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最終章 世界に光を
幾万という時が過ぎたとしても
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身体を叩く横殴りの雨。世界線によって雨の量は異なっていました。
もう既に何度リスタートしたのか覚えていません。世界線的には一秒も進んでいませんけれど、私時間で何ヶ月も経過したような感覚です。
あらゆる組み合わせを試してみましたが、一度も発動していない。やはりロナ・メテオ・バーストの術式は既に完成していたというのが私の結論でした。
「他に試すことは……?」
五分間隔で死に戻るのは精神的にかなり厳しい。
何だか頭もすっきりしないし、妙案が思いつくよりも早く死に戻ってしまうのです。
「倒すしかエンディングに辿り着けない……」
アマンダは何を思っていることでしょう。
此度も封印を考え始めているのかもしれません。
不甲斐ない私の戦闘を見続けているわけですから。
「封印だけは選べないのよ……」
私はロナ・メテオ・バーストを発動。術式の入れ替えを諦めた私は正攻法を試しています。
手の平には一枚二枚と魔法陣が展開されていく。十二枚が揃ったところで魔力を注げば術式の完成です。
「ロナ・メテオ・バァァストッ!!」
炎を帯びた巨大な隕石が黒竜へと命中する。しかし、最初に命中させた頃と何も変わっていません。
少しくらいは期待させてくれてもいいのに……。
「魔力ロスでもしてんの? 術式はこれで間違いないってのに……」
術式が発動するのだから、誤って構築したわけではない。
正しい術式だからこそ、撃ち放たれているはず。
「ロス?」
ここで私は閃いていました。
ひょっとすると、私は根本的なところで間違いを犯していたのではないかと。
「十二枚の多重魔法陣は多すぎるのかも……」
分かりやすくするために、一つの結果に対して一枚の魔法陣を使いました。
魔法陣が重なっていくたびに伝達ロスがあるのであれば、十二枚は多すぎるように感じます。
「現状の六芒星陣を十二芒星陣に書き換えたなら……」
書き込める内容が倍になり、魔法陣は六枚で納まることになる。きっと伝達ロスが半分になるはずだわ。
アンジェラの日記にあるロナ・メテオ・バーストも十二枚の多重術式でしたけれど、アマンダがいうには計算上らしい。恐らく、ロスがない状態での魔法威力であるはずよ。
「やってみよう……」
脳裏で構築するのは非常に困難でありましたが、残念ながら机に向かう時間は私に与えられていない。
二度の転生で培った魔法理論を総動員し、術式を完成させなければなりません。
「一枚目は魔力変換と圧縮を同時に……」
やれる気がする。
もしも完成させられたのなら、私は黒竜と戦えるはずよ。
「二枚目は物質変換と属性付与を纏める……」
朧気に見えてきました。ロナ・メテオ・バーストの全貌が。
構築しやすいようにしていた私の術式は威力を損なっていたのだと。
「天界もシミュレーション不足なのかしらね……」
若しくは、この期に及んでロマンスシーンが見たいのかも。
不完全な術式は私が何百回と死に戻ることを期待していたとしか思えないわ。
私は三枚目と四枚目も頭の中で整理していく。ところが、次の瞬間には暗黒を直撃してしまう。
(ま、しょうがない)
思考し続けながら、攻撃を回避するのは簡単じゃありません。
元より死に戻りは想定内のことでした。
(幾ら殺そうとも私の心は折れないわ……)
どれだけ精神的に疲弊しようとも、私は何度だって生き返る。
仮に黒竜の作戦であったのだとしたら、それは愚策でしかないの。
私は死に戻るたびに精神力を回復するのよ。幾ら削り取られようとも、私は復活を遂げられる。
なぜなら、愛する人が迎えてくれるから。
死に戻った私を彼が癒してくれるのよ。
どのような状況に陥ったとして、私は前を向く。ルークが背中を押してくれるのなら、魔王にだって挑むつもりよ。
いつだって私を真っ直ぐに見つめる彼がそこにいる。
それだけで私は回復するわ。完全復活をして黒竜へと挑むの。
ほらね? また彼の声が聞こえる……。
「ずっと好きだった。俺は初めて君を見た瞬間から君のことが好きだった……」
もう既に何度リスタートしたのか覚えていません。世界線的には一秒も進んでいませんけれど、私時間で何ヶ月も経過したような感覚です。
あらゆる組み合わせを試してみましたが、一度も発動していない。やはりロナ・メテオ・バーストの術式は既に完成していたというのが私の結論でした。
「他に試すことは……?」
五分間隔で死に戻るのは精神的にかなり厳しい。
何だか頭もすっきりしないし、妙案が思いつくよりも早く死に戻ってしまうのです。
「倒すしかエンディングに辿り着けない……」
アマンダは何を思っていることでしょう。
此度も封印を考え始めているのかもしれません。
不甲斐ない私の戦闘を見続けているわけですから。
「封印だけは選べないのよ……」
私はロナ・メテオ・バーストを発動。術式の入れ替えを諦めた私は正攻法を試しています。
手の平には一枚二枚と魔法陣が展開されていく。十二枚が揃ったところで魔力を注げば術式の完成です。
「ロナ・メテオ・バァァストッ!!」
炎を帯びた巨大な隕石が黒竜へと命中する。しかし、最初に命中させた頃と何も変わっていません。
少しくらいは期待させてくれてもいいのに……。
「魔力ロスでもしてんの? 術式はこれで間違いないってのに……」
術式が発動するのだから、誤って構築したわけではない。
正しい術式だからこそ、撃ち放たれているはず。
「ロス?」
ここで私は閃いていました。
ひょっとすると、私は根本的なところで間違いを犯していたのではないかと。
「十二枚の多重魔法陣は多すぎるのかも……」
分かりやすくするために、一つの結果に対して一枚の魔法陣を使いました。
魔法陣が重なっていくたびに伝達ロスがあるのであれば、十二枚は多すぎるように感じます。
「現状の六芒星陣を十二芒星陣に書き換えたなら……」
書き込める内容が倍になり、魔法陣は六枚で納まることになる。きっと伝達ロスが半分になるはずだわ。
アンジェラの日記にあるロナ・メテオ・バーストも十二枚の多重術式でしたけれど、アマンダがいうには計算上らしい。恐らく、ロスがない状態での魔法威力であるはずよ。
「やってみよう……」
脳裏で構築するのは非常に困難でありましたが、残念ながら机に向かう時間は私に与えられていない。
二度の転生で培った魔法理論を総動員し、術式を完成させなければなりません。
「一枚目は魔力変換と圧縮を同時に……」
やれる気がする。
もしも完成させられたのなら、私は黒竜と戦えるはずよ。
「二枚目は物質変換と属性付与を纏める……」
朧気に見えてきました。ロナ・メテオ・バーストの全貌が。
構築しやすいようにしていた私の術式は威力を損なっていたのだと。
「天界もシミュレーション不足なのかしらね……」
若しくは、この期に及んでロマンスシーンが見たいのかも。
不完全な術式は私が何百回と死に戻ることを期待していたとしか思えないわ。
私は三枚目と四枚目も頭の中で整理していく。ところが、次の瞬間には暗黒を直撃してしまう。
(ま、しょうがない)
思考し続けながら、攻撃を回避するのは簡単じゃありません。
元より死に戻りは想定内のことでした。
(幾ら殺そうとも私の心は折れないわ……)
どれだけ精神的に疲弊しようとも、私は何度だって生き返る。
仮に黒竜の作戦であったのだとしたら、それは愚策でしかないの。
私は死に戻るたびに精神力を回復するのよ。幾ら削り取られようとも、私は復活を遂げられる。
なぜなら、愛する人が迎えてくれるから。
死に戻った私を彼が癒してくれるのよ。
どのような状況に陥ったとして、私は前を向く。ルークが背中を押してくれるのなら、魔王にだって挑むつもりよ。
いつだって私を真っ直ぐに見つめる彼がそこにいる。
それだけで私は回復するわ。完全復活をして黒竜へと挑むの。
ほらね? また彼の声が聞こえる……。
「ずっと好きだった。俺は初めて君を見た瞬間から君のことが好きだった……」
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