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第3章 パーティー
《後》
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「ほ、本田さん。」
「静かに。動かないで。」
そう言って本田さんは、私の足を摩ってくれた。
「すまない。あの人は、前に愛人契約を結んでいた人で……」
「……本人から聞きました。」
「そうだったか。何か言ってたか?」
「……何も。」
そう答えると本田さんは、摩る手を止めた。
「何も言ってなかった相手が、君にこんな事をする訳ないだろう。」
「いえ……」
彼女だけが悪いんじゃない。
私だって、彼女を煽るような事を言った。
お互い様なのだ。
「言ってくれ。彼女が君に何を言ったのか。」
私は、正直に言えなかった。
「言えば、私の醜いところも、曝す事になります。」
「それでもいい。」
「そうなったら、本田さんに嫌われます。」
「僕は、君を嫌いになったりしないから。」
私は涙目で、本田さんを見た。
「本当の事を、教えてほしいんだ。」
その言葉に、私の目に涙が零れた。
「日満理さん?」
「彼女、私が愛人契約を結んでいた事、知っていました。」
「それで?」
「だから、特定の人を作らないって。私、悔しくて……つい言ってしまったんです。あなたの恋人だって。」
「日満理さん……」
「だから、彼女だけ悪いんじゃないんです。私も悪いんです。」
すると本田さんは、私を抱きしめてくれた。
「……何が悔しかったの?」
「私じゃあ、恋人になれないって言われているみたいで。」
そう言うと本田さんはゆっくり、私をベッドに押し倒した。
「僕が、君をずっと側に置きたいと言ったら?」
胸がキュンと締め付けられた。
「嬉しすぎます。でも……夢みたいで……」
「夢じゃないよ。僕は本当に君の事が……」
本田さんは私の服を無造作に脱がせた。
「初めて会った時から、君を気に入っていた。」
「本田さん……」
「今日は、激しく君を抱くよ。」
そう言って本田さんは、いつも以上に胸を激しく揉んだ。
「ああ……本田さん……」
「勇介と言ってくれ……」
首元も舌で激しく、舐め回される。
「勇介さん……」
私が彼の名前を呼んだ時に、一つになった。
「ああ……」
「中が熱いよ。こんなに熱いのは初めてだ。」
勇介さんこそ、熱い熱が伝わってくる。
「これからも一緒にいてくれないか?」
「私で、よければ……」
「ああ……」
勇介さんの動きが、いつもよりも激しくなる。
「あっ、ああ……」
「綺麗だよ……日満理……」
名前を呼ばれ……もう意識が飛びそうになった。
「もう……ダメ……」
「いいよ、イって……一緒にイキたい……」
その言葉に、体が高ぶって来る。
「ああ、イク……イク……ああっ!」
「ああっ!」
久々に体が絶頂を迎えた。
好きな人と一緒に。
どのくらい眠っただろうか。
気が付くと、隣に勇介さんはいなかった。
「勇介さん?」
起き上がると、勇介さんは一人でお酒を飲んでいた。
「ああ、起きたか。」
私が起きた事に気づいて、バスローブのまま、財布に手を掛けた。
「これでいいかな。」
テーブルには、10万円の札束が二つ、置いてあった。
「あの……これは……」
私は、勇介さんの隣に座った。
「今日のパーティーの参加費用と、今夜の費用だ。」
こんなもの二つで、私達の熱い夜が清算されようとするなんて。
「ああ、そうだ。これじゃあ、足りないか。」
そう言って、勇介さんは追加で5万円を置いた。
「なに?何なの?」
「避妊には気を遣っていたつもりだが、すまなかった。情に流されたのかもしれない。」
私は立ち上がって、勇介さんの頬を叩いた。
「そんなのって、お金で済む問題なの!?」
まさか、あの二人で愛し合った結果が、5万の追加料金だなんて。
「そんな事言ったって、君だって嫌だろう。愛人契約で臨んでもいない子供ができるのは。」
何かが、胸に突き刺さった。
「……安心してください。今日は安全日なので。」
私は5万円を勇介さんに、戻した。
「私、こんな屈辱を受けたのは、初めてです。」
「日満理?」
私は涙を拭くと、服を着た。
もう一刻でも早く、ここを出たい。
「待ってくれ。今日はもう遅い。ここに泊っていくといい。」
「結構です。」
私は上着を着て、部屋のドアに向かった。
「日満理!」
勇介さんは、私を後ろから抱きしめてくれた。
「ごめん。君を傷つけた。」
私は勇介さんの方に顔を向けた。
「なんで傷ついたか、分かる?」
「ああ。君の中に情熱を注いだのに、僕は気持ちがない振りをした。」
「勇介さん。」
私達は、初めてキスを交わした。
「もう一度、君を抱いてもいい?」
「ええ……」
私はその場で、服を脱いだ。
「もう、嘘をつかないよ。日満理、君は僕のものだ。」
「勇介さん、嬉しい……」
契約から始まった愛でも、私はよかった。
