転生勇者は連まない。

sorasoudou

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6 旅行く勇者と外の人

第6話 一番の得

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 小柄でなくても年齢不詳な潜入捜査官は、あーんと口を開けたまま、おすそ分けのクッキーの、さらなるおすそ分けを待っていた。


 もしや、毒味ですか?


 無邪気な要求に微かに眉をひそめながらも、勇者は手にした一枚を、そっと、丸顔の前に差し出した。

「すみませんねえ」

 無邪気に見えても、お行儀はわきまえている。ちゃんと手でクッキーを受け取り、それを口に放ったコアソン捜査官は、ささやかな一枚で糖分補給を完了すると書類棚の前に戻った。


 ご機嫌に鼻歌らしきものを聞かせながら、小柄な捜査官は棚の引き出しを開けていく。背の届かない上段へは秘書の椅子を持ってきて、座面に立った。
 この部屋に焼き菓子が詰まった瓶がなかったら、棚に隠されたおやつを盗み食いしようとしている子どもに間違えられていたところだ。

 異常に控えめな勇者は結局、自分の分を取らずに瓶のふたを閉め、机の上にお菓子を戻す。一枚しか減らなかったクッキーの合間に菓子とは違う、白くて丸い陶板が見えた。


 浄化の魔陶石まとうせきだ。わずかに見える石には、優美な曲線で描かれた矢印が三本、ぐるりと互いを指し示すようにして刻まれているはずである。
 浄化する対象や術者によって違いはあるのだが、基本となるところはすべて同じ模様になっていた。地球の日本の知識がある勇者には、循環再生利用リサイクルの表示を思い出させる形をしている。

 それを思い起こさせた以前の己の記憶はないが、馴染みの印と共に日本の食品の袋には大抵入っている物のことが頭に浮かび、勇者はたずねた。

「乾燥剤の機能もあるんですか?」

 瓶の中の陶板を指差して、この状況で食品の保存法を聞く風変わりな客へと、窓辺に控える秘書は答えた。

「ああ、それですか。少し長持ちするだけです。乾燥までは、とても」

 ヴェラは目を細めてうなずきつつ、これでもぜいたくな使い方であるだろう、菓子入れの中の魔陶石の説明を終えた。

 突然の捜査への緊張がほぐれて来たのか、彼女は笑顔を絶やさない。肩までの髪を後ろでひとつに結び、すっきりとまとめてある。品の良い上下揃いの服には、しわひとつ付いていない。体の前で組んだ指先をさするようにして、ヴェラは自分の手をなでていた。


 有能な秘書へとギーニングは顔を向け、たずねた。

「バウは、どうした?」

 この工房の責任者である老齢の部下の姿は見えない。隣の部屋は暗く、壁の照明には黒い布製の覆いが掛けられていた。
 秘書は身じろぎし、言いにくそうな話であることを示唆しさしてから主人に答える。

「工房長に就任なさってから連日の勤務が続いておられたので、今日はさすがに、お早めに退社なさいました。呼び出されますか? 使いの者を送りますが」

「いや、いい」

 一言だけで話を打ち切り、ギーニングは側で、椅子を下りたり上がったりしている小男の頭へ目をやった。


 お菓子を食べ損ねた客の正体に、秘書は気付いていないようだ。だが、その人こそが人買いの屋敷に乗り込んだ勇者だと知っている父親は、ここの前責任者を捕らえた者の方を見ようとはしない。
 三者三様に黙って過ごす三人は、それぞれ部屋の中の別のものを見て、捜査が終わるのを待つ。潜入捜査官が書類をめくる音だけが部屋に聞こえていた。

「私も一枚」

 無味乾燥な雰囲気に耐えかねたのか、秘書のヴェラは片手を小さく上げた。勇者が手渡した彼女の菓子入れを、ヴェラは受け取る。
 側の丸テーブルに瓶を置くと、秘書は客が手に取ったのと同じバタークッキーを一枚出して、静かにかじった。

 違法な商品の注文や製造の記録を調べているとは思われない、和やかな雰囲気と甘い香りが事務室を漂う。
 クッキーを食べ終わり、秘書は主人が落ち着いているのにならってか、また先ほどと同じように体の前で指先を組んだ。


 前任が逮捕され、急に工房を預かることになった老身の部下の補佐に、ギーニングは自身の秘書を当たらせた。
 元々、彼女にはそれ以前からこの古い施設の、今は各工房からあぶれた小口の仕事をけ負う工場こうばの管理を任せている。

 秘書の役割を越えて仕事を任せられる有能な人物であるヴェラは、元々、ギーニングの息子とは遊び仲間兼家庭学習の友であった。差し障りのない者をと数人ばかり用意させた同世代の子どもの一人として、子息だけでなく、その父親とも古くから面識がある。
 孤児の彼女の方が学業も優秀、ここの工房も彼女があってこそ、今まで回っていたとも言える。創業の地でもある古い工房を任された馬鹿な子息は、父親の事業には何の興味も示さなかったからだ。


 生活と学費の援助、仕事の面倒も見てもらったお礼にと、こうして長い間、ヴェラはギーニング親子に仕えている。
 大人しく恩を返し、違法な仕事の管理をも請け負って、それについて密告することもしない。黙って従ってきた理由には、彼女に別の目的があったからだった。


「なるほど。何にもありませんねえ、あなたに繋がるものは」


 コアソン潜入捜査官の言葉に驚き、控えめな秘書は指先に落としていた視線を上げ、雇い主の顔を見つめた。しかしその青い瞳はさらなる驚きに、微かに見開かれる。

 部屋にいる者たちの視線は皆、彼女の元へと集まっていた。
 コアソン捜査官がいう「あなた」を自分のことだと気付いていなかったのは、秘書のヴェラ、彼女だけだ。


「まあ、こうなるだろうなとは分かっていて、ここを真っ先にたずねたのですがねえ」


 椅子の上に何冊か重ねて置いた書類綴じを、丸っこい手でひとつ叩き、コアソンは続ける。


「代わりに、ちゃんと見つけてあげましたよ。この男が隠し通して来た、悪事に関する証拠はねえ」


 ヴェラは、部屋に集う者たちの顔を順に見やった。

 まっすぐに見据えてくる、小男の捜査官。はすに目を向けつつも、長ったらしい前髪の奥から周囲を注視する謎の客。そして、主人であり標的でもある、男の顔。
 ギーニングを見つめた青い瞳に刹那、光が宿った。クッキーをかじる時には使わなかった彼女の奥歯が口内で、ぎしりと音を鳴らす。


 コアソンは宣告した。死神の鎌を握っているのが、彼女であることを。


「助かりました。準備は完璧です。この証拠があれば、これ以上わたくしの捜査の手がいることもありませんねえ。そして、あなたも捕まえられます。そう、逆らうことが出来なかったからと言い逃れられると思っている、あなたもねえ」


「な、なぜ」


 捜査官の宣告に抑えきれなかったのか、小さくつぶやく疑問の声が、雇い主の悪事をすべて見てきた秘書の口から洩れる。
 それへ、孤児である彼女以上に素性の知れない客が答えた。


「誰が一番、得をするか、だ」


 人には滅多に見せようとしないその金色こんじきの瞳で、すべてを見通してでもいるのか、勇者は語る。


「この悪党がいなくなった後、ここに残る者。この男が作り上げた場所に、そこに代わって立つ者があったら、そいつがすべての首謀者だ。一番、得をする者。その時に君がまだ、その名を名乗っているか、その姿でいるのかは分からないけど」


 ヴェラの背を冷たいものが流れた。汗が落ちたのではない。全身が総毛立つほどの、恐怖が駆けた。

 見透かされている。

 白くきらめく前髪の奥で、ちらとしか見えないその瞳に自身の計画のすべてを、未来をも見通された気がして、彼女の心臓は鐘を打つように跳ねた。


「ヴェラ」


 捨て去る予定の名を呼ばれる。一番呼ばれたくない男に。

 彼女は一気に感情をあらわにした。青い瞳が燃え上がるように輝く。


「あんたは終わりよ、地獄に落ちるの! 今夜で何もかも、終わりッ!」


 叫んで彼女は背後の窓へと身を躍らせた。丸テーブルの上に左手を付いて滑るように跳び、古い木枠の窓を足で、細い体で突き破る。
 その右腕には、焼き菓子が詰まったガラス瓶が抱えられていた。





 反射的に追いかけそうになった足を止める。部屋へ振り返りながら、勇者は外へと耳を澄ます。

 窓の外のすぐ下、重いものがひさしに落ちた音。そこからさらに下へと、蹴り飛ばしたガラスや木枠の破片が砕け落ちる音と共に、鈍い響きが聞こえる。
 そして、固く甲高い靴音。秘書が履いていた、品は良いが少々かかとの高い靴で走る音だ。足音は工場の門ではなく、別方向へと向かって行った。

「追わんのか?」

 見えざる死神の巨大な鎌で魂を狩られるところだった男が、救世主へとたずねてくる。もっとも、この男はすぐ側にいる秘書の女性こそが、己を担当する死神から役目を奪おうとしているのだと、しばらく前から気付いていたようだが。

「あんたなら分かるんだろう? 彼女の行先、地獄とやらは」

「案内していただきましょう。ここに二人にされた途端、ぐさりか、ずどんとやられても困りますしねえ」

 コアソン捜査官は、事務机の横にかけてあった買い物用の布鞄を手に取り、そこへ椅子に積んでいた書類を入れた。
 若干するどくしていた目を和らげ、ギーニングは薄っすらと笑みを浮かべる。


「ああ、案内しよう。あの娘の、父親が死んだ場所へ」






 記憶力は良い方だ。初めてあの男の顔を見た日のことは覚えている。

 向こうは記憶にないどころか、顔を知られていたことすら気付いてなかっただろう。幼い我が子を抱きかかえて、あれが今度からお世話になる工房の人だよと教えた父も、たまたま街角でその姿を見かけただけで、その場であいさつすることはなかったからだ。


 借金のかたに手に入れた工房。魔陶石の未来に金の匂いを嗅ぎつけ、自身もその技術を磨いていた男は、腕の良い技術者を探していた。新しい技術を生み出せる存在を。


 魔陶石に刻印を刻むのが父の仕事だった。若いが腕は良い。そのかたわら、この高価な素材をもっと安価に広められないかと、魔陶石の力を強力なものに変える、増幅機の開発を考えていた。
 希少な魔石を補佐する魔陶石。
 その力をさらに上げ、魔石がひとかけらでも、それすら使用しなくても魔陶石だけで賄える技術があれば、それらを使った機械はもっと安く、生活に困った人の手にも渡る価格で作れるようになるからと。


 親子三人の暮らしは貧しかった。母は病いがちで、腕は良くても見習いから昇格したばかりの父の給金は安い。
 食べていくのがやっとの生活で育ったのは両親もだ。そんな二人の間に生まれた娘は、わがままを言わず、大人しくて目立たない子だった。


 だから、忘れたのよ。
 自分が命を奪った者が残したものが、増幅機の開発に関わる重要な部品だけでないことを。


 突然にもたらされた死の知らせ。夫を急な事故で亡くした心痛で病弱な母は一年も経たず、命を落とした。
 残された子は知り合いに引き取られたが、そこでも不幸は付きまとう。その家にも病人が出て、子どもまで養う余裕はなくなった。


 仕方なしにと言い聞かされた。泣きながら、母の代わりのその人は言った。子どもがずっと欲しかったのにと。


 病身の彼女が手を尽くして探してくれた遠い縁戚を頼って、遠方の町に行くはずだった。でも、そこへ行くまでの予定が立たなかった。魔物の被害で川向こうの街道の護岸が崩れ、しばらく閉鎖されたからだ。

 街の施設に厄介になって数か月以上たった頃、予定が立ち消えになったまま、そこで暮らしていた時に知らせがあった。
 家庭学習で同い年の子どもたちとの付き合いがない子息のためにと、生活と勉学を共にする候補者を募っている資産家がいるという。


 目立って見えるほどに大人しく、人に迷惑をかけないまじめな子は、それの一人に選ばれた。

 言ってみればその時こそが、あの男の終わりが決定した、最良にして最悪の選択が行われた日だったのだ。

 笑いが、のどから込み上げる。通路を駆けながら、弾む声を放つ。


 この世界を去りし神々は、まだそこに、冥府を任せた死神を通して、この世を見ている。
 この、ろくでもない世界を捨てた神の役目を継ぐものたち。万人に与えられる死をつかさどるという骸骨姿の使者たちは立派に仕事をし、悪党の行いを見逃さなかった。


 この石。
 この石をはめ込む、あの機械に。


 そうすれば誰もが知るだろう。
 あの男に栄光と財産をもたらした素晴らしいものが、本当は誰が、この世に生み出したものであるのかに。


 そして、それらはすべて、わたしのもの。

 誰にももう、奪わせはしない。


 ヴェラは、くつくつと笑い声を上げながら、甲高い足音を立て通路を走った。
 その手に握る白い魔陶石を、指先でなでながら。






 汚れた通路へ屈み込み、白い指先を伸ばす。かなり強い力で叩き付けられたのだろう。ガラスも菓子も、粉々になっていた。

 屈み込んだ勇者の背を黙って見守っていたコアソン捜査官と、さしもの悪党も、思わず息を呑む。
 崩れた菓子の山を探って見つけた無事なクッキーを三枚ほど手に取ると、ひとつ息を吹きかけて、救世主は食べ損ねた焼き菓子を口へと放り込んだ。

 ガラスの破片が付いていないかを一枚ずつ確かめて、拾ったお菓子を食べていく。最後の一枚を口に持って行きながら、あっけに取られて無言で見つめている同行者に気付くと、勇者は語った。


「真似はしない方がいいですよ。慣れてないと、お腹壊しますから……あれ? イチゴじゃないんだ、モモだ、これ。だから、この形なのか」


 ハートのような形をした薄紅色のクッキーを食べ終わると、貧乏性の勇者は平然と、通路を歩み出した。
 外套コートに剣を背負った姿を先頭に、門番小屋に置いてきた書類よりも重要な証拠である容疑者を挟んで、潜入捜査官は付いて行く。


 和むようでいて、やっぱり異様ですねえ。


 コアソンは、呆れた風にも見える笑みを浮かべ、我らが救世主さまに付いて行った。
 空気を伝わる熱の中を先へと向かう。ほの赤く照らされた通路を歩む勇者の後ろ姿からは、この先に待ち受けるものへの恐れなど、何ひとつ見えなかった。






 
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