10 / 106
第二章-月齢25.5-
第2章 第9話
しおりを挟む
翌朝。
昨日同様に朝食もペーター少尉と共に摂ったユモと雪風は、ペーター少尉の誘いもあって――ペーター少尉としては、常に目の届くところに二人を置いておきたい事もあって――調査任務に同行する、つもりであった。
「少尉殿!」
食後のコーヒーを当番兵が持って来たところで、別の隊員がテントの入口で声を上げた。
「入りたまえ」
「は。失礼します。ドルマ嬢をお連れしました」
兵――一般親衛隊二等兵隊員――は、緊張気味にテントの入口を開き、背中で帆布をおさえたまま直立不動になる。
その前を、昨夕、街に戻ったはずのドルマがしゃなりと通り過ぎ、ペーター少尉の傍、ユモと雪風のすぐ隣に来て、挨拶する。
「おはようございます、ペーター様」
「おはようございます、ドルマ嬢。ずいぶんとお早いお見えですが、何か?」
ドルマは、すぐ側でマグカップを口元に当てて様子をうかがう異国の少女二人にちらりと視線を投げてから、ペーター少尉の質問に答える。
「はい。他でもありません、このお二人の処遇につきまして、ナルブ様より言伝を承っておりまして、それを一刻も早くお伝えにと」
「それで、こんな早朝にわざわざ?それは大変申し訳ありません……時に、それでは朝食は済まされましたか?」
「いえ、何分、日の出前に出立いたしましたので」
「それは重ね重ね申し訳ない、よろしければ何か用意させましょう、大したものは用意出来ませんが……」
ペーター少尉は、入り口で不動のままの二等兵隊員に視線で促す。二等兵隊員は、踵を鳴らして答えると、即座に踵を返す。
「とにかく、お掛け下さい」
ペーター少尉は、続けてドルマに椅子を勧める。一礼して、ユモの隣の折り畳みチェアに座ったドルマに、ペーター少尉は重ねて尋ねる。
「それで、ナルブ閣下は何と?」
「はい。ナルブ様は、お二人を御自分で見聞されるおつもりで、昼食の席をご用意下さるとの事です。なので、ペーター様におかれましては、是非とも、お二人を連れて屋敷までいらしていただきたく、お待ちすると……ああ、すみません」
「なんとそれは……フムン」
下士官兵の隊員に配膳の最中であったからだろう、即座に軍用ライ麦パンと肉野菜スープが運ばれて来た。礼を言ってそれを受け取ったドルマに、ちょっと考え込んでからペーター少尉は返事する。
「昼食となると、あまり出立までに時間の余裕はありませんね。そう言う事なので、大変申し訳ありませんが、ユモ・タンク嬢、ユキ・タキ嬢、ご準備いただきたくお願いします」
「え?あ、はい」
「参考までに」
咄嗟に雪風は返事して腰を上げ、しかし、ユモはマグカップをテーブルに置いてから、聞く。
「ここからその街だか屋敷だかまで、どれくらいかかります?」
「兵の足で四、五時間、というところです。お二人は、足に自信は?」
ユモと雪風は、顔を見合わせる。
「あたしは大丈夫だけど、あんた、行ける?」
「否も応もないでしょ。歩くわよ、これでも少しは鍛えられえたんだから」
フンスと鼻息荒く、ユモも席を立つ。
「それから、ペーター様、彼女たちと接触した少年からも、ナルブ様は話を聞きたいとの事ですので」
「ああ、それはそうでしょう……君」
ユモと雪風から視線をペーター少尉に戻したドルマに言われて、ペーター少尉は同意の頷きを返し、空になったペーター少尉とユモ&雪風の食器その他を片付けていた二等兵隊員に命ずる。
「例の少年の様子を見てきて下さい。食事が済んでいるようでしたら、話をします」
「思ったんだけどさ」
出かける準備、といっても大した用意があるわけではないが、とにかく整えながら、雪風がユモに話しかける。
「兵隊さんの足でここから四時間って、したらさ、あのドルマって女の人、一体何時に街を出たのかしらね?」
「明け方どころの騒ぎじゃないわよね。確か、日の出前って言ってたけど、相当前よね」
徒歩での移動に備えて、長い髪をざっくりした三つ編みにしながら、ユモが答える。
「軍隊の徒歩移動は十五分の小休止を含んで一時間に4キロメートルが一般らしいですから、ここから目的地までざっくり20キロメートルというところでしょうか」
「まー、頑丈な女だわよね」
これまでに得た知識から暗算して答えたニーマントに、ユモが皮肉を返す。
ペーター少尉によれば、気候と高度と、何よりも西洋文明と現地住民との接触を嫌う中央政府及び宗教者の要請により、移動機械の持ち込みは厳しく制限されており、少なくともこの調査小隊では徒歩以外の移動手段はないのだという。
なお、武装親衛隊と違って一般親衛隊は『軍隊あるいは軍組織』ではなく、あくまで軍組織の階級だけを真似た『政党の下部組織』である事は、ユモも雪風もニーマントもイマイチよくわかっていない。
「高地トレーニングとかあるけど、まあ、好きでやるこっちゃないわよね……」
こちらも、前髪を含めた髪をハーフアップにまとめ、ありあわせの紐で縛って移動に備えている雪風が、呟く。
「……銃は、置いてけってか……」
「まあ、当たり前よね。地方の役人に会うのに完全武装ってのもないでしょ?それに」
名残惜しそうに呟いた雪風に、編んだ髪の上からコートを着直したユモが答える、意味ありげに片方の口角を上げながら。
「あんた、銃なんて要らないでしょ?」
「ま、そうなんだけどさ。ここんとこずっと銃吊してるからさ。なんか、丸腰ってのも落ち着かなくてさ」
「どんだけ戦闘民族よ、あんたは……準備いいわよ、あたしは」
「あたしも。じゃ、行こうか?」
弾を抜いたシリンダーをスイングアウトしたM1917と、チャンバークリアしてマガジンも抜いたM1911を畳んだ毛布の上に置き、その横にボルトを引いたGew.71を寝かせた雪風が立ち上がって答える。
ユモが先に立ち、テントの入り口を勢いよく開いて表に出る。今日の任務に向けて用意をしていた調査小隊の面々が、テントから出てきた少女二人に好奇の、あるいは奇異の目を向ける。だが、これまでの複数回の『時空跳躍』でそういう視線になれてしまっているユモと雪風は、今更まったく意に介さず、ずかずかと歩いてペーター少尉のテントの入り口の前に立ち、立哨の二等兵隊員に告げる。
「少尉さんに取り次いでくれる?あたし達は準備出来ました、って」
テントの中では、ちょうど、机の前に座らされた少年、ケシュカルに、ペーター少尉が片言のチベット語で、上手く伝わらない部分はドルマが補足して、現状とこれからの予定を説明し終えたところだった。
「ああ、丁度よかった」
明らかにほっとした様子で、母国語で、ペーター少尉は言う。
「荷物は特に必要ありません、銃は……外されてますね、賢明です、それをお願いしようと思っておりました」
「ですよねー。ユモ、あんたの銃剣も、まずいんじゃない?」
「え~?これ、武器じゃないのよ?……少尉さん、ダメ?かしら?」
ユモの銃剣は、刃はついていないし、磨き上げた刀身は銀メッキされ、鎬にはオリジナルにはない象嵌が施され、要するに魔法をかける際の道具に特化している。そうでなくても、一般に二次大戦までの銃剣は先端は鋭いがそこ以外は刃付けはされていないか、あっても長大な刀身の先端付近だけのことが多い。
「仮にも地方行政機関に取り調べを受けに行くのですから、私の立場からは置いて行っていただきたいとお願いします。もちろん、往復の安全確保として、武装した隊員が同行します」
そう言われてしまっては、ユモにも強く反対する理由が無くなる。仮に銃剣が無くても魔法をかけること自体は可能だし、そもそも、これから行く先で魔法を使う機会があるとは思えないし、むしろ機会があっては困るだろう。
「……仕方ないわね。じゃあ、ちゃんと保管しておいてよね」
不承不承、ユモはワンピースの腰に巻いていた軍用ベルトごと、鞘に入った銃剣と弾薬盒に入った水晶粉、聖水、聖灰を外し、ペーター少尉の机の上に置く。無造作に置いたように見えて、その実、恒久的な呪いがかかっているので、ユモか、ユモの許可を得ている者――この状況では雪風だけ――以外には銃剣を抜く事も弾薬盒を開けることも出来ないはずである。
「もちろん、私と部隊の名誉にかけて。では、善は急げです。出発いたしましょう」
人数分用意された雑嚢を示しながら、ペーター少尉は朗らかに言った。
昨日同様に朝食もペーター少尉と共に摂ったユモと雪風は、ペーター少尉の誘いもあって――ペーター少尉としては、常に目の届くところに二人を置いておきたい事もあって――調査任務に同行する、つもりであった。
「少尉殿!」
食後のコーヒーを当番兵が持って来たところで、別の隊員がテントの入口で声を上げた。
「入りたまえ」
「は。失礼します。ドルマ嬢をお連れしました」
兵――一般親衛隊二等兵隊員――は、緊張気味にテントの入口を開き、背中で帆布をおさえたまま直立不動になる。
その前を、昨夕、街に戻ったはずのドルマがしゃなりと通り過ぎ、ペーター少尉の傍、ユモと雪風のすぐ隣に来て、挨拶する。
「おはようございます、ペーター様」
「おはようございます、ドルマ嬢。ずいぶんとお早いお見えですが、何か?」
ドルマは、すぐ側でマグカップを口元に当てて様子をうかがう異国の少女二人にちらりと視線を投げてから、ペーター少尉の質問に答える。
「はい。他でもありません、このお二人の処遇につきまして、ナルブ様より言伝を承っておりまして、それを一刻も早くお伝えにと」
「それで、こんな早朝にわざわざ?それは大変申し訳ありません……時に、それでは朝食は済まされましたか?」
「いえ、何分、日の出前に出立いたしましたので」
「それは重ね重ね申し訳ない、よろしければ何か用意させましょう、大したものは用意出来ませんが……」
ペーター少尉は、入り口で不動のままの二等兵隊員に視線で促す。二等兵隊員は、踵を鳴らして答えると、即座に踵を返す。
「とにかく、お掛け下さい」
ペーター少尉は、続けてドルマに椅子を勧める。一礼して、ユモの隣の折り畳みチェアに座ったドルマに、ペーター少尉は重ねて尋ねる。
「それで、ナルブ閣下は何と?」
「はい。ナルブ様は、お二人を御自分で見聞されるおつもりで、昼食の席をご用意下さるとの事です。なので、ペーター様におかれましては、是非とも、お二人を連れて屋敷までいらしていただきたく、お待ちすると……ああ、すみません」
「なんとそれは……フムン」
下士官兵の隊員に配膳の最中であったからだろう、即座に軍用ライ麦パンと肉野菜スープが運ばれて来た。礼を言ってそれを受け取ったドルマに、ちょっと考え込んでからペーター少尉は返事する。
「昼食となると、あまり出立までに時間の余裕はありませんね。そう言う事なので、大変申し訳ありませんが、ユモ・タンク嬢、ユキ・タキ嬢、ご準備いただきたくお願いします」
「え?あ、はい」
「参考までに」
咄嗟に雪風は返事して腰を上げ、しかし、ユモはマグカップをテーブルに置いてから、聞く。
「ここからその街だか屋敷だかまで、どれくらいかかります?」
「兵の足で四、五時間、というところです。お二人は、足に自信は?」
ユモと雪風は、顔を見合わせる。
「あたしは大丈夫だけど、あんた、行ける?」
「否も応もないでしょ。歩くわよ、これでも少しは鍛えられえたんだから」
フンスと鼻息荒く、ユモも席を立つ。
「それから、ペーター様、彼女たちと接触した少年からも、ナルブ様は話を聞きたいとの事ですので」
「ああ、それはそうでしょう……君」
ユモと雪風から視線をペーター少尉に戻したドルマに言われて、ペーター少尉は同意の頷きを返し、空になったペーター少尉とユモ&雪風の食器その他を片付けていた二等兵隊員に命ずる。
「例の少年の様子を見てきて下さい。食事が済んでいるようでしたら、話をします」
「思ったんだけどさ」
出かける準備、といっても大した用意があるわけではないが、とにかく整えながら、雪風がユモに話しかける。
「兵隊さんの足でここから四時間って、したらさ、あのドルマって女の人、一体何時に街を出たのかしらね?」
「明け方どころの騒ぎじゃないわよね。確か、日の出前って言ってたけど、相当前よね」
徒歩での移動に備えて、長い髪をざっくりした三つ編みにしながら、ユモが答える。
