47 / 377
第二章 繰り返す時間軸
計画
しおりを挟む
約三時間を要して、私たちはランカスタ公爵家へと到着していました。
再び公爵家の門を潜る私は今度こそと意気込んでおります。
何しろキャサリンの誕生パーティーイベントまで二年もあるのです。周到な準備を行う時間が私にはありました。
(再び戻ってきたね……)
私はランカスタ公爵の執務室へと案内されています。
私の要件はイセリナにこそあったのですけれど、契約ですので仕方ありません。
「アナスタシア嬢、ここまで色々とすまなかったな。やはり十二歳の女児と面会することに意義を見出せなかったのだ」
まずは意外にも謝罪からでした。
この辺りは彼の処世術でしょう。商談相手の印象が悪くなることを恐れているはずです。
「いいえ、私こそ失礼を。急ぎの用事があったものですから」
契約は魔法で行う。箇条書きにした条件に従うといった内容です。
私は書面に魔力を注ぎ、異論がないことをここに誓っています。
「それで私の要求なのですが、まず先に私の力を伝えさせてください。私は未来視が可能なのです。あのミスリル鉱脈もいずれランカスタ公爵様が我が所領にお話を持ってこられることになっていました。もっとも公爵様はただの岩山だと言い張って、金貨三百枚で交渉されるのですけれど」
未来視など突拍子もない話です。しかし、私は理解している。
髭が私の話を信じるしかないってことを。
「未来視か……」
何度か顔を振ってみせる。けれど、手応えはあった。
疑問に感じる話に付き合うような人ではないのだから。
「まあ儂なら吹っかけるだろうな。ただの岩山だと言って買い叩くはずだ」
「ええ、公爵様は別荘を建てるとか意味不明な話をしておりました。ミスリルどころか鉄鉱石の話すらしておりませんね」
補足的に付け加えた私の話に、髭は乾いた笑い声を上げた。
思い当たる節があるはずだわ。難癖つけて詐欺紛いの交渉をするのが得意なんだもの。
「なるほど、それは間違いなく儂だろうな。自身が相対する者が未来視を持つなど考えもせず、金貨三百枚で買い叩くなんて」
少し自虐的にも聞こえますけれど、まあこれで髭の奴は満足しているのですよ。
相手を騙すことを何よりも好みますが、騙されることも割と好きだったりするのですから。
「未来予知についてご理解頂けたのなら、ここからが本題ですわ。実は妙な夢を見まして、どうしても公爵様とお会いしなければなりませんでした」
全てを伝えるつもり。
どうにも行き詰まったこのルート。どうあってもイセリナが失われる誕生パーティーイベントについて。
「今から二年後、デンバー侯爵家でキャサリン様の誕生パーティーが催されます。まあそこで問題が発生してしまうのです」
娘のことをどう考えているのか分かりませんけれど、デンバー家は敵対するリッチモンド公爵家に近い間柄です。
この話に髭が何も思わないはずはありません。
「イセリナ様が暗殺されます――――」
流石に髭は絶句しています。
ランカスタ公爵家唯一の後継者であるイセリナが暗殺されるなんて思いもしないことでしょう。
しかし、現実は幾度となく命を狙われる。前世で私は嫌というほどの殺意を向けられてきたのですから。
「何度も予知しました。しかし、イセリナ様は毒殺だけでなく、暗殺者に直接命を奪われたりもします。正直に彼女が生き残るルートが見出せないほど、パーティーは憎悪に満ちていました。ちなみに誕生パーティーに参加しない場合、ランカスタ公爵家は貴族界での立場を失い没落していきます」
どうあってもこの世界線でケリを付ける。
私はランカスタ公爵を巻き込んで事態の収拾に努めるのみ。
私の予知に関しては理解してもらえたことでしょう。しかし、没落まで信じてもらえるのか不安に感じます。
何しろランカスタ公爵家は四大公爵家の中でも最大の規模であるのだし。
何度か頷く髭公爵。偉そうに伸びた髭をさすりながら、私に返していました。
「誕生パーティーという名の罠か。あり得る話だな。まあイセリナの危機は理解した。しかし、貴殿が気にする未来だろうか?」
まあ、当然の反論です。
のっぴきならない理由が私にはありますけれど、それを口にできるはずもありません。
「いえ、別にそこまで気にする必要はないのです。ただ気になるんですよね……」
ここが正念場だ。
この髭を仲間に引き入れるか、それとも袂を分かつことになるのか。
「裏で暗躍するリッチモンド公爵家が……」
私の返答に髭は再び言葉を失っている。
少しですら想像していなかったかのように。
「リッチモンド公爵だと?」
「その通りですわ。暗殺者はリッチモンド公爵が雇った者たちです。私怨を持つ令嬢たちにも命を狙われますが、その危機をどうしても乗り越えられない原因は令嬢たちじゃない。リッチモンド公爵が使わせた暗殺部隊こそがネックとなっているのですから。ランカスタ公爵領と隣接するスカーレット伯爵家としては捨て置けない問題なのです。隣接する所領の支配者が代わるなんてことは……」
ここまで言えば髭にも分かるだろう。
敵はデンバー侯爵家などではなく、犬猿の仲であるリッチモンド公爵家。
加えてリッチモンド公爵家はランカスタ公爵家の没落を狙っているのだと。
少しばかり逡巡する髭であったものの、話を整理できたのか彼は言葉を発しています。
「アナスタシア嬢、状況は理解した。あの男はまだ過去を引き摺っているのか?」
理解が早くて助かるわね。
問いを返されたけれど、私には分かる。
詳しくは知らないのだけど、BlueRoseの設定集で読んだ内容のことでしょう。
「恨んでいますね。公爵様がリッチモンド家の長子をその手にかけられたこと……」
イセリナが産まれるよりも前のことだ。
当時六歳だったリッチモンド家のご長男。王城へと赴いた折りのエピソードでした。
王家と四大公爵家との会食があったみたい。
それは王国の今後を語らい合いながら食事をするという場であったようです。
けれど、貴賓室にあった王家の秘宝とも呼ぶべき宝石が失われてしまいます。
貴賓室には概ね招かれた当主しかおらず、幼子はリッチモンド公爵が連れていた六歳になるエドワードだけでした。
「儂は指摘しただけだぞ?」
「まあ、そうなのですけれど、逆恨みというものがこの世には存在するのです」
髭が言うように、彼は盗んだ人間を指摘しただけだ。
さりとて、実際にエドワードのポケットから王家の秘宝は見つかったのです。
激怒したガゼル王はエドワードの処刑を命じてしまいます。この一件により、リッチモンド公爵家の力が弱まったという話です。
長い溜め息を吐くのは髭でした。
彼自身もその一件以降にリッチモンド公爵家との仲がこじれたことを理解しているのでしょう。
「まあ、そうかもしれん。それで奴は我が娘イセリナを同じように抹殺しようとしておるのか?」
「確実に。裏から手を回し、リッチモンド公爵は無関係を装うような格好です。ランカスタ公爵家の血を断つこと。更には己の手を汚さぬ方法でイセリナ様を殺めようとしております」
前世の私では真相究明に至らなかった話ですが、イベントの裏でリッチモンド公爵が動いているのは間違いありません。
髭がイセリナをどう思っているのか知らないけれど、ここは手を貸して欲しいところね。
「ふん、あの爺はいけ好かん奴だ。逆恨みばかりしおって……」
この話には異論などありません。
イセリナの母シルヴィアを離婚のあと即座に妾としたことからも、それは明らかです。
「まあそれで、イセリナ様が危機にあるのは確実にリッチモンド公爵が雇った暗殺者のせいです。令嬢を使った毒殺などは回避可能ですけれど、手練れの暗殺者が相手ではどうしようもありません」
「だが、未来が分かったとしてどうする? リッチモンドは二年後に暗殺を企てるのだろう?」
当たり前の指摘ですけれど、それこそがランカスタ公爵家にまで出向いた理由です。
二年前だからできることがある。二年前にしかできないこともあるのです。
「二年後、リッチモンド公爵家は暗殺者を雇います。時系列によって二つのパターンがあるのですが、その一つがイセリナ様にとって最悪といえる暗殺者を選択します」
瞬時に髭の表情が変わる。どうやら彼も意図するところを理解してくれたかのよう。
流石は悪の髭公爵ね。彼は私の代弁をするかのように、その計画を口にしていました。
「最悪という暗殺者を先に雇うということか?」
再び公爵家の門を潜る私は今度こそと意気込んでおります。
何しろキャサリンの誕生パーティーイベントまで二年もあるのです。周到な準備を行う時間が私にはありました。
(再び戻ってきたね……)
私はランカスタ公爵の執務室へと案内されています。
私の要件はイセリナにこそあったのですけれど、契約ですので仕方ありません。
「アナスタシア嬢、ここまで色々とすまなかったな。やはり十二歳の女児と面会することに意義を見出せなかったのだ」
まずは意外にも謝罪からでした。
この辺りは彼の処世術でしょう。商談相手の印象が悪くなることを恐れているはずです。
「いいえ、私こそ失礼を。急ぎの用事があったものですから」
契約は魔法で行う。箇条書きにした条件に従うといった内容です。
私は書面に魔力を注ぎ、異論がないことをここに誓っています。
「それで私の要求なのですが、まず先に私の力を伝えさせてください。私は未来視が可能なのです。あのミスリル鉱脈もいずれランカスタ公爵様が我が所領にお話を持ってこられることになっていました。もっとも公爵様はただの岩山だと言い張って、金貨三百枚で交渉されるのですけれど」
未来視など突拍子もない話です。しかし、私は理解している。
髭が私の話を信じるしかないってことを。
「未来視か……」
何度か顔を振ってみせる。けれど、手応えはあった。
疑問に感じる話に付き合うような人ではないのだから。
「まあ儂なら吹っかけるだろうな。ただの岩山だと言って買い叩くはずだ」
「ええ、公爵様は別荘を建てるとか意味不明な話をしておりました。ミスリルどころか鉄鉱石の話すらしておりませんね」
補足的に付け加えた私の話に、髭は乾いた笑い声を上げた。
思い当たる節があるはずだわ。難癖つけて詐欺紛いの交渉をするのが得意なんだもの。
「なるほど、それは間違いなく儂だろうな。自身が相対する者が未来視を持つなど考えもせず、金貨三百枚で買い叩くなんて」
少し自虐的にも聞こえますけれど、まあこれで髭の奴は満足しているのですよ。
相手を騙すことを何よりも好みますが、騙されることも割と好きだったりするのですから。
「未来予知についてご理解頂けたのなら、ここからが本題ですわ。実は妙な夢を見まして、どうしても公爵様とお会いしなければなりませんでした」
全てを伝えるつもり。
どうにも行き詰まったこのルート。どうあってもイセリナが失われる誕生パーティーイベントについて。
「今から二年後、デンバー侯爵家でキャサリン様の誕生パーティーが催されます。まあそこで問題が発生してしまうのです」
娘のことをどう考えているのか分かりませんけれど、デンバー家は敵対するリッチモンド公爵家に近い間柄です。
この話に髭が何も思わないはずはありません。
「イセリナ様が暗殺されます――――」
流石に髭は絶句しています。
ランカスタ公爵家唯一の後継者であるイセリナが暗殺されるなんて思いもしないことでしょう。
しかし、現実は幾度となく命を狙われる。前世で私は嫌というほどの殺意を向けられてきたのですから。
「何度も予知しました。しかし、イセリナ様は毒殺だけでなく、暗殺者に直接命を奪われたりもします。正直に彼女が生き残るルートが見出せないほど、パーティーは憎悪に満ちていました。ちなみに誕生パーティーに参加しない場合、ランカスタ公爵家は貴族界での立場を失い没落していきます」
どうあってもこの世界線でケリを付ける。
私はランカスタ公爵を巻き込んで事態の収拾に努めるのみ。
私の予知に関しては理解してもらえたことでしょう。しかし、没落まで信じてもらえるのか不安に感じます。
何しろランカスタ公爵家は四大公爵家の中でも最大の規模であるのだし。
何度か頷く髭公爵。偉そうに伸びた髭をさすりながら、私に返していました。
「誕生パーティーという名の罠か。あり得る話だな。まあイセリナの危機は理解した。しかし、貴殿が気にする未来だろうか?」
まあ、当然の反論です。
のっぴきならない理由が私にはありますけれど、それを口にできるはずもありません。
「いえ、別にそこまで気にする必要はないのです。ただ気になるんですよね……」
ここが正念場だ。
この髭を仲間に引き入れるか、それとも袂を分かつことになるのか。
「裏で暗躍するリッチモンド公爵家が……」
私の返答に髭は再び言葉を失っている。
少しですら想像していなかったかのように。
「リッチモンド公爵だと?」
「その通りですわ。暗殺者はリッチモンド公爵が雇った者たちです。私怨を持つ令嬢たちにも命を狙われますが、その危機をどうしても乗り越えられない原因は令嬢たちじゃない。リッチモンド公爵が使わせた暗殺部隊こそがネックとなっているのですから。ランカスタ公爵領と隣接するスカーレット伯爵家としては捨て置けない問題なのです。隣接する所領の支配者が代わるなんてことは……」
ここまで言えば髭にも分かるだろう。
敵はデンバー侯爵家などではなく、犬猿の仲であるリッチモンド公爵家。
加えてリッチモンド公爵家はランカスタ公爵家の没落を狙っているのだと。
少しばかり逡巡する髭であったものの、話を整理できたのか彼は言葉を発しています。
「アナスタシア嬢、状況は理解した。あの男はまだ過去を引き摺っているのか?」
理解が早くて助かるわね。
問いを返されたけれど、私には分かる。
詳しくは知らないのだけど、BlueRoseの設定集で読んだ内容のことでしょう。
「恨んでいますね。公爵様がリッチモンド家の長子をその手にかけられたこと……」
イセリナが産まれるよりも前のことだ。
当時六歳だったリッチモンド家のご長男。王城へと赴いた折りのエピソードでした。
王家と四大公爵家との会食があったみたい。
それは王国の今後を語らい合いながら食事をするという場であったようです。
けれど、貴賓室にあった王家の秘宝とも呼ぶべき宝石が失われてしまいます。
貴賓室には概ね招かれた当主しかおらず、幼子はリッチモンド公爵が連れていた六歳になるエドワードだけでした。
「儂は指摘しただけだぞ?」
「まあ、そうなのですけれど、逆恨みというものがこの世には存在するのです」
髭が言うように、彼は盗んだ人間を指摘しただけだ。
さりとて、実際にエドワードのポケットから王家の秘宝は見つかったのです。
激怒したガゼル王はエドワードの処刑を命じてしまいます。この一件により、リッチモンド公爵家の力が弱まったという話です。
長い溜め息を吐くのは髭でした。
彼自身もその一件以降にリッチモンド公爵家との仲がこじれたことを理解しているのでしょう。
「まあ、そうかもしれん。それで奴は我が娘イセリナを同じように抹殺しようとしておるのか?」
「確実に。裏から手を回し、リッチモンド公爵は無関係を装うような格好です。ランカスタ公爵家の血を断つこと。更には己の手を汚さぬ方法でイセリナ様を殺めようとしております」
前世の私では真相究明に至らなかった話ですが、イベントの裏でリッチモンド公爵が動いているのは間違いありません。
髭がイセリナをどう思っているのか知らないけれど、ここは手を貸して欲しいところね。
「ふん、あの爺はいけ好かん奴だ。逆恨みばかりしおって……」
この話には異論などありません。
イセリナの母シルヴィアを離婚のあと即座に妾としたことからも、それは明らかです。
「まあそれで、イセリナ様が危機にあるのは確実にリッチモンド公爵が雇った暗殺者のせいです。令嬢を使った毒殺などは回避可能ですけれど、手練れの暗殺者が相手ではどうしようもありません」
「だが、未来が分かったとしてどうする? リッチモンドは二年後に暗殺を企てるのだろう?」
当たり前の指摘ですけれど、それこそがランカスタ公爵家にまで出向いた理由です。
二年前だからできることがある。二年前にしかできないこともあるのです。
「二年後、リッチモンド公爵家は暗殺者を雇います。時系列によって二つのパターンがあるのですが、その一つがイセリナ様にとって最悪といえる暗殺者を選択します」
瞬時に髭の表情が変わる。どうやら彼も意図するところを理解してくれたかのよう。
流石は悪の髭公爵ね。彼は私の代弁をするかのように、その計画を口にしていました。
「最悪という暗殺者を先に雇うということか?」
10
お気に入りに追加
80
あなたにおすすめの小説
王子殿下の慕う人
夕香里
恋愛
エレーナ・ルイスは小さい頃から兄のように慕っていた王子殿下が好きだった。
しかし、ある噂と事実を聞いたことで恋心を捨てることにしたエレーナは、断ってきていた他の人との縁談を受けることにするのだが──?
「どうして!? 殿下には好きな人がいるはずなのに!!」
好きな人がいるはずの殿下が距離を縮めてくることに戸惑う彼女と、我慢をやめた王子のお話。
※小説家になろうでも投稿してます
性悪という理由で婚約破棄された嫌われ者の令嬢~心の綺麗な者しか好かれない精霊と友達になる~
黒塔真実
恋愛
公爵令嬢カリーナは幼い頃から後妻と義妹によって悪者にされ孤独に育ってきた。15歳になり入学した王立学園でも、悪知恵の働く義妹とカリーナの婚約者でありながら義妹に洗脳されている第二王子の働きにより、学園中の嫌われ者になってしまう。しかも再会した初恋の第一王子にまで軽蔑されてしまい、さらに止めの一撃のように第二王子に「性悪」を理由に婚約破棄を宣言されて……!? 恋愛&悪が報いを受ける「ざまぁ」もの!! ※※※主人公は最終的にチート能力に目覚めます※※※アルファポリスオンリー※※※皆様の応援のおかげで第14回恋愛大賞で奨励賞を頂きました。ありがとうございます※※※
すみません、すっきりざまぁ終了したのでいったん完結します→※書籍化予定部分=【本編】を引き下げます。【番外編】追加予定→ルシアン視点追加→最新のディー視点の番外編は書籍化関連のページにて、アンケートに答えると読めます!!
【書籍化進行中、完結】私だけが知らない
綾雅(要らない悪役令嬢1/7発売)
ファンタジー
書籍化進行中です。詳細はしばらくお待ちください(o´-ω-)o)ペコッ
目が覚めたら何も覚えていなかった。父と兄を名乗る二人は泣きながら謝る。痩せ細った体、痣が残る肌、誰もが過保護に私を気遣う。けれど、誰もが何が起きたのかを語らなかった。
優しい家族、ぬるま湯のような生活、穏やかに過ぎていく日常……その陰で、人々は己の犯した罪を隠しつつ微笑む。私を守るため、そう言いながら真実から遠ざけた。
やがて、すべてを知った私は――ひとつの決断をする。
記憶喪失から始まる物語。冤罪で殺されかけた私は蘇り、陥れようとした者は断罪される。優しい嘘に隠された真実が徐々に明らかになっていく。
【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ
2024/12/26……書籍化確定、公表
2023/12/20……小説家になろう 日間、ファンタジー 27位
2023/12/19……番外編完結
2023/12/11……本編完結(番外編、12/12)
2023/08/27……エブリスタ ファンタジートレンド 1位
2023/08/26……カテゴリー変更「恋愛」⇒「ファンタジー」
2023/08/25……アルファポリス HOT女性向け 13位
2023/08/22……小説家になろう 異世界恋愛、日間 22位
2023/08/21……カクヨム 恋愛週間 17位
2023/08/16……カクヨム 恋愛日間 12位
2023/08/14……連載開始
挙式後すぐに離婚届を手渡された私は、この結婚は予め捨てられることが確定していた事実を知らされました
結城芙由奈@12/27電子書籍配信中
恋愛
【結婚した日に、「君にこれを預けておく」と離婚届を手渡されました】
今日、私は子供の頃からずっと大好きだった人と結婚した。しかし、式の後に絶望的な事を彼に言われた。
「ごめん、本当は君とは結婚したくなかったんだ。これを預けておくから、その気になったら提出してくれ」
そう言って手渡されたのは何と離婚届けだった。
そしてどこまでも冷たい態度の夫の行動に傷つけられていく私。
けれどその裏には私の知らない、ある深い事情が隠されていた。
その真意を知った時、私は―。
※暫く鬱展開が続きます
※他サイトでも投稿中
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
記憶喪失になった嫌われ悪女は心を入れ替える事にした
結城芙由奈@12/27電子書籍配信中
ファンタジー
池で溺れて死にかけた私は意識を取り戻した時、全ての記憶を失っていた。それと同時に自分が周囲の人々から陰で悪女と呼ばれ、嫌われている事を知る。どうせ記憶喪失になったなら今から心を入れ替えて生きていこう。そして私はさらに衝撃の事実を知る事になる―。
記憶を失くした悪役令嬢~私に婚約者なんておりましたでしょうか~
Blue
恋愛
マッツォレーラ侯爵の娘、エレオノーラ・マッツォレーラは、第一王子の婚約者。しかし、その婚約者を奪った男爵令嬢を助けようとして今正に、階段から二人まとめて落ちようとしていた。
走馬灯のように、第一王子との思い出を思い出す彼女は、強い衝撃と共に意識を失ったのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる