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最終章 世界に光を
決意を
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「ずっと好きだった。俺は初めて君を見た瞬間から君のことが好きだった。君は理想の女性だった。だから俺から離れていったとき、もの凄く落ち込んだ。まるで陽の光が当たらない暗闇に閉じ込められたかのように……」
三度目の台詞。まあしかし、悪くないね。
ルークが私に愛を囁く。それはこの人生でずっと望んでいたことなのです。
戦う勇気をルークから受け取り、私は再び黒竜の元へと飛んでいく。
「私が構築したロナ・メテオ・バーストの術式は合っているのかしら?」
まるで効いていないような感じです。
こうなるとアマンダが構築したオリジナルと差異があるようにしか思えない。
「いや、間違っているなら、顕現した折りに訂正されているはずよ」
流石のアマンダも術式の間違いくらいは指摘してくれると思います。
だとしたら、使い方がなっていないのかも。
「既に完成してるからなぁ。突き詰めるにしても魔力調整くらいしか……」
呪文を詠唱し始めると、脳裏に多重術式が展開されていきます。
また脳裏の展開と同期して、手の平の直ぐ前には一枚ずつ魔法陣が重なっていく。
全ての術式が重なり合ったところで魔力を注ぐと詠唱完了です。
「多重術式は順番が異なると発動しないし……」
結果から起点を逆算して構築されるのが多重魔法陣です。
手の平に近いところで、魔力をエネルギー転換し、効果を順追って進んだあと、放出の術式が最後となります。
「ロナ・メテオ・バーストは十二枚。入れ替えてみようか……」
試行できることは全てやる。一つずつ選択肢を潰していくのがゲーマーの鉄則ですし。
時間はかかっても構わない。エンディングさえ迎えられるのなら……。
「やってみよう」
即座に術式を展開していく。
意味があるのか分かりませんけれど、途中の魔法陣を一カ所入れ替えてみました。
結果は不発。構築途中で魔法陣が消失し、ロナ・メテオ・バーストの発動まで漕ぎ着けない。
「この術式の肝は炎を帯びた巨大な隕石。魔力を物質転換する過程を弄っては発動しないってことね」
魔法威力の根幹を触るのは、やはり駄目でした。
再び、私が構築を始めようとした瞬間、
「クソッ!?」
視界をよぎる黒い影。それは黒竜が撃ち放った遠距離攻撃に他ならない。
またもや全身を酷い悪寒が襲います。三度目のリスタートも私は呆気なく殺されてしまったみたい。
(ロナ・メテオ・バーストを強化していくしかない)
決意と共に私は世界線から切り離されていく。
現状のまま討伐に挑んだとして時間の無駄だもの。
今は準備期間よ。そのときが来れば震え上がれば良いわ。貴方は死に戻りチートの悪役令嬢を相手にしているのよ……。
「ずっと好きだった。俺は初めて君を見た瞬間から君のことが好きだった。君は理想の女性だった。だから俺から離れていったとき、もの凄く落ち込んだ。まるで陽の光が当たらない暗闇に閉じ込められたかのように……」
再び私は歯の浮くような台詞を聞いていました。
正直に静かな場所で思考したかったのですけれど、生憎と私は黒竜が目と鼻の先にいる状況でセーブを促しています。
(アマンダが珍しく私の意図した行動をしてくれたけど……)
この状況で私は黒竜から背を向けられないのよ。
戦いながら攻略していく道しか私にはありませんでした。
だって、彼が見ているんだもの。格好いい私が好きだと言ったルークが見ているのに、どうして逃げられる?
私はもっと愛されたい。だからこそ、黒竜に向かっていくの。
今はまだ勝算などなくても、必ず倒してやるわ。
たとえ何千年かかろうとも、私は世界を救ってみせる。
三度目の台詞。まあしかし、悪くないね。
ルークが私に愛を囁く。それはこの人生でずっと望んでいたことなのです。
戦う勇気をルークから受け取り、私は再び黒竜の元へと飛んでいく。
「私が構築したロナ・メテオ・バーストの術式は合っているのかしら?」
まるで効いていないような感じです。
こうなるとアマンダが構築したオリジナルと差異があるようにしか思えない。
「いや、間違っているなら、顕現した折りに訂正されているはずよ」
流石のアマンダも術式の間違いくらいは指摘してくれると思います。
だとしたら、使い方がなっていないのかも。
「既に完成してるからなぁ。突き詰めるにしても魔力調整くらいしか……」
呪文を詠唱し始めると、脳裏に多重術式が展開されていきます。
また脳裏の展開と同期して、手の平の直ぐ前には一枚ずつ魔法陣が重なっていく。
全ての術式が重なり合ったところで魔力を注ぐと詠唱完了です。
「多重術式は順番が異なると発動しないし……」
結果から起点を逆算して構築されるのが多重魔法陣です。
手の平に近いところで、魔力をエネルギー転換し、効果を順追って進んだあと、放出の術式が最後となります。
「ロナ・メテオ・バーストは十二枚。入れ替えてみようか……」
試行できることは全てやる。一つずつ選択肢を潰していくのがゲーマーの鉄則ですし。
時間はかかっても構わない。エンディングさえ迎えられるのなら……。
「やってみよう」
即座に術式を展開していく。
意味があるのか分かりませんけれど、途中の魔法陣を一カ所入れ替えてみました。
結果は不発。構築途中で魔法陣が消失し、ロナ・メテオ・バーストの発動まで漕ぎ着けない。
「この術式の肝は炎を帯びた巨大な隕石。魔力を物質転換する過程を弄っては発動しないってことね」
魔法威力の根幹を触るのは、やはり駄目でした。
再び、私が構築を始めようとした瞬間、
「クソッ!?」
視界をよぎる黒い影。それは黒竜が撃ち放った遠距離攻撃に他ならない。
またもや全身を酷い悪寒が襲います。三度目のリスタートも私は呆気なく殺されてしまったみたい。
(ロナ・メテオ・バーストを強化していくしかない)
決意と共に私は世界線から切り離されていく。
現状のまま討伐に挑んだとして時間の無駄だもの。
今は準備期間よ。そのときが来れば震え上がれば良いわ。貴方は死に戻りチートの悪役令嬢を相手にしているのよ……。
「ずっと好きだった。俺は初めて君を見た瞬間から君のことが好きだった。君は理想の女性だった。だから俺から離れていったとき、もの凄く落ち込んだ。まるで陽の光が当たらない暗闇に閉じ込められたかのように……」
再び私は歯の浮くような台詞を聞いていました。
正直に静かな場所で思考したかったのですけれど、生憎と私は黒竜が目と鼻の先にいる状況でセーブを促しています。
(アマンダが珍しく私の意図した行動をしてくれたけど……)
この状況で私は黒竜から背を向けられないのよ。
戦いながら攻略していく道しか私にはありませんでした。
だって、彼が見ているんだもの。格好いい私が好きだと言ったルークが見ているのに、どうして逃げられる?
私はもっと愛されたい。だからこそ、黒竜に向かっていくの。
今はまだ勝算などなくても、必ず倒してやるわ。
たとえ何千年かかろうとも、私は世界を救ってみせる。
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