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第二章 繰り返す時間軸
祝辞
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イセリナがパーティー会場に現れると、流石にどよめきが起こります。
やはりセントローゼス王国に四つしかない公爵家のご令嬢。
良い意味でも悪い意味でも耳目を集めてしまいますね。
「まるでゲームみたいだわ……」
とにかく可笑しく思える。
イセリナを先頭に両脇を固める取り巻きモブ。
右手にオリビア、左手にアナスタシアといった並びはBlueRoseでお馴染みの光景でした。
イセリナが現れるや、キャサリンが近付いてきます。
上位者から挨拶するのは基本中の基本なのですが、毒殺されかけたイセリナは少しばかり戸惑っている様子。
「イセリナ様、本日はご出席いただきありがとうございます!」
「え、ええ、おめでとう……」
先ほどの騒ぎについては触れず、キャサリンは感謝を述べるだけです。
王子殿下がその場を諌めたのですから、話くらいは聞いていたでしょうに。
まあ二人の仲を考えると無理もありませんけれど。
「イセリナ様、アナスタシア様!」
ここで再びセシルの登場です。
まだパーティーの正装が似合っていない感じ。
彼は一つ年下の十三歳ですけれど、まだ私よりも背が低かったので仕方のないことかもしれません。
「セシル殿下、イセリナ様の警護をお願いできますか?」
「もちろんだよ。僕と一緒に行動しよう」
とりあえずセシルがいるので助かりました。
オリビアのナイトは遅れて来るからね。それまでの守りはセシルに任せようと思います。
「イセリナ様、飲み物も食事も手をつけないように願います」
「分かってるわ。もう充分に……」
このあと壇上での祝辞がある。
そのあとはダンスタイム。公爵令嬢という立場からダンスは断りにくい。
オリビアのナイトが現れてくれなければ、確実に苦労するはずです。
デンバー侯爵が壇上で話を始めました。
そろそろイセリナも舞台裏へと行かねばなりません。
「それでは舞台裏へと向かいましょうか。オリビア様は殿下と一緒に。舞台袖までは私が護衛いたします」
刃物で斬り付けてくるのは刺客か捨て駒のご令嬢です。
表だって攻撃してくる輩は基本的に命令を断れなかった下位貴族だったりします。
かといって素人であるご令嬢は相手にしない。
問題は暗殺者です。隙を突く攻撃しかしてきませんので、常に気を張っていなければなりません。
「イセリナ様、挨拶のあと祝杯に使うグラスをお渡しいたしますので……」
執事のアドルフがグラスとシャンパンをトレイに乗せています。
確実にイセリナのグラスには毒が盛られているわけですが、アドルフは毒を所有していませんでした。
前世界線にて私は何度も確認したのですけれど、ボトルやグラス、加えてアドルフ自身も毒を持っていないのです。
しかし、注がれたあとは致死性の毒が確実に混入しています。
(グラスに残された毒の謎はどうなっているのかしら?)
今さらに思います。毒がいつ仕込まれたのかと。
結果的に私は執事アドルフをシロだと認定しておりますが、そうなると誰がどのようにして毒を盛ったのかが疑問として残ってしまうのです。
「アドルフ様、祝辞の前ですけれど、シャンパンを少しいただいてもよろしくて?」
見たところグラスは予備も含めてかなりの数がある。
舞台ではデンバー侯爵と主賓であるキャサリンに配るだけです。よって一つくらいは構わないだろうと。
「ええどうぞ、アナスタシア様……」
言ってアドルフは私のためにシャンパンを注いでくれる。
この辺りは伯爵家に格上げされたおかげかもしれません。
一口飲んで気付く。このキツい香り。忘れるはずがない。
毒を匂いで誤魔化すつもりなのか、銘柄は執事と同じく前世から変更はないようです。
「アドルフさん、この強い香りは北部のエスフォレスト地方で醸造されたものですよね?」
「よくご存じで。仕込みの折りに香りの強いキリクという木の実を混ぜているそうです。このボトルはメルヴィス公爵様がお祝いに手配してくださった特別なものでございますよ」
それほど詳しいってこともないのだけど、ルークと結婚してからは、よく飲んでいました。
何しろ毎晩のように私を求めてくるものだから、お酒でも飲まなきゃやってられなかったのですわ。オホホ。
「このお酒って何だかアドルフさんと同じ匂いがします。キリクのコロンでも使われているのでしょうか……?」
「お恥ずかしいのですが、コルクを抜く際に吹き出してしまいまして。少しだけでしたが、やはり匂いますでしょうか?」
ま、シャンパンだし。吹きこぼれることくらいあるかもね。
とはいえ、アドルフがシャンパンを吹きこぼしたという記憶は今までにありませんでした。
(世界線が動いているのかしら?)
