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黒幕の黒幕
⑥
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するとジャラールさんは、私の耳元でこう囁いてくれた。
「俺もだよ。」と。
有難う、ジャラールさん。
私、元の世界に戻っても、この時の事。
一生、忘れない。
私とジャラールさんが、お互いの体を離した時だ。
護衛の人の、叫び声が聞こえた。
慌てて振り返ると、そこには剣を持ったラナーが立っていた。
「ラナー!」
「私としたことが。狙う相手を間違えるとは。」
「えっ?」
次の瞬間、ラナーは私に向かって剣を振りかざした。
「ジャラール王子の相手が、お前だったとは!」
「キャアアア!」
殺される!
そう思った時、隣にいたジャラールさんが、ラナーを止めてくれた。
「ラナー!このような事をして何になる!」
「うるさい!既にこの命は無いモノに等しい!ならばあなたの大事なモノを奪い、そのお心を冥界に持っていくまで!」
それを聞くと、ジャラールさんはラナーから、剣を取り上げた。
「ならばラナー。その怒りはこの私に向ければよい。さあ!」
ラナーの前に、剣が転がった。
目の前に立つジャラールさんを、ラナーは睨む。
けれど何かが違う。
その目は、私もジャラールさんも恨んではいない。
「ラナー。本当に……」
ラナーの息が上がる。
「私の事を愛しているのか?本当にそれが、ネシャートを襲った理由か?」
ラナーをよく見ると、頬に涙が伝っている。
泣いているの?ラナー。
「私は……」
そう言って、ラナーが剣に手をかけた時だ。
「お待ち下さい!」
どこからか男の人の声が、こだまする。
「ラナーは罪人ではありません!脅されていただけです!」
その声と一緒に入って来たのは、ハーキムさんだった。
「ハーキムさん!」
寄る場所があるって言っていたのに。
「我が王よ!」
ハーキムさんは、王様の前で膝まずいた。
「突然の謁見、お許しください。どうしても罪のない者が命を奪われる事を避けたくて、ここに参りました。」
「いいだろう、話を聞こうではないか。」
「有難うございます。」
ハーキムさんは、頭を下げると立ち上がった。
「ラナーは自分の意思で、ネシャート王女の命を狙ったわけではありません。ある者の命令です。」
「ある者?ある者とは誰だ。」
「それは……」
言おうとしたハーキムさんの腕を、ラナーが掴む。
「ハーキム様。もういいのです。」
「ラナー、しかし!今のままではそなたの命が!」
ラナーは左右に首を振った。
「この場に連れて来られた時点で、もうハーキム様の妻にはなれません。あなたの妻になれぬなら、この命はいらないのです。」
「ラナー!」
ハーキムさんは、涙を流すラナーを腕の中に引き寄せた。
「そんな事、構うものか!」
「ハーキム様?」
「一度妻にと決めたのだ。誰がなんと言おうと、私の妻はラナー、そなただけだ。望みを捨てるのはではない。」
ラナーは何も言わなかった。
でも分かる。
二人が強い気持ちで繋がっている事が。
「それでハーキムよ。誰がネシャートの命を狙った黒幕だと言うのだ。」
「それは……」
ハーキムさんは、王様の後ろに控えているザーヒルを見た。
「そこに控えておられるザーヒル様でいらっしゃいます。」
周りは尚一層ざわついた。
そりゃあそうだよ。
ラナーの時も、ネシャートさんの側近だって騒がれたのに、今度は王様の側近だもん。
「ハーキム。何を証拠にそのような事を申すのだ。」
名前を挙げられたザーヒルは、至って冷静。
なんでここの人達って、疑われているのにそんな冷静でいられるのかな。
「その理由になる者達を、連れて参りました。」
ハーキムさんはそう言うと、護衛に合図を送る。
すると護衛の人達は、一組の老夫婦を連れてきた。
「お、お前達は!」
ザーヒルの顔が歪む。
「我が王よ。この者達は、やつれてはおりますが、ラナーのご両親です。」
「なに?なぜ、侍女の両親がここに来ているのだ。どうして、そんなにもやつれているのだ。」
「それは……」
ハーキムさんは、ザーヒルの前ではっきりと言った。
「このザーヒル様に捉えられ、地下牢に長い間、幽閉されていたからです!」
周りがざわつく。
ジャラールさんとネシャートさんも、驚いた顔をしている。
「ハーキムさん。」
私はハーキムさんと、ラナーのご両親の側に寄る。
「クレハの言う通りだった。まさかと思い顔を見に行ったら、間違いなくラナーのご両親だったのだ。教えてくれた事、感謝する。」
さすが、ハーキムさん!
私には間違いだって言ってたのに、ちゃんと確かめに行ってくれたんだね。
「よかったですね。」
私は、ラナーのお父さんに話しかけた。
「ああ、あなたは、ラナーのご友人。ありがとう。おかげで、私達は冷たく暗い世界から、抜け出す事ができた。」
その目にはうっすらと、涙が溜まっていた。
「お父さん……お母さん……」
いつの間にか、涙を堪えているラナーが、側に立っていた。
「ラナー!」
お父さんとお母さんが、ラナーを抱き締める。
「ハーキム様から聞いたよ、ラナー。なんて愚かな事をしたんだ。私達の命を救う為に、未来の国王の命を狙うなんて!」
「そうだよ。私達の命等、この国の為ならいくらでも、くれてやったのに!」
「そんなこと、言わないで!」
ラナーの顔が、我慢していた涙が溢れて、グチャグチャになっている。
「お父さんとお母さんの命よりも大切なもの等、私にとってはこの世にありません!例え、未来の国王の命を奪い、罪人の汚名を着せられ、この命が無くなったとしてもっ‼」
「ラナー……」
「お父さんとお母さんの命の方が……どれほど大切か……」
そして、椅子に座っていたはずのネシャートさんが、私達の側に来た。
「ネシャート様……」
「そなたの言う通りです、ラナー。私が気づかないばかりに、そなたには辛い思いをさせました。許して下さい。」
「そんな……ネシャート様に罪など、少しもございません!私の方こそ、私の方こそ!……」
ラナーはネシャートさんが差し伸べた手を握り、床につくくらいに、頭を下げていた。
「ザーヒル。」
それを見ていた王様は、とても低い声でザーヒルを呼んだ。
「は、はい。我が王。」
「これは一体、どういう事か。」
「い、いや。これは……」
「返答によっては、お前に重大な罪を与えるぞ。」
そう言った王様の目は、殺されるかと思うくらい、鋭かった。
「我が君!これは何かの間違いでございます!」
王様は、眉一つ動かさない。
「もしや我が王まで、私をお疑いになるのですか!幼い頃より王にお仕えしてきたこの私を!」
いやいや、ここの証人がいるんだから、言い逃れはできないよ、ザーヒルさん。
「我が王よ。他にも証拠はございます。」
ハーキムさんが合図をすると、黒づくめの男、数人が大広間に連れて来られた。
「あっ、この人達です!我々を地下牢に連れてきたのは!」
ラナーのご両親が叫ぶ。
「この者達は?」
王様は低い声で、ザーヒルに質問をした。
「はてさて……知りませぬな。」
ザーヒルは、とぼける態度を取った。
「そなたの配下の者ではないと、申すのだな。」
「はい。全く存じ上げません。」
よくも王様の前で、そんな嘘がつけるよ。
ジャラールさんだって、この黒づくめの男達が、ザーヒルの手下だって知ってるのに!
「それにしても、誘拐とは許されませんな。」
その上ザーヒルは、その黒づくめの男達に向かって、冷たくこう言い放った。
「ラナーは罪人と言えども、王女付きの侍女。その者のご両親を誘拐し、監禁するとは。この者達には別途罪を与えなければなりません。」
黒づくめの男達は、驚いて顔を上げた。
「そなた達、分かっているな」
お互い顔を見合わせて、希望を失ったように、一人一人うつ向いていく黒づくめの男達。
自分の命令に従った手下を、自分のせいにされそうになったからって、庇おうともしないの!?
頭に来た!
「ちょっとちょっと!」
「おい、クレハ!」
黒づくめの男達の前に出た私を、ハーキムさんが止める。
「さっきから話を聞いてれば!自分が悪い事がバレたら、部下のせいにするの!?それでも上に立つ人なの!?」
「なんだ、小娘。私が誰だか、分かっているんだろうなあ。」
「知ってるわよ!王様の一番偉い付き人でしょう?」
「その私に意見をする等、どうなるか、分かっているのか!」
鋭い眼光で睨まれて、背中がゾクッとする。
「そ、そんなに睨まれたって、怖くないもんね!だって、私聞いたんだもん!この人達が、あなたの手下だって!」
「何?小娘、それをどこで聞いた?」
ザーヒルが、一歩ずつ私の前に、やってくる。
ここで下がったら、女が廃るわ!!
「砂漠の旅の途中でよ!私、ジャラールさんとハーキムさんの二人と一緒に、砂漠の旅をした事があるの!そこで、この人達に襲われたのよ!」
「なに?では、お前はジャラール王子の客人か?」
急に客人と言われ、少し気が緩む。
「そ、そうよ。」
「この者達は、ジャラール王子の客人であるそなたを襲ったばかりか、ジャラール王子とその筆頭侍従であるハーキムに、刀を向けたのだな。」
「そ、そうよ!」
私が大きな声で答えると、ザーヒルは刀を抜き、私の前で黒づくめの男一人を斬り倒した。
「えっ……」
「ぎゃあああ!」
続いて隣にいた男も。
「ひ、ひぃぃぃ!!」
逃げようとした男達も、瞬く間にザーヒルによって、切り殺された。
私の目の前に、血の海が広がる。
「俺もだよ。」と。
有難う、ジャラールさん。
私、元の世界に戻っても、この時の事。
一生、忘れない。
私とジャラールさんが、お互いの体を離した時だ。
護衛の人の、叫び声が聞こえた。
慌てて振り返ると、そこには剣を持ったラナーが立っていた。
「ラナー!」
「私としたことが。狙う相手を間違えるとは。」
「えっ?」
次の瞬間、ラナーは私に向かって剣を振りかざした。
「ジャラール王子の相手が、お前だったとは!」
「キャアアア!」
殺される!
そう思った時、隣にいたジャラールさんが、ラナーを止めてくれた。
「ラナー!このような事をして何になる!」
「うるさい!既にこの命は無いモノに等しい!ならばあなたの大事なモノを奪い、そのお心を冥界に持っていくまで!」
それを聞くと、ジャラールさんはラナーから、剣を取り上げた。
「ならばラナー。その怒りはこの私に向ければよい。さあ!」
ラナーの前に、剣が転がった。
目の前に立つジャラールさんを、ラナーは睨む。
けれど何かが違う。
その目は、私もジャラールさんも恨んではいない。
「ラナー。本当に……」
ラナーの息が上がる。
「私の事を愛しているのか?本当にそれが、ネシャートを襲った理由か?」
ラナーをよく見ると、頬に涙が伝っている。
泣いているの?ラナー。
「私は……」
そう言って、ラナーが剣に手をかけた時だ。
「お待ち下さい!」
どこからか男の人の声が、こだまする。
「ラナーは罪人ではありません!脅されていただけです!」
その声と一緒に入って来たのは、ハーキムさんだった。
「ハーキムさん!」
寄る場所があるって言っていたのに。
「我が王よ!」
ハーキムさんは、王様の前で膝まずいた。
「突然の謁見、お許しください。どうしても罪のない者が命を奪われる事を避けたくて、ここに参りました。」
「いいだろう、話を聞こうではないか。」
「有難うございます。」
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「ラナーは自分の意思で、ネシャート王女の命を狙ったわけではありません。ある者の命令です。」
「ある者?ある者とは誰だ。」
「それは……」
言おうとしたハーキムさんの腕を、ラナーが掴む。
「ハーキム様。もういいのです。」
「ラナー、しかし!今のままではそなたの命が!」
ラナーは左右に首を振った。
「この場に連れて来られた時点で、もうハーキム様の妻にはなれません。あなたの妻になれぬなら、この命はいらないのです。」
「ラナー!」
ハーキムさんは、涙を流すラナーを腕の中に引き寄せた。
「そんな事、構うものか!」
「ハーキム様?」
「一度妻にと決めたのだ。誰がなんと言おうと、私の妻はラナー、そなただけだ。望みを捨てるのはではない。」
ラナーは何も言わなかった。
でも分かる。
二人が強い気持ちで繋がっている事が。
「それでハーキムよ。誰がネシャートの命を狙った黒幕だと言うのだ。」
「それは……」
ハーキムさんは、王様の後ろに控えているザーヒルを見た。
「そこに控えておられるザーヒル様でいらっしゃいます。」
周りは尚一層ざわついた。
そりゃあそうだよ。
ラナーの時も、ネシャートさんの側近だって騒がれたのに、今度は王様の側近だもん。
「ハーキム。何を証拠にそのような事を申すのだ。」
名前を挙げられたザーヒルは、至って冷静。
なんでここの人達って、疑われているのにそんな冷静でいられるのかな。
「その理由になる者達を、連れて参りました。」
ハーキムさんはそう言うと、護衛に合図を送る。
すると護衛の人達は、一組の老夫婦を連れてきた。
「お、お前達は!」
ザーヒルの顔が歪む。
「我が王よ。この者達は、やつれてはおりますが、ラナーのご両親です。」
「なに?なぜ、侍女の両親がここに来ているのだ。どうして、そんなにもやつれているのだ。」
「それは……」
ハーキムさんは、ザーヒルの前ではっきりと言った。
「このザーヒル様に捉えられ、地下牢に長い間、幽閉されていたからです!」
周りがざわつく。
ジャラールさんとネシャートさんも、驚いた顔をしている。
「ハーキムさん。」
私はハーキムさんと、ラナーのご両親の側に寄る。
「クレハの言う通りだった。まさかと思い顔を見に行ったら、間違いなくラナーのご両親だったのだ。教えてくれた事、感謝する。」
さすが、ハーキムさん!
私には間違いだって言ってたのに、ちゃんと確かめに行ってくれたんだね。
「よかったですね。」
私は、ラナーのお父さんに話しかけた。
「ああ、あなたは、ラナーのご友人。ありがとう。おかげで、私達は冷たく暗い世界から、抜け出す事ができた。」
その目にはうっすらと、涙が溜まっていた。
「お父さん……お母さん……」
いつの間にか、涙を堪えているラナーが、側に立っていた。
「ラナー!」
お父さんとお母さんが、ラナーを抱き締める。
「ハーキム様から聞いたよ、ラナー。なんて愚かな事をしたんだ。私達の命を救う為に、未来の国王の命を狙うなんて!」
「そうだよ。私達の命等、この国の為ならいくらでも、くれてやったのに!」
「そんなこと、言わないで!」
ラナーの顔が、我慢していた涙が溢れて、グチャグチャになっている。
「お父さんとお母さんの命よりも大切なもの等、私にとってはこの世にありません!例え、未来の国王の命を奪い、罪人の汚名を着せられ、この命が無くなったとしてもっ‼」
「ラナー……」
「お父さんとお母さんの命の方が……どれほど大切か……」
そして、椅子に座っていたはずのネシャートさんが、私達の側に来た。