「軍隊の徒歩移動は十五分の小休止を含んで一時間に4キロメートルが一般らしいですから、ここから目的地までざっくり20キロメートルというところでしょうか」
「まー、頑丈な女だわよね」
これまでに得た知識から暗算して答えたニーマントに、ユモが皮肉を返す。
ペーター少尉によれば、気候と高度と、何よりも西洋文明と現地住民との接触を嫌う中央政府及び宗教者の要請により、移動機械の持ち込みは厳しく制限されており、少なくともこの調査小隊では徒歩以外の移動手段はないのだという。
なお、武装親衛隊と違って一般親衛隊は『軍隊あるいは軍組織』ではなく、あくまで軍組織の階級だけを真似た『政党の下部組織』である事は、ユモも雪風もニーマントもイマイチよくわかっていない。
「高地トレーニングとかあるけど、まあ、好きでやるこっちゃないわよね……」
こちらも、前髪を含めた髪をハーフアップにまとめ、ありあわせの紐で縛って移動に備えている雪風が、呟く。
「……銃は、置いてけってか……」
「まあ、当たり前よね。地方の役人に会うのに完全武装ってのもないでしょ?それに」
名残惜しそうに呟いた雪風に、編んだ髪の上からコートを着直したユモが答える、意味ありげに片方の口角を上げながら。
「あんた、銃なんて要らないでしょ?」
「ま、そうなんだけどさ。ここんとこずっと銃吊してるからさ。なんか、丸腰ってのも落ち着かなくてさ」
「どんだけ戦闘民族よ、あんたは……準備いいわよ、あたしは」
「あたしも。じゃ、行こうか?」
弾を抜いたシリンダーをスイングアウトしたM1917と、チャンバークリアしてマガジンも抜いたM1911を畳んだ毛布の上に置き、その横にボルトを引いたGew.71を寝かせた雪風が立ち上がって答える。
ユモが先に立ち、テントの入り口を勢いよく開いて表に出る。今日の任務に向けて用意をしていた調査小隊の面々が、テントから出てきた少女二人に好奇の、あるいは奇異の目を向ける。だが、これまでの複数回の『時空跳躍』でそういう視線になれてしまっているユモと雪風は、今更まったく意に介さず、ずかずかと歩いてペーター少尉のテントの入り口の前に立ち、立哨の二等兵隊員に告げる。
「少尉さんに取り次いでくれる?あたし達は準備出来ました、って」
テントの中では、ちょうど、机の前に座らされた少年、ケシュカルに、ペーター少尉が片言のチベット語で、上手く伝わらない部分はドルマが補足して、現状とこれからの予定を説明し終えたところだった。
「ああ、丁度よかった」
明らかにほっとした様子で、母国語で、ペーター少尉は言う。
「荷物は特に必要ありません、銃は……外されてますね、賢明です、それをお願いしようと思っておりました」
「ですよねー。ユモ、あんたの銃剣も、まずいんじゃない?」
「え~?これ、武器じゃないのよ?……少尉さん、ダメ?かしら?」
ユモの銃剣は、刃はついていないし、磨き上げた刀身は銀メッキされ、鎬にはオリジナルにはない象嵌が施され、要するに魔法をかける際の道具に特化している。そうでなくても、一般に二次大戦までの銃剣は先端は鋭いがそこ以外は刃付けはされていないか、あっても長大な刀身の先端付近だけのことが多い。
「仮にも地方行政機関に取り調べを受けに行くのですから、私の立場からは置いて行っていただきたいとお願いします。もちろん、往復の安全確保として、武装した隊員が同行します」
そう言われてしまっては、ユモにも強く反対する理由が無くなる。仮に銃剣が無くても魔法をかけること自体は可能だし、そもそも、これから行く先で魔法を使う機会があるとは思えないし、むしろ機会があっては困るだろう。
「……仕方ないわね。じゃあ、ちゃんと保管しておいてよね」
不承不承、ユモはワンピースの腰に巻いていた軍用ベルトごと、鞘に入った銃剣と弾薬盒に入った水晶粉、聖水、聖灰を外し、ペーター少尉の机の上に置く。無造作に置いたように見えて、その実、恒久的な呪いがかかっているので、ユモか、ユモの許可を得ている者――この状況では雪風だけ――以外には銃剣を抜く事も弾薬盒を開けることも出来ないはずである。
