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第五章 月齢28.5
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「大丈夫?」
ざっくり二時間ほど走り、さすがに小休止、そう言って足を停めた雪風に、その背中から降りたユモは聞いた。
「まだまだ、大丈夫……けど、ちょっと、水、飲ませて」
舌を出し、速いサイクルで荒い呼吸をしながら、雪風が答える。無言で頷き、ユモは荷物の中から木皿を取り出し、水筒の水を注ぐ。
数回、狼というか犬っぽくというか、皿の水を舐めた雪風だが、
「……だあああっ!やってらんない!」
叫ぶというか吠えると、雪風はやおら獣の姿から人獣の姿に変化する。胴回りというか胸郭の太さが変わり、サドルバッグがずり落ちるが、それに構わず雪風は皿を持ち上げ、「……黒田節かよ……」とかぼやきながら飲み干し、足りずに水筒からもがぶ飲みする。
勢いで、持って来た携行食のペミカンも囓り始めた雪風を見て、ユモは、
「ほんっとに、大丈夫?」
心底心配そうな声色を隠さず、聞く。
「ん?大丈夫、大丈夫。まあ、お腹空くし喉も渇くけど、体力自体はすぐ復活するから」
先のことを考える頭は残っているらしく、水もペミカンもあと二回程度小休止する分を残して口を拭った雪風が、あっけらかんと答える。
「……提案なんだけどさ。ちょっとだけ、ここで時間、使わせてもらえる?」
その雪風に、ユモは、真面目な顔で、聞いた。
ユモは、気付いていた。
雪風の体から感じる源始力、最初は無限に迸るかに思えたそれが、小休止する直前には、かなり流れが細くなってきていた事に。
細いと言ってもそこは人狼、それですら、常人の数倍はあるだろう源始力の流れを感じてはいたが、走り続ける事で大量に消費しただろう事は間違いない。勿論、休み休み行けば、雪風が言うとおり、馬よりははるかに早く、目的地であるベイフィールドのキャンプ地、その先の例の洞窟まで辿り着けるのは間違いない。だが、その時点で、雪風が相当に体力を失っているだろう事もまた、疑う余地はない。
だから。
「この水晶玉には、大量の源始力が封じてあるの。それを、あんたの体に流せるようにしてみる。そうすれば……」
「……満月期みたいに、走り続けられる?」
雪風は、ユモの言いたい事を先取りして、聞き返した。
走りながら、二人は色々と話し合っていた。その中でユモは、人狼の、満月期と新月期の最大の違いは、その持久力、体力そのものである、という知識を得ていた。
満月期であろうと新月期であろうと、人狼が発揮出来る瞬発力、回復力、パワーそのものには大差が無いらしい。だが、その支えとなる持久力、体力そのものは、差が出てくる。文字通り、月の光を身に受けている時は溢れんばかりの体力を得るが、月が無い時は自前の体力でしのぐほかは無い、その違いなのだ、と雪風は言った。その自前の体力自体、似たような妖獣幻獣の類いからすると回復力も含めて桁違いなのだが、とにかくそういう事なのだ、と。
で、あるならば。ユモは、一計を案じた。
「月の魔女であるあたしのママが貯め込んだ源始力だもの、ここに貯め込んであるのは純粋な月の源始力よ。そして、ユキ、契約したからこそ分かった、あんたの体内の源始力も、ほとんど同じだって」
ユモが話ながら握った水晶玉のペンダント、それを見つめながら、雪風も言う。
「……あたしもね、そこに、すっごい力が込められてるのは分かってた……けどさ、そんな事が出来るんなら、あんた、最初っからやってたはず。でしょ?」
雪風に指摘され、ユモも頷く。
「多分、万が一の時に悪用されない為もあって、この水晶玉の出力は、あの光る水晶玉にのみ対応してる。けど、その呪いを書き換えれば、いけるはず」
「つまり、今からその書き換えをやる、って事ね?」
雪風は、あたしが思っていた以上に飲み込みが早い。ユモは、契約した、もはや自分の半身とも呼べる相手の評価を修正する。
「上手く行けば、行くはずだけど、多分、あんたは休憩なんか取らなくても、ここから一気に駆け抜けられるようになる。けど、上手く行かなかったら……」
「時間ばっかりロスして、得るものは無し。伸るか反るか、って訳ね」
あっけらかんと、あぐらをかきなおした雪風は言い切って、腰の周りのサドルバッグをまさぐる。
「やって頂戴。遅れくらい、あたしが取り返してあげるから。で、どんくらいかかりそう?」
判断も、割り切りも早い。ユモは、雪風の評価に付け加える。
「三十分はかからないと思う、やってみないと分からないけど」
――この水晶球にかけられている封印の呪いが、例の小箱のそれと同系列だとすれば、手間と時間はかかるけど、解く事自体の難易度は高くないし、多分、この推論は間違ってないはず。そして、一旦外した封印を、あたしとユキが使えるように書き換える、こっちは、解いた呪いを利用して再構成するだけだから、これも手間はかかるけど難易度は低い、はず。今のあたしなら、絶対に、出来る――
「じゃあ、これ、取っとく必要ないわね」
思わず考え込んでしまっていたユモは、お気楽な雪風の声に、ハッと我に帰る。
見れば、雪風は、サドルバッグから、さっき仕舞ったペミカンを取り出していた。
「これ囓りながら待ってるから。ちゃっちゃとお願いね」
雪風の言葉には、気負いも圧も何も無い。肩の力の抜けたユモは、雪風に、不敵な笑みを返した。
「任せなさい。あと、あたしの分、残しといてよ」
再び走り出した雪風の背中で、ユモは、改めて舌を巻いた。
――これが……満月期の、人狼……――
足下から伝わる源始力の感触は、放射閃の気配は変わらない。しかし、その奔流の勢いが、先ほどまでとは比べものにならない。喩えるなら、さっきまではタライに溜めた水で洗い物をしていたが、今は風呂桶に溜めた水でやっている、そんな安心感。
そして、同時に、ユモは気付いた。水晶玉の出力を雪風に同調させるため、雪風の源始力の質を少し探った時。雪風の本質そのものに、封印らしきものがいくつかある事に。その事を聞けば、雪風は、人の社会で暮らすため、もっと小さい頃に不用意に本質を発現しないように施された封印の名残だろう、と言う。段階的に解かれるものなので、今現在も、実の所100%の力は出せていないのだ、とも。そういうものなのか、と思いつつ、ユモは、明らかにそれとは異質の、もう一つの封印がある事が気になったが、どうやら雪風自身がそれを知らないようなので、そこは黙っている事にした。
さらに、ユモにとってショックでもあり、ありがたくもある発見もあった。
「……結局、あんたの言ったとおりだった、って事よね……」
ユモは、水晶玉を軽く握りながら、呟いた。
「でしょ?親なんて、そんなものだって」
息を切らすそぶりも見せず、一瞬だけ背中を一瞥した雪風が、答える。
「あたし達のやらかす事くらい、あの人達、大体自分で既にやってるんだから」
「そういう事、みたいね……」
ユモは、手のひらの中の水晶玉に目を落とす。
そこには、母の封印を解除し、今、自分と雪風に力を分け与えられるようになったその水晶玉には、貯め込んだ月の源始力だけでなく、ある情報すら書き込まれていた。
それは、一つには、ユモの体の中に眠る、存在は知っていても使う事を許されなかった『禁呪』とされる一連の呪文のヒントであり、もう一つは、何故この水晶玉がニーマントと、あの男が輝かない多面体と呼んだペンダントと一緒に封じられていたかのヒントであった。
――つまり。ママは、あたしがあの箱をこじ開るだろうし、そしたら絶対にこの水晶玉の封も開けるような事が起こるって分かってた、って事よね……――
悔しいような、それでいて安心したような、複雑な気持ち。大事故を起こして親の手のひらから飛び出してしまった不安感と、実はまだ手のひらに繋がっていた事を知った安堵感がないまぜになり、ユモは胸の中がむずがゆくなるのを感じる。
――それにしても……禁呪とはね……――
何らかの魔法の課題を解くと、そこに同時に発現するヒントを埋め込んでおくのは、母のよくやるトリックである事を知っているユモは、つまりこの件は最悪、禁呪を必要とするようなものであると言われているに等しいと理解し、身震いすら覚える。
――でも、ママは、あたしが出来ると踏んだから、これをここに仕掛けたのよ。そう、そうに違いないわ――
ユモは、そこに母の意思があると信じ、うっかりすると怖じ気づきそうな自分を、鼓舞した。
「……ユモ!」
雪風が、一言声をかけ、ひときわ加速した。
「跳ぶわよぉ!」
「え?うわあっ!」
契約し、体の制御を使い魔に任せている主人の、ユモの心情が、雪風に伝わらないはずがない。水晶玉から供給される源始力のおかげで文字通り底なしの持久力状態の雪風は、折角鼓舞したその心を、1発ひっぱたいてさらに盛り上げてやろうと思って、目の前に横たわる小川を、その両岸の湿地帯ごと、一跳びで跳び越えた。
※※※※※
余談になりますが、↓こういう事です。
○使い魔:vertraut
○使い魔の契約:Vertrag von vertraut
ざっくり二時間ほど走り、さすがに小休止、そう言って足を停めた雪風に、その背中から降りたユモは聞いた。
「まだまだ、大丈夫……けど、ちょっと、水、飲ませて」
舌を出し、速いサイクルで荒い呼吸をしながら、雪風が答える。無言で頷き、ユモは荷物の中から木皿を取り出し、水筒の水を注ぐ。
数回、狼というか犬っぽくというか、皿の水を舐めた雪風だが、
「……だあああっ!やってらんない!」
叫ぶというか吠えると、雪風はやおら獣の姿から人獣の姿に変化する。胴回りというか胸郭の太さが変わり、サドルバッグがずり落ちるが、それに構わず雪風は皿を持ち上げ、「……黒田節かよ……」とかぼやきながら飲み干し、足りずに水筒からもがぶ飲みする。
勢いで、持って来た携行食のペミカンも囓り始めた雪風を見て、ユモは、
「ほんっとに、大丈夫?」
心底心配そうな声色を隠さず、聞く。
「ん?大丈夫、大丈夫。まあ、お腹空くし喉も渇くけど、体力自体はすぐ復活するから」
先のことを考える頭は残っているらしく、水もペミカンもあと二回程度小休止する分を残して口を拭った雪風が、あっけらかんと答える。
「……提案なんだけどさ。ちょっとだけ、ここで時間、使わせてもらえる?」
その雪風に、ユモは、真面目な顔で、聞いた。
ユモは、気付いていた。
雪風の体から感じる源始力、最初は無限に迸るかに思えたそれが、小休止する直前には、かなり流れが細くなってきていた事に。
細いと言ってもそこは人狼、それですら、常人の数倍はあるだろう源始力の流れを感じてはいたが、走り続ける事で大量に消費しただろう事は間違いない。勿論、休み休み行けば、雪風が言うとおり、馬よりははるかに早く、目的地であるベイフィールドのキャンプ地、その先の例の洞窟まで辿り着けるのは間違いない。だが、その時点で、雪風が相当に体力を失っているだろう事もまた、疑う余地はない。
だから。
「この水晶玉には、大量の源始力が封じてあるの。それを、あんたの体に流せるようにしてみる。そうすれば……」
「……満月期みたいに、走り続けられる?」
雪風は、ユモの言いたい事を先取りして、聞き返した。
走りながら、二人は色々と話し合っていた。その中でユモは、人狼の、満月期と新月期の最大の違いは、その持久力、体力そのものである、という知識を得ていた。
満月期であろうと新月期であろうと、人狼が発揮出来る瞬発力、回復力、パワーそのものには大差が無いらしい。だが、その支えとなる持久力、体力そのものは、差が出てくる。文字通り、月の光を身に受けている時は溢れんばかりの体力を得るが、月が無い時は自前の体力でしのぐほかは無い、その違いなのだ、と雪風は言った。その自前の体力自体、似たような妖獣幻獣の類いからすると回復力も含めて桁違いなのだが、とにかくそういう事なのだ、と。
で、あるならば。ユモは、一計を案じた。
「月の魔女であるあたしのママが貯め込んだ源始力だもの、ここに貯め込んであるのは純粋な月の源始力よ。そして、ユキ、契約したからこそ分かった、あんたの体内の源始力も、ほとんど同じだって」
ユモが話ながら握った水晶玉のペンダント、それを見つめながら、雪風も言う。
「……あたしもね、そこに、すっごい力が込められてるのは分かってた……けどさ、そんな事が出来るんなら、あんた、最初っからやってたはず。でしょ?」
雪風に指摘され、ユモも頷く。
「多分、万が一の時に悪用されない為もあって、この水晶玉の出力は、あの光る水晶玉にのみ対応してる。けど、その呪いを書き換えれば、いけるはず」
「つまり、今からその書き換えをやる、って事ね?」
雪風は、あたしが思っていた以上に飲み込みが早い。ユモは、契約した、もはや自分の半身とも呼べる相手の評価を修正する。
「上手く行けば、行くはずだけど、多分、あんたは休憩なんか取らなくても、ここから一気に駆け抜けられるようになる。けど、上手く行かなかったら……」
「時間ばっかりロスして、得るものは無し。伸るか反るか、って訳ね」
あっけらかんと、あぐらをかきなおした雪風は言い切って、腰の周りのサドルバッグをまさぐる。
「やって頂戴。遅れくらい、あたしが取り返してあげるから。で、どんくらいかかりそう?」
判断も、割り切りも早い。ユモは、雪風の評価に付け加える。
「三十分はかからないと思う、やってみないと分からないけど」
――この水晶球にかけられている封印の呪いが、例の小箱のそれと同系列だとすれば、手間と時間はかかるけど、解く事自体の難易度は高くないし、多分、この推論は間違ってないはず。そして、一旦外した封印を、あたしとユキが使えるように書き換える、こっちは、解いた呪いを利用して再構成するだけだから、これも手間はかかるけど難易度は低い、はず。今のあたしなら、絶対に、出来る――
「じゃあ、これ、取っとく必要ないわね」
思わず考え込んでしまっていたユモは、お気楽な雪風の声に、ハッと我に帰る。
見れば、雪風は、サドルバッグから、さっき仕舞ったペミカンを取り出していた。
「これ囓りながら待ってるから。ちゃっちゃとお願いね」
雪風の言葉には、気負いも圧も何も無い。肩の力の抜けたユモは、雪風に、不敵な笑みを返した。
「任せなさい。あと、あたしの分、残しといてよ」
再び走り出した雪風の背中で、ユモは、改めて舌を巻いた。
――これが……満月期の、人狼……――
足下から伝わる源始力の感触は、放射閃の気配は変わらない。しかし、その奔流の勢いが、先ほどまでとは比べものにならない。喩えるなら、さっきまではタライに溜めた水で洗い物をしていたが、今は風呂桶に溜めた水でやっている、そんな安心感。
そして、同時に、ユモは気付いた。水晶玉の出力を雪風に同調させるため、雪風の源始力の質を少し探った時。雪風の本質そのものに、封印らしきものがいくつかある事に。その事を聞けば、雪風は、人の社会で暮らすため、もっと小さい頃に不用意に本質を発現しないように施された封印の名残だろう、と言う。段階的に解かれるものなので、今現在も、実の所100%の力は出せていないのだ、とも。そういうものなのか、と思いつつ、ユモは、明らかにそれとは異質の、もう一つの封印がある事が気になったが、どうやら雪風自身がそれを知らないようなので、そこは黙っている事にした。
さらに、ユモにとってショックでもあり、ありがたくもある発見もあった。
「……結局、あんたの言ったとおりだった、って事よね……」
ユモは、水晶玉を軽く握りながら、呟いた。
「でしょ?親なんて、そんなものだって」
息を切らすそぶりも見せず、一瞬だけ背中を一瞥した雪風が、答える。
「あたし達のやらかす事くらい、あの人達、大体自分で既にやってるんだから」
「そういう事、みたいね……」
ユモは、手のひらの中の水晶玉に目を落とす。
そこには、母の封印を解除し、今、自分と雪風に力を分け与えられるようになったその水晶玉には、貯め込んだ月の源始力だけでなく、ある情報すら書き込まれていた。
それは、一つには、ユモの体の中に眠る、存在は知っていても使う事を許されなかった『禁呪』とされる一連の呪文のヒントであり、もう一つは、何故この水晶玉がニーマントと、あの男が輝かない多面体と呼んだペンダントと一緒に封じられていたかのヒントであった。
――つまり。ママは、あたしがあの箱をこじ開るだろうし、そしたら絶対にこの水晶玉の封も開けるような事が起こるって分かってた、って事よね……――
悔しいような、それでいて安心したような、複雑な気持ち。大事故を起こして親の手のひらから飛び出してしまった不安感と、実はまだ手のひらに繋がっていた事を知った安堵感がないまぜになり、ユモは胸の中がむずがゆくなるのを感じる。
――それにしても……禁呪とはね……――
何らかの魔法の課題を解くと、そこに同時に発現するヒントを埋め込んでおくのは、母のよくやるトリックである事を知っているユモは、つまりこの件は最悪、禁呪を必要とするようなものであると言われているに等しいと理解し、身震いすら覚える。
――でも、ママは、あたしが出来ると踏んだから、これをここに仕掛けたのよ。そう、そうに違いないわ――
ユモは、そこに母の意思があると信じ、うっかりすると怖じ気づきそうな自分を、鼓舞した。
「……ユモ!」
雪風が、一言声をかけ、ひときわ加速した。
「跳ぶわよぉ!」
「え?うわあっ!」
契約し、体の制御を使い魔に任せている主人の、ユモの心情が、雪風に伝わらないはずがない。水晶玉から供給される源始力のおかげで文字通り底なしの持久力状態の雪風は、折角鼓舞したその心を、1発ひっぱたいてさらに盛り上げてやろうと思って、目の前に横たわる小川を、その両岸の湿地帯ごと、一跳びで跳び越えた。
※※※※※
余談になりますが、↓こういう事です。
○使い魔:vertraut
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