「ネシャート様……」
「そなたの言う通りです、ラナー。私が気づかないばかりに、そなたには辛い思いをさせました。許して下さい。」
「そんな……ネシャート様に罪など、少しもございません!私の方こそ、私の方こそ!……」
ラナーはネシャートさんが差し伸べた手を握り、床につくくらいに、頭を下げていた。
「ザーヒル。」
それを見ていた王様は、とても低い声でザーヒルを呼んだ。
「は、はい。我が王。」
「これは一体、どういう事か。」
「い、いや。これは……」
「返答によっては、お前に重大な罪を与えるぞ。」
そう言った王様の目は、殺されるかと思うくらい、鋭かった。
「我が君!これは何かの間違いでございます!」
王様は、眉一つ動かさない。
「もしや我が王まで、私をお疑いになるのですか!幼い頃より王にお仕えしてきたこの私を!」
いやいや、ここの証人がいるんだから、言い逃れはできないよ、ザーヒルさん。
「我が王よ。他にも証拠はございます。」
ハーキムさんが合図をすると、黒づくめの男、数人が大広間に連れて来られた。
「あっ、この人達です!我々を地下牢に連れてきたのは!」
ラナーのご両親が叫ぶ。
「この者達は?」
王様は低い声で、ザーヒルに質問をした。
「はてさて……知りませぬな。」
ザーヒルは、とぼける態度を取った。
「そなたの配下の者ではないと、申すのだな。」
「はい。全く存じ上げません。」
よくも王様の前で、そんな嘘がつけるよ。
ジャラールさんだって、この黒づくめの男達が、ザーヒルの手下だって知ってるのに!
「それにしても、誘拐とは許されませんな。」
その上ザーヒルは、その黒づくめの男達に向かって、冷たくこう言い放った。
「ラナーは罪人と言えども、王女付きの侍女。その者のご両親を誘拐し、監禁するとは。この者達には別途罪を与えなければなりません。」
黒づくめの男達は、驚いて顔を上げた。
「そなた達、分かっているな」
お互い顔を見合わせて、希望を失ったように、一人一人うつ向いていく黒づくめの男達。
自分の命令に従った手下を、自分のせいにされそうになったからって、庇おうともしないの!?
頭に来た!
「ちょっとちょっと!」
「おい、クレハ!」
黒づくめの男達の前に出た私を、ハーキムさんが止める。
「さっきから話を聞いてれば!自分が悪い事がバレたら、部下のせいにするの!?それでも上に立つ人なの!?」
「なんだ、小娘。私が誰だか、分かっているんだろうなあ。」
「知ってるわよ!王様の一番偉い付き人でしょう?」
「その私に意見をする等、どうなるか、分かっているのか!」
鋭い眼光で睨まれて、背中がゾクッとする。
「そ、そんなに睨まれたって、怖くないもんね!だって、私聞いたんだもん!この人達が、あなたの手下だって!」
「何?小娘、それをどこで聞いた?」
ザーヒルが、一歩ずつ私の前に、やってくる。
ここで下がったら、女が廃るわ!!
「砂漠の旅の途中でよ!私、ジャラールさんとハーキムさんの二人と一緒に、砂漠の旅をした事があるの!そこで、この人達に襲われたのよ!」
「なに?では、お前はジャラール王子の客人か?」
急に客人と言われ、少し気が緩む。
「そ、そうよ。」
「この者達は、ジャラール王子の客人であるそなたを襲ったばかりか、ジャラール王子とその筆頭侍従であるハーキムに、刀を向けたのだな。」
「そ、そうよ!」
私が大きな声で答えると、ザーヒルは刀を抜き、私の前で黒づくめの男一人を斬り倒した。
「えっ……」
「ぎゃあああ!」
続いて隣にいた男も。
「ひ、ひぃぃぃ!!」
逃げようとした男達も、瞬く間にザーヒルによって、切り殺された。
私の目の前に、血の海が広がる。
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