その夜は何度も何度も、勇介さんの情熱を、中に注ぎ込まれた。
「静かに。動かないで。」
そう言って本田さんは、私の足を摩ってくれた。
「すまない。あの人は、前に愛人契約を結んでいた人で……」
「……本人から聞きました。」
「そうだったか。何か言ってたか?」
「……何も。」
そう答えると本田さんは、摩る手を止めた。
「何も言ってなかった相手が、君にこんな事をする訳ないだろう。」
「いえ……」
彼女だけが悪いんじゃない。
私だって、彼女を煽るような事を言った。
お互い様なのだ。
「言ってくれ。彼女が君に何を言ったのか。」
私は、正直に言えなかった。
「言えば、私の醜いところも、曝す事になります。」
「それでもいい。」
「そうなったら、本田さんに嫌われます。」
「僕は、君を嫌いになったりしないから。」
私は涙目で、本田さんを見た。
「本当の事を、教えてほしいんだ。」
その言葉に、私の目に涙が零れた。
「日満理さん?」
「彼女、私が愛人契約を結んでいた事、知っていました。」
「それで?」
「だから、特定の人を作らないって。私、悔しくて……つい言ってしまったんです。あなたの恋人だって。」
「日満理さん……」
「だから、彼女だけ悪いんじゃないんです。私も悪いんです。」
すると本田さんは、私を抱きしめてくれた。
「……何が悔しかったの?」
「私じゃあ、恋人になれないって言われているみたいで。」
そう言うと本田さんはゆっくり、私をベッドに押し倒した。
「僕が、君をずっと側に置きたいと言ったら?」
胸がキュンと締め付けられた。
「嬉しすぎます。でも……夢みたいで……」
「夢じゃないよ。僕は本当に君の事が……」
本田さんは私の服を無造作に脱がせた。
「初めて会った時から、君を気に入っていた。」
「本田さん……」
「今日は、激しく君を抱くよ。」
そう言って本田さんは、いつも以上に胸を激しく揉んだ。
「ああ……本田さん……」
「勇介と言ってくれ……」
首元も舌で激しく、舐め回される。
「勇介さん……」
私が彼の名前を呼んだ時に、一つになった。
「ああ……」
「中が熱いよ。こんなに熱いのは初めてだ。」
勇介さんこそ、熱い熱が伝わってくる。
「これからも一緒にいてくれないか?」
「私で、よければ……」
「ああ……」
勇介さんの動きが、いつもよりも激しくなる。
「あっ、ああ……」
「綺麗だよ……日満理……」
名前を呼ばれ……もう意識が飛びそうになった。
「もう……ダメ……」
「いいよ、イって……一緒にイキたい……」
その言葉に、体が高ぶって来る。
「ああ、イク……イク……ああっ!」
「ああっ!」
久々に体が絶頂を迎えた。
好きな人と一緒に。
どのくらい眠っただろうか。
気が付くと、隣に勇介さんはいなかった。
「勇介さん?」
起き上がると、勇介さんは一人でお酒を飲んでいた。
「ああ、起きたか。」
私が起きた事に気づいて、バスローブのまま、財布に手を掛けた。
「これでいいかな。」
テーブルには、10万円の札束が二つ、置いてあった。
「あの……これは……」
私は、勇介さんの隣に座った。
「今日のパーティーの参加費用と、今夜の費用だ。」
こんなもの二つで、私達の熱い夜が清算されようとするなんて。
「ああ、そうだ。これじゃあ、足りないか。」
そう言って、勇介さんは追加で5万円を置いた。
「なに?何なの?」
「避妊には気を遣っていたつもりだが、すまなかった。情に流されたのかもしれない。」
私は立ち上がって、勇介さんの頬を叩いた。
「そんなのって、お金で済む問題なの!?」
まさか、あの二人で愛し合った結果が、5万の追加料金だなんて。
「そんな事言ったって、君だって嫌だろう。愛人契約で臨んでもいない子供ができるのは。」
何かが、胸に突き刺さった。
「……安心してください。今日は安全日なので。」
私は5万円を勇介さんに、戻した。
「私、こんな屈辱を受けたのは、初めてです。」
「日満理?」
私は涙を拭くと、服を着た。
もう一刻でも早く、ここを出たい。
「待ってくれ。今日はもう遅い。ここに泊っていくといい。」
「結構です。」
私は上着を着て、部屋のドアに向かった。
「日満理!」
勇介さんは、私を後ろから抱きしめてくれた。
「ごめん。君を傷つけた。」
私は勇介さんの方に顔を向けた。
「なんで傷ついたか、分かる?」
「ああ。君の中に情熱を注いだのに、僕は気持ちがない振りをした。」
「勇介さん。」
私達は、初めてキスを交わした。
「もう一度、君を抱いてもいい?」
「ええ……」
私はその場で、服を脱いだ。
「もう、嘘をつかないよ。日満理、君は僕のものだ。」
「勇介さん、嬉しい……」
契約から始まった愛でも、私はよかった。
その夜は何度も何度も、勇介さんの情熱を、中に注ぎ込まれた。
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