何の取り柄もない営業系新入社員の俺が、舌先三寸でバケモノ達の相手をするはめになるなんて。(第2.5部)幕間 あるいは新年会の宴の席にて。

二式大型七面鳥

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「あら、いらっしゃいませ……じゃなかった、あれ?いいのか?」
 ちょっとだけ申し訳なさそうに、酒井と蒲田がスナック轆轤ろくろ暖簾のれんをくぐった時、真っ先に振り向いた青葉五月あおば さつきは、無意識に営業スマイルで応対した直後に、今夜は営業ではないことを思いだした。
「残業、お疲れ様でした。思ったより早かったですね?」

 年が変わり、正月休みも過ぎて街が通常運転を始めた週末の宵の口。昨年中に目出度く雑居ビル自体の耐震補強工事と、それに伴う店舗の内装工事が終了したスナック「轆轤」はこの日、通常営業を一日停止し、身内――というか事情を知る当事者――による新年会兼改装祝い兼、青葉五月あおば さつき誘拐に始まる一連の事件の解決と、一同の無事を祝う会が催されていた。
 その当事者の一員である、警察庁刑事局捜査支援分析管理官付調査班、通称分調班の酒井源三郎さかい げんざぶろう警部と蒲田浩司かまた こうじ巡査長は、残念ながらこの日残業を余儀なくされており、開宴時間に少し遅れて新宿歌舞伎町二丁目にある雑居ビル二階の「轆轤」にたどり着いた。
「お勤めご苦労さん。宮仕えは大変ね?」
 ビールのグラスを持ったまま、カウンター席の蘭円あららぎ まどかが率先して口を開いた。
「まあとにかく、駆けつけ三杯と行こうかねえ?五月?」
「はい、ママ」
 スナック「轆轤」の女店主ママである本所隼子ほんじょ じゅんこが、長い首を伸ばして・・・・・・・・従業員の五月を促す。笑顔で答えた五月は、冷え冷えの瓶ビールの栓を抜くと、立ったままの酒井と蒲田にグラスを持たせ、慣れた手つきでビールを注ぐ。二人とも、普段なら営業中は着物姿だが、今日は洋装の私服だ。
「……まあ、それじゃ」
「いただきます、はい」
 一瞬顔を見合わせた酒井と蒲田は、実際喉が渇いていたこともあり、一気にビールを飲み干した。

「あんまり広さは変わったように見えませんね?」
 カウンターのスツールに横向きに座って店内を見まわした酒井は、一つ離れたスツールに腰掛けている隼子にそう言った。
「改装したからって、敷地が増えるわけじゃないからねぇ。むしろ壁の厚みが増えた分だけ狭くなってるんだけど、気にならないだろ?」
 満足げに微笑みつつ煙管きせるをくゆらせる隼子は、そう言って自分も店内を見まわす。
「なじんだ店だから、なるたけ中身は変えないどくれってお願いしたんだけどね、大工が良い仕事してくれたよ。いや、一番良い仕事してくれたのはあの兄さんだけどね」
 「轆轤」が入っている、バブルの先掛けの頃に建てられたこの雑居ビルは、建材自体は上等な物が使われているが耐震性は現在の基準を満たせず、水道やガスの配管も老朽化が目立ち、現代の基準に照らすと商用ビルとしては防火設備も不十分であった。その対応策として、オーナーが他界し相続で遺族が揉めた隙をついて、テナント側代表者として隼子がビルの権利を買い取り、返す刀で耐震補強と配管類の刷新、ついでに「轆轤」を含むテナントの改装を推し進めたのだが、その陰には「協会」のネゴシエイターとしてテナント側と遺族側の間を取り持った北条柾木ほうじょうまさきの尽力があった。
「いやあ、それ程の事は……」
 仕出しのオードブルをつつきながら――今日は隼子も呑むと決めてるようで、酒のつまみは別フロアの居酒屋に仕出しを頼んでいた――北条柾木が謙遜する。
「いいえ、柾木様の交渉力あってのことです。もっと自慢なさってよろしゅうございましてよ?」
 その柾木の脇で、まるで自分のことのように誇らしげに、黒ベースのフリルの付いたエプロンドレスを着込み、オレンジジュースのグラス片手の西条玲子さいじょうれいこが柾木を焚きつける。
「そ、そうかなあ?」
「そうですとも!もっと自信を持って下さいまし!」
 慣れた手つきでグラスと紙皿を片手に持った、シックだが趣味のいいスーツ姿――初めて会った時に、玲子が柾木にプレゼントした物だ――の柾木を、両手でグラスを握ったシックな白黒のゴシックロリータがボンネットから垂らした濃いベール越しに見上げ、励ます。
「いやまったく、おひいさまの仰るとおりでございますぞ」
 グラスと紙皿を持ちつつも、一歩引いて壁際に控えていた玲子の侍従、ビル・ガリクソン・時田が口を挟む。
「北条様の交渉力、とても社会人一年生のものとは思えませなんだ。この時田、感服いたしましてございます」
 うやうやしく、時田は頭を下げてみせる。その、隣にいるもう一人の侍従であるアロイシャス・袴田とピタリと息の合った芝居がかった仕草に、玲子は我が意を得たりと微笑み、柾木は恐縮する。
「そういえば北条さん、「協会」と契約したんでしたっけ?」
 そのやりとりを横で聞きつつ、唐揚げをビールで流し込んだ蘭鰍あららぎ かじかが、率直に柾木に聞いた。
「え?北条さん、「協会」と契約しちゃったんですか?」
 聞き捨てならないことのように、蒲田が口を挟んだ。
「……なによ、まるで契約しちゃいけないみたいな言い方するじゃない?」
 グラスを口元に寄せつつ、円が蒲田をめつける。
「いえ、決してそのような、はい」
 円の刺すような視線に、蛇に睨まれた蛙のように縮み上がりつつ蒲田は答え、助けを求める視線を円から隼子を挟んで二つ横に座る酒井に投げる。
 だが、返ってきたのは、力になれないことを陳謝する気持ちのこもった酒井の視線だけだった。

「まあ、ネゴシエイターとしてならまあ、大丈夫なんじゃないっすかね?」
 オードブルの載ったテーブルの向こうから、ウーロン茶片手の滝波信仁たきなみ しんじがまぜっかえす。幅約4メートル、奥行き約8メートル、普段ならカウンター席6つ、4人掛けテーブルが三つの店内は、今日はテーブルを中央にまとめ、カウンター用スツールとテーブル用チェアをその周りに配置した宴会用セッティングになっている。
「荒っぽいことするわけじゃないし、予定だって組みやすいでしょうし」
 酒の飲めない信仁は、紙皿に食材を盛りつつ言葉を付け足す。その紙皿はそのまま隣に座る栗毛ワンレンの清滝巴きよたき ともえが受け取り、続いて盛られた皿はさらに隣の栗毛おかっぱの蘭鰍に渡る。一部で「栗色の狼」の異名を取る三姉妹の、真ん中である蘭馨あららぎ かおるは、お仲間である昴銀子すばる ぎんこ八重垣環やえがき たまき共々バンドのライブだとかで遅れての参加となっている。
「一応、仮契約ですけどね。四月から仕事のシフト、変わるだろうし」
 信仁の助け船に乗っかる形で、柾木が答える。
「仕事のシフト?」
 場の流れを変えるべく、酒井も乗る。
「はい、俺ら新入社員は今は土日のどっちかをオフにさせてもらってるんですけど、多分、期が変わったら土日は両方出勤になると思うんで」
「あ、そうか、北条君、ディーラー勤務だったっけ?」
「はい、日販自動車の営業です」
 柾木の勤める日販自動車中野店は、個人客より企業顧客が多い事もあって休日の営業負担はそれ程高くないが、それでも、基本的に自動車ディーラーの業務は週末が個人客のかき入れ時である事に違いは無い。仕事に慣れるまでという所長の方針で、新入社員は土日休みにしてもらっており、柾木もオフは水曜と日曜に振っていたが、秋口からこっちは逆に仕事に慣れるため、土日の業務に半ば強制的に出されることが多く、火曜水曜、あるいは水曜木曜の平日休みを取る機会が――中野店の定休日は水曜である――増えていた。
「平日動けるってのは割と「協会」的にも都合が良いらしくって。猛烈に勧誘されまして」
「柾木様ったら、本当にお人好しでいらっしゃるのですから」
 玲子が、やや恨めしそうな声色で割って入る。
「頼まれても断る事を覚えませんと、この先きっと酷い目に合いましてよ?」
 いや、もう十分色々酷い目は見てる気がするし。第一、断るとかそういうチャンス無いことの方が多かったし。
 喉元まで出かかったその一言を、柾木はビールで飲み下し、答えた。
「肝に銘じます」
 板につき始めたそのやりとりを、五月は、微笑ましく見ながら自分のグラスを空けた。

「そりゃそうと、さっきからずっと気になってるんだけどさ」
 円が、匂いの元をたぐるように鼻をひくつかせながら、隼子に聞いた。
「畳の匂いがするんだけど、この店、日本間なんてあったっけ?」
 開店したのは昭和の末期とはいえ、意図的に昭和テイストを色濃く残す店内の飾り付けは、相応に古びた色合いと匂いを纏っているが、そうは言っても最新のリフォームをしたばかりの店内には、気になるほどではないが、まだほんのわずかに真新しい建材や樹脂の類いの匂いが残っている。その中に混じって、明らかに前の店には無かった、真新しい畳の匂いを、鋭敏な円の鼻は嗅ぎ分けていた。
「お。さすがは姉さんだねえ。聞いとくれよ、改装のついでに、奥に座敷を作ったんだよ」
 隼子に視線で促された五月が、店の奥の引き戸を開ける。そこには、今までは存在しなかった短い廊下と、廊下に面する8畳ほどの真新しい日本間があった。
「畳が欲しいって、常連のジジババが言うもんだからねえ。奥は元々はあたしの寝床だったんだけど、潰して四畳半と三畳の二部屋にしてみたのさ」
 ジジババって。仮にも二十代半ばの「人間」である五月は思う。確かに客は歳の知れない古狸古狐の類いばっかりだけど、ママだって実年齢、見た目の三倍はいってるじゃない。ましてや、ママが姉さん呼ばわりするこの円さんは、一体……いやいや、余計な事は考えない方がいいか。
「へえ、いいじゃない」
 言って、円は早速、靴を脱いで廊下から四畳半に上がり込む。
「あら、掘りごたつ。こりゃ良いわね」
 どれどれと、若い衆も何人か廊下の奥を覗き込む。
「……って、本所さん、ここに住んでたんですか?」
 先ほどさりげなく隼子が言った、自分の寝床だった、という一言に気付いて、柾木は何気なく聞いてみる。
「そうだよ、前まではあそこは八畳間と風呂トイレとちっちゃな台所があってね、あたしゃずっとそこで寝起きしてたのさ」
 にまりと微笑んで煙管の紫煙をくゆらせ、隼子が続ける。
「立ち退き騒動で店子が少し減ったからね、一応、今はこのビルのオーナーはあたしって事だから、一番上の階に改めて寝床を作らせてもらったのさ。今、このビルには人間様の店は入ってないからね、みんなしてここに住むことにしたもんだから、上二階分はちょっとした妖怪横丁だよ」
 面白そうに笑いつつ、隼子が紫煙を吐き出す。
「そりゃまた……」
 言ったきり、柾木は言葉が続かない。今このビルに入っているテナントが、どれもこれも妖怪変化の類いが切り盛りする店だというのは、行きがかり上当然だが知っている。妖怪変化とはいえ、生活していれば住み処すみかは当然必要なわけで、とはいえ、新宿歌舞伎町のド真ん中に大挙して妖怪が住み着いているってのは、今の今まで北条柾木は考えてもいなかった。

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