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2 旅立つ勇者と蚊帳の外
第14話 早朝、王都にて
しおりを挟む石壁と鉄柵を飛び越え、路上の真ん中に転がるようにして派手に着地したが、幸いなことに誰の目にも留まらずに済んだ。
昇降機の施設の周りは倉庫や工場と思われる煉瓦の建物が囲んでいた。住居らしきものはその合間に数えるほどしかない。人がいないわけだ。
そのまま倉庫街の通りを進もうかと思っていたのだが、徐々に荷馬車や人通りが増え始めた。屋根の向こうに見える空があっという間に白く、明るくなっていく。明け方近くになって、仕事場に向かう者たちとすれ違うことが多くなった。
作業服っぽい見た目だが、帯剣しているし、場違いであるのは否めない。倉庫の間を抜け、入り組んだ路地に入り、後ろから連れ立ってやって来る勤め人たちに追われるように、別の通りに出た。
それが失敗だった。
朝の支度に大勢で賑わう小さな通りに出てしまい、立ち並ぶ露店や人ごみで己の位置を見失い、王都の中でさまよい歩いている今に至る。
神殿の窓や屋根の上から、ざっとながめてきただけで詳細な地図は見ていない。
どうやってここから抜け出したらいいのか分からない。勇者とばれたくないばかりに人へ話しかける勇気が持てずにいた。どこが勇気ある者なんだと自分を笑ってやりたくなる。
ただ、王都からの脱出以上に気になることがあって、己を笑っている暇がなかった。
目に付く。ごちゃごちゃとした人ごみの中でも、どうしても目に付いてしまう。
今のところ気付いているのは自分だけのようだ。すぐ側に勇者が歩いているとは思いもしない通行人たちは、目の前の犯罪の予兆にも気付きはしない。
やっぱり居るか。お祭り騒ぎなんだよな、今。そうなると、そうなるよな。
ぐだぐだと考えを巡らせながら誰かが気付いて何とかしてくれないかと思ったりもするが、やっぱり見過ごせなかった。本当に、この無駄な人の好さが恨まれる。
男は、ごく普通の、今までに何十人とすれ違ってきた人達と同じにしか見えなかった。違うのは時折するどく見やる先が、通りを行き交う人達の手荷物や懐であったことだ。
別にそれぐらいでは、いくら救世のために目覚めたからといって、スリに気付くことはない。こちらとほぼ横並びで足早に歩くその男が、通りかかった女性の買い物かごへ手を伸ばしたのを見なければ、疑うことすらなかっただろう。
犯行は失敗に終わった。女性の向かいから知人であるらしいおばさんがやって来て、よく通る声で呼び止めたからだ。
かごに手首まで入っていた瞬間のことだったから、スリの男も慌てたようだ。急に立ち止まった女性にぶつかりかけたように装って、財布らしき革袋をかごへ戻したのが見えた。
それからは右に左にと人波をよけながら、男は通りをただただ歩いていた。
勇者という単語に敏感になっているせいで、露店の誰かが話題に上げたその一言の出所へ、たまたま目を向けた己の不運をなげきながら、こうしてスリを付かず離れず追う羽目になっている。
このまま、王都の外まで連れてってくれないかな。
そんなことを考えていたら、男が急に早足になる。追跡に気付かれたのかと思ったが、男は道端へ駆け寄って行った。露店の間の路地の入り口だ。そこには三、四歳くらいの男の子が、行き交う人波の合間を探るように左右を見回していた。
路地は、露店商たちが空にした木箱を雑多に積み重ねたせいで倉庫のようになっている。高く積まれた木箱の間に隠れるようにして、父親は息子に聞いた。
「どうして出て来たんだ? 家にいろと言ったろ?」
「だって……かあちゃんが」
息子の言葉に父は顔色を悪くした。
「また倒れたのか!」
「ううん」と答えながら首を急いで横に振り、男の子は続きを話す。
「とうちゃんがおそいからって、外にいくっていうから」
男は伏せ目がちに話す息子の頭を、がしがしとなでた。
「悪かった。すぐ帰ろう」
謝ったのは、言い付けを守っていないと早とちりして息子を怒ったことだけではない。妻とした約束を破ろうとした己の過ちについてもだ。
勇者覚醒に湧くこの人ごみでならと魔が差した自分が情けなかった。歳の割に背の伸びが悪い息子の肩に手を添えて先へとうながすと、男はやって来た通りを後に、路地を出て行こうとした。
木箱だらけの狭い道を通り抜けようと、急ぎ足で親子を追い越そうとした旅人が、父親の左肩にぶつかった。
「失礼」
「いえ、お構いな……」
言いかけた言葉を男は飲み込む。
返答が唐突に途切れたことにも気付かぬ様子でそのまま去って行こうとする後ろ姿を見て、居ても立っても居られず、男は旅人を呼び止めていた。
「待ってくれ! あんた、これ」
男が差し出した左手には白銅硬貨が五枚も載っている。庶民がよく使う中では一番高額な貨幣だ。露店の軽食なら一枚でも余りある。これを取り出した上着の左ポケットは、ついさっきまで、空だった。
振り返った旅人は目深に被った頭巾の下から男の手のひらへ、金色の瞳を向けた。白っぽく輝く銅貨をこの世で初めて見たかのように、ただじっと見つめている。
呼び止めた男がそれ以上何も言えないでいると、銅貨から放した視線を壁や足元へさまよわせながら、旅人は問い返した。
「……どうしました?」
「いや、あの、これ……これは」
言いたいことが言えなかった。言わなくても相手がすべて分かっていることが、左手の硬貨の重みで伝わってくる。
気付かれずに相手の懐を狙える者はまた、気付かれずに相手の元へ物を忍ばせることが出来る。
ポケットの中へ手が入ったことすら気付かせなかった。それなのに、わざと重さを感じるように硬貨を五枚も投げ入れた。
それはすなわち、さっきまで自分がやろうとしていたことを見透かされていて、なおかつ警告されているということだ。
そんな確信に言葉が詰まり、男の口からは聞きたいことが出て来ない。押し黙った父親の様子に違和感を感じて男の子は顔を上げ、対面する二人を交互に見やった。
「早く……戻られた方がいいのでは?」
それだけ言うと通りすがりの旅人は、前髪の奥を見上げてくる男の子の無垢な視線に耐えかねて、その場を去った。
路地の出口でぼんやりと突っ立っていた父親の手を、息子が引く。
「とうちゃん、帰ろ?」
父は息子へうなずき、親子は通りを、旅人とは反対方向へ歩き出した。
足早に立ち去る双方が人波に紛れて見えなくなった頃、片方から大声が上がった。
「痛え!」
「スリだ!」
腕を抑えてうずくまるのは清潔感のある、身なりが整った若者だ。そのかたわらの路上へ落ちた自分の財布を慌てて拾い上げ、おじさんが再び叫ぶ。
「スリだッ! そいつを捕まえてくれ!」
職業として人の懐を狙う集団もいる。その端くれである若者が身をひるがえして通りを駆け出す。
財布を受け取る役目が初仕事だった相棒も、突然のことについ、若者と同じに走り出してしまっていた。若い二人は周囲の冷ややかな視線に追われて、人でごった返す通りを逃げる。
腕を抑えながら走る若者は、何がなんだか分からないままだ。地味な装いの旅人らしい奴とぶつかったと思ったら腕をひねり上げられ、すったばかりの財布を落としていた。
逃げた二人は大勢の野次馬に行く手を阻まれ、取り囲まれて、騒ぎに駆け付けた警備兵に捕らえられた。救世主覚醒の賑わいに乗じた犯行は、不運と幸運にも、勇者に出逢った者たちの未遂に終わった。
スリ騒動で賑わいが増す通りを離れ、路地に曲がる。しかしそこも勇者の目論みは外れて、なかなかに人が多かった。
通行人の空きっ腹を刺激するような香りが、あちこちから立ち昇る。食べ物屋が集まっているようだ。大都市だけあって独り身で自炊をしない者たちも多く暮らしているらしい。
露店ではなく、中で軽食を出す店や定食屋、夜は酒場になるような飲食店が建ち並んでいる。路地に大小の看板を差し掛けて、より狭くなった空を、勇者は見上げた。
この辺りは、神殿の屋根から見た気がする。
行き交う人の合間を抜けて、勇者は急ぐ。
この先に馬車が並んで走れるような広めの通りがあったはずだ。歩道も広かったから人ごみも、ここよりはマシになるだろう。
旅立ちを急ぐ勇者の足取りは軽くなった。
その足を止める。急停止させた違和感の元を、くたびれた頭巾と伸び過ぎた前髪の奥から勇者は見やる。
古びた定食屋の軒先に張り紙があった。
『おはぎ ぼたもち あります』
おはぎとぼたもちが並んで記されている。
日本の知識では、おはぎもぼたもちも同じ和菓子で、季節によって名前が変わるものだったはずだ。萩の花と牡丹が咲く時期に名前を変えるか、通年でどちらかを名乗るかするものだと勇者の頭に浮かぶ。
「ぼたもち三に、おはぎ二、頼む」
汚れた前掛けの職人風なおじさんの声が、呼び込みのように路地へ響く。
おはぎもぼたもちも良く売れていた。この定食屋の名物らしい。おはぎ二個、ぼたもち三つ入りなど、次々と客が通りがかりに買っていく。その都度、店先に立つ看板娘が長机に置いた箱から、おはぎとぼたもちを注文分取り出して、紙に包んで渡していった。
何が違うんだろ?
興味をひかれて軒先に近付いた勇者が先客たちの合間から平たい箱の中を見やると、そこにはちゃんと、見た目が違った二種類の和菓子が左右に分けられて詰められていた。
小ぶりでこしあんが、おはぎ。大ぶりでつぶあんが、ぼたもちだ。
「お客さんは?」
前の客が黒鉱硬貨を釣り銭入れに置いておはぎを受け取るのを横目に、看板娘が軒先の端にいた次の客へたずねる。
店員に声をかけられたのが、たまたま客足が途絶えた時に突っ立っていた自分だと気付いた勇者は、怪しまれないためにと考える間もなく注文していた。
「おはぎひとつと、ぼたもちひとつを」
「はい。おはぎひとつと、ぼたもちひとつ。お客さん、初めてですよね。きなこ付けます?」
曖昧にうなずいた勇者の返事に、包み紙に自慢の品を手早く載せた看板娘は、箱の横に置いてあった深鉢からひとさじ、きなこをすくって、おはぎにかけた。
この世界のおはぎには何かかけてもらえるようだ。きなこの鉢の横には黒ゴマも用意されていた。ただし、何がおまけされるかは、その時の看板娘の気分によるらしい。
黒い硬貨四枚と引き換えに、薄茶の紙に包まれたおはぎとぼたもちを受け取る。意外と重みのあるおやつを手に、勇者は歩き去った。
あれ?
定食屋の窓辺の席、フォークに刺したぼたもちにかぶりついていた眼鏡の青年が、首をかしげる。
窓の外に一瞬、何か気になるものを見かけた気がしたのだが、好物に夢中だった彼はよく見えなかったそれを、誰か知り合いでも通りかかったのだと思って、すぐに忘れた。
「本当よく食べるね、見てて気持ちいいや」
出来上がったばかりのぼたもちとおはぎが詰まった大きな箱を手に、店主が常連へ話しかける。
「ここのおはぎとぼたもちは絶品だからね。おばあさまと奥さま、大切にしなよ」
常連客のお決まりの返答に店主は「尻に敷かれた俺も大切にして欲しいよ」となげきながら、軒先へ売り物を運んで行った。売り子を父に代わってもらって、看板娘が空箱を手に戻ってくる。
「ライオミットさん。そんなにお腹すいてるなら定食も食べればいいのに」
「今日は特に、これが目的だからね。お祭り騒ぎの時にしか、いっぱい作ってくれないし。今回はどうしようかなと思ったんだけど、思い出したら無性に食べたくなっちゃうからさ。ここのは」
ライオミットは最後の一皿を食べ終わると、持参の重箱に詰めてもらった、お土産のおはぎとぼたもちを大切に抱えて店を出て行った。木目の重箱二段は大好物でいっぱいだ。
看板娘は積み重なった五枚の皿を手に少し呆れた様子で笑い、厨房へと向かう。これで大盛りの定食も平らげる、がたいの良い職人さんなら彼女のお眼鏡にかなうところなのだが、青白い顔をしたライオミットは少々趣味ではないらしい。
大の甘党の常連客が眼鏡を取るとかなりの男前であることを知っている面食いの大女将と女将は、厨房の窓の前を通りがかりに手を振ってあいさつするライオミットに、満面の笑みで、あんこが付いた手を振り返して見送った。
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