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異動してきた綺麗系男子

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「部長。2次会、行きます?」

「もちろん。」

周りに2次会を促されて、乗り気で答えた。

「村上君ももちろんよね。」

その時の村上君の視線に、ドキッとした。

私の奥深くを見つめるような目で、視線を反らせない。

「二人でどこか行きませんか?」

「えっ?」

そんな誘い文句、もう何年も聞いていない。

「何言ってんの。主役がはけてどうするのよ。」

私は彼の肩をポンと叩くと、トイレに立った。


「はぁー。」

トイレの中の鏡を見て、ため息をついた。

あの視線にやられた。

もっとしっかりしなきゃ。

もう恋はしないと、決めたんだから。

トイレを出ると、そこに彼が立っていた。

「あれ?村上君もトイレ?」

「ええ。まあ。」

そして店員さんが、クレジットカードを彼に渡す。

「って、え?村上君が払ったの?」

クレジットの控えを見ると、5万を超えている。

「何、主役が払ってるの。」

私は財布を取り出した。

「いいんです。」

彼の手が、私の手に触れた。

顔を上げた瞬間、彼の笑顔が私の心を射抜いた。

やばい。何で、よりによって彼なの?


「村上さん、荷物持って来ましたよ。」

同僚の一人が、村上君と私の荷物を持って来た。

「ありがとう。後は戻って楽しんで。」

村上君は、私の荷物まで受け取っている。

「えっ?」

私が混乱していると、彼は私の背中を押した。

「さあ、行きましょう。」

居酒屋の外に出て、私達は歩き始めた。

「きっと皆、怪しいと思っているわよ。」

「ふははは。」

笑いごとじゃないって。

そう言おうとしたら、彼に手を握られた。

「どこ行きましょうか。」

自分の心臓がドキドキ言っているのが分かる。

「あっ、いい場所発見。」

彼はそう言うと、私をホテルに連れて行った。


「えっ?」

部屋のソファーに座って、私は今の状況を把握しようとした。

今、私は村上君と一緒に、ホテルの一室にいる。

側には、ベッドが置いてあって、いつ襲われてもいいシチュエーション。

「香澄さん、飲み直しましょう。」

それなのに彼は、高そうなワインを持って来た。
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