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「こんばんはぁ、すみません、ここに……あ、居た」
ちょっとだけ雰囲気が重くなりかけた矢先、唐突に入り口の引き戸が開いて、威勢のいい、よく通る声がスナック「轆轤」の店内に響いた。
「……おう、思ったより早かったじゃないの」
自分を見つけ、暖簾をくぐって店に入ってくる孫娘に、蘭円は軽く冷や酒の入ったグラスを持ち上げて声をかけた。
「まーね、お腹空いたし……」
「こーんばーんわあ、おばちゃん、お久しゅう、ゴチになりまっすぅ」
「円さん、お晩どす、ご無沙汰しとります」
暖簾をくぐった蘭馨の後から、陽気で気安い声と、しっとりした優しい声が続く。
「まあ、環様に銀子様もいらしたのですか?」
馨の後から顔を出した八重垣環と昴銀子を見つけて、嬉しそうに、西条玲子は少し身を乗り出すようにして声をかける。
「おう、来たで、あけおめことよろや」
「皆さん、玲子さん、明けましておめでとうございます、本年もよろしゅう」
威勢良く切り返した銀子に続いて、はんなりと、つば広の帽子をとった環が店内の皆に微笑む。ふわりと広がる白い髪、微笑む白い顔の中の紅い瞳。神々しささえ覚えるその立ち振る舞いに初見の皆が息を呑む中、環に自分の隣の席を示す玲子を見て、青葉五月ははっと息を呑む。
――玲子さん、変わったな……五月さんも、か?――
玲子と五月を、さらには環と、その傍の銀子、馨、そして店内の皆を見て、北条柾木は、思う。
――出会った時は、あれほど「人ならざるもの」を憎んでいたのに……――
その玲子が、隣に腰を下ろした環と、人の体に白蛇の魂を宿す妖の者と、親しげに談笑している。ボンネットとベール越しで玲子のそれは見えづらいとはいえ、同じように白い肌、白い髪、紅い目を持つ二人は、見ようによっては仲睦まじい姉妹のようですらある。
「なんか、もしかして僕たち、軽く場違いですね、はい」
少し離れた所に座る蒲田浩司巡査長が、ため息交じりの感想を述べる。
「ああ……女子会に紛れ込むと、こんな感じか?」
若干毒気を抜かれた感じの声で、酒井源三郎警部が答える。
「いや、紛れ込んだ事ないんで、はい」
「あー、大丈夫です」
雰囲気に押されずに、途中参加の三人にオードブルを取り分けていた滝波信仁が、警察庁の二人に答える。
「華やかなの、見た目だけですから。中身はまー酷いもんっスよ、こいつら」
「嫌やわ、滝波はん、なんでそないいけず言わはるん?」
「せや、うちらフッツーのかよわい女の子やん、なあ?」
皿を受け取りながら、環と銀子が抗議する。誰がだよ、苦笑しながら信仁も切り返す。
「えっと、知り合い?なのは当然か、にしても信仁君、ずいぶん親しそうだけど……」
その様子を見ていた柾木は、つい、そう聞いてしまう。信仁が狼娘達の長女、清滝巴の彼氏であり、妹である蘭馨と鰍、祖母の円とも親しいのは先日の一件でよく分かっているが、「協会」関係者であるという以外に接点のなさそうな銀子と環とも親しいというのは、玲子の「特訓」の付き添いでその二人と何度も合っている柾木も聞いていなかった。
「ええ、まあ。いわゆる「同中」ってヤツです」
三つ目の盛り付けを馨に渡し、返す刀で自分にも山盛りにオードブルを取り分けつつ、信仁が答える。
「まあ、今思うと、腐れ縁ってこういうもんなんでしょうね。こいつら中学ん時から目立ってたけど、まさか、なあ?」
「せやなあ、うちもびっくりしたわ、馨から巴姉さんが普通の人と付き合うとるいうんは聞いてたけど、まさか滝波やなんて」
「そっちかよ」
「大学入ってしばらくして、馨ちゃんのバンドのライブに顔出したらこいつら居て。まー、びっくりしましたよ、色々と」
「学部違うと接点ないもんね、あたし達本部キャンパスだけど信仁兄は理工学部だし」
信仁の言葉に、馨が相槌を打った。
「……大学って、そういうものなの、か?」
ああ、と頷く柾木を見つつ、大学に行った事のない酒井は蒲田に尋ねる。
「いや、僕もよくはわからないです、はい」
「大卒じゃなかったっけ?」
「いえ、その辺ちょっと複雑で、はい」
珍しく歯切れの悪い返答の蒲田にちょっと引っかかりつつも、酒井は酒の勢いもあって、まあいいやと聞き流す。
「丁度いいから、お銀ちゃん、環さん、酒井君達に会うの初めてでしょ?挨拶しちゃって」
「せやね。うち、昴銀子いいます、よろしゅう。馨ちゃん達と同じ学校です、で……」
「うちは八重垣環です、初めまして」
銀子に続いて、軽く腰を浮かせて環が酒井と蒲田に、さらには隼子にも会釈する。
「あ、どもです、警察庁の蒲田です、こちらは、上司の酒井警部です」
「酒井です、初めまして」
咄嗟に反応した蒲田に促され、酒井も挨拶を返す。
「あら、警察のお人やおしたんどすか、そしたらお銀ちゃん、今日はうちら、お酒呑んだらあきまへんえ?」
「え?そんなん、うちもう呑んでしもとるで」
既に唐揚げをビールで流し込んでしまっている銀子が、やんわりと警告した環にへらっと笑いながら返した。
あー、言わなきゃ良いのに。信仁達がそう言う顔をしたのを視界の片隅で目ざとく見つけた酒井は、もの問いたげな視線を、一番話かけやすそうな――そして素面の――信仁に投げる。
「あー……いや、まあ、俺たち、今年成人式なもんで……」
決まり悪げに、信仁は答える。酒井は、信仁、馨、銀子、環の四人が同学年であり、鰍はさらに一年下であることを思い出す。同時に同じ事を思ったのだろう蒲田が、確認する。
「……つまり、現時点で皆さん未成年って事です?はい?」
「もお、環ちゃん、なんでそないな事言うてまうん?」
肘で軽くつつきながら、銀子は環に苦情を述べる。
「そやかてお銀ちゃん、お巡りさんの前で、未成年がお酒飲んだらあきまへんやろ?」
「もお、この蛇姫は変なところで真面目やねんから……そういうのな、言わへんといたらお巡りさんも知らへんかったで済むねん、なあ?」
なあ?と言われても。酒井は苦笑して答える。
「まあ、そうとも言いますけど、ま、今更ですし、聞かなかったことにしておきます」
「ほら、お巡りさんもあない言うてはります、よろしおしたなあ、お銀ちゃん?」
「あないって、環ちゃん、あんたなあ……」
「ほんとーに八重垣は質悪いよな」
「自分が呑みたいから言質とっただけでしょ、大酒呑みの玉姫様?」
同期の信仁と馨に同時に突っ込まれ、さらに巴と鰍に苦笑され、それでも環ははんなりと微笑むのみである。
「……なるほど。そういう話の持っていき方もあるのですね……勉強になります」
こちら年齢的にも外見的にもアルコールは御法度の玲子が、オレンジジュースのグラスを両手で持ったまま、さも関心したようにしきりに頷いている。
――玲子さん、そっちの方はそんなに変わらなくていいんですけど……――
北条柾木は、環の老獪とも言える話術、交渉術を玲子がまるで乾いた海綿が水を吸うが如くに吸収していくのを見て、行く末が少々心配になった。
「そんで、おばちゃん、何の話しててん?」
取り皿の上の唐揚げと焼きそばの半分ほどをビールで流し込んだ銀子が、口の中を空っぽにしてから円に聞いた。
「ん?ああ」
孫達とその友達、さらには新しくその輪に加わった者達がわちゃわちゃしているのを肴に冷や酒をやっていた巴は、少し記憶をたぐる。
「五月ちゃんの話聞いてたのよね。そうだ、そもそもは、巴、あんたと信仁君があたしに隠し事してたって話しだったわよね?」
「隠し事って……まあ、そうなんだけど……」
「その事なんですけど。間違い無いと思うけど、青葉さん、確認したいんで、話の続き、お願い出来ます?」
成り行きを思い出した円に一瞥されて、歯切れの悪い返事を巴は返す。その後を引き取り、信仁がさらりと矛先をかわして五月に振る。
「……そうですね、はい」
やや毒気を抜かれて、五月はそう素直に返事する。信仁が、自分の仇の何かを知っている、それがどうしてなのか、そこはあまり深く考えずに。
五月は、グラスに残ったビールを飲み干してから、一つ深く息を吐く。純粋な人間のほとんど居ない――自分自身、純粋な人間とは言えなくなっている事も自覚しつつ――この場の、それでも妙にアットホームな雰囲気に、奇妙な居心地の良さを感じながら。
ちょっとだけ雰囲気が重くなりかけた矢先、唐突に入り口の引き戸が開いて、威勢のいい、よく通る声がスナック「轆轤」の店内に響いた。
「……おう、思ったより早かったじゃないの」
自分を見つけ、暖簾をくぐって店に入ってくる孫娘に、蘭円は軽く冷や酒の入ったグラスを持ち上げて声をかけた。
「まーね、お腹空いたし……」
「こーんばーんわあ、おばちゃん、お久しゅう、ゴチになりまっすぅ」
「円さん、お晩どす、ご無沙汰しとります」
暖簾をくぐった蘭馨の後から、陽気で気安い声と、しっとりした優しい声が続く。
「まあ、環様に銀子様もいらしたのですか?」
馨の後から顔を出した八重垣環と昴銀子を見つけて、嬉しそうに、西条玲子は少し身を乗り出すようにして声をかける。
「おう、来たで、あけおめことよろや」
「皆さん、玲子さん、明けましておめでとうございます、本年もよろしゅう」
威勢良く切り返した銀子に続いて、はんなりと、つば広の帽子をとった環が店内の皆に微笑む。ふわりと広がる白い髪、微笑む白い顔の中の紅い瞳。神々しささえ覚えるその立ち振る舞いに初見の皆が息を呑む中、環に自分の隣の席を示す玲子を見て、青葉五月ははっと息を呑む。
――玲子さん、変わったな……五月さんも、か?――
玲子と五月を、さらには環と、その傍の銀子、馨、そして店内の皆を見て、北条柾木は、思う。
――出会った時は、あれほど「人ならざるもの」を憎んでいたのに……――
その玲子が、隣に腰を下ろした環と、人の体に白蛇の魂を宿す妖の者と、親しげに談笑している。ボンネットとベール越しで玲子のそれは見えづらいとはいえ、同じように白い肌、白い髪、紅い目を持つ二人は、見ようによっては仲睦まじい姉妹のようですらある。
「なんか、もしかして僕たち、軽く場違いですね、はい」
少し離れた所に座る蒲田浩司巡査長が、ため息交じりの感想を述べる。
「ああ……女子会に紛れ込むと、こんな感じか?」
若干毒気を抜かれた感じの声で、酒井源三郎警部が答える。
「いや、紛れ込んだ事ないんで、はい」
「あー、大丈夫です」
雰囲気に押されずに、途中参加の三人にオードブルを取り分けていた滝波信仁が、警察庁の二人に答える。
「華やかなの、見た目だけですから。中身はまー酷いもんっスよ、こいつら」
「嫌やわ、滝波はん、なんでそないいけず言わはるん?」
「せや、うちらフッツーのかよわい女の子やん、なあ?」
皿を受け取りながら、環と銀子が抗議する。誰がだよ、苦笑しながら信仁も切り返す。
「えっと、知り合い?なのは当然か、にしても信仁君、ずいぶん親しそうだけど……」
その様子を見ていた柾木は、つい、そう聞いてしまう。信仁が狼娘達の長女、清滝巴の彼氏であり、妹である蘭馨と鰍、祖母の円とも親しいのは先日の一件でよく分かっているが、「協会」関係者であるという以外に接点のなさそうな銀子と環とも親しいというのは、玲子の「特訓」の付き添いでその二人と何度も合っている柾木も聞いていなかった。
「ええ、まあ。いわゆる「同中」ってヤツです」
三つ目の盛り付けを馨に渡し、返す刀で自分にも山盛りにオードブルを取り分けつつ、信仁が答える。
「まあ、今思うと、腐れ縁ってこういうもんなんでしょうね。こいつら中学ん時から目立ってたけど、まさか、なあ?」
「せやなあ、うちもびっくりしたわ、馨から巴姉さんが普通の人と付き合うとるいうんは聞いてたけど、まさか滝波やなんて」
「そっちかよ」
「大学入ってしばらくして、馨ちゃんのバンドのライブに顔出したらこいつら居て。まー、びっくりしましたよ、色々と」
「学部違うと接点ないもんね、あたし達本部キャンパスだけど信仁兄は理工学部だし」
信仁の言葉に、馨が相槌を打った。
「……大学って、そういうものなの、か?」
ああ、と頷く柾木を見つつ、大学に行った事のない酒井は蒲田に尋ねる。
「いや、僕もよくはわからないです、はい」
「大卒じゃなかったっけ?」
「いえ、その辺ちょっと複雑で、はい」
珍しく歯切れの悪い返答の蒲田にちょっと引っかかりつつも、酒井は酒の勢いもあって、まあいいやと聞き流す。
「丁度いいから、お銀ちゃん、環さん、酒井君達に会うの初めてでしょ?挨拶しちゃって」
「せやね。うち、昴銀子いいます、よろしゅう。馨ちゃん達と同じ学校です、で……」
「うちは八重垣環です、初めまして」
銀子に続いて、軽く腰を浮かせて環が酒井と蒲田に、さらには隼子にも会釈する。
「あ、どもです、警察庁の蒲田です、こちらは、上司の酒井警部です」
「酒井です、初めまして」
咄嗟に反応した蒲田に促され、酒井も挨拶を返す。
「あら、警察のお人やおしたんどすか、そしたらお銀ちゃん、今日はうちら、お酒呑んだらあきまへんえ?」
「え?そんなん、うちもう呑んでしもとるで」
既に唐揚げをビールで流し込んでしまっている銀子が、やんわりと警告した環にへらっと笑いながら返した。
あー、言わなきゃ良いのに。信仁達がそう言う顔をしたのを視界の片隅で目ざとく見つけた酒井は、もの問いたげな視線を、一番話かけやすそうな――そして素面の――信仁に投げる。
「あー……いや、まあ、俺たち、今年成人式なもんで……」
決まり悪げに、信仁は答える。酒井は、信仁、馨、銀子、環の四人が同学年であり、鰍はさらに一年下であることを思い出す。同時に同じ事を思ったのだろう蒲田が、確認する。
「……つまり、現時点で皆さん未成年って事です?はい?」
「もお、環ちゃん、なんでそないな事言うてまうん?」
肘で軽くつつきながら、銀子は環に苦情を述べる。
「そやかてお銀ちゃん、お巡りさんの前で、未成年がお酒飲んだらあきまへんやろ?」
「もお、この蛇姫は変なところで真面目やねんから……そういうのな、言わへんといたらお巡りさんも知らへんかったで済むねん、なあ?」
なあ?と言われても。酒井は苦笑して答える。
「まあ、そうとも言いますけど、ま、今更ですし、聞かなかったことにしておきます」
「ほら、お巡りさんもあない言うてはります、よろしおしたなあ、お銀ちゃん?」
「あないって、環ちゃん、あんたなあ……」
「ほんとーに八重垣は質悪いよな」
「自分が呑みたいから言質とっただけでしょ、大酒呑みの玉姫様?」
同期の信仁と馨に同時に突っ込まれ、さらに巴と鰍に苦笑され、それでも環ははんなりと微笑むのみである。
「……なるほど。そういう話の持っていき方もあるのですね……勉強になります」
こちら年齢的にも外見的にもアルコールは御法度の玲子が、オレンジジュースのグラスを両手で持ったまま、さも関心したようにしきりに頷いている。
――玲子さん、そっちの方はそんなに変わらなくていいんですけど……――
北条柾木は、環の老獪とも言える話術、交渉術を玲子がまるで乾いた海綿が水を吸うが如くに吸収していくのを見て、行く末が少々心配になった。
「そんで、おばちゃん、何の話しててん?」
取り皿の上の唐揚げと焼きそばの半分ほどをビールで流し込んだ銀子が、口の中を空っぽにしてから円に聞いた。
「ん?ああ」
孫達とその友達、さらには新しくその輪に加わった者達がわちゃわちゃしているのを肴に冷や酒をやっていた巴は、少し記憶をたぐる。
「五月ちゃんの話聞いてたのよね。そうだ、そもそもは、巴、あんたと信仁君があたしに隠し事してたって話しだったわよね?」
「隠し事って……まあ、そうなんだけど……」
「その事なんですけど。間違い無いと思うけど、青葉さん、確認したいんで、話の続き、お願い出来ます?」
成り行きを思い出した円に一瞥されて、歯切れの悪い返事を巴は返す。その後を引き取り、信仁がさらりと矛先をかわして五月に振る。
「……そうですね、はい」
やや毒気を抜かれて、五月はそう素直に返事する。信仁が、自分の仇の何かを知っている、それがどうしてなのか、そこはあまり深く考えずに。
五月は、グラスに残ったビールを飲み干してから、一つ深く息を吐く。純粋な人間のほとんど居ない――自分自身、純粋な人間とは言えなくなっている事も自覚しつつ――この場の、それでも妙にアットホームな雰囲気に、奇妙な居心地の良さを感じながら。
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