「もちろん、私と部隊の名誉にかけて。では、善は急げです。出発いたしましょう」
人数分用意された雑嚢を示しながら、ペーター少尉は朗らかに言った。
0
お気に入りに追加
2
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった
なるとし
ファンタジー
鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。
特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。
武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。
だけど、その母と娘二人は、
とおおおおんでもないヤンデレだった……
第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。
元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
私のお父様とパパ様
棗
ファンタジー
非常に過保護で愛情深い二人の父親から愛される娘メアリー。
婚約者の皇太子と毎月あるお茶会で顔を合わせるも、彼の隣には幼馴染の女性がいて。
大好きなお父様とパパ様がいれば、皇太子との婚約は白紙になっても何も問題はない。
※箱入り娘な主人公と娘溺愛過保護な父親コンビのとある日のお話。
追記(2021/10/7)
お茶会の後を追加します。
更に追記(2022/3/9)
連載として再開します。
美幼女に転生したら地獄のような逆ハーレム状態になりました
市森 唯
恋愛
極々普通の学生だった私は……目が覚めたら美幼女になっていました。
私は侯爵令嬢らしく多分異世界転生してるし、そして何故か婚約者が2人?!
しかも婚約者達との関係も最悪で……
まぁ転生しちゃったのでなんとか上手く生きていけるよう頑張ります!
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
龍王の番〜双子の運命の分かれ道・人生が狂った者たちの結末〜
クラゲ散歩
ファンタジー
ある小さな村に、双子の女の子が生まれた。
生まれて間もない時に、いきなり家に誰かが入ってきた。高貴なオーラを身にまとった、龍国の王ザナが側近二人を連れ現れた。
母親の横で、お湯に入りスヤスヤと眠っている子に「この娘は、私の○○の番だ。名をアリサと名付けよ。
そして18歳になったら、私の妻として迎えよう。それまでは、不自由のないようにこちらで準備をする。」と言い残し去って行った。
それから〜18年後
約束通り。贈られてきた豪華な花嫁衣装に身を包み。
アリサと両親は、龍の背中に乗りこみ。
いざ〜龍国へ出発した。
あれれ?アリサと両親だけだと数が合わないよね??
確か双子だったよね?
もう一人の女の子は〜どうしたのよ〜!
物語に登場する人物達の視点です。
私を幽閉した王子がこちらを気にしているのはなぜですか?
水谷繭
恋愛
婚約者である王太子リュシアンから日々疎まれながら過ごしてきたジスレーヌ。ある日のお茶会で、リュシアンが何者かに毒を盛られ倒れてしまう。
日ごろからジスレーヌをよく思っていなかった令嬢たちは、揃ってジスレーヌが毒を入れるところを見たと証言。令嬢たちの嘘を信じたリュシアンは、ジスレーヌを「裁きの家」というお屋敷に幽閉するよう指示する。
そこは二十年前に魔女と呼ばれた女が幽閉されて死んだ、いわくつきの屋敷だった。何とか幽閉期間を耐えようと怯えながら過ごすジスレーヌ。
一方、ジスレーヌを閉じ込めた張本人の王子はジスレーヌを気にしているようで……。
◇小説家になろうにも掲載中です!
◆表紙はGilry Drop様からお借りした画像を加工して使用しています
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる