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第三章 月齢26.5
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「え?ちょっと、どういう事?」
ユキは、1発で目が覚めて、ユモに問いただす。光る水晶玉はあの縦穴で落としてしまったが、多面体と透明な水晶玉の二つは、ユモの首にかかっていたはず。
「ニーマントって、黒い方のペンダントのことかい?どっかで落としたとか、まだ寝床に転がってたりはしないか?」
「あり得ないわ、だって……」
ユモは、その先を口に出来ず、俯く。最初の不寝番に立った時、寒さを紛らわすためと時間つぶしにニーマントと話をしていた、不寝番を交代する時にそうユモから聞いていたユキもそこは同意し、
「寝る前に首にかけてるの、交代する時に見たから、自分で外さない限りあり得ないとあたしも思います」
そう証言する。
「と言ってもなあ。君の首からペンダントを外すなんて、俺やチャックがそんな悪戯するとでも?」
スティーブは、多面体、つまりニーマントが無くなったこと自体をまだ信じ切れていない。だが、ユモとユキにしてみれば、あのペンダントを外す理由の方が、あり得ない。
何故なら。ニーマントは、時間と空間を跳躍して自分達の世界に戻るための、鍵となる多面体なのだから。
「……だとしたら……」
低く、冷静なチャックの声が、怖ろしいほどに、一同の耳に響いた。
「……大尉しか、あり得ない」
「良かったのですか?」
自前の防寒外套の前をきっちりと閉めたオーガスト・モーリー米陸軍大尉の、その胸元の黒い宝石が、オーガストに尋ねる。
「……何が、ですか?」
「彼らに不義理を働く事になった、その事実です。あなたとしても、不本意なのでは?」
言われて、オーガストは大きく息を吸い、ため息と共に吐き出し、やや俯いて答える。
「そうですね。大変残念ではあります……あなたこそ、持ち主を裏切ることになったのでは?」
「その質問は、私にも罪の意識を共有させようという意図からですか?」
オーガストに聞き返されたニーマントは、しかし、声色を変えずに答える。
「私は、自分の意思でジュモーさんの元を離れたわけではありません。何しろ、私は自分で動く事は出来ないのですから。そして、ジュモーさんは確かに私を所有していましたが、私という意識は誰にも帰属していません。その意味で、彼女は私の所有者ではない。そして、そもそも、私には罪の意識という概念がありません」
「……ああ、そうでしたね」
オーガストは、立て板に水のニーマントの返事を聞いて、昨日の事を思い出しつつ、呟いた。
「あなたは、人ではないのでしたね……」
「ミスタ・ニーマント、あなたはどこに居るのですか?」
あの時。『巨人の頭の部屋』から落ち、エマノン・ニーマントと名乗る何者かから声をかけられた時。ほとんど真っ暗な、恐らくは立って歩くことは難しい程度の大きさの洞窟の中で、オーガストはその不思議な声に尋ね、その声の主を探す。
「ああ、探されても無駄です、私はそこには居ません。いや、そもそも、あなたが無意識に求めているような『私』は、この世界には存在しません」
「……どういう事ですか?」
ニーマントの不思議な言い回しに疑問を感じ、その意味する所を理解出来なかったオーガストは、重ねて聞く。
「私、エマノン・ニーマントは、ジュモーさんが首からかけているペンダント、そのうちの黒い多面体の吊されているそれ、そのものです」
「……申し訳ない、今、なんと?」
「私は、ペンダントにぶら下がる黒い多面体だと、そう申し上げました」
これは、担がれているのか?それとも、私はまだ気を失ったままで、夢でも見ているのか?オーガストは暫時、自問自答する。
「理解出来ないのも無理はありません。ですが、それが事実なのです。少なくとも、今、あなたの傍らに私はありません。私は今、ジュモーさんの首からぶら下がった状態で、あなたよりもっと深い穴の底にあります」
ニーマントは、さらりと言ってのける。
「どうやらジュモーさんとユキさんは、二人揃って一番深い所に落ち込んだようです。まだ目を醒まされない様子ですから、もうしばらくは私はあなたとこうして話が出来ると思います」
「……待って下さい。色々なことが一度に……ここより深い穴、ですか?」
「はい。あなた方が居た部屋、あそこの底に空いた穴から落ちたあなた方は、途中の突起物にぶつかって二手に分かれ、あなたはここに、ジュモーさんとユキさんはそのまま落下し、縦穴の底の方の細いところに落ちました。高低差にして四~五十メートルはあるでしょうか?」
「そんなに……お二人は無事なのですか?」
「ジュモーさんはかすり傷程度、ユキさんは……ああ、どう言ったら良いのか、大丈夫そうです」
「それは良かった」
オーガストは心底からほっとする。大人の自分が助かって、少女二人が亡くなったのでは、あまりにも寝覚めが悪い。
と同時に、オーガストはもう一つ気にしなければならない要件があった事を思い出す。
「そうだ、襲ってきたあの男は?我々とほとんど一緒に落ちたはずですが?」
「ああ、彼なら、あなたの下に居ます……いや、あります、と言うべきか」
「え?」
オーガストは、そのニーマントの答えに驚き、咄嗟に尻を浮かす。
「最初の突起物にあなたがぶつかった時、ちょうど彼がその下に居ました。要するに、下敷きです。そのままお二人はもつれるように横に弾かれ、この横穴に入り込みました。御自分の目で確かめて下さい」
「それは……確かめると言っても、この暗闇では」
さっきまで自分達を襲ってきていた男と、こんな狭い洞窟に二人とは。オーガストはその状況に身震いするが、だとすればなおさら確かめなければならない、と思い直す。
「そうですね、人間はこの光量では辛いですね。その男を少し持ち上げてみて下さい」
「持ち上げ……こう、かな?あ」
言われるとおり、オーガストは手探りで自分が下敷きにしたという男、恐らくはウェンディゴ憑きの重症患者だろう男の体を触り、人の体にしてはやけにぐんにゃりしているそれを少し持ち上げ、横にずらす。と、ずらしたところから、淡い光が溢れ、洞窟の中が照らし出される。
「これは……」
「ジュモーさんの光る水晶玉です。取り落とした時、たまたまこの男の服に引っかかったようです」
「なるほど……」
言いながら、オーガストはその水晶玉を拾い上げる。銀らしき細いチェーンの着いたそれは、質素だが女物のペンダントに仕立ててある。
「……ミスタ・ニーマント、どうしてこれがここにあると?」
オーガストは、いくつも浮かぶ疑問から、今真っ先に聞くべきであろう一言を、口にする。その質問にも、ニーマントは嫌な様子を見せることなく、答える。
「私には、見えるのです。その光も、あなた方も」
「先ほど申し上げたとおり、私は人間ではありません。なので、周辺の状況は、人間の視覚とは違う感覚によって情報取得しています。勿論、可視光線を含む電磁波の情報も取得していますが」
ニーマントが、何でもないことのように、言う。
「勿論、厚い岩盤をいくつも通した先を見通せるほどの眼力は持ちません。ですが、ジュモーさんが落下する最中に、あなたがこの穴に転げ込むのも見えていましたから、意識を集中すればこの程度ならば何とかなります。そうですね、半径50mくらいなら。遮蔽物にもよりますが」
オーガストは、ニーマントの話を聞きつつ、手のひらに載せた光る水晶球を凝視している。水晶球など縁のない生活だから、これがどれくらいの価値を持つ水晶球だかは判断がつかないが、透明に見えて淡い光を放つそれは、神秘的であり、幻想的でもある。
「……すばらしい……」
思わず、オーガストは独りごちた。
ユキは、1発で目が覚めて、ユモに問いただす。光る水晶玉はあの縦穴で落としてしまったが、多面体と透明な水晶玉の二つは、ユモの首にかかっていたはず。
「ニーマントって、黒い方のペンダントのことかい?どっかで落としたとか、まだ寝床に転がってたりはしないか?」
「あり得ないわ、だって……」
ユモは、その先を口に出来ず、俯く。最初の不寝番に立った時、寒さを紛らわすためと時間つぶしにニーマントと話をしていた、不寝番を交代する時にそうユモから聞いていたユキもそこは同意し、
「寝る前に首にかけてるの、交代する時に見たから、自分で外さない限りあり得ないとあたしも思います」
そう証言する。
「と言ってもなあ。君の首からペンダントを外すなんて、俺やチャックがそんな悪戯するとでも?」
スティーブは、多面体、つまりニーマントが無くなったこと自体をまだ信じ切れていない。だが、ユモとユキにしてみれば、あのペンダントを外す理由の方が、あり得ない。
何故なら。ニーマントは、時間と空間を跳躍して自分達の世界に戻るための、鍵となる多面体なのだから。
「……だとしたら……」
低く、冷静なチャックの声が、怖ろしいほどに、一同の耳に響いた。
「……大尉しか、あり得ない」
「良かったのですか?」
自前の防寒外套の前をきっちりと閉めたオーガスト・モーリー米陸軍大尉の、その胸元の黒い宝石が、オーガストに尋ねる。
「……何が、ですか?」
「彼らに不義理を働く事になった、その事実です。あなたとしても、不本意なのでは?」
言われて、オーガストは大きく息を吸い、ため息と共に吐き出し、やや俯いて答える。
「そうですね。大変残念ではあります……あなたこそ、持ち主を裏切ることになったのでは?」
「その質問は、私にも罪の意識を共有させようという意図からですか?」
オーガストに聞き返されたニーマントは、しかし、声色を変えずに答える。
「私は、自分の意思でジュモーさんの元を離れたわけではありません。何しろ、私は自分で動く事は出来ないのですから。そして、ジュモーさんは確かに私を所有していましたが、私という意識は誰にも帰属していません。その意味で、彼女は私の所有者ではない。そして、そもそも、私には罪の意識という概念がありません」
「……ああ、そうでしたね」
オーガストは、立て板に水のニーマントの返事を聞いて、昨日の事を思い出しつつ、呟いた。
「あなたは、人ではないのでしたね……」
「ミスタ・ニーマント、あなたはどこに居るのですか?」
あの時。『巨人の頭の部屋』から落ち、エマノン・ニーマントと名乗る何者かから声をかけられた時。ほとんど真っ暗な、恐らくは立って歩くことは難しい程度の大きさの洞窟の中で、オーガストはその不思議な声に尋ね、その声の主を探す。
「ああ、探されても無駄です、私はそこには居ません。いや、そもそも、あなたが無意識に求めているような『私』は、この世界には存在しません」
「……どういう事ですか?」
ニーマントの不思議な言い回しに疑問を感じ、その意味する所を理解出来なかったオーガストは、重ねて聞く。
「私、エマノン・ニーマントは、ジュモーさんが首からかけているペンダント、そのうちの黒い多面体の吊されているそれ、そのものです」
「……申し訳ない、今、なんと?」
「私は、ペンダントにぶら下がる黒い多面体だと、そう申し上げました」
これは、担がれているのか?それとも、私はまだ気を失ったままで、夢でも見ているのか?オーガストは暫時、自問自答する。
「理解出来ないのも無理はありません。ですが、それが事実なのです。少なくとも、今、あなたの傍らに私はありません。私は今、ジュモーさんの首からぶら下がった状態で、あなたよりもっと深い穴の底にあります」
ニーマントは、さらりと言ってのける。
「どうやらジュモーさんとユキさんは、二人揃って一番深い所に落ち込んだようです。まだ目を醒まされない様子ですから、もうしばらくは私はあなたとこうして話が出来ると思います」
「……待って下さい。色々なことが一度に……ここより深い穴、ですか?」
「はい。あなた方が居た部屋、あそこの底に空いた穴から落ちたあなた方は、途中の突起物にぶつかって二手に分かれ、あなたはここに、ジュモーさんとユキさんはそのまま落下し、縦穴の底の方の細いところに落ちました。高低差にして四~五十メートルはあるでしょうか?」
「そんなに……お二人は無事なのですか?」
「ジュモーさんはかすり傷程度、ユキさんは……ああ、どう言ったら良いのか、大丈夫そうです」
「それは良かった」
オーガストは心底からほっとする。大人の自分が助かって、少女二人が亡くなったのでは、あまりにも寝覚めが悪い。
と同時に、オーガストはもう一つ気にしなければならない要件があった事を思い出す。
「そうだ、襲ってきたあの男は?我々とほとんど一緒に落ちたはずですが?」
「ああ、彼なら、あなたの下に居ます……いや、あります、と言うべきか」
「え?」
オーガストは、そのニーマントの答えに驚き、咄嗟に尻を浮かす。
「最初の突起物にあなたがぶつかった時、ちょうど彼がその下に居ました。要するに、下敷きです。そのままお二人はもつれるように横に弾かれ、この横穴に入り込みました。御自分の目で確かめて下さい」
「それは……確かめると言っても、この暗闇では」
さっきまで自分達を襲ってきていた男と、こんな狭い洞窟に二人とは。オーガストはその状況に身震いするが、だとすればなおさら確かめなければならない、と思い直す。
「そうですね、人間はこの光量では辛いですね。その男を少し持ち上げてみて下さい」
「持ち上げ……こう、かな?あ」
言われるとおり、オーガストは手探りで自分が下敷きにしたという男、恐らくはウェンディゴ憑きの重症患者だろう男の体を触り、人の体にしてはやけにぐんにゃりしているそれを少し持ち上げ、横にずらす。と、ずらしたところから、淡い光が溢れ、洞窟の中が照らし出される。
「これは……」
「ジュモーさんの光る水晶玉です。取り落とした時、たまたまこの男の服に引っかかったようです」
「なるほど……」
言いながら、オーガストはその水晶玉を拾い上げる。銀らしき細いチェーンの着いたそれは、質素だが女物のペンダントに仕立ててある。
「……ミスタ・ニーマント、どうしてこれがここにあると?」
オーガストは、いくつも浮かぶ疑問から、今真っ先に聞くべきであろう一言を、口にする。その質問にも、ニーマントは嫌な様子を見せることなく、答える。
「私には、見えるのです。その光も、あなた方も」
「先ほど申し上げたとおり、私は人間ではありません。なので、周辺の状況は、人間の視覚とは違う感覚によって情報取得しています。勿論、可視光線を含む電磁波の情報も取得していますが」
ニーマントが、何でもないことのように、言う。
「勿論、厚い岩盤をいくつも通した先を見通せるほどの眼力は持ちません。ですが、ジュモーさんが落下する最中に、あなたがこの穴に転げ込むのも見えていましたから、意識を集中すればこの程度ならば何とかなります。そうですね、半径50mくらいなら。遮蔽物にもよりますが」
オーガストは、ニーマントの話を聞きつつ、手のひらに載せた光る水晶球を凝視している。水晶球など縁のない生活だから、これがどれくらいの価値を持つ水晶球だかは判断がつかないが、透明に見えて淡い光を放つそれは、神秘的であり、幻想的でもある。
「……すばらしい……」
思わず、オーガストは独りごちた。
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◆三部完結しました。お付き合いありがとうございました。(2024/4/4)
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