を存在に浴びたはず。
「討伐した――――」
これで全てが終わったと思う。
エリカに残る呪印や王子殿下たちの呪印。更には私の功績という難題まで。
女神の使徒として送り込まれた使命の全てがここに完結していました。
一つ息を吸って、後方を振り返る。
見てくれたかな?
豪胆な子爵令嬢が世界を救った場面を。
これ以上に格好いい場面なんて期待しないでね?
一世一代の超高難易度モードを私はクリアしていたのだから。
「ルーク!!」
絶対に届いていないと思いつつも、私は歓喜の声を彼に伝えたかった。
貴方の元へと戻りたい。大きく温かいその腕で私を包み込んで欲しい。
再び私は声を張り上げていました。
「ルーク!!!」
絶対に仕留めてやるのよ。
もう試し撃ちなど必要ない。絶対に次の一撃で葬り去る。
ぶっつけ本番だろうとも、私は黒竜の存在を光の世界へと固定するの。
「魔法陣展開! 黒竜補足!」
封印式の一部を変更した術式を発動しています。
それは黒竜の存在を闇の次元から引きずり出すものであり、この世界での存在を明らかとするもの。
「さあ、盛大にいきましょうか! 闇の存在は消えてなくなればいい!」
今や私は愛で満たされた女神の使徒。黒く澱んだ存在じゃないわ。
溢れるほどの幸福。漏れ出す輝きは半端ないわよ!
「夢を見るだけなら闇でも構わない……」
私は再び多角魔法陣を脳裏へと展開。
超複雑な二十四芒星陣を一字一句間違えることなく。
「でも夢じゃ満たされないの……」
手の平には今までとは明確に異なる超大魔法陣が出現しています。
きっと私は世界を救うだろう。
虹色に輝く魔法陣に確信している。
問題の二枚目。ここが山場だと思う。暗黒にて死に戻りを喰らわなければ、その先の未来は開かれるはず。
「私はこの世界で愛されたいのよぉぉっ!!」
三枚目の魔法陣が重なる。私は目一杯の魔力を注ぎ、術式を完結。
今や光の次元に固定された黒竜へと向かって、超大魔法ロナ・メテオ・バーストを撃ち放つ。
「ロナ……メテオ……バァァアアアストォォオオオッ!」
眼前に現れたのは月と見紛うほどの巨大な隕石でした。
懸念であった構文エラーはない。ならば、その威力を信じるだけ。魔王因子の原因である黒竜に降り注げと……。
「悪夢は醒めるものなのよォォッ!!」
大爆発が起きています。
上空にいる私は突風に襲われ、ペガサス諸共遠くへ飛ばされていく。
「ちょっと、しっかりして!」
大量の粉塵が宙を舞い、今もまだ爆発による黒煙が視界を覆っています。
何とかペガサスを立て直した私は黒竜がいた地点を振り返る。
二発目が必要ならばと、脳裏に術式を思い浮かべながら。
「あっ……?」
一陣の風が吹き抜けていく。
濛々と立ち上っていた黒煙や粉塵は霧が晴れるようにして、徐々に薄まっていきました。
「やった……」
強大な影はもうそこにありません。
封印したのではなく、光の次元に固定していました。つまり黒竜はあの攻撃を存在に浴びたはず。
「討伐した――――」
これで全てが終わったと思う。
エリカに残る呪印や王子殿下たちの呪印。更には私の功績という難題まで。
女神の使徒として送り込まれた使命の全てがここに完結していました。
一つ息を吸って、後方を振り返る。
見てくれたかな?
豪胆な子爵令嬢が世界を救った場面を。
これ以上に格好いい場面なんて期待しないでね?
一世一代の超高難易度モードを私はクリアしていたのだから。
「ルーク!!」
絶対に届いていないと思いつつも、私は歓喜の声を彼に伝えたかった。
貴方の元へと戻りたい。大きく温かいその腕で私を包み込んで欲しい。
再び私は声を張り上げていました。
「ルーク!!!」
0
お気に入りに追加
80
あなたにおすすめの小説
挙式後すぐに離婚届を手渡された私は、この結婚は予め捨てられることが確定していた事実を知らされました
結城芙由奈@12/27電子書籍配信中
恋愛
【結婚した日に、「君にこれを預けておく」と離婚届を手渡されました】
今日、私は子供の頃からずっと大好きだった人と結婚した。しかし、式の後に絶望的な事を彼に言われた。
「ごめん、本当は君とは結婚したくなかったんだ。これを預けておくから、その気になったら提出してくれ」
そう言って手渡されたのは何と離婚届けだった。
そしてどこまでも冷たい態度の夫の行動に傷つけられていく私。
けれどその裏には私の知らない、ある深い事情が隠されていた。
その真意を知った時、私は―。
※暫く鬱展開が続きます
※他サイトでも投稿中
記憶喪失になった嫌われ悪女は心を入れ替える事にした
結城芙由奈@12/27電子書籍配信中
ファンタジー
池で溺れて死にかけた私は意識を取り戻した時、全ての記憶を失っていた。それと同時に自分が周囲の人々から陰で悪女と呼ばれ、嫌われている事を知る。どうせ記憶喪失になったなら今から心を入れ替えて生きていこう。そして私はさらに衝撃の事実を知る事になる―。
記憶を失くした悪役令嬢~私に婚約者なんておりましたでしょうか~
Blue
恋愛
マッツォレーラ侯爵の娘、エレオノーラ・マッツォレーラは、第一王子の婚約者。しかし、その婚約者を奪った男爵令嬢を助けようとして今正に、階段から二人まとめて落ちようとしていた。
走馬灯のように、第一王子との思い出を思い出す彼女は、強い衝撃と共に意識を失ったのだった。
悪役令嬢の慟哭
浜柔
ファンタジー
前世の記憶を取り戻した侯爵令嬢エカテリーナ・ハイデルフトは自分の住む世界が乙女ゲームそっくりの世界であり、自らはそのゲームで悪役の位置づけになっている事に気付くが、時既に遅く、死の運命には逆らえなかった。
だが、死して尚彷徨うエカテリーナの復讐はこれから始まる。
※ここまでのあらすじは序章の内容に当たります。
※乙女ゲームのバッドエンド後の話になりますので、ゲーム内容については殆ど作中に出てきません。
「悪役令嬢の追憶」及び「悪役令嬢の徘徊」を若干の手直しをして統合しています。
「追憶」「徘徊」「慟哭」はそれぞれ雰囲気が異なります。
王子殿下の慕う人
夕香里
恋愛
エレーナ・ルイスは小さい頃から兄のように慕っていた王子殿下が好きだった。
しかし、ある噂と事実を聞いたことで恋心を捨てることにしたエレーナは、断ってきていた他の人との縁談を受けることにするのだが──?
「どうして!? 殿下には好きな人がいるはずなのに!!」
好きな人がいるはずの殿下が距離を縮めてくることに戸惑う彼女と、我慢をやめた王子のお話。
※小説家になろうでも投稿してます
性悪という理由で婚約破棄された嫌われ者の令嬢~心の綺麗な者しか好かれない精霊と友達になる~
黒塔真実
恋愛
公爵令嬢カリーナは幼い頃から後妻と義妹によって悪者にされ孤独に育ってきた。15歳になり入学した王立学園でも、悪知恵の働く義妹とカリーナの婚約者でありながら義妹に洗脳されている第二王子の働きにより、学園中の嫌われ者になってしまう。しかも再会した初恋の第一王子にまで軽蔑されてしまい、さらに止めの一撃のように第二王子に「性悪」を理由に婚約破棄を宣言されて……!? 恋愛&悪が報いを受ける「ざまぁ」もの!! ※※※主人公は最終的にチート能力に目覚めます※※※アルファポリスオンリー※※※皆様の応援のおかげで第14回恋愛大賞で奨励賞を頂きました。ありがとうございます※※※
すみません、すっきりざまぁ終了したのでいったん完結します→※書籍化予定部分=【本編】を引き下げます。【番外編】追加予定→ルシアン視点追加→最新のディー視点の番外編は書籍化関連のページにて、アンケートに答えると読めます!!
【完結】私ですか?ただの令嬢です。
凛 伊緒
恋愛
死んで転生したら、大好きな乙女ゲーの世界の悪役令嬢だった!?
バッドエンドだらけの悪役令嬢。
しかし、
「悪さをしなければ、最悪な結末は回避出来るのでは!?」
そう考え、ただの令嬢として生きていくことを決意する。
運命を変えたい主人公の、バッドエンド回避の物語!
※完結済です。
※作者がシステムに不慣れな時に書いたものなので、温かく見守っていだければ幸いです……(。_。///)
【書籍化進行中、完結】私だけが知らない
綾雅(要らない悪役令嬢1/7発売)
ファンタジー
書籍化進行中です。詳細はしばらくお待ちください(o´-ω-)o)ペコッ
目が覚めたら何も覚えていなかった。父と兄を名乗る二人は泣きながら謝る。痩せ細った体、痣が残る肌、誰もが過保護に私を気遣う。けれど、誰もが何が起きたのかを語らなかった。
優しい家族、ぬるま湯のような生活、穏やかに過ぎていく日常……その陰で、人々は己の犯した罪を隠しつつ微笑む。私を守るため、そう言いながら真実から遠ざけた。
やがて、すべてを知った私は――ひとつの決断をする。
記憶喪失から始まる物語。冤罪で殺されかけた私は蘇り、陥れようとした者は断罪される。優しい嘘に隠された真実が徐々に明らかになっていく。
【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ
2024/12/26……書籍化確定、公表
2023/12/20……小説家になろう 日間、ファンタジー 27位
2023/12/19……番外編完結
2023/12/11……本編完結(番外編、12/12)
2023/08/27……エブリスタ ファンタジートレンド 1位
2023/08/26……カテゴリー変更「恋愛」⇒「ファンタジー」
2023/08/25……アルファポリス HOT女性向け 13位
2023/08/22……小説家になろう 異世界恋愛、日間 22位
2023/08/21……カクヨム 恋愛週間 17位
2023/08/16……カクヨム 恋愛日間 12位
2023/08/14……連載開始
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる