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第二章 繰り返す時間軸
経験による予知
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「オ、オリビア!?」
イセリナは大きな声を上げている。流石に驚きを隠せない様子ね。
いやまあ、良かった。一発で当てられたのは信用に足る出来事でしょ?
あとは二人に少しばかり話をしてもらいましょうかね。
「イセリナ様!?」
「貴方、どうしてラルクレイドにいるのです!?」
二人ともが驚いている妙な光景だけど、仕方ないよね。
オリビアはお忍びだし、イセリナは私の予知を聞いたばかりだし。
「実は大好きな劇団の公演がございまして、お恥ずかしながら昨日から滞在しております。お忙しいイセリナ様にお声かけするのも憚られまして……」
オリビアの返答にイセリナは唖然と頭を振っています。
予知が当たったこと。それにより暗殺という予知に真実味が加わってしまうこと。
真面目に私の話を聞く準備はできたことでしょう。
「お二人様、時間がありませんので雑談はそこまでに。オリビア様、私はスカーレット伯爵家の長女アナスタシアでございますわ。折り入ってオリビア様にお願い事があって参上いたしました。あと肩の竜は大人しいので気にしないでくださいね?」
同じ伯爵令嬢だけど、ドレスがドレスだからね。ここはへりくだっておきましょうか。
「オリビア、ワタクシの命が狙われているのです! 彼女の話を聞いてくださらない?」
困惑するオリビアでありましたが、イセリナの命令であれば従うだけ。
どうせ彼女は昨日も公演を見ているのだし、一度見たら充分でしょ?
「場所を変えましょう。流石に大きな声で話す内容でもありませんので……」
私たちは再び馬車に乗る。
常に間者が潜んでいる可能性が高いのです。計画は秘密裏に進めなきゃだからね。
馬車が走り始めるや、私はオリビアに指示を出す。
(オリビアが初日の公演を見た後なら……)
昨日からオリビアが滞在しているというのだから、全ての期日が明らかになる。
私は正確に命令を告げられることでしょう。
「オリビア様はこれよりデンバー侯爵領へと向かってください。今からですと夜中になってしまいますが、宿は公爵家が何とか手配してくれるでしょう。それで明日の昼頃にエクシリアの大通りへと向かいマイケルズダイナーというレストランで昼食を取ってもらえれば助かります」
頭の上にハテナマークを何個も並べるオリビア。
気持ちは分かるけど、今は言う通りにして欲しいな。毒殺に関しては貴方の活躍が鍵を握っているのだから。
「アナスタシア、どういうこと? オリビアが食事をしていたらどうなると言うの?」
「ええまあ、とある人物に出会うためですよ。彼を味方につけなければ、暗殺計画は阻止できません」
ゲームであればクソゲー認定間違いなし。たった一人を味方につけるだけで、大きく事態が好転するのだから。
しかしながら、その彼はキャサリンの誕生パーティーとは関係がない。
彼の働きに気付くまで、本当に長い時間をイセリナであった私は要していました。
「アナスタシア様、誰がいらっしゃるのでしょうか?」
オリビアは本当に可愛いらしいね。
悪役令嬢イセリナの取り巻きにしておくのは勿体ないくらい。家庭の事情がなければ、陽の当たるグループへ入れたでしょうに。
「マイケルズダイナーには攻略対象……ああいや、隣国の皇子殿下がいらっしゃるのですよ。彼と親密になってください」
「ええ!? 隣国の皇子様とか無理ですよ! 私は伯爵家の人間ですよ!?」
「できます。とりあえずマイケルズダイナーで食事をするだけで大丈夫。彼は異国の貴族だと身分を偽って近付いて来ますから。あとは勝手に話が進みますので心配ご無用ですわ」
事後的に聞いた話でしかないのだけど、悪役令嬢イセリナをも慕う心優しきオリビアです。
オリビアだからこそ可能なミッション。意図せずオリビアは隣国の皇太子カルロ・サルバディールに惚れられてしまうのですから。
(ゲーム内でカルロは攻略対象なんだけどね……)
東側に隣接するサルバディール皇国は小国でありましたけれど、豊富な鉱山資源があって産出される鉱物の多くがセントローゼス王国に輸出されているの。
そういう関係性もあって、ゲームの重要人物であるカルロ皇太子殿下とソフィア姫殿下はセントローゼス王国に留学されていたりするわけです。
「でも、何を話していいのか……」
「重要なのは四つだけです。一つは年齢を真っ先に伝えること。そしてイセリナ様に同行して、キャサリンの誕生パーティーへ行くこと。次にオリビア様に婚約者はいないという話。あとは何者かにつけ狙われているという嘘です」
「ううう、嘘ですか!?」
驚くのも無理はありません。
キャサリンの誕生パーティーでは完全に行き詰まっていたのよね。
毒殺だけでなく、刺殺されたりもする。累計で数百年は費やしたと思う。何しろパーティーの参加を止めたとして、死亡フラグは消えないのだから。
(そのうち私自身にできるとこがなくなったのよね……)
八方塞がりとなった私は、よく街で見かけたオリビアが鍵じゃないかと気付きました。
「その四つをカルロ殿下に話すだけで構いません。それだけで運命が動き始めます」
イセリナだった私はオリビアを使って色々な行動を試した。
基本的に何も変わらなかったのだけど、その世界線だけは明確に異なっていたのよ。
オリビアとカルロ皇子が面識を持ったその世界線だけは……。
「オリビア様は私たちが到着する日まで好きに過ごしてください。貴方の大好きな劇団は公爵家主催で追加公演をしてもらいますから。今はイセリナ様のために動いてもらえませんか?」
心残りは全公演を見るつもりだったことだけでしょう。
ランカスタ公爵家ならば、一つの劇団くらい足止め可能。また追加公演の話をしないと、オリビアは良い仕事をしなかったのよね。
「分かりました。ってよく分かっておりませんけれど……」
「オリビア、貴方はアナスタシアを信じなさい。ワタクシは誰かに命を狙われているのです。貴方の助けがアナスタシアは必要だと予知しました。このお店に貴方がいることすらアナスタシアは予知していたのよ?」
どうにも信じられないといったオリビアだけど、イセリナから言われてしまえば頷くしかできない。
加えてオリビアは暗殺について心当たりがあると言います。
「実はキャサリン様が王城でイセリナ様の悪口を言いふらしているようなのです。もしかするとキャサリン様が……」
全てを悟ったかのようなオリビアを私は手で制止し、作戦を告げます。
「オリビア様、真相は後日。イセリナ様は必ずパーティーに参加しなければなりません。それだけは確定しております。また貴方様が動かねば、イセリナ様はどう動こうとも暗殺されてしまいます。悪の根は深く、加えて大規模なのです。敵はキャサリン・デンバーの誕生パーティーこそが始末する場に相応しいと考えているようです」
嘘は言っていない。私の中で高難度イベントの三指に入っているんだ。
長雨による食糧難からの疫病蔓延イベントと、貴族院二年目の断罪イベント。キャサリン・デンバーの誕生パーティーは、二つのリセットフラグと変わらぬ難易度でした。
要した時間から言うと一番かかったかもしれません。
「そんな……?」
悲しい顔は似合わないね。
オリビアはモブだといっても、隣国の皇太子カルロルートにてライバル令嬢の一人となります。
完全なガヤでしかないモブ2号のアナスタシアとは根本的に違うのです。
「オリビア様、ご安心ください。私は犯人の目星を付けております。ただ決定的な証拠を見つけるまでは秘密裏に動くしかありません。まあしかし……」
まるでイセリナになったような気分だ。
私はファニーピッグであったことを忘れ、高鳴る鼓動のままに自然と悪役令嬢を演じていました。
「おいたが過ぎたご令嬢にはお仕置きが必要ですわね――」
イセリナは大きな声を上げている。流石に驚きを隠せない様子ね。
いやまあ、良かった。一発で当てられたのは信用に足る出来事でしょ?
あとは二人に少しばかり話をしてもらいましょうかね。
「イセリナ様!?」
「貴方、どうしてラルクレイドにいるのです!?」
二人ともが驚いている妙な光景だけど、仕方ないよね。
オリビアはお忍びだし、イセリナは私の予知を聞いたばかりだし。
「実は大好きな劇団の公演がございまして、お恥ずかしながら昨日から滞在しております。お忙しいイセリナ様にお声かけするのも憚られまして……」
オリビアの返答にイセリナは唖然と頭を振っています。
予知が当たったこと。それにより暗殺という予知に真実味が加わってしまうこと。
真面目に私の話を聞く準備はできたことでしょう。
「お二人様、時間がありませんので雑談はそこまでに。オリビア様、私はスカーレット伯爵家の長女アナスタシアでございますわ。折り入ってオリビア様にお願い事があって参上いたしました。あと肩の竜は大人しいので気にしないでくださいね?」
同じ伯爵令嬢だけど、ドレスがドレスだからね。ここはへりくだっておきましょうか。
「オリビア、ワタクシの命が狙われているのです! 彼女の話を聞いてくださらない?」
困惑するオリビアでありましたが、イセリナの命令であれば従うだけ。
どうせ彼女は昨日も公演を見ているのだし、一度見たら充分でしょ?
「場所を変えましょう。流石に大きな声で話す内容でもありませんので……」
私たちは再び馬車に乗る。
常に間者が潜んでいる可能性が高いのです。計画は秘密裏に進めなきゃだからね。
馬車が走り始めるや、私はオリビアに指示を出す。
(オリビアが初日の公演を見た後なら……)
昨日からオリビアが滞在しているというのだから、全ての期日が明らかになる。
私は正確に命令を告げられることでしょう。
「オリビア様はこれよりデンバー侯爵領へと向かってください。今からですと夜中になってしまいますが、宿は公爵家が何とか手配してくれるでしょう。それで明日の昼頃にエクシリアの大通りへと向かいマイケルズダイナーというレストランで昼食を取ってもらえれば助かります」
頭の上にハテナマークを何個も並べるオリビア。
気持ちは分かるけど、今は言う通りにして欲しいな。毒殺に関しては貴方の活躍が鍵を握っているのだから。
「アナスタシア、どういうこと? オリビアが食事をしていたらどうなると言うの?」
「ええまあ、とある人物に出会うためですよ。彼を味方につけなければ、暗殺計画は阻止できません」
ゲームであればクソゲー認定間違いなし。たった一人を味方につけるだけで、大きく事態が好転するのだから。
しかしながら、その彼はキャサリンの誕生パーティーとは関係がない。
彼の働きに気付くまで、本当に長い時間をイセリナであった私は要していました。
「アナスタシア様、誰がいらっしゃるのでしょうか?」
オリビアは本当に可愛いらしいね。
悪役令嬢イセリナの取り巻きにしておくのは勿体ないくらい。家庭の事情がなければ、陽の当たるグループへ入れたでしょうに。
「マイケルズダイナーには攻略対象……ああいや、隣国の皇子殿下がいらっしゃるのですよ。彼と親密になってください」
「ええ!? 隣国の皇子様とか無理ですよ! 私は伯爵家の人間ですよ!?」
「できます。とりあえずマイケルズダイナーで食事をするだけで大丈夫。彼は異国の貴族だと身分を偽って近付いて来ますから。あとは勝手に話が進みますので心配ご無用ですわ」
事後的に聞いた話でしかないのだけど、悪役令嬢イセリナをも慕う心優しきオリビアです。
オリビアだからこそ可能なミッション。意図せずオリビアは隣国の皇太子カルロ・サルバディールに惚れられてしまうのですから。
(ゲーム内でカルロは攻略対象なんだけどね……)
東側に隣接するサルバディール皇国は小国でありましたけれど、豊富な鉱山資源があって産出される鉱物の多くがセントローゼス王国に輸出されているの。
そういう関係性もあって、ゲームの重要人物であるカルロ皇太子殿下とソフィア姫殿下はセントローゼス王国に留学されていたりするわけです。
「でも、何を話していいのか……」
「重要なのは四つだけです。一つは年齢を真っ先に伝えること。そしてイセリナ様に同行して、キャサリンの誕生パーティーへ行くこと。次にオリビア様に婚約者はいないという話。あとは何者かにつけ狙われているという嘘です」
「ううう、嘘ですか!?」
驚くのも無理はありません。
キャサリンの誕生パーティーでは完全に行き詰まっていたのよね。
毒殺だけでなく、刺殺されたりもする。累計で数百年は費やしたと思う。何しろパーティーの参加を止めたとして、死亡フラグは消えないのだから。
(そのうち私自身にできるとこがなくなったのよね……)
八方塞がりとなった私は、よく街で見かけたオリビアが鍵じゃないかと気付きました。
「その四つをカルロ殿下に話すだけで構いません。それだけで運命が動き始めます」
イセリナだった私はオリビアを使って色々な行動を試した。
基本的に何も変わらなかったのだけど、その世界線だけは明確に異なっていたのよ。
オリビアとカルロ皇子が面識を持ったその世界線だけは……。
「オリビア様は私たちが到着する日まで好きに過ごしてください。貴方の大好きな劇団は公爵家主催で追加公演をしてもらいますから。今はイセリナ様のために動いてもらえませんか?」
心残りは全公演を見るつもりだったことだけでしょう。
ランカスタ公爵家ならば、一つの劇団くらい足止め可能。また追加公演の話をしないと、オリビアは良い仕事をしなかったのよね。
「分かりました。ってよく分かっておりませんけれど……」
「オリビア、貴方はアナスタシアを信じなさい。ワタクシは誰かに命を狙われているのです。貴方の助けがアナスタシアは必要だと予知しました。このお店に貴方がいることすらアナスタシアは予知していたのよ?」
どうにも信じられないといったオリビアだけど、イセリナから言われてしまえば頷くしかできない。
加えてオリビアは暗殺について心当たりがあると言います。
「実はキャサリン様が王城でイセリナ様の悪口を言いふらしているようなのです。もしかするとキャサリン様が……」
全てを悟ったかのようなオリビアを私は手で制止し、作戦を告げます。
「オリビア様、真相は後日。イセリナ様は必ずパーティーに参加しなければなりません。それだけは確定しております。また貴方様が動かねば、イセリナ様はどう動こうとも暗殺されてしまいます。悪の根は深く、加えて大規模なのです。敵はキャサリン・デンバーの誕生パーティーこそが始末する場に相応しいと考えているようです」
嘘は言っていない。私の中で高難度イベントの三指に入っているんだ。
長雨による食糧難からの疫病蔓延イベントと、貴族院二年目の断罪イベント。キャサリン・デンバーの誕生パーティーは、二つのリセットフラグと変わらぬ難易度でした。
要した時間から言うと一番かかったかもしれません。
「そんな……?」
悲しい顔は似合わないね。
オリビアはモブだといっても、隣国の皇太子カルロルートにてライバル令嬢の一人となります。
完全なガヤでしかないモブ2号のアナスタシアとは根本的に違うのです。
「オリビア様、ご安心ください。私は犯人の目星を付けております。ただ決定的な証拠を見つけるまでは秘密裏に動くしかありません。まあしかし……」
まるでイセリナになったような気分だ。
私はファニーピッグであったことを忘れ、高鳴る鼓動のままに自然と悪役令嬢を演じていました。
「おいたが過ぎたご令嬢にはお仕置きが必要ですわね――」
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