39 / 47
第14話 偽りの子
③
しおりを挟む
部屋に戻ると、信志が手を広げて待っていた。
「どうだった?黒音の様子は?」
「ええ。何も……」
だが白蓮は、浮かない顔だ。
「何かあれば、直ぐに誰かが知らせてくれる。それまで、ここで静かに見守っていよう。」
信志の瞳が、優しく白蓮を見つめる。
「……先ほどの老人に、言われました。」
「なんと?」
「私は元々、信志様の妃になる者だったと。」
「元から?それでは白蓮は、王妃にはなれなかったというのか?」
「いいえ。最初から決まっていたのです。兄君様が亡くなり、あなた様が王になる事も。あなた様と結婚して、私が王妃になる事も。」
信志と白蓮は、お互いを見つめた。
「私達がこうなる事は、運命だったという事か……」
白蓮は、ゴクンと息を飲んだ。
跡継ぎは、必ず産まれると言う事を伝えるのは、今を置いて他にないと。
「そして……その老人は、こうも言っていました。」
「ん?」
「王に……跡継ぎは、必ず産まれると……」
白蓮の言葉に、信志は目を見開いた。
「それは、一度懐妊した妃から産まれるとか。だとすれば、黄杏か黒音のいづれかでございます。」
興奮した白蓮は、信志にしがみついた。
「王。これからしばらくは、黄杏の元へお通い下さい。黒音もいづれ体が回復したら……」
「白蓮。」
白蓮はハッとした。
「私がどの妃の元へ通うかは、私が決める。」
「王……」
「だから、あなたの元へも通う。いいね?」
真っすぐに見つめてくれる優しい瞳に、白蓮は罪悪感と幸福感が混ざり合う。
「それにしても、黒音の治療は終わっていないのか?」
信志は、侍従に尋ねるとまだだと言う。
「分かった。まだここで、待っていよう。」
そうは言ったが、3、4時間しても、まだ終わらない。
「遅い!まだ終わらないのか!」
しびれを切らした信志は、白蓮を連れて、黒音の処置が行われている治療室へと足を運んだ。
「医師よ。黒音はまだなのか?」
「は、はい。それがなかなか、お産の印も出てきませんでして……」
信志は、壁に拳を打ち付けた。
「王。黒音のお腹の子は死んでいるとしても、初めてお子を出産するのです。もうしばらく待ちましょう。」
信志は仕方なさそうに、廊下に出て、診察室の前にある椅子に座った。
「……もっと、簡単な事だと思っていた。」
信志は、クシャクシャと頭を掻きむしる。
「今頃は、全てが終わって、黒音と話ができるものだと、思っていた。」
その苦しみは、白蓮にだって分かる。
自分だって、こんなに時間がかかるものだと、考えもしなかった。
やがて夜になり、処置が始まって6時間経っても、黒音のお産は終わらなかった。
処置室の中からは、悲鳴に似た黒音の唸り声が聞こえてくる。
「黒音……」
信志は、その声に扉にしがみつく。
「まだなのか……」
それを聞いても、答えは知っている。
外にいる者は、ただただ、待つしかないのだ。
その時だ。
急に処置室の戸が開き、医師が廊下に出た。
「白蓮様……」
青い顔をして、医師は白蓮の側にくる。
「どうしました?」
白蓮が心配そうに声を掛けると、医師の額には汗が流れた。
「……いくら堕胎の薬を飲ませても、一向に産道が開く気配がありません。もしかしたら……」
医師の慌て振りに、信志は食らいつく。
「もしかしたら、何だと言うのだ!」
王の鬼気迫る表情に、医師は言葉を失う。
「王……」
白蓮はこれ以上、隠しておくことはできないと、信志を連れて処置室から、離れた場所に来た。
「実は黒音に、疑いがかかっています。」
「疑い?何の疑いだ!」
信志はやけに、興奮している。
「……想像妊娠の疑いです。」
「想像?あのお腹の子は、黒音が作り出したまがい物だと言うのか!」
「本当の事は分かりません。医師も区別がつかないと申しておりますし、何より黒音が、自分のお腹の子は、本当にいると言っているのです!」
信志は、白蓮に背中を向ける。
「黒音に、聞いてみる。」
「もう既に、私が聞いています。ですが、認めないのです。」
「私なら、本当の事を話してくれるかもしれない!」
信志は、全身を使って、怒りを示していた。
「……私だから、黒音は認めなかったと言うのですか?」
白蓮は、胸が痛かった。
「女同士には、分からぬ事だってある。」
そう言って信志は、黒音がいる診察室へ入って行った。
自分が一番だと言ってくれた夫が、今は他の女の味方をしている。
白蓮は、居たたまれない気持ちになりながら、その場に立ち尽くすしかなかった。
一方、診察室に入った信志は、全身のたうち回りながら、うんうん唸っている黒音の手を取った。
「黒音、しっかりしろ!」
だが黒音の元の耳には、自分の声すら届いていないようだ。
「黒音……」
なぜこのように、苦しまなければならないのか。
信志の目には、いつの間にか、涙が溜まっていた。
「……王、泣かないでください。」
黒音が、薄っすらと目を開けていた。
「黒音!」
「この子は、手放す事になりましたが、次は必ず……必ず……うっうううううう!」
のたうち回る黒音を見て、医師はまた白蓮の元へ、駆け寄った。
「白蓮様!これ以上は、無理です!」
「えっ?」
「黒音様の処置を中止しなければ、命が危のうございます。」
白蓮は、急いで処置室に入った。
中では黒音が、激しいお腹の痛みに、体をばたつかせている。
「お腹の子は、どうなるのです?」
「……もし本当に懐妊されているのであれば、御子はこのまま黒音様のお腹の中に居続ける事でしょう。」
「えっ?では?」
「はい。黒音様は、2度と御子を懐妊される事はなく……」
白蓮は、その場に座り込んだ。
「もういい!黒音に子ができなくなったとしても、命の方が大切だ!処置を止めてくれ!」
信志は、黒音の手を握りながら叫んだ。
そんな中、白蓮の頭の中で、あの骨と皮ばかりの老人の言った言葉が、響き渡る。
- 王の跡継ぎは、一度懐妊された妃から産まれる -
黒音の懐妊が、彼女の勝手な想像であれば、ここで処置を止めなければ命を落としてしまう。
だが、黒音の妊娠が本当ならば?
跡継ぎが産まれる可能性を、奪ってしまう事になる。
白蓮は、頭を抱えた。
「白蓮様!」
医師の声が、白蓮を追い詰める。
- 跡継ぎは、必ず産まれる -
「もっと黒音に薬を!」
白蓮は、医師の腕を掴む。
「黒音を、再び懐妊できる体にするのです!」
「は、はい!」
医師は慌てて、黒音に飲ませる薬を用意した。
「白蓮!」
それを聞いていた信志は、白蓮に詰め寄る。
「黒音が、どうなってもいいのか!」
「王よ!これは、我が国の為です!」
白蓮は、信志に臆することなく、言い放つ。
「王は……ご自分の代で、この国を終わらせるおつもりですか!」
「くっ……」
信志が、右手を強く握りしめた時だ。
「うわぁぁぁぁぁぁ!」
黒音の苦しそうな声が、二人の耳に聞こえてきた。
「王!黒音様が!」
側についていた桂花が、信志を呼ぶ。
「黒音!黒音!!」
そして信志は、白蓮を置いてまた、黒音の元へ行ってしまった。
「黒音、しっかりしろ!」
「うっ……ううううううう!」
背中をのけぞり、顔は苦しみに歪んでいる。
「黒音!」
「あっ……」
その瞬間、黒音は白目を向き、バタッと体から力が抜けた。
「黒音?黒音!」
「黒音様!黒音様!」
信志と桂花が、黒音を揺する。
「医師よ!黒音は、どうしたのだ!」
医師は、黒音に飲ませる薬を、その場に落とした。
「黒音様!」
急いで黒音の口に、自分の耳を近づけ、手を握り脈を診たが、全く脈は触れない。
呼吸も聞こえてこない。
黒音の胸に耳を当てても、心臓の鼓動は聞こえてこなかった。
「っ……!」
「医師よ!」
信志は、医師を起こした。
「黒音様は……息を引き取られました。」
「えっ!?」
信志はあまりの事に、言葉を失った。
「黒音様!黒音様!目を開けて下さい!黒音様……」
桂花は、黒音の体に泣きすがった。
「なぜ、こんな事に……あああああああ!」
それを見た信志は、フラッと立ち上がる。
「王……」
白蓮はそんな信志に手を伸ばしたが、手を振り払われた。
「私に障るな!」
信志は、これまでに見た事もないような、鋭い目で白蓮を睨んだ。
「……どうして、黒音を殺した!」
「王!」
「子を成す妃なら、他にもいただろう!なぜ黒音にだけ、その責を負わせたのだ!」
泣き叫ぶ信志に、白蓮は返す言葉もない。
「幸せな暮らしを約束したと言うのに……黒音が、何をしたと言うのだ。」
白蓮は、唇を噛み締めた。
黒音がした自分への侮辱。
嘘の懐妊でも、全く認めようとせず、そればかりか自分を陥れようとしているのかと、脅す顔。
「恐れながら黒音は……王を欺こうとしていたのです!」
「私を欺く?」
「これ程までに堕胎の薬を飲んでも、一向に産気づかないのは、黒音が嘘の懐妊を企んだからです。医師にも聞きました。間違いありません!黒音がこうなったのも、自業自得かと!」
すると信志は、白蓮の頬を強く叩いた。
「王……」
「だから、黒音の命を奪ってもいいと言うのか。」
「どうだった?黒音の様子は?」
「ええ。何も……」
だが白蓮は、浮かない顔だ。
「何かあれば、直ぐに誰かが知らせてくれる。それまで、ここで静かに見守っていよう。」
信志の瞳が、優しく白蓮を見つめる。
「……先ほどの老人に、言われました。」
「なんと?」
「私は元々、信志様の妃になる者だったと。」
「元から?それでは白蓮は、王妃にはなれなかったというのか?」
「いいえ。最初から決まっていたのです。兄君様が亡くなり、あなた様が王になる事も。あなた様と結婚して、私が王妃になる事も。」
信志と白蓮は、お互いを見つめた。
「私達がこうなる事は、運命だったという事か……」
白蓮は、ゴクンと息を飲んだ。
跡継ぎは、必ず産まれると言う事を伝えるのは、今を置いて他にないと。
「そして……その老人は、こうも言っていました。」
「ん?」
「王に……跡継ぎは、必ず産まれると……」
白蓮の言葉に、信志は目を見開いた。
「それは、一度懐妊した妃から産まれるとか。だとすれば、黄杏か黒音のいづれかでございます。」
興奮した白蓮は、信志にしがみついた。
「王。これからしばらくは、黄杏の元へお通い下さい。黒音もいづれ体が回復したら……」
「白蓮。」
白蓮はハッとした。
「私がどの妃の元へ通うかは、私が決める。」
「王……」
「だから、あなたの元へも通う。いいね?」
真っすぐに見つめてくれる優しい瞳に、白蓮は罪悪感と幸福感が混ざり合う。
「それにしても、黒音の治療は終わっていないのか?」
信志は、侍従に尋ねるとまだだと言う。
「分かった。まだここで、待っていよう。」
そうは言ったが、3、4時間しても、まだ終わらない。
「遅い!まだ終わらないのか!」
しびれを切らした信志は、白蓮を連れて、黒音の処置が行われている治療室へと足を運んだ。
「医師よ。黒音はまだなのか?」
「は、はい。それがなかなか、お産の印も出てきませんでして……」
信志は、壁に拳を打ち付けた。
「王。黒音のお腹の子は死んでいるとしても、初めてお子を出産するのです。もうしばらく待ちましょう。」
信志は仕方なさそうに、廊下に出て、診察室の前にある椅子に座った。
「……もっと、簡単な事だと思っていた。」
信志は、クシャクシャと頭を掻きむしる。
「今頃は、全てが終わって、黒音と話ができるものだと、思っていた。」
その苦しみは、白蓮にだって分かる。
自分だって、こんなに時間がかかるものだと、考えもしなかった。
やがて夜になり、処置が始まって6時間経っても、黒音のお産は終わらなかった。
処置室の中からは、悲鳴に似た黒音の唸り声が聞こえてくる。
「黒音……」
信志は、その声に扉にしがみつく。
「まだなのか……」
それを聞いても、答えは知っている。
外にいる者は、ただただ、待つしかないのだ。
その時だ。
急に処置室の戸が開き、医師が廊下に出た。
「白蓮様……」
青い顔をして、医師は白蓮の側にくる。
「どうしました?」
白蓮が心配そうに声を掛けると、医師の額には汗が流れた。
「……いくら堕胎の薬を飲ませても、一向に産道が開く気配がありません。もしかしたら……」
医師の慌て振りに、信志は食らいつく。
「もしかしたら、何だと言うのだ!」
王の鬼気迫る表情に、医師は言葉を失う。
「王……」
白蓮はこれ以上、隠しておくことはできないと、信志を連れて処置室から、離れた場所に来た。
「実は黒音に、疑いがかかっています。」
「疑い?何の疑いだ!」
信志はやけに、興奮している。
「……想像妊娠の疑いです。」
「想像?あのお腹の子は、黒音が作り出したまがい物だと言うのか!」
「本当の事は分かりません。医師も区別がつかないと申しておりますし、何より黒音が、自分のお腹の子は、本当にいると言っているのです!」
信志は、白蓮に背中を向ける。
「黒音に、聞いてみる。」
「もう既に、私が聞いています。ですが、認めないのです。」
「私なら、本当の事を話してくれるかもしれない!」
信志は、全身を使って、怒りを示していた。
「……私だから、黒音は認めなかったと言うのですか?」
白蓮は、胸が痛かった。
「女同士には、分からぬ事だってある。」
そう言って信志は、黒音がいる診察室へ入って行った。
自分が一番だと言ってくれた夫が、今は他の女の味方をしている。
白蓮は、居たたまれない気持ちになりながら、その場に立ち尽くすしかなかった。
一方、診察室に入った信志は、全身のたうち回りながら、うんうん唸っている黒音の手を取った。
「黒音、しっかりしろ!」
だが黒音の元の耳には、自分の声すら届いていないようだ。
「黒音……」
なぜこのように、苦しまなければならないのか。
信志の目には、いつの間にか、涙が溜まっていた。
「……王、泣かないでください。」
黒音が、薄っすらと目を開けていた。
「黒音!」
「この子は、手放す事になりましたが、次は必ず……必ず……うっうううううう!」
のたうち回る黒音を見て、医師はまた白蓮の元へ、駆け寄った。
「白蓮様!これ以上は、無理です!」
「えっ?」
「黒音様の処置を中止しなければ、命が危のうございます。」
白蓮は、急いで処置室に入った。
中では黒音が、激しいお腹の痛みに、体をばたつかせている。
「お腹の子は、どうなるのです?」
「……もし本当に懐妊されているのであれば、御子はこのまま黒音様のお腹の中に居続ける事でしょう。」
「えっ?では?」
「はい。黒音様は、2度と御子を懐妊される事はなく……」
白蓮は、その場に座り込んだ。
「もういい!黒音に子ができなくなったとしても、命の方が大切だ!処置を止めてくれ!」
信志は、黒音の手を握りながら叫んだ。
そんな中、白蓮の頭の中で、あの骨と皮ばかりの老人の言った言葉が、響き渡る。
- 王の跡継ぎは、一度懐妊された妃から産まれる -
黒音の懐妊が、彼女の勝手な想像であれば、ここで処置を止めなければ命を落としてしまう。
だが、黒音の妊娠が本当ならば?
