5 / 13
異動してきた綺麗系男子
②
しおりを挟む
総務部に戻ったら、村上想太は同僚に仕事を聞いていた。
今度課長になると言う事は、今まで係長だった訳で。
当たり前に、営業部では部下がいただろうに。
全く畑違いの総務部では、彼はまだ新入社員のようだ。
「皆さん、私から報告があります。」
私は村上想太を隣に呼んだ。
「来週から村上係長が、課長に昇進します。」
村上想太が頭を下げると、心のこもっていない拍手が送られる。
そうなるよね。
皆だって、総務部に来たばかりの印象が強い彼が、急に上司になるだなんて、納得できないよね。
「じゃあ、村上君。一言。」
「課長と言っても、まだまだ皆さんに教えて頂く事がたくさんありますので、これからもいろいろと教えて下さい。」
差支えのない挨拶で、彼の昇進報告は終わった。
「部長、昇進祝い。金曜日でいいですか?」
そう。総務部には、誰かが昇進した時に、皆で居酒屋に行って祝うのだ。
「ああ、そうだね。今度の金曜日。皆、来てね。」
はいと皆返事はするけれど、果たしてくるだろうか。
「村上君。金曜日は来れるよね。」
「主役が行かなくてどうするんですか?」
その時の彼の笑顔が、私を釘付けにした。
「ん?」
彼の視線が、私をハッとさせた。
「いや、どこがいいかな。結構飲む方?」
「はい。飲むのは好きです。」
心なしか、ほっとした。
皆の様子だと、がっかりしたんじゃないかって、思ったから。
そして金曜日。
近くの居酒屋で、総務部の皆が集まって、彼の昇進祝いをした。
久しぶりの飲み会で、皆もワイワイと楽しんでいる。
一つだけ。村上君の周りに誰も集まっていない事を除いては。
こうなると、気を遣うのは私の方だ。
「営業部の方でも、昇進祝いしてくれるの?」
「どうなんですかね。昇進祝い、して貰った事がなくて。」
うっ!と、思わずビールを零しそうになった。
「いいですね。総務部はアットホームで。そういう雰囲気、大切にしたいですね。」
彼は、一生懸命。
総務部に馴染もうとしている。
「営業部には、8年?」
「はい。大学卒業して、ずっと営業でした。」
それが異動になった時、彼は何を感じたのだろう。
今度課長になると言う事は、今まで係長だった訳で。
当たり前に、営業部では部下がいただろうに。
全く畑違いの総務部では、彼はまだ新入社員のようだ。
「皆さん、私から報告があります。」
私は村上想太を隣に呼んだ。
「来週から村上係長が、課長に昇進します。」
村上想太が頭を下げると、心のこもっていない拍手が送られる。
そうなるよね。
皆だって、総務部に来たばかりの印象が強い彼が、急に上司になるだなんて、納得できないよね。
「じゃあ、村上君。一言。」
「課長と言っても、まだまだ皆さんに教えて頂く事がたくさんありますので、これからもいろいろと教えて下さい。」
差支えのない挨拶で、彼の昇進報告は終わった。
「部長、昇進祝い。金曜日でいいですか?」
そう。総務部には、誰かが昇進した時に、皆で居酒屋に行って祝うのだ。
「ああ、そうだね。今度の金曜日。皆、来てね。」
はいと皆返事はするけれど、果たしてくるだろうか。
「村上君。金曜日は来れるよね。」
「主役が行かなくてどうするんですか?」
その時の彼の笑顔が、私を釘付けにした。
「ん?」
彼の視線が、私をハッとさせた。
「いや、どこがいいかな。結構飲む方?」
「はい。飲むのは好きです。」
心なしか、ほっとした。
皆の様子だと、がっかりしたんじゃないかって、思ったから。
そして金曜日。
近くの居酒屋で、総務部の皆が集まって、彼の昇進祝いをした。
久しぶりの飲み会で、皆もワイワイと楽しんでいる。
一つだけ。村上君の周りに誰も集まっていない事を除いては。
こうなると、気を遣うのは私の方だ。
「営業部の方でも、昇進祝いしてくれるの?」
「どうなんですかね。昇進祝い、して貰った事がなくて。」
うっ!と、思わずビールを零しそうになった。
「いいですね。総務部はアットホームで。そういう雰囲気、大切にしたいですね。」
彼は、一生懸命。
総務部に馴染もうとしている。
「営業部には、8年?」
「はい。大学卒業して、ずっと営業でした。」
それが異動になった時、彼は何を感じたのだろう。
0
お気に入りに追加
23
あなたにおすすめの小説
イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?
すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。
翔馬「俺、チャーハン。」
宏斗「俺もー。」
航平「俺、から揚げつけてー。」
優弥「俺はスープ付き。」
みんなガタイがよく、男前。
ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」
慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。
終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。
ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」
保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。
私は子供と一緒に・・・暮らしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。
先生と生徒のいかがわしいシリーズ
夏緒
恋愛
①先生とイケナイ授業、する?
保健室の先生と男子生徒です。
②生徒会長さまの思惑
生徒会長と新任女性教師です。
③悪い先生だな、あんた
体育教師と男子生徒です。これはBLです。
どんな理由があろうが学校でいかがわしいことをしてはいけませんよ〜!
これ全部、やったらダメですからねっ!
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる