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深雪 ~みゆき~
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それから数年が経ち、倫太郎さんは医者になる為の学校へ、紳太郎さんは高等学校へ、通われるようになりました。
それでも紳太郎さんは、成長しても相変わらずで、学校から帰って来れば、「深雪、深雪!今、帰ったよ。」と、真っ先に私の元へ、駆けつけて下さいました。
そして、この頃からでしょうか。
5歳も年下の紳太郎さんに、心がときめくようになったのは。
紳太郎さんが、私に何か用があって、「深雪?」と名前を呼ばれると、心が弾みましたし。
仕事をしている時も、遠目に紳太郎さんを見つけては、飽きることなく見つめていました。
朝、学校へ送り出す時も、本当に寂しくて、仕方がなかったものです。
紳太郎さんはと言うと、もちろん私が、世話係りだから気を使って下さるだけで、私の事は、何とも思ってらっしゃらなかった。
それでも、私の事を見つけると、笑顔で手を振って下さるお優しい方でした。
そんな様子も他の使用人から見れば、珍しい事のようで。
「紳太郎様に、手を振ってもらえるなんて、うらやましい。」
と言われていました。
心から嬉しく思いましたね。
そんな時は、自分でも驚くくらいに、優越感に浸っていました。
人を想う気持ちというのは、本当に不思議なもので、日増しに募っていく時もあれば、このまま穏やかに、ただ想うだけでいいのだという時もあります。
私はとにかく、紳太郎様の側にあって、紳太郎様のお世話ができることが、本当に幸せでならなかった。
その一方で、倫太郎様のお世話係りであったのにも関わらず、紳太郎様ばかりに目を向けてしまっていた。
そのつけが、とうとう、回ってきてしまった日があったんです。
それは、倫太郎様が医学の学校を、卒業なさる時。
入れ違いで紳太郎様も、同じ医学の学校へ、入学が決まった頃でした。
そうなんです。
倫太郎様は、私が他所見をしている間に、すっかり大人になっておいでだったんですね。
季節は寒い時期で、私は火鉢に炭を熾(オコ)そうと、倫太郎様のお部屋に向かっていました。
倫太郎様はご長男でしたので、人一倍、医者として期待されておいででしたから、学校を卒業された途端に、実家の病院で働くように言われていたんです。
倫太郎様もそれに応える為に、一生けん命だったんでしょうね。
すぐにでも、お家の病院を見学したいと仰っていたんです。
それがその日だと聞いていたので、部屋には誰もいらっしゃらないと思っていました。
それが戸を開けると、倫太郎さんのお姿があって、私は少し驚きました。
「あら、倫太郎様?病院の見学は、どうなさったんですか?」
「ああ……また別な日にした。」
今、思えばその時の倫太郎様は、少し様子が変でした。
「でしたら、すぐにでも、火を熾しますね。」
私は、部屋の中央に置いてある、火鉢に炭を入れて、火を熾し始めました。
おかしい事に倫太郎様は、じっと私を、ご覧になっていらっしゃった。
火もついて私は次に、紳太郎様のお部屋に、向かおうと思っていたんです。
そこへふいに倫太郎様の手が伸びてきて、私を引き止めたんです。
「倫太郎様?」
私が首を傾げると、次の瞬間、私は倫太郎様に、抱き寄せられていました。
「あ、あの…」
「深雪……」
私が離れようとすればするほど、抱き寄せる力は強くなっていく。
急に恐ろしくなりました。
倫太郎様が、倫太郎様ではないような気がして。
「そんなに、怖がらないで下さい。」
でも聞こえてきたのは、初めてと言うくらい柔らかい声。
「この時を待っていたんです。ずっと……」
耳元にそっと伝わる甘い声。
「あなたを守れるくらい大人になったら、言おうと思っていたんです。深雪さん、僕はあなたを……」
私は思い切って、倫太郎様から離れました。
