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5 旅は道連れ、世は捨てて
第6話 昼下がりの襲撃
しおりを挟む湖畔から、なだらかに上った集落の中心は広場になっている。門の正面でもある傾斜した広場は、四つ角の真ん中でもあった。
広場に面して建てられた家屋の軒には縁台があり、門からこちらへ交代した見張りが寝転がっていた。片足だけがだらしなく縁台から落ちて、地面にかかとを付けている。
涼やかな湖の風、穏やかな午後の日射し。無法者や人買いでも、うたた寝に誘われる平穏な時間だ。
角にある集会所には屋根の上に鐘楼が付いている。そこで村と山の間を抜ける森の道や湖から来る者がいないかの警戒を行っていた別の見張りも危うく、うとうととしかけていた。
上下が触れかけたまぶたに気付き、見張りは慌てて湖へと目をやる。湖面は穏やかそのものだ。半年前の名残で、崩れた波止場の石積みと共に大きな岩が、きらめく水面から顔をのぞかせていた。何の気も無しに、その目を湖から広場に向ける。
いつの間に!
見張りが驚き、鐘楼の鐘を打つでなく、大声を上げた。
「おい! オマエ、何してやがる!」
何してやがるは下の見張りに向けても言っている。自分のことを棚に上げ、鐘楼台の見張りはいら立った。
側を通って来たはずだ。門か湖か、村の奥のどちらから来たのかは知らないが、そこかしこにいるはずの見張りの目が届く所を歩いて来なくては、この広場のど真ん中に、旅の者が立っているはずがない。
大声に飛び起きた縁台の男や、寂れた通りに面した空き家の何軒かを陣取っていた別の者たちが、戸口や窓から顔をのぞかせる。無法者どもの視線を一身に浴び、旅人は広場の中心に下ろしたバケツへ向かって、火打石を叩いた。
穴を開けて紐を通した石と、紐の先が繋がった木の持ち手に刃のようになった火打ち金が差し込まれた道具を手に、旅人は火をおこす。石に金を叩き付けると火花が散った。
火打ち石から放たれた火花は、バケツの底の乾いた杉の葉や枯葉に落ち、かけておいた油にも燃え移って炎を上げる。
魔法使ったことないからな。マッチも切らしちゃってたし。こうなると火打石って便利だな。今度買おう。
旅暮らしの勇者は、種火を育てる枯葉や小枝にしっかりと火が燃え移って行くのを確認して、バケツからはみ出すほど差し込んでおいた生木の枝を、ほどよく広げた。青い葉や枝をなぶる炎がもうもうと、白い煙を盛大に上げる。
油が採れると書物にあったオレンジに似た果物の皮も入れておいたが、それが上手く作用しているのかは分からない。むしろ、バケツの横に開けた穴と繋ぎ、筒を通して底に伏せて置かれた小さな植木鉢の簡易的な煙突が効いているのだろう。
勇者は舞い上がる煙を見上げながら、そんなことをのんきに考えていた。
「さっさと止めろ、馬鹿どもが!」
通りの奥まった場所にある家から出て来た男が手下たちに怒鳴る。あ然としてながめていた人買いたちは武器を手に、広場の真ん中へと突進した。門の見張りが扉を閉じ、集落を閉鎖してから仲間に加わる。
ええっと、十、十二、十三かな。ほぼ全部か。
門と左右の通りに鐘楼へと、素早く周囲を確認し、勇者は狼煙の脇に立って無法者どもを引き付けた。引き付けるとは言っても、ただぼんやりと突っ立っていただけだが。
「早く消せ! そいつはどっから来たんだ!」
手下たちをけしかけながら迫って来る男は、通りに差し掛かる軒の下へと身を潜ませ、侵入者の動向を探る。勇者は左へ向き、男が腰から抜いた、黒い魔銃を見定めた。
まただ。こいつも、そうなのか?
魔銃から目を離さず、勇者はその場で跳ぶ。
腰の剣も抜かないただの旅人に武器を振るうほどのこともないと思ったか。縁台から駆け付けた見張りは、侵入者を羽交い絞めにしようと、背後から飛びかかったところだった。
つかみかかる寸前、頭を片手で下へと押し込まれ、バケツの脇の地面に顔から突っ込む。伸び放題のひげが固い地面に擦れ、さらに荒れた。
狼煙を突っ切り、正面の門から向かって左の通りへと、勇者はその身を躍らせる。
こっちの方が数が多い。こちらから戦うことにしたのは、そんな単純な理由からだった。
白い煙を割って、飛び出して来た人影。不意打ちに対応できず、思わず足が止まった先頭の男が、神剣の柄頭で横っ面を殴られる。足をもつれさせ、男は大きく左へよろめいた。
痛みと衝撃と喧噪でうるさい男の頭へ、やけに静かなその声が聞こえる。
「斬る」
右の腰から左手で抜いた白い刃で男の体を振り抜き、長剣の刀身を鍔から斬り飛ばす。
飛んだ刀身は縦に回りながら空を切り、軒に転がっていた樽に深く刺さった。勢いで樽は、通りの角の酒場の板壁へと釘付けになる。
次は右。
右手に持ち替えて振った神剣で、右から来る奴が握った長柄を斬り、返す刃で斧の頭を切り離す。そのまま神剣で男の左肩を殴り、よろけたところを蹴って左へ。倒れる男を飛び越し、身を屈めたまま前へ出る。
真正面。
大きく振りかぶっていた大剣を下からすくい上げるように斬る。
刀身を縦半分にした大剣は白い切っ先に引っかかり、軒の屋根の上に飛んだ。その勢いに引っ張られるように身をそらした大柄の男の、みぞおちに一発、左の拳を見舞う。
ゆっくりと仰向けに倒れる男の向こうへと目を向ける。左に連射式の洋弓銃、右に片手剣と盾。
面倒だ。一気に片付ける。
「斬る!」
大きく前へ出て、横へ薙ぎ払う。横真っ二つになった洋弓銃を切っ先に引っかけ右へ投げつつ、刀身の中央で片手剣も斬り、盾の中心で神剣を止める。
そのまま向こうへ押し込む。神剣の鍔まで思いっ切り突き刺し、突進する。
斬ってない盾と斬らない柱で挟まれた男は片手剣の柄を落とし、くぐもったうめき声を上げた。ぎしりと軒の柱が鳴る。もちろん斬らずに、ただ動けなくしただけだ。
こちらを見つめて立ち尽くす左の男を横目で確認する。空っぽの手を握ったり開いたりしているが、動揺のわけは武器を失ったことよりも目の前の惨劇のせいか。仲間の体と柱を通して白い剣が突き抜けてたら、そりゃ怖いよな。
そんな左より先に中央。
神剣を横へ振り抜き、手の中で握りを変え、逆手にした刃を前方へ押し出す。
低い体勢から受けた相手の鉤爪付きの籠手の一撃は、この間の獣人のものより軽かった。人間と亜人の違いか。そのまま鉤爪を斬り落とし、相手のあごへと下から白い刃を叩き込む。
男が吹っ飛んだのを横目に、振り向くようにして右へ回転する。
今度こそ左のを。
回転で勢いを付けた左足で、男を蹴る。右肩を蹴られた男は側の柱に肩甲骨を打ち付け、腰から抜いたばかりの短剣が右手から放り出された。飛んだ短剣は、通りの角の建物の窓を割る。
窓の向こうによく似た顔をした男性二人が、身を縮めながらも目を見開いて、こっちを見つめていた。歳がかなり違うから親子なんだろう。雑貨屋だったっけ。後で窓や、もろもろの弁償代を払わなくては。
で、何人までいった?
ええっと、六人か。気を失ったのが二、いや三。残る三人は武器がなくなって、どうするか考えあぐねている。
ざっと見渡すと道に二人と、柱に背中を預けて崩れ落ちていく男が盾を取り落とし、のびていた。
長剣と斧を使い物にならなくした奴らと、さっき蹴った男は、じりじりと広場の方へ後退って行く。体のあちこちが痛いんだろうな。退き方がぎこちない。
バケツの脇から起き上がった昼寝男は、腹立ちまぎれに湖へと向かって、狼煙を蹴り飛ばした。
半端に燃えた枝葉と火と煙をまき散らしながら、バケツは坂を転がる。漁から帰って来た時用の暖を取るための、手製のバケツストーブを借りたのだ。後で返さなきゃいけないのに、乱暴に扱うな。
いら立たしさを払うように、神剣を背後へ振るう。
神風で、こちらへ放たれた矢が斬れ、男の手にあった弓も真っ二つになった。張られた弦がはじけ、男の顔を打つ。悲鳴を上げて頬を押さえ、男は家屋の角に屈み込んだ。
無作法な仲間を恨んでくれ。開けっぱなしの扉ののぞき窓に、姿が映ってたんだよ。
屈んだまま後ろ向きで路地に逃げ込もうとした弓の男が、陰へと引っ張り込まれる。身を隠す手間が省けてよかったな。縄でぐるぐる巻きにされちゃうけど。
これで動けないのは四人か。あと九人。まとめてどうにかしたいけどなあ。とにかくまずは、あれを落とさないと。
前へ駆ける。丸腰の三人が慌てて仲間の方へと走った。倒れた二人を飛び越え、広場へ出る。
今度は武器を使うことにしたんだな。広場の中央に仁王立ちした昼寝男が曲刀と短剣を抜く。ひげ面と相まって、なんだか海賊っぽい。
「斬る」
にせ海賊の曲刀が届くぎりぎりで身をかわし、神剣を斜めに振るって、両手の刃を斬り落とす。
その場で跳んだら、男の頭を再び踏み台に使わせていただいて、しっかりと踏み込み、向こうの角の建物に飛んだ。
完全に油断していた。戦いは下で起こっている。自分は今のところ関係ない。そうなるともちろん腰の剣を抜いてなどいない。
有り得ない光景への驚きで後ろへよろめいた鐘楼の見張りは、こちらへ飛び込んできた侵入者を、口を開けた間抜け面で出迎えた。眼前に降り立った旅人に平手で胸を突かれる。その手はすぐに、倒れゆく見張りの腰から剣を引き抜いた。
屋根が付いただけの吹きっさらしの鐘楼は、簡素な柵で囲われているだけだ。腰の辺りまでしかない手すりを越え、見張りは集会所の屋根へと落ちた。板葺きの屋根に転がって初めて、悲鳴を上げる。
その声で屋根を見上げたのでは遅かった。頭を踏みつけられ、再び顔面から広場に突っ込んだ仲間の方へ目をやっていて、何事かと状況が飲み込めない男たちの上に、屋根を転がった見張りが落ちて来る。
悲鳴と怒号。巻き添えになった下の二人と転がり落ちた見張りがそれぞれ、痛めた体を抱えてうめく。そんなに建物が高くはなかったことと、衝撃を吸収してもらえたおかげで、どちらにも動けなくなるほどの怪我はなかった。
そうなると人買いどもは俄然、正体不明の危険な邪魔者を排除しようといきり立つ。そんな無法者の怒りを煽るがごとくに鐘の音が響き渡った。
三回打って一拍置き、また三回。
連続で鳴らす数が三の時は、火事や転覆など緊急を告げる合図だ。水平線の向こうにある対岸まで届くことはないが、近くで狼煙を見、この鐘の音を聞いた者があれば、この漁村で何かが起こっていることには気付くだろう。
集落の中央で起きている騒ぎに聞き耳を立てていた村民は、さらにその身を物陰に隠した。
夫婦は子どもたちを連れて地下の倉庫へ。別の家族は屋根裏の隅へ。動けない病人や老人は家人が部屋の戸と窓の雨戸を閉め、息を潜める。
誰がこの鐘を鳴らしたのかは分からなかったが、村の者たちにはひとつだけ確かなことがあった。その誰かは、この村を無法者から自由にするため、ここに現れたのだということだ。
「あいつを捕まえろ、早く! 引きずり降ろして来い!」
「その必要はない」
通りで叫んだ人買いに答え、外套の裾をひるがえし、旅姿の侵入者が舞い降りる。
宙を閃くように振るわれた白い刃に、大型の洋弓銃を構えていた男の手の中で武器が、ばらばらになる。
逃れようとしたせいで、蹴りをまともに後頭部に喰らった別の男は、土下座するようにして前へと崩れ落ちた。倒れると同時にその手から道に滑り落ちた剣が、横二つに静かに分かれる。
愛用の洋弓銃のかけらを手にしていた男は、あっけにとられたまま腹に拳を喰らい、建物の壁に吹っ飛んで叩き付けられ、軒に転がる。だめ押しを目撃して周囲の者たちは一斉に、その場から飛び退った。
腰が引け、立ち尽くしている無法者たちの真ん中で、一歩大きく踏み込み、身を屈めた姿勢でいる勇者はつぶやく。
「これで六。後は?」
まだ半分以上あるのか。
舌打ちと共に身を起こした侵入者に思わず怯えて、さらに体を引き、正門から向かって右の通りの奥にいた四人が顔を見合わせる。
一歩そちらへ勇者が踏み出すと、鐘楼台から落とされた見張りが真っ先に、集落の端へと駆け出した。
つられて残る三人も逃げ出す。その内の二人は、転落の巻き添えもくった丸腰の者たちで、もう一人も洋弓銃と短剣をなくした男だった。
すでに負けを一度体験している奴らばかりだ。先頭を追うように駆け出した者たちを、彼らの不運の象徴、白い剣を片手に勇者が追う。
戦意喪失、敵前逃亡を決めた四人は通りの途中の路地へ飛び込み、湖岸を目指した。
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