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別れは突然に
①
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朝起きたら、隣にアムジャドが眠っていた。
スース―と寝息を立てて、とても気持ちよさそう。
起こさないようにベッドを出ようとすると、アムジャドに後ろから抱き寄せられた。
「離さないと言っただろう?チナ。」
「お手洗いよ。直ぐに戻ってくるわ。」
「うん。」
アムジャドの腕をすり抜けて下着を履くと、アムジャドはまたベッドに横になっていた。
そんな姿を見ると、幸せな気分になる。
普段はどんな生活をしているのだろう。
皇太子って、何をするんだろう。
うーん。謎過ぎる。
トイレに行って戻って来たら、アムジャドが手を広げて待っていた。
私がベッドに戻ると、そのままアムジャドに押し倒された。
「朝も愛し合おう。」
「うん。」
せっかく履いた下着を脱がされ、私達はまた甘い世界へと、溺れて行った。
しばらくして、部屋のドアをノックする音が聞こえた。
「アムジャド様、チナ様。支度はもうできましたか?」
「イマードだ。」
アムジャドは急いで、ズボンを履いた。
上半身裸のまま、ドアを開ける。
「イマード、まだ支度できていないんだ。」
「これは失礼しました。ドアの外で待機しています。」
そう言って、ドアは一旦閉められた。
「チナ、今のうちに服を着て。」
「うん。」
急いで昨日着ていた服に着替えた。
アムジャドはなぜかアラブの洋服に着替える。
こうして見ると、王子様って納得できる。
「ん?」
「なんだかアムジャド、いつもよりもカッコいい。」
「いつもよりは、余計だろ?」
私は微笑んだ。
「そうね。いつもカッコいいものね。」
そう言って、荷物を持って、ドアの外に出た。
そしてドアの外で待っていたイマードさんも、アラブ風の服装をしていた。
二人並ぶと、どこか別の世界に来たみたい。
「行こうか。」
「はい。」
イマードさんがアムジャドの荷物を持つ。
「待って、アムジャド。」
「どうした?チナ。」
「私、一度家に帰って、荷物取ってこないと。」
「そうか。」
アムジャドは、私の額にキスをした。
「空港で待っている。」
「うん。」
そして私はタクシーを呼ぶと、急いでその中に乗り込んだ。
これから行く国は、どんな場所なんだろう。
豊かな国?それとも貧しい国?
どんな人達がいるの?
期待と不安でいっぱいだった。
でも、アムジャドがいるから。
私は心配しない。
アムジャドを信じて付いて行くって決めたんだから。
家に着いた私は、スーツケースにありったけの服を詰めて、蓋を閉めた。
「ええっと、パスポート。」
前に友達と海外旅行に行った時に、パスポート取得していてよかった。
スーツケースを持って階段を降りると、母親がキッチンから顔を出した。
「あら、どこか旅行?」
何も知らない顔。
胸が痛い。
「お母さん。」
本当はこのまま言った方がいいんだろうか。
「どうしたの?」
でも、一生の別れになるかもしれないよね。
「私、好きな人がいるの。」
「そう。」
「それでね。」
涙が出てくる。
このまま、母親と会えないかもと思うと。
「その人、外国人なの。」
「えっ?」
「今から一緒に、その人の国に行くの。そのまま、結婚するかもしれない。」
母親は、口をポカンと開けていた。
「ごめんね。今まで黙っていて。でも私、その人に付いていきたいの。」
涙が零れる。
お母さん、親不幸な娘でごめんなさい。
「分かったわ。」
母親は私をそっと、抱きしめてくれた。
「あなたが選んだ道なら、お母さん反対はしないわ。」
「ありがとう。」
「その代り、どこにいても元気でいるのよ。」
「うん。」
お母さんの温もり、ずっと忘れない。
「じゃあ、行ってきます。」
「気をつけてね。たまには連絡よこすのよ。」
「うん。」
そして私は振り切るように、玄関を開けて、家を出た。
青い空が広がっていた。
新しい世界。
アムジャドと切り開いていく世界。
私は、しばらく歩いて、タクシーを拾った。
ドキドキしている。
アムジャドとの二人の生活が、これから待っている。
スース―と寝息を立てて、とても気持ちよさそう。
起こさないようにベッドを出ようとすると、アムジャドに後ろから抱き寄せられた。
「離さないと言っただろう?チナ。」
「お手洗いよ。直ぐに戻ってくるわ。」
「うん。」
アムジャドの腕をすり抜けて下着を履くと、アムジャドはまたベッドに横になっていた。
そんな姿を見ると、幸せな気分になる。
普段はどんな生活をしているのだろう。
皇太子って、何をするんだろう。
うーん。謎過ぎる。
トイレに行って戻って来たら、アムジャドが手を広げて待っていた。
私がベッドに戻ると、そのままアムジャドに押し倒された。
「朝も愛し合おう。」
「うん。」
せっかく履いた下着を脱がされ、私達はまた甘い世界へと、溺れて行った。
しばらくして、部屋のドアをノックする音が聞こえた。
「アムジャド様、チナ様。支度はもうできましたか?」
「イマードだ。」
アムジャドは急いで、ズボンを履いた。
上半身裸のまま、ドアを開ける。
「イマード、まだ支度できていないんだ。」
「これは失礼しました。ドアの外で待機しています。」
そう言って、ドアは一旦閉められた。
「チナ、今のうちに服を着て。」
「うん。」
急いで昨日着ていた服に着替えた。
アムジャドはなぜかアラブの洋服に着替える。
こうして見ると、王子様って納得できる。
「ん?」
「なんだかアムジャド、いつもよりもカッコいい。」
「いつもよりは、余計だろ?」
私は微笑んだ。
「そうね。いつもカッコいいものね。」
そう言って、荷物を持って、ドアの外に出た。
そしてドアの外で待っていたイマードさんも、アラブ風の服装をしていた。
二人並ぶと、どこか別の世界に来たみたい。
「行こうか。」
「はい。」
イマードさんがアムジャドの荷物を持つ。
「待って、アムジャド。」
「どうした?チナ。」
「私、一度家に帰って、荷物取ってこないと。」
「そうか。」
アムジャドは、私の額にキスをした。
「空港で待っている。」
「うん。」
そして私はタクシーを呼ぶと、急いでその中に乗り込んだ。
これから行く国は、どんな場所なんだろう。
豊かな国?それとも貧しい国?
どんな人達がいるの?
期待と不安でいっぱいだった。
でも、アムジャドがいるから。
私は心配しない。
アムジャドを信じて付いて行くって決めたんだから。
家に着いた私は、スーツケースにありったけの服を詰めて、蓋を閉めた。
「ええっと、パスポート。」
前に友達と海外旅行に行った時に、パスポート取得していてよかった。
スーツケースを持って階段を降りると、母親がキッチンから顔を出した。
「あら、どこか旅行?」
何も知らない顔。
胸が痛い。
「お母さん。」
本当はこのまま言った方がいいんだろうか。
「どうしたの?」
でも、一生の別れになるかもしれないよね。
「私、好きな人がいるの。」
「そう。」
「それでね。」
涙が出てくる。
このまま、母親と会えないかもと思うと。
「その人、外国人なの。」
「えっ?」
「今から一緒に、その人の国に行くの。そのまま、結婚するかもしれない。」
母親は、口をポカンと開けていた。
「ごめんね。今まで黙っていて。でも私、その人に付いていきたいの。」
涙が零れる。
お母さん、親不幸な娘でごめんなさい。
「分かったわ。」
母親は私をそっと、抱きしめてくれた。
「あなたが選んだ道なら、お母さん反対はしないわ。」
「ありがとう。」
「その代り、どこにいても元気でいるのよ。」
「うん。」
お母さんの温もり、ずっと忘れない。
「じゃあ、行ってきます。」
「気をつけてね。たまには連絡よこすのよ。」
「うん。」
そして私は振り切るように、玄関を開けて、家を出た。
青い空が広がっていた。
新しい世界。
アムジャドと切り開いていく世界。
私は、しばらく歩いて、タクシーを拾った。
ドキドキしている。
アムジャドとの二人の生活が、これから待っている。
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