これ以上は聞いてはいけないと、そう思いました。
「そんな、深雪さんだなんて……使用人をからかわないで下さい。」
冗談であって欲しい。
それは無意味な願いでした。
私の言葉が、返って倫太郎様のお心に、火を着けてしまったんだと思います。
「ど、どうしたら……僕の気持ちが本気だと分かってもらえるんですか?」
「倫太郎様…」
「こんなにも……あなたの事で、頭がいっぱいだと言うのに…」
倫太郎様の腕が再び私を包むと、その場に押し倒されて……
そこで大きな声を出せばよかった。
でも、倫太郎様のどうにもならない気持ちを、吐き出したいのも分かるんです。
自分もそうでしたから。
そのまま私は、倫太郎様に身を任せて、その熱い吐息に受け止める事にしたんです。
「すみません。突然、こんな事になってしまって……」
着物を直す私を、後ろから抱きしめて、倫太郎様はそう仰いました。
「まるで、夢を見ているみたいだ。あなたと、今こうしていうことが……」
倫太郎様は、私をご自分の胸に抱き寄せ、ずっと私を撫でで下さいました。
とても大事な物を、手に入れた時のように。
その時まで、私は誰かと恋仲になる事もなかったので、ああ、男の人に抱かれるって、こんなに包まれるようなものなのかと、ぼうっと考えていました。
そんな私に、倫太郎さんは声を震わせて、仰いました。
「深雪。私と一緒になってくれないか?」
私はゆっくりと、顔を上げました。
「本気なんだ。」
それを聞いて、私は倫太郎さんから離れてしまいました。
「深雪?」
「倫太郎さんのお相手は、もっと良い方がいらっしゃいます。」
「父や周りは、僕が説得するから!」
倫太郎さんのお気持ちが、ほんの片時のいたずらではない事は、分かっていたんです。
でも、私が倫太郎さんの嫁として、この家に入るなんて。
それこそ、旦那様や奥様に、申し訳が立たない気がして……
しばらくして、仕事があるからと言って、私は部屋を出ました。
仕事に集中しよう。
そう自分に、言い聞かせたつもりなのに、紳太郎様の部屋の前に来ると、急に立ち止まってしまいました。
正直あんな事があった後ですから、合わせる顔がなかったんだと思います。
そんな私の気持ちを、吹き飛ばしてくれたのは、誰でもない紳太郎様でした。
「深雪。」
スーッと戸が開いて、そこにあったのは、何一つ変わらない紳太郎様の笑顔でした。
「早く火を熾(オコ)してくれよ。寒い、寒い。」
凍えた振りをして、紳太郎様は、私を部屋の中へ誘ってくれました。
「え、ええ…」
紳太郎様の優しさに甘えるように、私はお部屋に入りました。
慣れた手つきで火を熾(オコ)すと、私は直ぐに部屋を出ようとしました。
「深雪、暖まって行きなよ。」
紳太郎様は無邪気な笑顔で、簡単に私を引き留めてしまうんです。
「そうさせて頂きたいんですが、まだ仕事が残っていて……」
「少しくらいならいいだろう?」
泣きそうな気持ちを抑えて、私は少し離れた場所に、腰を下ろしました。
「では、お言葉に甘えさせてもらいますね。」
少しでも顔を合わせないように。
無意識に斜めに座っていましたね。
そんな私を紳太郎様は、気遣ってくれたのでしょうか。
「深雪、もっとこちらに来たら?」
「……はい。」
そっと私が、両手を火鉢の上にやると、紳太郎様の手が、私の両手をぎゅっと握りました。
驚いて手を引っ込め、目を丸くして、紳太郎様を見ました。
「ごめん、ごめん。びっくりしたよな。」
それなのに、紳太郎様は笑っていて、それが悲しい気持ちを和らげてくれたんです。
「それにしても、深雪の手は冷たい。」
「あっ……そうですね……今日は外が寒いですから。」
すると紳太郎様は、急に私の両手を取って、自分の手で温めてくれたんです。
私は自分の鼓動が、紳太郎様に、伝わらないようにと祈っていました。
そして紳太郎様は、突然こんな事を仰ったんです。
「深雪は、どんな人と一緒になるんだろうね。」
どうして急に?
あんな事があった後に……
私は、息を飲みました。
「さあ…考えた事もありませんでした。」
その時になって、思い知らされたんです。
今迄自分が、どれだけ紳太郎様の事だけを、見続けていたのかを……
歳も23になると言うのに、嫁入りの話も気にしない程に、紳太郎様に夢中になっている自分を。
それなのに紳太郎様は、そんな事も無関係のように、こう仰いました。
「僕が思うに。こうやって、深雪の手を温めてくれる人が、いいよね。」
手がドクンドクンと、波打ってるのが分かりました。
「相手が決まったら、紹介してくれよ。僕はその人に、深雪を宜しくお願いしますって、頼むつもりなんだから。」
私はその言葉に 涙が頬を伝っているのが分かりました。
それでも紳太郎さんは、成長しても相変わらずで、学校から帰って来れば、「深雪、深雪!今、帰ったよ。」と、真っ先に私の元へ、駆けつけて下さいました。
そして、この頃からでしょうか。
5歳も年下の紳太郎さんに、心がときめくようになったのは。
紳太郎さんが、私に何か用があって、「深雪?」と名前を呼ばれると、心が弾みましたし。
仕事をしている時も、遠目に紳太郎さんを見つけては、飽きることなく見つめていました。
朝、学校へ送り出す時も、本当に寂しくて、仕方がなかったものです。
紳太郎さんはと言うと、もちろん私が、世話係りだから気を使って下さるだけで、私の事は、何とも思ってらっしゃらなかった。
それでも、私の事を見つけると、笑顔で手を振って下さるお優しい方でした。
そんな様子も他の使用人から見れば、珍しい事のようで。
「紳太郎様に、手を振ってもらえるなんて、うらやましい。」
と言われていました。
心から嬉しく思いましたね。
そんな時は、自分でも驚くくらいに、優越感に浸っていました。
人を想う気持ちというのは、本当に不思議なもので、日増しに募っていく時もあれば、このまま穏やかに、ただ想うだけでいいのだという時もあります。
私はとにかく、紳太郎様の側にあって、紳太郎様のお世話ができることが、本当に幸せでならなかった。
その一方で、倫太郎様のお世話係りであったのにも関わらず、紳太郎様ばかりに目を向けてしまっていた。
そのつけが、とうとう、回ってきてしまった日があったんです。
それは、倫太郎様が医学の学校を、卒業なさる時。
入れ違いで紳太郎様も、同じ医学の学校へ、入学が決まった頃でした。
そうなんです。
倫太郎様は、私が他所見をしている間に、すっかり大人になっておいでだったんですね。
季節は寒い時期で、私は火鉢に炭を熾(オコ)そうと、倫太郎様のお部屋に向かっていました。
倫太郎様はご長男でしたので、人一倍、医者として期待されておいででしたから、学校を卒業された途端に、実家の病院で働くように言われていたんです。
倫太郎様もそれに応える為に、一生けん命だったんでしょうね。
すぐにでも、お家の病院を見学したいと仰っていたんです。
それがその日だと聞いていたので、部屋には誰もいらっしゃらないと思っていました。
それが戸を開けると、倫太郎さんのお姿があって、私は少し驚きました。
「あら、倫太郎様?病院の見学は、どうなさったんですか?」
「ああ……また別な日にした。」
今、思えばその時の倫太郎様は、少し様子が変でした。
「でしたら、すぐにでも、火を熾しますね。」
私は、部屋の中央に置いてある、火鉢に炭を入れて、火を熾し始めました。
おかしい事に倫太郎様は、じっと私を、ご覧になっていらっしゃった。
火もついて私は次に、紳太郎様のお部屋に、向かおうと思っていたんです。
そこへふいに倫太郎様の手が伸びてきて、私を引き止めたんです。
「倫太郎様?」
私が首を傾げると、次の瞬間、私は倫太郎様に、抱き寄せられていました。
「あ、あの…」
「深雪……」
私が離れようとすればするほど、抱き寄せる力は強くなっていく。
急に恐ろしくなりました。
倫太郎様が、倫太郎様ではないような気がして。
「そんなに、怖がらないで下さい。」
でも聞こえてきたのは、初めてと言うくらい柔らかい声。
「この時を待っていたんです。ずっと……」
耳元にそっと伝わる甘い声。
「あなたを守れるくらい大人になったら、言おうと思っていたんです。深雪さん、僕はあなたを……」
私は思い切って、倫太郎様から離れました。
これ以上は聞いてはいけないと、そう思いました。
「そんな、深雪さんだなんて……使用人をからかわないで下さい。」
冗談であって欲しい。
それは無意味な願いでした。
