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第二章 繰り返す時間軸
パーティーにて
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王城にある祭壇にてルークの聖浄式が執り行われました。
その立派な姿に貴族たちからは盛大な拍手が送られています。
私は最後列でしたので目立つことはありませんでした。
マリィもパーカー的な服を縫ってもらったので何の問題もありません。
聖浄式は予定時間通りに終了。直ぐさま隣接するパーティー会場へと全員が移動していきます。
「もう帰りたいな……」
伯爵令嬢なので本来なら居残るべきではありません。
しかし、セシル殿下に招待状を用意してもらったことや、イセリナの侍女でもある私は最後まで残らなければならない運命です。
残念ながら途中で帰るわけにはなりませんでした。
ほぼ全員が会場入りしたあと、私は隠れるようにして入っていくことに。
既にイセリナの側にはいませんでしたが、公然と王城内で暗殺されるはずもありませんので、ここは離れてやり過ごすだけですね。
王家による有り難いお話のあと、楽団の演奏が始まりました。
これより各々にダンスや食事をしたりしての歓談が始まります。
「ま、私は目立つべきじゃない……」
非常に目立つドレスを着用しているのですが、隅っこで大人しくしておれば目立つはずがない。
ダンスや談笑が始まった今、会場の端に目を向ける必要などないのですから。
しばらくは何の問題もありませんでした。しかし、一時間ほどが経過した頃、
「貴様、伯爵家の分際で会場に入ったのか!?」
私は怒鳴られています。
酒に酔っているのは明らかでしたが、平謝りしたくもない人物が目の前にやって来ました。
「リッチモンド公爵様、申し訳ございませんが、私はセシル殿下に招待状をいただきましたので入場させていただいております。ですが、身の程を弁え、隅の方で大人しくしておったのです」
まさかリッチモンド公爵に目を付けられるとは思いませんでした。
会場の隅にいる私のところにまで公爵がやって来るはずもなかったというのに。
「肩の魔物は何だ!?」
リッチモンド公爵は更なる文句を口にします。
マリィはパーカーを着ていたので、そこまで威圧的ではなかったはずですけれど。
長い息を吐く。激昂されてしまっては弁明など意味がありません。
私は伯爵家の人間でしかなく、周囲にいる貴族は誰一人として味方についてくれないのですから。
「申し訳ございません。身分不相応でした。これにて失礼いたしますわ」
最初から乗り気でなかったのだし、これでいいのよ。イセリナが会場をあとにするまで外にいるだけだわ。
リッチモンド公爵に礼をして、私はパーティー会場をあとにします。
ところが、
「アナスタシア様、お待ちください!」
私を呼び止める声。幼いその声の主は明らかに彼でした。
私としては謝罪して立ち去るだけで良かったというのに、彼は再び私の予定と異なる行動を起こしてしまいます。
「リッチモンド公爵様、この方は僕のお客様です。何を勝手に追い出そうとしておられるのですか?」
年下だというのにしっかりしている。
現れたセシルはリッチモンド公爵を睨み付けていました。
前世の私が知るどのような場面でも見せたことのない表情です。
「いやしかし、殿下……」
「問答無用! 気に入らないというのであれば、貴殿が立ち去れ!」
意外な展開となっています。私としても胸がすく対応でした。
顔立ちはともかく、弱腰で有名な第三王子殿下がこんなにも明確に意思表明するなんて考えられません。
しかも相手は四大公爵家の一人であったというのに。
流石にここまで言われてしまってはリッチモンド公爵といえども反論できない。
私を睨むようにしてから、この場を去って行く。
リッチモンド公爵の姿を目で追っていたセシルですが、直ぐさま私に向き直っています。
「アナスタシア様、申し訳ございませんでした。配慮が足りなかったかと存じます」
「ああいえ、こちらこそ助かりましたわ! オホホ!」
取り繕うように笑うしかない。
意外すぎて頭が回らなかった。
まだ子供だと考えていたのだけど、私が思うよりもセシルは大人なのかもしれません。
「アナスタシア様……」
どうしてか手を差し伸べるセシル。私は小首を傾げています。
けれども、その意味合いは難しい内容を含んでいませんでした。
「僕と踊っていただけませんか?」
私は息を呑んでいました。イセリナの付き添いでしかなかったはずなのにと。
私の知らない世界線が続く。思えば世界を動かしすぎたのかもしれない。
「セシル殿下、マリィを乗せたまま踊るわけにはなりませんわ……」
私はともかく、セシルに恥を掻かせるわけにはなりません。
肩に竜を乗せた女とダンスだなんて許容できる話ではないのですから。
「ああ、お肉でしたね?」
言ってセシルはパチンと指を鳴らす。
するとどうでしょう。直ぐさまメイドがやって来て、マリィにお肉を食べさせたのです。
呆然としてしまう。マリィはメイドに抱っこされながらも、お肉に齧り付いています。
ご飯さえもらえたなら誰にでも懐くだなんて、一体誰に似たのかしらね?
「アナスタシア様、僕に抜かりはありませんよ? マリィが食べるものを用意していたので、遅れてしまったのです。マリィの世話はメイドに任せて、僕の手を取ってください」
もう断る理由は探せません。
何がどうなって現状に導かれたのか皆目見当がつきませんけれど、私は差し伸べられた手を取っていました。
「田舎者で恐縮ですけれど……」
「僕は公式な場でダンスするのが初めてですから、どうぞお手柔らかに! さあ、いきましょう!」
きっと隅っこにいた私を気遣ってくれたのだと思います。
広大なパーティー会場にあって、偶然にもリッチモンド公爵に絡まれた場面で登場するなどあり得ないのですから。
私は咄嗟にルークを探しています。
ランカスタ公爵家まで会いに来るような王子様なのです。私がセシルとダンスするならば、彼は問題を起こしてしまうかもしれません。
「あの行列……」
壇上に近いところ。パーティー会場のずっと奥に長い行列を見つけました。
恐らく主役であるルークは各諸侯たちやご令嬢たちのお祝いを受けているはず。これならば、セシルと踊ったとして気付くはずもないでしょう。
「おわっ! アナスタシア様、お上手です!」
まずはアップテンポな曲が流れています。
ダンスに関してはイセリナ時代に嫌と言うほど勉強しました。
死に戻りにて学ぶ時間が充分にありましたので、現在ではかなり自信があったりします。
「ほら殿下、リズムが大事です。遅れないように」
「分かりました!」
一つ年上なのだから、お姉さんぶっても構わないよね?
転生した目的を果たせるのだし、私はセシルをリードしていく。
するとアップテンポな曲が終わり、次なる楽曲はスローバラードでした。
まあしかし、曲が変わろうとも私には関係ありません。青き薔薇と呼ばれた実力を見せつけてあげましょう。
ダンスが始まるや、私はグッと引き寄せられます。
スローバラードは基本的に殿方がリードしていくもの。
年下の彼はまだ私より背が低かったのですけれど、しっかりと私を抱き寄せ、舞うように踊っています。
「アナスタシア様、本日はご迷惑をおかけしました。良かれと思い招待状を用意したのですが、不快な思いをさせてしまったようです」
余裕が出てきたのか、セシルはそんなことを口にしました。
少しばかり考える。どのような返答が正しいのかと。
私としてはパーティーに参加する気はありませんでしたので、セシルとお近づきになれたということは確実に前進です。とはいえ、そのことに対して礼を申し上げるのは違うような気がしました。
「私は嬉しゅうございました……」
ここは感謝だけを。セシルに対してのみ礼を言うべきだ。
彼が私にしてくれたことは善意に他ならないのですから、私はただ感謝を口にするだけでいい。
そんな私にセシルは少しばかり頬を赤く染めています。
何だか妙な雰囲気です。
攻略は始まったばかりだというのに、どうしてかセシルは最終的な意思表示とも感じられる話を始めています。
「お兄様のことをどうお考えですか?――」
その立派な姿に貴族たちからは盛大な拍手が送られています。
私は最後列でしたので目立つことはありませんでした。
マリィもパーカー的な服を縫ってもらったので何の問題もありません。
聖浄式は予定時間通りに終了。直ぐさま隣接するパーティー会場へと全員が移動していきます。
「もう帰りたいな……」
伯爵令嬢なので本来なら居残るべきではありません。
しかし、セシル殿下に招待状を用意してもらったことや、イセリナの侍女でもある私は最後まで残らなければならない運命です。
残念ながら途中で帰るわけにはなりませんでした。
ほぼ全員が会場入りしたあと、私は隠れるようにして入っていくことに。
既にイセリナの側にはいませんでしたが、公然と王城内で暗殺されるはずもありませんので、ここは離れてやり過ごすだけですね。
王家による有り難いお話のあと、楽団の演奏が始まりました。
これより各々にダンスや食事をしたりしての歓談が始まります。
「ま、私は目立つべきじゃない……」
非常に目立つドレスを着用しているのですが、隅っこで大人しくしておれば目立つはずがない。
ダンスや談笑が始まった今、会場の端に目を向ける必要などないのですから。
しばらくは何の問題もありませんでした。しかし、一時間ほどが経過した頃、
「貴様、伯爵家の分際で会場に入ったのか!?」
私は怒鳴られています。
酒に酔っているのは明らかでしたが、平謝りしたくもない人物が目の前にやって来ました。
「リッチモンド公爵様、申し訳ございませんが、私はセシル殿下に招待状をいただきましたので入場させていただいております。ですが、身の程を弁え、隅の方で大人しくしておったのです」
まさかリッチモンド公爵に目を付けられるとは思いませんでした。
会場の隅にいる私のところにまで公爵がやって来るはずもなかったというのに。
「肩の魔物は何だ!?」
リッチモンド公爵は更なる文句を口にします。
マリィはパーカーを着ていたので、そこまで威圧的ではなかったはずですけれど。
長い息を吐く。激昂されてしまっては弁明など意味がありません。
私は伯爵家の人間でしかなく、周囲にいる貴族は誰一人として味方についてくれないのですから。
「申し訳ございません。身分不相応でした。これにて失礼いたしますわ」
最初から乗り気でなかったのだし、これでいいのよ。イセリナが会場をあとにするまで外にいるだけだわ。
リッチモンド公爵に礼をして、私はパーティー会場をあとにします。
ところが、
「アナスタシア様、お待ちください!」
私を呼び止める声。幼いその声の主は明らかに彼でした。
私としては謝罪して立ち去るだけで良かったというのに、彼は再び私の予定と異なる行動を起こしてしまいます。
「リッチモンド公爵様、この方は僕のお客様です。何を勝手に追い出そうとしておられるのですか?」
年下だというのにしっかりしている。
現れたセシルはリッチモンド公爵を睨み付けていました。
前世の私が知るどのような場面でも見せたことのない表情です。
「いやしかし、殿下……」
「問答無用! 気に入らないというのであれば、貴殿が立ち去れ!」
意外な展開となっています。私としても胸がすく対応でした。
顔立ちはともかく、弱腰で有名な第三王子殿下がこんなにも明確に意思表明するなんて考えられません。
しかも相手は四大公爵家の一人であったというのに。
流石にここまで言われてしまってはリッチモンド公爵といえども反論できない。
私を睨むようにしてから、この場を去って行く。
リッチモンド公爵の姿を目で追っていたセシルですが、直ぐさま私に向き直っています。
「アナスタシア様、申し訳ございませんでした。配慮が足りなかったかと存じます」
「ああいえ、こちらこそ助かりましたわ! オホホ!」
取り繕うように笑うしかない。
意外すぎて頭が回らなかった。
まだ子供だと考えていたのだけど、私が思うよりもセシルは大人なのかもしれません。
「アナスタシア様……」
どうしてか手を差し伸べるセシル。私は小首を傾げています。
けれども、その意味合いは難しい内容を含んでいませんでした。
「僕と踊っていただけませんか?」
私は息を呑んでいました。イセリナの付き添いでしかなかったはずなのにと。
私の知らない世界線が続く。思えば世界を動かしすぎたのかもしれない。
「セシル殿下、マリィを乗せたまま踊るわけにはなりませんわ……」
私はともかく、セシルに恥を掻かせるわけにはなりません。
肩に竜を乗せた女とダンスだなんて許容できる話ではないのですから。
「ああ、お肉でしたね?」
言ってセシルはパチンと指を鳴らす。
するとどうでしょう。直ぐさまメイドがやって来て、マリィにお肉を食べさせたのです。
呆然としてしまう。マリィはメイドに抱っこされながらも、お肉に齧り付いています。
ご飯さえもらえたなら誰にでも懐くだなんて、一体誰に似たのかしらね?
「アナスタシア様、僕に抜かりはありませんよ? マリィが食べるものを用意していたので、遅れてしまったのです。マリィの世話はメイドに任せて、僕の手を取ってください」
もう断る理由は探せません。
何がどうなって現状に導かれたのか皆目見当がつきませんけれど、私は差し伸べられた手を取っていました。
「田舎者で恐縮ですけれど……」
「僕は公式な場でダンスするのが初めてですから、どうぞお手柔らかに! さあ、いきましょう!」
きっと隅っこにいた私を気遣ってくれたのだと思います。
広大なパーティー会場にあって、偶然にもリッチモンド公爵に絡まれた場面で登場するなどあり得ないのですから。
私は咄嗟にルークを探しています。
ランカスタ公爵家まで会いに来るような王子様なのです。私がセシルとダンスするならば、彼は問題を起こしてしまうかもしれません。
「あの行列……」
壇上に近いところ。パーティー会場のずっと奥に長い行列を見つけました。
恐らく主役であるルークは各諸侯たちやご令嬢たちのお祝いを受けているはず。これならば、セシルと踊ったとして気付くはずもないでしょう。
「おわっ! アナスタシア様、お上手です!」
まずはアップテンポな曲が流れています。
ダンスに関してはイセリナ時代に嫌と言うほど勉強しました。
死に戻りにて学ぶ時間が充分にありましたので、現在ではかなり自信があったりします。
「ほら殿下、リズムが大事です。遅れないように」
「分かりました!」
一つ年上なのだから、お姉さんぶっても構わないよね?
転生した目的を果たせるのだし、私はセシルをリードしていく。
するとアップテンポな曲が終わり、次なる楽曲はスローバラードでした。
まあしかし、曲が変わろうとも私には関係ありません。青き薔薇と呼ばれた実力を見せつけてあげましょう。
ダンスが始まるや、私はグッと引き寄せられます。
スローバラードは基本的に殿方がリードしていくもの。
年下の彼はまだ私より背が低かったのですけれど、しっかりと私を抱き寄せ、舞うように踊っています。
「アナスタシア様、本日はご迷惑をおかけしました。良かれと思い招待状を用意したのですが、不快な思いをさせてしまったようです」
余裕が出てきたのか、セシルはそんなことを口にしました。
少しばかり考える。どのような返答が正しいのかと。
私としてはパーティーに参加する気はありませんでしたので、セシルとお近づきになれたということは確実に前進です。とはいえ、そのことに対して礼を申し上げるのは違うような気がしました。
「私は嬉しゅうございました……」
ここは感謝だけを。セシルに対してのみ礼を言うべきだ。
彼が私にしてくれたことは善意に他ならないのですから、私はただ感謝を口にするだけでいい。
そんな私にセシルは少しばかり頬を赤く染めています。
何だか妙な雰囲気です。
攻略は始まったばかりだというのに、どうしてかセシルは最終的な意思表示とも感じられる話を始めています。
「お兄様のことをどうお考えですか?――」
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