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4 情けは勇者のためならず
第21話 情けはすべて人のため
しおりを挟むそれが旅人なりの祈りの姿か。神獣を従えた女神の像の前には、頭を垂れる、救世主の姿があった。
「……旅の祈願、ですか?」
初めて会った時のようなかしこまった態度で、イアンが旅人へ聞く。先に受付を出ていた神殿派遣の視察官は、女神を見上げて、いつかと違いかなり緊張した様子の背後の二人に答えた。
「ああ。旅の無事を、みんなの」
この人が言うと、みんなのが全世界分に聞こえる。
イアンは折れ耳を指でかき、旅人の背へ報告した。
「便りをしてくれって、無事が知りたいから。先生も、ちびたちも、おれらのこと心配してるって言われました」
孤児院の院長で子どもたちに先生と呼ばれている神官の女性は、救世主降臨神殿を通じての連絡に感謝の意を述べていた。施設の窮状を知った神官長たちから援助の申し出があり、孤児院のことはもう大丈夫だと、半島の礼拝堂との通信で告げられた。
だからイアンとミュルエルも、もう心配しないで良いのだと、先生はいつもと変わらぬ優しい声で語った。
「で、どうする? まだ王都に行くのか?」
旅人が自分の靴を見つめながら、二人にたずねる。
「いや。ミュルエルは治療院に頼まれて、そっちで仕事することになったし、おれもおっさんに客引きだけじゃなく、警護兵隊の伝令の依頼とかもやって欲しいって言われたんで。もうしばらく、この街にいることにしました」
「いつか遊びに行ったらいい。あ、スリに気を付けてな」
王都での注意点を話しながら旅人は外へと向かって歩む。イアンとミュルエルは連れ立って後を追い、祈願所を出た。
「あ、そうだ。聞いてもいいか? 声をかけてきた時のこと」
旅人は己のあごへ指を添え、小さく首をかしげながら、ミュルエルに問う。
人さらいのことかと思ったミュルエルだが、礼拝堂での出来事を聞かれているのだと気付き、元見習い神官は勇者のお声がけの時のことを思い返した。
わざわざ思い起こさなくても覚えてはいるし、忘れようともしたが、改めてその時のことをちゃんと記憶から引っ張り出す。
勇者様の声が聴いてみたいと望む子どもたちのために、戸締りした後の礼拝堂へ連れて行った、あの日。孤児院や子どもたちの助けになるとの誘いを受けてしまった時のことを。
「声、声がなんか違ってた。イアンなら、もっと詳しく分かったんだけど」
曖昧なものながらミュルエルの答えに満足してか、旅人は二度ほどうなずいた。
「ありがとう、助かった」
助けられたのはこっちの方だと思うイアンの横で、旅人の口元に浮かんだ笑みと、ほとんど見えない前髪の奥のやわらかなまなざしに、ミュルエルが口をとがらせる。
「もう、だまされないですからね! わたしは、わたしがやりたいことやるんだから! 頼まれても付いては行きませんっ」
なんだそれは。
思いっ切り眉をひそめた旅人の心の声が、うさ耳には聞こえたらしく、イアンが慌てて、幼なじみの口を手でふさぐ。その手を引っぺがし、ミュルエルは続けた。
「わたしは嫌です! 大勢の中の一人なんて」
犯罪者になれと?
イアンへひそめた眉を向け、旅人が忠告する。
「なにを言ってんだ、この子は。保護者よ、目を離すなよ。またさらわれるぞ」
「な、なんですって! わたしは、もぐっ!」
もうすぐ二十歳になるんです、という叫びは、イアンが今度こそと手で強くミュルエルの口を抑えて封じ込めた。
これ以上話させると、今度こそミュルエルが、ぎゃふんと言うことになる。孤児院の皆に頼られる先生に憧れているミュルエルは、年下のイアンよりさらに下に見られるのを、結構気にしているのだ。
それに、旅の仲間など要らないという勇者様に、要らぬ誤解をする必要はない。
「では、な」
旅人は背を向ける。
「待って!」
イアンの手から抜け出したミュルエルが呼び止めた。幼なじみと旅人にしか聞こえない、小さな声で。
「会いに行ってあげてくれますか、みんなに。子どもたちに」
旅人は横顔を向ける。白金の前髪の奥から、金色の瞳が二人を映す。
「声が聴きたいって、兄弟姉妹も」
勇者様の声が。この、勇者様の声が。
「分かった。覚えておく」
ここにいる二人と遠いところの皆へ、簡潔な言葉を声にして約束した旅人の姿は、祈願所の人波と旅立つ者たちの間に見えなくなった。
みすぼらしくも見える姿をした者が誰であるかを知っている獣耳の二人の目だけにはしばらく、朝の日射しをまとって歩む旅人が立ち去る様子が映っていた。
「あの、そこのあなた、ちょっと良いですか?」
ぼそぼそとした声で呼び止められる。柵の向こうへ差し出そうとした手を止めたが、そこにのせていた、くし形切りのりんごは目を離した途端、ぶち馬の口に消えた。
「気を付けないと。その子に、もぐもぐされますよ」
親切に忠告してくれた人へと振り返る。
警護兵の青年は、残ったりんごを持つこちらの手へと首を伸ばす、ぶちへと目をやった。彼の袖口は色が変わって湿っている。なでようとしたら、制服の右袖を食われてしまったようだ。
「ええ、知ってます。いや、その、一回食われたんで、前髪を」
こちらの答えに「そうでしたか」と返答し、警護兵は押し黙った。彼も人と話すのは苦手らしい。鞘に収まった神剣へ視線を落として、ざっとこちらを観察すると、一歩引く。
放牧場の中で他の馬の世話をしているおじさんが笑顔を向けるだけでなにも言わないのを見て取ると、彼は深めにお辞儀して、この場を立ち去りかけた。
「あの。一斑の小隊長さんは、まだ詰所ですか?」
びくりとして顔を上げた警護兵は、視線を泳がせながら答えてくれた。
「ええ、まだ、昨日に引き続き、詰所で報告や事後処理の手配をしているかと思いますが、はい」
昨日のこともあり、あちこち人手が必要で交代も繰り上げられ、今はもう二班の勤務時間になっているはずだ。それでも休んでいないらしい。
一晩中、仕事してたんじゃないだろうか。その上、早朝に押しかけて、取り調べの内容などを色々と聞かせてもらった。あれもこれも任せたまま、きちんとお礼も言えずに街を立つのが本当に申し訳ない。
塔を切断した危ないやつの正体をまだ小隊長さんは黙っていてくれているのだが、街ではもうちらほらと、勇者のお出ましがうわさされていた。このまま長居するわけにはいかない。
「何か、伝言でしょうか?」
猫背気味の警護兵が本来なら不要の上目づかいで、たずねた。
「えっと、その。お仕事お疲れ様ですと、お伝えください。色々、面倒かけて申し訳ないですと」
内容があまりない、謎の伝言になってしまった。だがそれを問うこともなく、うなずいてくれる。「分かりました」と答えて一礼した彼は、板塀の合間の道へと戻って行った。
昨日の事件の野次馬が幾人か、黒い板塀の周囲をうろついている。新人らしき警護兵の彼は、急な質問を投げかける観衆にあたふたしながらも職務を遂行していた。自然と相手を見定めつつ、丁寧に返答をし、野次馬たちをさりげなく牧場の周囲から遠ざけて、見回りに戻っていく。
こちらも、ぶちにお礼を渡し終え、馬飼いのおじさんに会釈して牧場を去る。
応急処置の茶色い板でふさがれた塀の隙間からは、あの黒いツノウマが見えた。
驚かせたり、下手な騎手を乗せてもらったお詫びは、りんごひとかご分で手を打っていただいた。今日はさすがに牧場へは出してもらえないそうだが、おやつに機嫌を良くしてか、厩務員の握る手綱を振り払うこともなく、軽やかな足取りで広場を回っていた。
今度は海の方へ行こうかな。お誘いも受けたことだし。
その前にまた、いろいろと片付けなきゃいけない。いくつか調べ物をしたいし、ネフェル神官長に頼んではいるが、仲間候補の補欠にされた者たちのことも気になる。
彼らが今まさに、何かに狙われていないとも限らない。今までの平穏と魔王出現までの隙をついて馬泥棒のようなことを企んでいる奴らが、まだ他にもいるかもしれない。
「あ、いたいた!」
聞き覚えのある声に顔を上げると、双剣を腰に下げたレイオンさんが紹介所の仲間たちと立っていた。牧場の柵の側に一本だけ立つ木の陰に、賊の撃退を依頼した四人が揃って、こちらを見ている。
「そう警戒しないで下さい。誰も付いては行きませんよ」
サエッシャさんが口に手を当て、笑う。クーシは帽子を取り、頭を下げた。隠れていた鹿に似た耳が、朝の風がくすぐったいのか、ひょこひょこ動く。
「ありがとうございました。馬たちも喜んでます!」
こちらも頭を下げる。また変なことになっても困るので、お辞儀は軽くにしておいた。
「いや、こっちこそ、ありがとう。みなさんが助けてくれて、信じてくれて、できたことです」
三人の後ろに立ったトーラオさんが笑顔で、深くため息を吐いた。
「見事です。あなたがわずかな予兆を感じて下さらなければ、皆、犯罪を見過ごすところでした」
「女神が導いたのかもね。あなたに頼めば間違いないって」
レイオンさんが腰に手をやりながら、こちらを見やって笑みを浮かべる。
やっぱりそうか、小隊長さんから情報提供者の正体を聞き出したんだな。
必死に口止めを頼んだ甲斐あって、正体を内緒にしたいということも伝わっているようだ。他に聞く者もいないのに、四人はそこをぼかして話してくれた。
「あたしもそう思う。でも女神様も、びっくりしちゃったんじゃないかな。ツノウマを乗りこなしたり、塔を斬っちゃったりして」
「ええ、驚きました。あの強さがあるのなら、仲間は不要なのも当然ですわね。支援魔法でお手伝いできただけでも終生の自慢です」
「それ、ほんと私も思った。それにおかげさまで、私のお家芸に新しい可能性が見つかったわ。家族にも教えてやらなくちゃ。武者修行も無駄じゃないってね」
「ああ、そうだな、本当に。ですから自分ももっと旅をして、鍛えようと思っています。あなたには遠く及びませんが」
傭兵であるトーラオさんに聞く。
「今までも、旅をしてたんですか?」
「ええ、隊商の護衛などに雇われながら、あちこち歩き回っているんです。どこまでも自分の足で行きたい、その願いのために傭兵になったくらいで。この街が落ち着くまでもうしばらく厄介になったら、遠出する依頼を受けて別の所へ行こうと考えています」
わあ、それ良いなあ。
「あら! そんな笑顔なさるんですね!」
サエッシャさんの驚きの声に、我に返る。お手本にできそうな生き方を教えてもらって、高ぶった感情が思わず顔に出ていたようだ。いけない、気を引き締めないと。
レイオンさんとクーシがなにやら、お互いを突きつつ笑いあっている。そこにトーラオさんも参加し、三人で何事かをささやいていた。軽やかな笑い声とささやきがなぜか、くすぐったい。
なんだ、まさか、あれか。要らない加護が発動しかかってんじゃないだろうな?
「じゃあ、とにかく、これで。お世話になりましたっ!」
お辞儀をして、そそくさとその場を後にしかけた。サエッシャさんがその笑みを含んだような明るい声で、呼び止める。
「待って下さいって。さっきも言いましたけど、慌てて逃げなくても、みんな付いて行ったりはしませんから」
トーラオさんが少々眉根を寄せ、それでも笑みを浮かべながら続けた。
「自分に、あなたのお役に立てるような強さはないことは、重々承知しています。それでも何かまた、この力が少しでも入用な時は、声をかけて欲しいと願っています。ここにいる誰もがみな、同じ気持ちです」
いらついて余計な事しゃべるのは、本当にだめだな。
頭巾の上から頭をかく。真っ正面から見つめるわけにはいかないので、放牧地で過ごす馬たちをながめながら、要らない発言の今さらの言い訳をした。
「要らないのは、勇者なんです。みなさんのことを必要としている人たちは、たくさんいます。その人たちの力や助けになれるのは、今までそうして人の役に立ってきたみなさんの方で、気まぐれに現れる勇者じゃないと思うんです。救世主だなんて言われながら、なんにもこの世界のことは知らないわけですし。今度ももう充分、みなさんには助けてもらっていて。だから」
「我々の方が英雄か。勇者様にそれを言われると、身が引き締まる思いがするな」
遠く去り行く勇者の後ろ姿を見つめたまま、腕組みしたトーラオは、小さくため息をついた。両の腰に手を当てたレイオンも、緑の中に溶け入りそうな勇者の背を見つめて答える。
「ほんと。あんなこと言われたら腑抜けた仕事できないわ。それに、めちゃくちゃ謙虚じゃない。話に聞いた感じと違うわね」
「はい。もっとこう、がーっと猛々しい方なのかと思ってました。山賊ひとりで倒したって聞きましたし」
クーシがレイオンを真似するように腰に手をやって首をかしげていると、後ろからサエッシャが「うーん」とうなった。皆の注目が、実はこの中では一番豪胆な、支援魔術師へと向かう。
「あの話、うわさってだけじゃないのかも」
「何が?」と問うレイオンには目もくれず、遠く小さくなった勇者の姿から目を離さずに、サエッシャが語った。
「王都に従姉妹がいるんだけど、父親が神殿に勤めてて。その子たちからの手紙で気になること書いてあったの。ここだけの話よ、って。人違いらしいの、勇者様。目覚めかけていた者とは別人で」
トーラオ、レイオン、クーシの三人は、サエッシャと勇者を何度か見比べた後、去り行く救世主様の姿を目で追った。黙した仲間たちに代わり、レイオンが口を開く。
「あながち、嘘じゃなさそうね。じゃあ、今まであちこちに声かけてたのが、何なのかは分からないけど」
丘の向こうに見えなくなった勇者の姿を、ひとときの仲間たちが見送る。四人の中での答えは、すでに出ていた。
あの人こそが真に勇者でなければ、なんだというのかと。
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