私の言葉が、返って倫太郎様のお心に、火を着けてしまったんだと思います。
「ど、どうしたら……僕の気持ちが本気だと分かってもらえるんですか?」
「倫太郎様…」
「こんなにも……あなたの事で、頭がいっぱいだと言うのに…」
倫太郎様の腕が再び私を包むと、その場に押し倒されて……
そこで大きな声を出せばよかった。
でも、倫太郎様のどうにもならない気持ちを、吐き出したいのも分かるんです。
自分もそうでしたから。
そのまま私は、倫太郎様に身を任せて、その熱い吐息に受け止める事にしたんです。
「すみません。突然、こんな事になってしまって……」
着物を直す私を、後ろから抱きしめて、倫太郎様はそう仰いました。
「まるで、夢を見ているみたいだ。あなたと、今こうしていうことが……」
倫太郎様は、私をご自分の胸に抱き寄せ、ずっと私を撫でで下さいました。
とても大事な物を、手に入れた時のように。
その時まで、私は誰かと恋仲になる事もなかったので、ああ、男の人に抱かれるって、こんなに包まれるようなものなのかと、ぼうっと考えていました。
そんな私に、倫太郎さんは声を震わせて、仰いました。
「深雪。私と一緒になってくれないか?」
私はゆっくりと、顔を上げました。
「本気なんだ。」
それを聞いて、私は倫太郎さんから離れてしまいました。
「深雪?」
「倫太郎さんのお相手は、もっと良い方がいらっしゃいます。」
「父や周りは、僕が説得するから!」
倫太郎さんのお気持ちが、ほんの片時のいたずらではない事は、分かっていたんです。
でも、私が倫太郎さんの嫁として、この家に入るなんて。
それこそ、旦那様や奥様に、申し訳が立たない気がして……
しばらくして、仕事があるからと言って、私は部屋を出ました。
仕事に集中しよう。
そう自分に、言い聞かせたつもりなのに、紳太郎様の部屋の前に来ると、急に立ち止まってしまいました。
正直あんな事があった後ですから、合わせる顔がなかったんだと思います。
そんな私の気持ちを、吹き飛ばしてくれたのは、誰でもない紳太郎様でした。
「深雪。」
スーッと戸が開いて、そこにあったのは、何一つ変わらない紳太郎様の笑顔でした。
「早く火を熾(オコ)してくれよ。寒い、寒い。」
凍えた振りをして、紳太郎様は、私を部屋の中へ誘ってくれました。
「え、ええ…」
紳太郎様の優しさに甘えるように、私はお部屋に入りました。
慣れた手つきで火を熾(オコ)すと、私は直ぐに部屋を出ようとしました。
「深雪、暖まって行きなよ。」
紳太郎様は無邪気な笑顔で、簡単に私を引き留めてしまうんです。
「そうさせて頂きたいんですが、まだ仕事が残っていて……」
「少しくらいならいいだろう?」
泣きそうな気持ちを抑えて、私は少し離れた場所に、腰を下ろしました。
「では、お言葉に甘えさせてもらいますね。」
少しでも顔を合わせないように。
無意識に斜めに座っていましたね。
そんな私を紳太郎様は、気遣ってくれたのでしょうか。
「深雪、もっとこちらに来たら?」
「……はい。」
そっと私が、両手を火鉢の上にやると、紳太郎様の手が、私の両手をぎゅっと握りました。
驚いて手を引っ込め、目を丸くして、紳太郎様を見ました。
「ごめん、ごめん。びっくりしたよな。」
それなのに、紳太郎様は笑っていて、それが悲しい気持ちを和らげてくれたんです。
「それにしても、深雪の手は冷たい。」
「あっ……そうですね……今日は外が寒いですから。」
すると紳太郎様は、急に私の両手を取って、自分の手で温めてくれたんです。
私は自分の鼓動が、紳太郎様に、伝わらないようにと祈っていました。
そして紳太郎様は、突然こんな事を仰ったんです。
「深雪は、どんな人と一緒になるんだろうね。」
どうして急に?
あんな事があった後に……
私は、息を飲みました。
「さあ…考えた事もありませんでした。」
その時になって、思い知らされたんです。
今迄自分が、どれだけ紳太郎様の事だけを、見続けていたのかを……
歳も23になると言うのに、嫁入りの話も気にしない程に、紳太郎様に夢中になっている自分を。
それなのに紳太郎様は、そんな事も無関係のように、こう仰いました。
「僕が思うに。こうやって、深雪の手を温めてくれる人が、いいよね。」
手がドクンドクンと、波打ってるのが分かりました。
「相手が決まったら、紹介してくれよ。僕はその人に、深雪を宜しくお願いしますって、頼むつもりなんだから。」
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