何だか嫌な予感がしますね。
ほんの僅かな違いですけれど、それは暗殺者にも言えること。
攻撃の段取りが変更となっては元も子もありません。
「アナ、あんまり飲むんじゃありませんわ!」
ここでお叱りを受けてしまう。私が飲んだのは二口だけだし、毒味がてらであったというのに。
「イセリナ様は飲むフリだけですよ……?」
私が耳打ちすると、イセリナは頷いている。
今し方、私が毒味をしたのを彼女も見ていたけれど、既に暗殺未遂に遭っているんだ。
きっと私の言いつけを守ってくれることでしょう。
壇上のデンバー侯爵から紹介があり、ここでイセリナが舞台袖から歩いて行く。
(そういや、舞台袖から見るのは初めてだね……)
イセリナは私が指示した位置にピタリと止まる。
デンバー侯爵から半歩引いた場所。腕を伸ばしてもギリギリ届かない位置に。
(暗殺者ってのはどこに潜んでいるのかしら?)
自分がイセリナであった頃は周囲を確認できませんでした。
今の状況であれば、どこに潜んでどうやって去って行くのか分かるかもしれない。
(舞台袖の反対側が怪しいよね……)
向こう側には暗幕があって、何も見えませんでした。
向こう側でも隠れているはずだけど、一人くらいは捕まえられるかも。
(よし……)
私は決意しました。せめて一人くらいは捕獲してやろうと。
照明が消えた瞬間に向こう側へ走って行くべきだと。
「皆様、キャサリン様のご健勝を願いまして、祝杯とまいりましょう!」
イセリナがグラスを掲げた。
照明が消えるよりも早く私は走り出す。ずっと捕まえきれなかった暗殺部隊をお縄にしてやるのだと。
(覚悟しなさい!)
刹那に照明が消えた。
舞台上には暗視魔法をキャンセルするイセリナが存在します。よって、暗殺部隊と私は同じ条件下にある。
彼らの行動を熟知する私に、恐らく分があるはずです。
イセリナが指示通りに動いてくれるようにと願いながら、私は一目散に反対側の舞台袖を目指す。
「っ!?」
駆け出した私は誰かとぶつかっていた。
急いでいるのでごめんなさい! じゃなくて、おかしくない!?
照明魔法が消えることを知っていたなら兎も角、戸惑うことなく普通に動き出せる!?
瞬時に私は手を伸ばして服のようなものを掴む。
「逃がさないわよ!!」
反対側へ向かうことを止め、私は振りきろうとする誰かの服を引っ張る。
この力は男性に違いない。しかし、それよりも……。
(この匂い……?)
