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第十四章 迫る闇の中で
妥協案
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私は仮眠を取っていました。
貴族院の中庭にあるベンチで居眠りです。
どれだけ眠っていたでしょうか。不意に脳裏へと声が聞こえて、私は目を覚ましています。
『アナスタシア様、今よろしいですか? 少しお話ししたいことがございます』
期待通りに念話が届きました。
今度は確実にエレオノーラを守れという話でしょう。
何しろ、イセリナが拘束された頃には査問会の開催が決まっていたのですから。
『構いません。貴族院の図書室にいましたから、直ぐに登城しますわ』
エレオノーラに恨みはありませんが、クレアフィール公爵家の男性たちには不満しかありませんの。
よって、私は友人を守るだけ。此度の断頭台はお一人でどうぞ。
私は貴族らしくなく駆け足で王城を走って行く。徹夜した成果を早く聞きたいがために。
「アナスタシアですわ」
ノックをして名乗ると、モルディン大臣が扉を開いてくれる。
ここは記憶通りです。イセリナが拘束された日も同じ部屋に呼ばれたのですから。
「どうされました? 急いで来ましたけれど」
「実は相談事がございましてね……」
嘆息するモルディン大臣を見る限りはクレアフィール公爵家にとって苦渋の決断となっているからでしょう。
「今朝のことです。アナスタシア様の予知が現実になってしまいました」
「ああ、イセリナが捕らえられるという予知ですね?」
「その通りです。しかし、どこで狂ったのか、イセリナ様ではなく、エレオノーラが拘束されてしまったのです」
まあ、そうなるでしょうね。
近衛騎士団が動いたのですから、即刻逮捕となったはず。
「王家の婚約者名簿が盗まれたのですね?」
「匿名の密告では貴族院の一般科に通う女性が似たような書物を持っていたという話だったのです。てっきり私はイセリナ様が予知通りに嵌められたのだと考えていました」
「密告はたったそれだけなのですか?」
「あとは公爵令嬢だと……」
なるほど、ぼかし方が甘かったわね。
学年全体を見ても、公爵令嬢はイセリナとエレオノーラしかいないのだから。
「そういえば、私の予知も曖昧だったかもしれません。てっきりイセリナだと考えておりましたが……」
私も濁しておきましょう。
どうせ証明などできないのですから。
「二人は髪色や背格好が似ていますからね……」
「というと、エレオノーラ様の机から王家の婚約者名簿が出てきたと?」
「その通りです。防犯用の術式まで展開されていました。まるでエレオノーラが見つからないように施したとしか思えないものが……」
モルディン大臣には悪いけれど、私はもうクレアフィール公爵と敵対しているのよ。
孫娘はさぞかし可愛いでしょうが、私に同情を引くなんて無駄なことです。
「査問会は開かれるのでしょうか?」
「ええまあ。書物が盗まれたと発覚して直ぐ、クレアフィール公爵から提出されています。犯人は断罪処分にすべきだと」
ま、クレアフィール公爵の気持ちは分かる。
犯人がイセリナと分かってから断罪処分とするよりも、先に言っておかないと相手を見た罰則だと思われてしまうものね。
「アナスタシア様、エレオノーラを助けてもらえないでしょうか?」
モルディン大臣は一連の流れを作った張本人に助力を求めています。
ここまでの過程を知り得ない彼は最大の悪に気付いていないようです。
私としては徹底的に戦うつもりでしたが、モルディン大臣には世話になっていますし、エレオノーラにも悪い印象はありません。
「難しいですね。貴族界は誰かを吊し上げて、解決とするものでしょう?」
イセリナがそうであったように、エレオノーラの机から発見された事実。
嵌められたのかどうかなんて考慮する貴族界ではありません。
「そうなのですが、不憫に感じましてね。貴方様は私が最も期待をし、信頼している人物。アナスタシア様であれば、策があるかと思ったのですけれど」
そこまで評価が上がる理由は分かりませんでしたが、頼み込まれたのなら手を貸したいと考えます。
たとえ全ての元凶が私であったとしても。
「まず聞きたいことがございます。クレアフィール公爵は何を考えて議題を提出されたのですか? 明らかに先走った感があり、謀略の影が透けて見えております」
助けるにしても、クレアフィール公爵には釘を刺しておかねばならない。
妙な動きをしないように、力を削いでおきたいところです。
「確かに。恐らくアナスタシア様の予知のままかと。残念ながら愚息はイセリナ様を陥れようとして、手違いで愛娘を追い込んでしまったようです」
そう考えるのが当たり前よね。雇った人間がミスを犯したと考えるべきです。
とはいえ、疑問が残ります。
仕掛け人であるシルヴィアはダルハウジー侯爵に囲われていると話したのです。クレアフィール公爵とは関係ありませんでした。
「エレオノーラ様を助けても構わない。ですが、クレアフィール公爵の自業自得感は否めません。他者を陥れてまで愛娘を嫁がせようとしたのですから」
明言しておかねばなりません。
エレオノーラ可愛しといって、イセリナを断罪に追い込むなんて。私としては公爵自身が断頭台に登ってくれないと納得できません。
「一つ手があることは確かです……」
「本当ですか!? 是非ともお聞かせ願いたいのですけれど」
モルディン大臣のためならば動く用意があります。
だけど、結果的にクレアフィール公爵がお咎めなしとなるなんて許せない。
「その前に私はクレアフィール公爵に弁明願いたい。一つ間違えたのなら、イセリナが断罪に処されていたはず。彼女は私の親友です。イセリナを陥れようとした者を助けるほど、聖人ではありませんよ?」
ぐうの音も出ないことでしょう。
立場が一変しただけ。前世界線で私は完全に敗北したのよ。クレアフィール公爵の策によって。
「息子は何と愚かなのでしょうか。ランカスタ公爵家には貴方様がいる。口を酸っぱくして言いきかせてきましたが、残念ながら牙を剥いてしまった。取り返しのつかない馬鹿な行いです。王都におりますので、呼び出して頭を下げさせます。どうかそれで溜飲を下げてもらえないでしょうか?」
孫娘を不憫に思う気持ちは分かります。
妥協案というか、相応の対価を求めることで了承すべきかもしれません。
「謝罪など結構です。しかし、公爵様にはそれなりの罰を与えないと納得できません。ただでさえ私はアルバート様の件で公爵家に良い印象を持っておりませんから」
「具体的に何を? 私は殴りつけてでも謝罪させる予定です」
そこまで言われてしまうと、妥協案を提示するしかありません。
謝られたとして何も変わらない。よって私はクレアフィール公爵を取り込む方向で動くしかないでしょう。
「ご存じのように私は力を欲している。賠償として白金貨千枚。加えて契約を行います。もう二度と私の意に反する行動をしないこと。ひいては私が王家の直轄地を得る場合に賛成するように」
突きつけたのは公爵家が傾いても仕方のないものです。
恐らく現金では用意できないはず。
あらゆる物を売却し、捻出しなければ支払えないことでしょう。
「そんなにですか!?」
「譲るつもりはありません。条件を呑むのであれば、エレオノーラ様は助けましょう」
じっくりと考えてください。
私は売られた喧嘩を買っただけ。敗戦が目に見えたからと、降参を認めるとかあり得ない。
勝利に値する対価がなければ、停戦など受け入れられません。
「一つお聞かせください。どうやってエレオノーラを助けるつもりです? 盗まれた書物はエレオノーラの机から発見されたのですよ?」
当然のこと、方法は知りたいでしょうね。
でもなければ、説得などできるはずもないのですから。
「ご存じのように今朝、私は貴族院にいました。そこで妙な女を捕らえたのです。尋問しますと、彼女は雇われの間者だと名乗っていました。もちろん、雇い主の名も聞いています」
これだけ言えば分かるかな。
手の内を全て晒すなんて考えていませんし。
「雇い主は息子ではないのですね……?」
「ええまあ。現在も拘束中ですわ。貴族界の慣例により、誰かが罪を負わねばなりません。その女を使えば、厳罰をエレオノーラ様からある者へとすげ替えることが可能です」
モルディン大臣は頷いていた。
貴族界の習わしについては彼もよく知っていることでしょう。
盗まれた事実と証拠が揃った今、誰かが罪を背負うしかないのです。
「承知しました。必ずや説得してまいります」
白金貨千枚なら悪くないわ。北部の発展に使わせてもらいましょう。
その条件を呑むしかないのです。エレオノーラを助けようとするならば。
私は念押しするように、モルディン大臣へと告げています。
査問会まで三日。よくご検討ください――と。
貴族院の中庭にあるベンチで居眠りです。
どれだけ眠っていたでしょうか。不意に脳裏へと声が聞こえて、私は目を覚ましています。
『アナスタシア様、今よろしいですか? 少しお話ししたいことがございます』
期待通りに念話が届きました。
今度は確実にエレオノーラを守れという話でしょう。
何しろ、イセリナが拘束された頃には査問会の開催が決まっていたのですから。
『構いません。貴族院の図書室にいましたから、直ぐに登城しますわ』
エレオノーラに恨みはありませんが、クレアフィール公爵家の男性たちには不満しかありませんの。
よって、私は友人を守るだけ。此度の断頭台はお一人でどうぞ。
私は貴族らしくなく駆け足で王城を走って行く。徹夜した成果を早く聞きたいがために。
「アナスタシアですわ」
ノックをして名乗ると、モルディン大臣が扉を開いてくれる。
ここは記憶通りです。イセリナが拘束された日も同じ部屋に呼ばれたのですから。
「どうされました? 急いで来ましたけれど」
「実は相談事がございましてね……」
嘆息するモルディン大臣を見る限りはクレアフィール公爵家にとって苦渋の決断となっているからでしょう。
「今朝のことです。アナスタシア様の予知が現実になってしまいました」
「ああ、イセリナが捕らえられるという予知ですね?」
「その通りです。しかし、どこで狂ったのか、イセリナ様ではなく、エレオノーラが拘束されてしまったのです」
まあ、そうなるでしょうね。
近衛騎士団が動いたのですから、即刻逮捕となったはず。
「王家の婚約者名簿が盗まれたのですね?」
「匿名の密告では貴族院の一般科に通う女性が似たような書物を持っていたという話だったのです。てっきり私はイセリナ様が予知通りに嵌められたのだと考えていました」
「密告はたったそれだけなのですか?」
「あとは公爵令嬢だと……」
なるほど、ぼかし方が甘かったわね。
学年全体を見ても、公爵令嬢はイセリナとエレオノーラしかいないのだから。
「そういえば、私の予知も曖昧だったかもしれません。てっきりイセリナだと考えておりましたが……」
私も濁しておきましょう。
どうせ証明などできないのですから。
「二人は髪色や背格好が似ていますからね……」
「というと、エレオノーラ様の机から王家の婚約者名簿が出てきたと?」
「その通りです。防犯用の術式まで展開されていました。まるでエレオノーラが見つからないように施したとしか思えないものが……」
モルディン大臣には悪いけれど、私はもうクレアフィール公爵と敵対しているのよ。
孫娘はさぞかし可愛いでしょうが、私に同情を引くなんて無駄なことです。
「査問会は開かれるのでしょうか?」
「ええまあ。書物が盗まれたと発覚して直ぐ、クレアフィール公爵から提出されています。犯人は断罪処分にすべきだと」
ま、クレアフィール公爵の気持ちは分かる。
犯人がイセリナと分かってから断罪処分とするよりも、先に言っておかないと相手を見た罰則だと思われてしまうものね。
「アナスタシア様、エレオノーラを助けてもらえないでしょうか?」
モルディン大臣は一連の流れを作った張本人に助力を求めています。
ここまでの過程を知り得ない彼は最大の悪に気付いていないようです。
私としては徹底的に戦うつもりでしたが、モルディン大臣には世話になっていますし、エレオノーラにも悪い印象はありません。
「難しいですね。貴族界は誰かを吊し上げて、解決とするものでしょう?」
イセリナがそうであったように、エレオノーラの机から発見された事実。
嵌められたのかどうかなんて考慮する貴族界ではありません。
「そうなのですが、不憫に感じましてね。貴方様は私が最も期待をし、信頼している人物。アナスタシア様であれば、策があるかと思ったのですけれど」
そこまで評価が上がる理由は分かりませんでしたが、頼み込まれたのなら手を貸したいと考えます。
たとえ全ての元凶が私であったとしても。
「まず聞きたいことがございます。クレアフィール公爵は何を考えて議題を提出されたのですか? 明らかに先走った感があり、謀略の影が透けて見えております」
助けるにしても、クレアフィール公爵には釘を刺しておかねばならない。
妙な動きをしないように、力を削いでおきたいところです。
「確かに。恐らくアナスタシア様の予知のままかと。残念ながら愚息はイセリナ様を陥れようとして、手違いで愛娘を追い込んでしまったようです」
そう考えるのが当たり前よね。雇った人間がミスを犯したと考えるべきです。
とはいえ、疑問が残ります。
仕掛け人であるシルヴィアはダルハウジー侯爵に囲われていると話したのです。クレアフィール公爵とは関係ありませんでした。
「エレオノーラ様を助けても構わない。ですが、クレアフィール公爵の自業自得感は否めません。他者を陥れてまで愛娘を嫁がせようとしたのですから」
明言しておかねばなりません。
エレオノーラ可愛しといって、イセリナを断罪に追い込むなんて。私としては公爵自身が断頭台に登ってくれないと納得できません。
「一つ手があることは確かです……」
「本当ですか!? 是非ともお聞かせ願いたいのですけれど」
モルディン大臣のためならば動く用意があります。
だけど、結果的にクレアフィール公爵がお咎めなしとなるなんて許せない。
「その前に私はクレアフィール公爵に弁明願いたい。一つ間違えたのなら、イセリナが断罪に処されていたはず。彼女は私の親友です。イセリナを陥れようとした者を助けるほど、聖人ではありませんよ?」
ぐうの音も出ないことでしょう。
立場が一変しただけ。前世界線で私は完全に敗北したのよ。クレアフィール公爵の策によって。
「息子は何と愚かなのでしょうか。ランカスタ公爵家には貴方様がいる。口を酸っぱくして言いきかせてきましたが、残念ながら牙を剥いてしまった。取り返しのつかない馬鹿な行いです。王都におりますので、呼び出して頭を下げさせます。どうかそれで溜飲を下げてもらえないでしょうか?」
孫娘を不憫に思う気持ちは分かります。
妥協案というか、相応の対価を求めることで了承すべきかもしれません。
「謝罪など結構です。しかし、公爵様にはそれなりの罰を与えないと納得できません。ただでさえ私はアルバート様の件で公爵家に良い印象を持っておりませんから」
「具体的に何を? 私は殴りつけてでも謝罪させる予定です」
そこまで言われてしまうと、妥協案を提示するしかありません。
謝られたとして何も変わらない。よって私はクレアフィール公爵を取り込む方向で動くしかないでしょう。
「ご存じのように私は力を欲している。賠償として白金貨千枚。加えて契約を行います。もう二度と私の意に反する行動をしないこと。ひいては私が王家の直轄地を得る場合に賛成するように」
突きつけたのは公爵家が傾いても仕方のないものです。
恐らく現金では用意できないはず。
あらゆる物を売却し、捻出しなければ支払えないことでしょう。
「そんなにですか!?」
「譲るつもりはありません。条件を呑むのであれば、エレオノーラ様は助けましょう」
じっくりと考えてください。
私は売られた喧嘩を買っただけ。敗戦が目に見えたからと、降参を認めるとかあり得ない。
勝利に値する対価がなければ、停戦など受け入れられません。
「一つお聞かせください。どうやってエレオノーラを助けるつもりです? 盗まれた書物はエレオノーラの机から発見されたのですよ?」
当然のこと、方法は知りたいでしょうね。
でもなければ、説得などできるはずもないのですから。
「ご存じのように今朝、私は貴族院にいました。そこで妙な女を捕らえたのです。尋問しますと、彼女は雇われの間者だと名乗っていました。もちろん、雇い主の名も聞いています」
これだけ言えば分かるかな。
手の内を全て晒すなんて考えていませんし。
「雇い主は息子ではないのですね……?」
「ええまあ。現在も拘束中ですわ。貴族界の慣例により、誰かが罪を負わねばなりません。その女を使えば、厳罰をエレオノーラ様からある者へとすげ替えることが可能です」
モルディン大臣は頷いていた。
貴族界の習わしについては彼もよく知っていることでしょう。
盗まれた事実と証拠が揃った今、誰かが罪を背負うしかないのです。
「承知しました。必ずや説得してまいります」
白金貨千枚なら悪くないわ。北部の発展に使わせてもらいましょう。
その条件を呑むしかないのです。エレオノーラを助けようとするならば。
私は念押しするように、モルディン大臣へと告げています。
査問会まで三日。よくご検討ください――と。
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