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第三章 存亡を懸けて
奥の手
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ディザスターとの戦闘が始まる。玲奈の奇襲ともいえる攻撃が不発に終わった今、正攻法にてディザスターの腕を斬り落とすしかない。
「斬れろ!!」
玲奈と一八は交互に左腕を狙う。前回のカイザー戦で学んだこと。ネームドモンスターは地道にダメージを累積していくしか手がない。
「一八、滅茶苦茶堅いぞ!?」
「集中しろ!」
ディザスターは他の進化級オークと比べても、スピードは同じくらいだ。集中して挑めば、致命傷を受ける可能性は低い。だが、元々が耐久力に優れたエンペラーである。カイザーよりも強者であると考えれば、途方もない時間を要してしまうはずだ。
「ふはは、まるで効かぬ! 二日前ならば、互角であったかもしれん! 我は世界に認められた! 我の格は二日前とは明確に異なるのだ!」
ディザスターの話には二人して苦い顔をする。その内容は魔物生態学で学んだことと酷似していたのだ。
ごく稀に魔物は格を上げるのだと。それは進化とは異なり、圧倒的なパフォーマンスを得るわけではない。けれど、ディザスターは元が強大なモンスターである。レベルアップ的な成長であっても、誤差とはいえない強度を得たことだろう。
「ちっ、コウフにいた兵の霊気か……」
「五万はいたらしいからな……」
一説によると格が上がる原因は消失する生命の霊気を浴びることだという。天へと還っていく魂の軌跡へと残る霊気。必要数は定かでなかったものの、進化や格は霊気を身体に溜め込むことがキーになると考えられていた。
こうなってくるとコウフの陥落が余計な脅威を生んだといえる。もしもコウフにて侵攻を食い止められていたのなら、格が上がることもなかったのだ。
「一八、格が上がろうとも、やることは変わらん。いち早く左腕を切り落とすぞ!」
「わぁってる。任せろ……」
再び斬りかかる二人。玲奈の雷撃に一八の炎が引火する。連撃のたびに爆発を起こしていたけれど、攻撃対象であるディザスターはまるで意に介していない。
「ちくしょう……」
かれこれ一時間が経過していた。何度か魔力回復していたけれど、身体の疲労までは回復していない。また先が見えぬ戦いは精神的にもきつかった。
「なんて化け物だ……」
正直に玲奈はこの戦いの行方を良い方に想像できなかった。斬り続けたとして本当に切り落とせるのか。或いは疲れ果てた自分たちがディザスターによって惨殺されるのではと。
精神的な落ち着きがあるとすれば、それは一八の存在である。彼は過去に二度もオークエンペラーと戦っており、同じような戦闘を経験したはず。その彼が腕の切り落としを疑っていないのだから、この戦法は間違っていないのだと分かる。
「一八、これはとんだクソゲーだな? 一時間以上も同じ作業をさせるゲームなど私の好みではない!」
「はは、それは俺もだ。でも俺はそんなクソゲーを二回もクリアしたんだぜ?」
やはり戦法に間違いはないようだ。雑談的な話であったけれど、一八の返しに玲奈は確信していた。
「でやぁあああっ!!」
斬るたびに鋭い稲妻が落ちたようになる。今も玲奈のトラウマを刺激し続けていたけれど、怯える場面でないことくらいは彼女も分かっている。
「どりゃああああぁぁっっ!!」
続いて重い一八の一撃。寸分違わぬ位置へと斬りかかるが、やはり皮膚を裂くことすら叶わない。斬ったというよりも、堅い何かを叩いた感触だけが手に残っていた。
「鋼鉄人形の打ち込みを思い出すぜ……」
似たような感覚。一八は思い出していた。剣術を始めた頃、鋼鉄製の打ち込み台に全力で打ち込んだこと。ディザスターを斬った感触は、まさに武士に指示された練習と同じであった。
「面で捉えなきゃいけねぇ……」
ふと思い出す。初めて打ち込みをした日は身体がバラバラになりそうだった。それは全て刃の面で叩けていないせいだ。力が分散し、多方面から力が跳ね返ってきては剣圧で相殺できなくなってしまう。
「なら次は皮膚くらい裂いてやんよ……」
武士の顔が思い浮かぶ。怒られ続けたあの一年。ディザスターの動きをよく見て斜陽を振る。師に教わったことは難しいプロセスを含むことなく、ただ単純に全ての力を刀に預けるだけ。下手な小細工は習っていない。
「いくぞ、一八!!」
再び玲奈が斬りかかった。一八は大きく息を吸い、落ち着こうとする。
何か不思議な感覚。こんな今も巨木のような腕を切り落とそうと焦っているのに、どうしてか耳鳴りがするほどの静寂に一八の心はあった。
玲奈の動き、そしてディザスターの動き。まるでコマ送りのように過ぎていく。一八はその動きに合わせて、静かに斜陽を振り下ろす。
「っ――!?」
それはかつて一度だけあった剣士としての極み。究極の一振りがこの場で再現されていた。
過去にはオークエンペラーの腕を魔力発現することなく、叩き斬っている。この度の一撃は明確に炎を纏っており、尚且つ全力で振り下ろされている。
切っ先はクルリと位置を変えた。皮も肉も骨さえも絶つ一撃。苦労していたのが嘘のように斜陽は振り切れている。
「おおぅ……」
一八自身も驚いていた。手に残る感触はこの上ない極上のもの。まるで泡を斬ったように、スッと刃先が通り抜けたようだ。
「一八! ボウッとするなっ!!」
不意に届く玲奈の声。酔いしれる一八は一瞬だけ隙を作っていた。刹那に視界へと入ったのは巨大な握り拳。腕を斬り落とされたはずのディザスターだが、怯むことなく右腕にて攻撃を繰り出していた。
「クソッ!」
咄嗟に躱そうとするも時既に遅し。一八はディザスターの攻撃をまともに受けてしまう。
「一八!?」
吹き飛んだ一八はオークの群れに激突。何体ものオークを押し倒していた。
慌てて玲奈が周辺にいたオークを斬り裂いたけれど、一八の意識はない。オークたちが緩衝材となったのは幸いだが、痙攣する一八にダメージがないはずはなかった。
「一八、飲め!」
持たされていた薬を無理矢理に流し込む。それは間違いなく傷を癒す薬であったものの、即効性はなく自然治癒力を高めるだけだ。瀕死とも思える一八が目覚めることはなかった。
「ほう、まだ生きているとは大したやつだ。やはり敬意を持って戦うべき戦士であったのだな……」
玲奈は窮地に立たされていた。オークたちは今も二人に襲いかかってこなかったけれど、ネームドオークエンペラーを一人で相手にし、斬り倒すしかこの先はない。
「一つ聞こう、ディザスターよ」
理性的であったのは彼女にとって救いである。他のオークであれば女性である玲奈は一八に薬を飲ませる隙すら与えず蹂躙しようとしたはずだ。
「何だ? 貴殿では我を満足させられんだろう? 何度もその剣を受けたが、痒いくらいであったぞ?」
ディザスターの返答に玲奈は安堵した。戦える者が玲奈だけとなった今も、彼は理性を保ったままなのだ。
「紳士たるオークエンペラー、私と一騎討ちをしてもらいたい。つまるところ、私が負けるまで一八に手を出して欲しくないのだ」
「ほう、貴殿らはつがいであったか。良かろう、手下は動かさん。また我の勝利後、高潔なる貴殿を穢さずに首を刎ねることも約束してやろう」
「それは有り難いな。私は岸野玲奈だ。名乗り遅れた非礼を詫びよう」
言って玲奈は立ち上がった。もう後には引けない。一八が動けぬ限り、玲奈に逃げるという選択はなかった。
「ならば岸野玲奈、我は100を数えるまで何もせん。好きに斬るがいい。本来ならもう少し与えたいところだが、生憎と任務中なのでな。それで勘弁して欲しい」
意外な提案であった。強者の余裕に違いないのだが、ディザスターは既に左腕を失っている。流石に玲奈は苛立ちを覚えていた。
「良いのか? 私にはまだ奥の手がある。それは貴様の腹を斬り裂くだろう」
「ふはは! 奥田一八ならばまだしも、残念だが貴殿の力ではどうにもならん。100数える間に傷の一つでもつけられたのなら我の負けで良い。その折には自ら腹を裂いて見せよう」
「心配無用。きっちりと斬り裂いてやるから、貴様の手を煩わせることはない」
玲奈は強気に返す。かといって少しも策がないわけではなかった。
本気で斬るつもりだ。格下と思われるのは癪に感じるけれど、油断してもらえるのなら有り難かった。なぜなら玲奈は未だ発現していない力を使おうとしていたのだから。
血統スキル『雷霆斬』の使用を――――。
「斬れろ!!」
玲奈と一八は交互に左腕を狙う。前回のカイザー戦で学んだこと。ネームドモンスターは地道にダメージを累積していくしか手がない。
「一八、滅茶苦茶堅いぞ!?」
「集中しろ!」
ディザスターは他の進化級オークと比べても、スピードは同じくらいだ。集中して挑めば、致命傷を受ける可能性は低い。だが、元々が耐久力に優れたエンペラーである。カイザーよりも強者であると考えれば、途方もない時間を要してしまうはずだ。
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ディザスターの話には二人して苦い顔をする。その内容は魔物生態学で学んだことと酷似していたのだ。
ごく稀に魔物は格を上げるのだと。それは進化とは異なり、圧倒的なパフォーマンスを得るわけではない。けれど、ディザスターは元が強大なモンスターである。レベルアップ的な成長であっても、誤差とはいえない強度を得たことだろう。
「ちっ、コウフにいた兵の霊気か……」
「五万はいたらしいからな……」
一説によると格が上がる原因は消失する生命の霊気を浴びることだという。天へと還っていく魂の軌跡へと残る霊気。必要数は定かでなかったものの、進化や格は霊気を身体に溜め込むことがキーになると考えられていた。
こうなってくるとコウフの陥落が余計な脅威を生んだといえる。もしもコウフにて侵攻を食い止められていたのなら、格が上がることもなかったのだ。
「一八、格が上がろうとも、やることは変わらん。いち早く左腕を切り落とすぞ!」
「わぁってる。任せろ……」
再び斬りかかる二人。玲奈の雷撃に一八の炎が引火する。連撃のたびに爆発を起こしていたけれど、攻撃対象であるディザスターはまるで意に介していない。
「ちくしょう……」
かれこれ一時間が経過していた。何度か魔力回復していたけれど、身体の疲労までは回復していない。また先が見えぬ戦いは精神的にもきつかった。
「なんて化け物だ……」
正直に玲奈はこの戦いの行方を良い方に想像できなかった。斬り続けたとして本当に切り落とせるのか。或いは疲れ果てた自分たちがディザスターによって惨殺されるのではと。
精神的な落ち着きがあるとすれば、それは一八の存在である。彼は過去に二度もオークエンペラーと戦っており、同じような戦闘を経験したはず。その彼が腕の切り落としを疑っていないのだから、この戦法は間違っていないのだと分かる。
「一八、これはとんだクソゲーだな? 一時間以上も同じ作業をさせるゲームなど私の好みではない!」
「はは、それは俺もだ。でも俺はそんなクソゲーを二回もクリアしたんだぜ?」
やはり戦法に間違いはないようだ。雑談的な話であったけれど、一八の返しに玲奈は確信していた。
「でやぁあああっ!!」
斬るたびに鋭い稲妻が落ちたようになる。今も玲奈のトラウマを刺激し続けていたけれど、怯える場面でないことくらいは彼女も分かっている。
「どりゃああああぁぁっっ!!」
続いて重い一八の一撃。寸分違わぬ位置へと斬りかかるが、やはり皮膚を裂くことすら叶わない。斬ったというよりも、堅い何かを叩いた感触だけが手に残っていた。
「鋼鉄人形の打ち込みを思い出すぜ……」
似たような感覚。一八は思い出していた。剣術を始めた頃、鋼鉄製の打ち込み台に全力で打ち込んだこと。ディザスターを斬った感触は、まさに武士に指示された練習と同じであった。
「面で捉えなきゃいけねぇ……」
ふと思い出す。初めて打ち込みをした日は身体がバラバラになりそうだった。それは全て刃の面で叩けていないせいだ。力が分散し、多方面から力が跳ね返ってきては剣圧で相殺できなくなってしまう。
「なら次は皮膚くらい裂いてやんよ……」
武士の顔が思い浮かぶ。怒られ続けたあの一年。ディザスターの動きをよく見て斜陽を振る。師に教わったことは難しいプロセスを含むことなく、ただ単純に全ての力を刀に預けるだけ。下手な小細工は習っていない。
「いくぞ、一八!!」
再び玲奈が斬りかかった。一八は大きく息を吸い、落ち着こうとする。
何か不思議な感覚。こんな今も巨木のような腕を切り落とそうと焦っているのに、どうしてか耳鳴りがするほどの静寂に一八の心はあった。
玲奈の動き、そしてディザスターの動き。まるでコマ送りのように過ぎていく。一八はその動きに合わせて、静かに斜陽を振り下ろす。
「っ――!?」
それはかつて一度だけあった剣士としての極み。究極の一振りがこの場で再現されていた。
過去にはオークエンペラーの腕を魔力発現することなく、叩き斬っている。この度の一撃は明確に炎を纏っており、尚且つ全力で振り下ろされている。
切っ先はクルリと位置を変えた。皮も肉も骨さえも絶つ一撃。苦労していたのが嘘のように斜陽は振り切れている。
「おおぅ……」
一八自身も驚いていた。手に残る感触はこの上ない極上のもの。まるで泡を斬ったように、スッと刃先が通り抜けたようだ。
「一八! ボウッとするなっ!!」
不意に届く玲奈の声。酔いしれる一八は一瞬だけ隙を作っていた。刹那に視界へと入ったのは巨大な握り拳。腕を斬り落とされたはずのディザスターだが、怯むことなく右腕にて攻撃を繰り出していた。
「クソッ!」
咄嗟に躱そうとするも時既に遅し。一八はディザスターの攻撃をまともに受けてしまう。
「一八!?」
吹き飛んだ一八はオークの群れに激突。何体ものオークを押し倒していた。
慌てて玲奈が周辺にいたオークを斬り裂いたけれど、一八の意識はない。オークたちが緩衝材となったのは幸いだが、痙攣する一八にダメージがないはずはなかった。
「一八、飲め!」
持たされていた薬を無理矢理に流し込む。それは間違いなく傷を癒す薬であったものの、即効性はなく自然治癒力を高めるだけだ。瀕死とも思える一八が目覚めることはなかった。
「ほう、まだ生きているとは大したやつだ。やはり敬意を持って戦うべき戦士であったのだな……」
玲奈は窮地に立たされていた。オークたちは今も二人に襲いかかってこなかったけれど、ネームドオークエンペラーを一人で相手にし、斬り倒すしかこの先はない。
「一つ聞こう、ディザスターよ」
理性的であったのは彼女にとって救いである。他のオークであれば女性である玲奈は一八に薬を飲ませる隙すら与えず蹂躙しようとしたはずだ。
「何だ? 貴殿では我を満足させられんだろう? 何度もその剣を受けたが、痒いくらいであったぞ?」
ディザスターの返答に玲奈は安堵した。戦える者が玲奈だけとなった今も、彼は理性を保ったままなのだ。
「紳士たるオークエンペラー、私と一騎討ちをしてもらいたい。つまるところ、私が負けるまで一八に手を出して欲しくないのだ」
「ほう、貴殿らはつがいであったか。良かろう、手下は動かさん。また我の勝利後、高潔なる貴殿を穢さずに首を刎ねることも約束してやろう」
「それは有り難いな。私は岸野玲奈だ。名乗り遅れた非礼を詫びよう」
言って玲奈は立ち上がった。もう後には引けない。一八が動けぬ限り、玲奈に逃げるという選択はなかった。
「ならば岸野玲奈、我は100を数えるまで何もせん。好きに斬るがいい。本来ならもう少し与えたいところだが、生憎と任務中なのでな。それで勘弁して欲しい」
意外な提案であった。強者の余裕に違いないのだが、ディザスターは既に左腕を失っている。流石に玲奈は苛立ちを覚えていた。
「良いのか? 私にはまだ奥の手がある。それは貴様の腹を斬り裂くだろう」
「ふはは! 奥田一八ならばまだしも、残念だが貴殿の力ではどうにもならん。100数える間に傷の一つでもつけられたのなら我の負けで良い。その折には自ら腹を裂いて見せよう」
「心配無用。きっちりと斬り裂いてやるから、貴様の手を煩わせることはない」
玲奈は強気に返す。かといって少しも策がないわけではなかった。
本気で斬るつもりだ。格下と思われるのは癪に感じるけれど、油断してもらえるのなら有り難かった。なぜなら玲奈は未だ発現していない力を使おうとしていたのだから。
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