そう思った刹那のこと。私は胸に激痛を感じていました。
激しい痛みは一定の予測へと帰結していく。前世で何度も経験したことに違いありません。
(暗殺者……)
確実に胸を短刀で貫かれたはず。生暖かい血が噴き出す感覚も、記憶の通りでした。
イセリナが心配になりますけど、元より私が失われたのならリセットが確定。
痛い思いをするかもですが、どうか許してください。
(まぁた死に戻りか……)
私はずっと勘違いをしていたみたい。いや、まんまと騙されていたようです。
鼻につくキリクの香りを漂わせた執事に殺されるなんて。
温和な人柄に見えて、その実は暗殺者であったらしいね。
「アドルフ……」
前世からずっと私を謀っていたなんて許せないわ。流石に腹が立っている。
聞こえているかどうかは分かりません。
けれど、私は精一杯の声を張り、断末魔の叫びとも言える台詞を彼に投げかけていた。
騙し続けたことや、刺し殺された恨み。イセリナを襲おうとする暴挙。
許しがたい罪の全てを裁きにかけてやる。
次の世界線こそは引っ捕らえてやるわ。
私はもう貴方が暗殺者であることを知っているのだから。
「次は気の荒い令嬢に気を付けることね――――」
やはりセントローゼス王国に四つしかない公爵家のご令嬢。
良い意味でも悪い意味でも耳目を集めてしまいますね。
「まるでゲームみたいだわ……」
とにかく可笑しく思える。
イセリナを先頭に両脇を固める取り巻きモブ。
右手にオリビア、左手にアナスタシアといった並びはBlueRoseでお馴染みの光景でした。
イセリナが現れるや、キャサリンが近付いてきます。
上位者から挨拶するのは基本中の基本なのですが、毒殺されかけたイセリナは少しばかり戸惑っている様子。
「イセリナ様、本日はご出席いただきありがとうございます!」
「え、ええ、おめでとう……」
先ほどの騒ぎについては触れず、キャサリンは感謝を述べるだけです。
王子殿下がその場を諌めたのですから、話くらいは聞いていたでしょうに。
まあ二人の仲を考えると無理もありませんけれど。
「イセリナ様、アナスタシア様!」
ここで再びセシルの登場です。
まだパーティーの正装が似合っていない感じ。
彼は一つ年下の十三歳ですけれど、まだ私よりも背が低かったので仕方のないことかもしれません。
「セシル殿下、イセリナ様の警護をお願いできますか?」
「もちろんだよ。僕と一緒に行動しよう」
とりあえずセシルがいるので助かりました。
オリビアのナイトは遅れて来るからね。それまでの守りはセシルに任せようと思います。
「イセリナ様、飲み物も食事も手をつけないように願います」
「分かってるわ。もう充分に……」
このあと壇上での祝辞がある。
そのあとはダンスタイム。公爵令嬢という立場からダンスは断りにくい。
オリビアのナイトが現れてくれなければ、確実に苦労するはずです。
デンバー侯爵が壇上で話を始めました。
そろそろイセリナも舞台裏へと行かねばなりません。
「それでは舞台裏へと向かいましょうか。オリビア様は殿下と一緒に。舞台袖までは私が護衛いたします」
刃物で斬り付けてくるのは刺客か捨て駒のご令嬢です。
表だって攻撃してくる輩は基本的に命令を断れなかった下位貴族だったりします。
かといって素人であるご令嬢は相手にしない。
問題は暗殺者です。隙を突く攻撃しかしてきませんので、常に気を張っていなければなりません。
「イセリナ様、挨拶のあと祝杯に使うグラスをお渡しいたしますので……」
執事のアドルフがグラスとシャンパンをトレイに乗せています。
確実にイセリナのグラスには毒が盛られているわけですが、アドルフは毒を所有していませんでした。
前世界線にて私は何度も確認したのですけれど、ボトルやグラス、加えてアドルフ自身も毒を持っていないのです。
しかし、注がれたあとは致死性の毒が確実に混入しています。
(グラスに残された毒の謎はどうなっているのかしら?)
今さらに思います。毒がいつ仕込まれたのかと。
結果的に私は執事アドルフをシロだと認定しておりますが、そうなると誰がどのようにして毒を盛ったのかが疑問として残ってしまうのです。
「アドルフ様、祝辞の前ですけれど、シャンパンを少しいただいてもよろしくて?」
見たところグラスは予備も含めてかなりの数がある。
舞台ではデンバー侯爵と主賓であるキャサリンに配るだけです。よって一つくらいは構わないだろうと。
「ええどうぞ、アナスタシア様……」
言ってアドルフは私のためにシャンパンを注いでくれる。
この辺りは伯爵家に格上げされたおかげかもしれません。
一口飲んで気付く。このキツい香り。忘れるはずがない。
毒を匂いで誤魔化すつもりなのか、銘柄は執事と同じく前世から変更はないようです。
「アドルフさん、この強い香りは北部のエスフォレスト地方で醸造されたものですよね?」
「よくご存じで。仕込みの折りに香りの強いキリクという木の実を混ぜているそうです。このボトルはメルヴィス公爵様がお祝いに手配してくださった特別なものでございますよ」
それほど詳しいってこともないのだけど、ルークと結婚してからは、よく飲んでいました。
何しろ毎晩のように私を求めてくるものだから、お酒でも飲まなきゃやってられなかったのですわ。オホホ。
「このお酒って何だかアドルフさんと同じ匂いがします。キリクのコロンでも使われているのでしょうか……?」
「お恥ずかしいのですが、コルクを抜く際に吹き出してしまいまして。少しだけでしたが、やはり匂いますでしょうか?」
ま、シャンパンだし。吹きこぼれることくらいあるかもね。
とはいえ、アドルフがシャンパンを吹きこぼしたという記憶は今までにありませんでした。
(世界線が動いているのかしら?)
何だか嫌な予感がしますね。
ほんの僅かな違いですけれど、それは暗殺者にも言えること。
攻撃の段取りが変更となっては元も子もありません。
「アナ、あんまり飲むんじゃありませんわ!」
ここでお叱りを受けてしまう。私が飲んだのは二口だけだし、毒味がてらであったというのに。
「イセリナ様は飲むフリだけですよ……?」
私が耳打ちすると、イセリナは頷いている。
今し方、私が毒味をしたのを彼女も見ていたけれど、既に暗殺未遂に遭っているんだ。
きっと私の言いつけを守ってくれることでしょう。
壇上のデンバー侯爵から紹介があり、ここでイセリナが舞台袖から歩いて行く。
(そういや、舞台袖から見るのは初めてだね……)
イセリナは私が指示した位置にピタリと止まる。
デンバー侯爵から半歩引いた場所。腕を伸ばしてもギリギリ届かない位置に。
(暗殺者ってのはどこに潜んでいるのかしら?)
自分がイセリナであった頃は周囲を確認できませんでした。
今の状況であれば、どこに潜んでどうやって去って行くのか分かるかもしれない。
(舞台袖の反対側が怪しいよね……)
向こう側には暗幕があって、何も見えませんでした。
向こう側でも隠れているはずだけど、一人くらいは捕まえられるかも。
(よし……)
私は決意しました。せめて一人くらいは捕獲してやろうと。
照明が消えた瞬間に向こう側へ走って行くべきだと。
「皆様、キャサリン様のご健勝を願いまして、祝杯とまいりましょう!」
イセリナがグラスを掲げた。
照明が消えるよりも早く私は走り出す。ずっと捕まえきれなかった暗殺部隊をお縄にしてやるのだと。
(覚悟しなさい!)
刹那に照明が消えた。
舞台上には暗視魔法をキャンセルするイセリナが存在します。よって、暗殺部隊と私は同じ条件下にある。
彼らの行動を熟知する私に、恐らく分があるはずです。
イセリナが指示通りに動いてくれるようにと願いながら、私は一目散に反対側の舞台袖を目指す。
「っ!?」
駆け出した私は誰かとぶつかっていた。
急いでいるのでごめんなさい! じゃなくて、おかしくない!?
照明魔法が消えることを知っていたなら兎も角、戸惑うことなく普通に動き出せる!?
瞬時に私は手を伸ばして服のようなものを掴む。
「逃がさないわよ!!」
反対側へ向かうことを止め、私は振りきろうとする誰かの服を引っ張る。
この力は男性に違いない。しかし、それよりも……。
(この匂い……?)
そう思った刹那のこと。私は胸に激痛を感じていました。
激しい痛みは一定の予測へと帰結していく。前世で何度も経験したことに違いありません。
(暗殺者……)
確実に胸を短刀で貫かれたはず。生暖かい血が噴き出す感覚も、記憶の通りでした。
イセリナが心配になりますけど、元より私が失われたのならリセットが確定。
痛い思いをするかもですが、どうか許してください。
(まぁた死に戻りか……)
私はずっと勘違いをしていたみたい。いや、まんまと騙されていたようです。
鼻につくキリクの香りを漂わせた執事に殺されるなんて。
温和な人柄に見えて、その実は暗殺者であったらしいね。
「アドルフ……」
前世からずっと私を謀っていたなんて許せないわ。流石に腹が立っている。
聞こえているかどうかは分かりません。
けれど、私は精一杯の声を張り、断末魔の叫びとも言える台詞を彼に投げかけていた。
騙し続けたことや、刺し殺された恨み。イセリナを襲おうとする暴挙。
許しがたい罪の全てを裁きにかけてやる。
次の世界線こそは引っ捕らえてやるわ。
私はもう貴方が暗殺者であることを知っているのだから。
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