跡継ぎが産まれる可能性を、奪ってしまう事になる。
白蓮は、頭を抱えた。
「白蓮様!」
医師の声が、白蓮を追い詰める。
- 跡継ぎは、必ず産まれる -
「もっと黒音に薬を!」
白蓮は、医師の腕を掴む。
「黒音を、再び懐妊できる体にするのです!」
「は、はい!」
医師は慌てて、黒音に飲ませる薬を用意した。
「白蓮!」
それを聞いていた信志は、白蓮に詰め寄る。
「黒音が、どうなってもいいのか!」
「王よ!これは、我が国の為です!」
白蓮は、信志に臆することなく、言い放つ。
「王は……ご自分の代で、この国を終わらせるおつもりですか!」
「くっ……」
信志が、右手を強く握りしめた時だ。
「うわぁぁぁぁぁぁ!」
黒音の苦しそうな声が、二人の耳に聞こえてきた。
「王!黒音様が!」
側についていた桂花が、信志を呼ぶ。
「黒音!黒音!!」
そして信志は、白蓮を置いてまた、黒音の元へ行ってしまった。
「黒音、しっかりしろ!」
「うっ……ううううううう!」
背中をのけぞり、顔は苦しみに歪んでいる。
「黒音!」
「あっ……」
その瞬間、黒音は白目を向き、バタッと体から力が抜けた。
「黒音?黒音!」
「黒音様!黒音様!」
信志と桂花が、黒音を揺する。
「医師よ!黒音は、どうしたのだ!」
医師は、黒音に飲ませる薬を、その場に落とした。
「黒音様!」
急いで黒音の口に、自分の耳を近づけ、手を握り脈を診たが、全く脈は触れない。
呼吸も聞こえてこない。
黒音の胸に耳を当てても、心臓の鼓動は聞こえてこなかった。
「っ……!」
「医師よ!」
信志は、医師を起こした。
「黒音様は……息を引き取られました。」
「えっ!?」
信志はあまりの事に、言葉を失った。
「黒音様!黒音様!目を開けて下さい!黒音様……」
桂花は、黒音の体に泣きすがった。
「なぜ、こんな事に……あああああああ!」
それを見た信志は、フラッと立ち上がる。
「王……」
白蓮はそんな信志に手を伸ばしたが、手を振り払われた。
「私に障るな!」
信志は、これまでに見た事もないような、鋭い目で白蓮を睨んだ。
「……どうして、黒音を殺した!」
「王!」
「子を成す妃なら、他にもいただろう!なぜ黒音にだけ、その責を負わせたのだ!」
泣き叫ぶ信志に、白蓮は返す言葉もない。
「幸せな暮らしを約束したと言うのに……黒音が、何をしたと言うのだ。」
白蓮は、唇を噛み締めた。
黒音がした自分への侮辱。
嘘の懐妊でも、全く認めようとせず、そればかりか自分を陥れようとしているのかと、脅す顔。
「恐れながら黒音は……王を欺こうとしていたのです!」
「私を欺く?」
「これ程までに堕胎の薬を飲んでも、一向に産気づかないのは、黒音が嘘の懐妊を企んだからです。医師にも聞きました。間違いありません!黒音がこうなったのも、自業自得かと!」
すると信志は、白蓮の頬を強く叩いた。
「王……」
「だから、黒音の命を奪ってもいいと言うのか。」
0
お気に入りに追加
33
あなたにおすすめの小説
男装官吏と花散る後宮〜禹国謎解き物語〜
春日あざみ
キャラ文芸
<第8回キャラ文芸大賞にて奨励賞をいただきました。応援ありがとうございました!>
宮廷で史書編纂事業が立ち上がると聞き、居ても立ってもいられなくなった歴史オタクの柳羅刹(りゅうらせつ)。男と偽り官吏登用試験、科挙を受験し、見事第一等の成績で官吏となった彼女だったが。珍妙な仮面の貴人、雲嵐に女であることがバレてしまう。皇帝の食客であるという彼は、羅刹の秘密を守る代わり、後宮の悪霊によるとされる妃嬪の連続不審死事件の調査を命じる。
しかたなく羅刹は、悪霊について調べ始めるが——?
「歴女×仮面の貴人(奇人?)」が紡ぐ、中華風世界を舞台にしたミステリ開幕!

人質王女の恋
小ろく
恋愛
先の戦争で傷を負った王女ミシェルは顔に大きな痣が残ってしまい、ベールで隠し人目から隠れて過ごしていた。
数年後、隣国の裏切りで亡国の危機が訪れる。
それを救ったのは、今まで国交のなかった強大国ヒューブレイン。
両国の国交正常化まで、ミシェルを人質としてヒューブレインで預かることになる。
聡明で清楚なミシェルに、国王アスランは惹かれていく。ミシェルも誠実で美しいアスランに惹かれていくが、顔の痣がアスランへの想いを止める。
傷を持つ王女と一途な国王の恋の話。
大正ロマン恋物語 ~将校様とサトリな私のお試し婚~
菱沼あゆ
キャラ文芸
華族の三条家の跡取り息子、三条行正と見合い結婚することになった咲子。
だが、軍人の行正は、整いすぎた美形な上に、あまりしゃべらない。
蝋人形みたいだ……と見合いの席で怯える咲子だったが。
実は、咲子には、人の心を読めるチカラがあって――。
【完結】転生7年!ぼっち脱出して王宮ライフ満喫してたら王国の動乱に巻き込まれた少女戦記 〜愛でたいアイカは救国の姫になる
三矢さくら
ファンタジー
【完結しました】異世界からの召喚に応じて6歳児に転生したアイカは、護ってくれる結界に逆に閉じ込められた結果、山奥でサバイバル生活を始める。
こんなはずじゃなかった!
異世界の山奥で過ごすこと7年。ようやく結界が解けて、山を下りたアイカは王都ヴィアナで【天衣無縫の無頼姫】の異名をとる第3王女リティアと出会う。
珍しい物好きの王女に気に入られたアイカは、なんと侍女に取り立てられて王宮に!
やっと始まった異世界生活は、美男美女ぞろいの王宮生活!
右を見ても左を見ても「愛でたい」美人に美少女! 美男子に美少年ばかり!
アイカとリティア、まだまだ幼い侍女と王女が数奇な運命をたどる異世界王宮ファンタジー戦記。
伏して君に愛を冀(こいねが)う
鳩子
恋愛
貧乏皇帝×黄金姫の、すれ違いラブストーリー。
堋《ほう》国王女・燕琇華(えん・しゅうか)は、隣国、游《ゆう》帝国の皇帝から熱烈な求愛を受けて皇后として入宮する。
しかし、皇帝には既に想い人との間に、皇子まで居るという。
「皇帝陛下は、黄金の為に、意に沿わぬ結婚をすることになったのよ」
女官達の言葉で、真実を知る琇華。
祖国から遠く離れた後宮に取り残された琇華の恋の行方は?
記憶喪失になった嫌われ悪女は心を入れ替える事にした
結城芙由奈@コミカライズ発売中
ファンタジー
池で溺れて死にかけた私は意識を取り戻した時、全ての記憶を失っていた。それと同時に自分が周囲の人々から陰で悪女と呼ばれ、嫌われている事を知る。どうせ記憶喪失になったなら今から心を入れ替えて生きていこう。そして私はさらに衝撃の事実を知る事になる―。
後宮の華、不機嫌な皇子 予知の巫女は二人の皇子に溺愛される
たかつじ楓*LINEマンガ連載中!
キャラ文芸
【書籍化決定!23年12月13日発売です♫】
「予知の巫女」と呼ばれていた祖母を持つ娘、春玲は困窮した実家の医院を救うため後宮に上がった。
後宮の豪華さや自分が仕える皇子・湖月の冷たさに圧倒されていた彼女は、ひょんなことから祖母と同じ予知の能力に目覚める。
その力を使い「後宮の華」と呼ばれる妃、飛藍の失せ物を見つけた春玲はそれをきっかけに実は飛藍が男であることを知ってしまう。
その後も、飛藍の妹の病や湖月の隠された悩みを解決し、心を通わせていくうちに春玲は少しずつ二人の青年の特別な存在となり……
掟破りの中華後宮譚、開幕!
【完結】魔力がないと見下されていた私は仮面で素顔を隠した伯爵と結婚することになりました〜さらに魔力石まで作り出せなんて、冗談じゃない〜
光城 朱純
ファンタジー
魔力が強いはずの見た目に生まれた王女リーゼロッテ。
それにも拘わらず、魔力の片鱗すらみえないリーゼロッテは家族中から疎まれ、ある日辺境伯との結婚を決められる。
自分のあざを隠す為に仮面をつけて生活する辺境伯は、龍を操ることができると噂の伯爵。
隣に魔獣の出る森を持ち、雪深い辺境地での冷たい辺境伯との新婚生活は、身も心も凍えそう。
それでも国の端でひっそり生きていくから、もう放っておいて下さい。
私のことは私で何とかします。
ですから、国のことは国王が何とかすればいいのです。
魔力が使えない私に、魔力石を作り出せだなんて、そんなの無茶です。
もし作り出すことができたとしても、やすやすと渡したりしませんよ?
これまで虐げられた分、ちゃんと返して下さいね。
表紙はPhoto AC様よりお借りしております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる