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第七章:決戦は土曜0時
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目が覚めたとき、玲子は、自分がどこにいて、何をしているのか、瞬時には把握出来なかった。ただ、目を開けたとき、自分の目をのぞき込む心配そうな栗色の瞳が、安堵したように緩むのには気が付いた。
「私……ここは……」
「……大丈夫そうね、うん」
そう言って、鰍は玲子の顔をのぞき込んでいた上体を起こす。
「ばーちゃん、そっちは?」
「五月ちゃんも起きたみたい。どう?あたしがわかる?」
「……円さん……私……」
棺を挟んで反対側に横になっていた五月が、体を起こす。それを、ぼーっと見ていた玲子は、はっとして上体を起こし、回りを見回す。
「柾木様は!」
その声が聞こえたのか、玲子の横に寝ていた柾木が薄目を開けた。
「みんな、大丈夫そうね」
円が、一同を見回して言う。隣の事務所跡に比べると、狭く、薄暗く、土とカビの匂いのこもった、四畳半もなさそうな部屋。
「……おかえり」
微笑んで、円は一同をねぎらう。
「終わったの?」
「どうだった?」
狭い部屋に入りきれず、ドアの外で待機していた巴と馨が顔を出し、聞く。
「ケリはつけてきた、はずよ。玲子さんのおかげで、ね」
鰍が、玲子を振り向き、姉二人に答える。
「私は……」
「お手柄よ」
円が、褒める。
「いえ……柾木様、柾木様に手伝っていただいたおかげです」
「いや、俺は何も……そうだ」
何かを思い出したのか、柾木は立ち上がり、棺に手を置く。
部屋の中央に置かれた、棺。誰も確認はしていない、蓋も開けてはいないが、莉莉が入っているはずの、棺。皆は今、莉莉がずっと見ていただろう夢から戻ってきた。
それは、分類するならば悪夢の類いだったのだろう。だが、柾木に続いて立ち上がり、棺を見下ろしながら、五月は思う。
莉莉にとっては、多分、悪夢ではなかった。それが、自分は不幸ではないと思い込むための自己暗示だったとしても、それが、男にすがる弱さであったとしても、自分が誰かを愛した、その絶頂の瞬間を、ずっとずっと、何度も何度も、何年も何年も繰り返し見て、感じていたのだろうと。
それは、もしかしたら、幸せな事だったのかも知れない。自分は、もしかしたら、余計な事をしたのかも知れない。五月には分からない。もしかしたら、自分も同じように男にすがってしまうかも知れない。だから、正解がわからない。
だが、同時に五月は思う。それなら、こっち側に居続けなくても良いんじゃないだろうか。崩壊してゆく骸にしがみつかず、あっち側で安らかに待っていても良いんじゃないだろうか、と。
五月の心の中に、莉莉はもう、居ない。だが、五月は、莉莉が残した何かが、自分の心の中に溶け込んでいることを感じてもいた。
柾木は、茉茉を片手に抱いたまま、棺の蓋に手をかけた。
「柾木様、何を……」
玲子の問に答える代わりに、柾木はちらりと玲子を見る。玲子は、その柾木の目を見て、柾木が何をしようとしているのかを悟り、自分も棺の蓋に手をかける。
だが、鍵でもかかっているのか、それとも釘でも使って打ち付けてあるのか、棺の蓋は頑として動こうとしない。
その様子を一歩引いて見ていた円が、巴を呼ぶ。
「巴、手伝ってあげて」
「ん」
円と入れ替わって狭い部屋に入った巴は、左手から木刀を抜き出すと、
「ちょっと、手を離しててね」
柾木と玲子に注意を与えた上で、木刀を棺の蓋の縁に当てる。
「……ふっ!」
気合いと共に、鈍色の念が蓋の縁を奔る。
「……」
おそるおそる、柾木は棺の蓋に手をかけ直し、巴の顔を振り仰ぐ。玲子には鮮やかに念が奔るのが見えていたが、柾木には見えていなかったらしい。
巴が軽く微笑んで頷いたのを見て、柾木は棺にかけた手に改めて力を入れる。ごそり、蓋がわずかに動く。それを見て、玲子と、五月も駆け寄り、鰍も手伝って、
「……せえの!」
柾木のかけ声で蓋を持ち上げる。
そのまま蓋が転げ落ちないように気をつけながら、蓋を狭い部屋の壁に立てかける。部屋に、強いカビの匂いが立ちこめる。そして、一同は、初めて、棺の中を、見た。
棺の中の、もはや形も定かでなくなりつつある、人の骸を。
カビと土の匂いこそすれ、腐敗臭などはなく、ただ、そこには元は人であっただろう、服の残骸を纏った、土に帰りつつある骨があった。
言葉は、誰からも出なかった。
どれくらいそうしていたか。柾木は、居住まいを直すと、左手で抱いていた茉茉を、その骸、胸郭にあるはずの骨が見当たらず、ただ空洞になっているその胸に、静かに、優しく、置いた。
「……さあ、本当のお母さんに抱っこしてもらえ……」
柾木は、小さく呟く。
五月は、自分が羽織っていたボロ切れを、莉莉の外套だと言われたそれを、茉茉の上にかけてやる。
茉茉の分膨らんでいたその外套が、ややあって、ぼそり、平らになる。それを追うように、ぼそり。わずかに人の形の面影を残していた朽ちかけた骨が、崩れて土に還った。
「上手くいったんですかね?」
蒲田が、事務所跡から奥の小部屋の方を見ながら、誰に聞くともなく、聞いた。
小部屋の中には、莉莉が入っているという棺。その棺を真ん中に、川の字になって奥に五月が、手前に玲子と柾木が横になり、その足下に円と鰍が膝を抱えるように、さっきまで座っていた。ほんの少し前、急に円と鰍が立ち上がり、それぞれ五月と玲子の様子をうかがい始めたと思ったら、彼女たちもゆっくりと起き出した。つまり、還ってきたということだと蒲田は判断した。
「上手くいったみたいですよ」
その様子を蒲田や境と一緒に、足下に転げる張果を見張る傍らで見ていた信仁が言う。円と鰍に慌てる様子がないから、問題ないと判断しているらしい。
「なら、よかった、って事だな」
酒井も、緊張を解く。夢の中に入る、そう言われても、酒井には何が何だかさっぱり分からない。円達と行動を共にする信仁は慣れているらしいから、心配はいらないのだろうが、様子が分からないというのはそれだけで不安になる。
「あ……出てきた」
そうこうしているうちに、円が、巴と入れ替わるようにして出てくる。
「上手くいきました?」
信仁が、さっそく声をかける。
円は、ゆっくり頷くと、張果を見下ろして、
「思った以上にね……こいつの素性も少しは知れたわ。昭和三年の六月、奉天。わかる?」
男達に向かって、質問する。
「いや俺、歴史弱いんだよな……関東軍がブイブイ言わしてた頃っすよね?」
「……満州某重大事件……」
言い訳っぽく言った信仁に被せるように、蒲田がぼそりと言う。ぴくり、円の眉が動く。
「いえ、今だと張作霖爆殺事件ですか、はい」
「ああ……」
蒲田に言われて、近代日本史を思いだしたらしい信仁と酒井の簡単が重なる。
「古い事、よく知ってるわね?それよ、こいつ、その前後にその辺に居たみたい」
「どうしてそんな事分かるんです?」
蒲田が、聞く。
「だって、あたしもその頃そこに居たもの」
その当時、日本人離れした容姿と堪能な語学を武器に、円は在京の新聞社の現地特派員として満州に居たのだという。そして、色々取材を続けるうちに、ごく自然に関東軍の不穏な動きに気付いた、と円は語った。
「その時に遼東半島で見た風景と、夢の中の光景が一致するのよ。びっくりだわ、こいつ、関東軍の悪巧みに一枚噛んでやがったみたい」
「……一体、何があったんです?あ、でも、こいつ、中国人ですよ?」
事情が飲み込めず、酒井が円に質問する。。
「当時あそこら辺は奉天軍閥だけど、関東軍とも接触はあったのよ。まあ、あたしも面白がってその辺嗅ぎ回っててエラい目にあったけどね……」
酒井は、以前、鰍が「ばーちゃん大陸で戦前に陸軍とやりあった」と言っていたことを思い出す。
「……じゃあ、円さんが陸軍とやりあったって……」
にまっと笑って、円は告白する。
「そおよお。ちょっと裏事情つついたら本気で怒って追っかけられて。まー逃げた逃げた、マジで欧州まで逃げたわよ。まあ、大東亜戦争始まったらそれどこじゃなくなって追っかけてこなくなったけど」
「うわぁ……」
「ま、その辺は後でじっくり聞き出しましょ、警察で確保するんでしょ?」
「はい、本庁の八課に当面はガラ預かってもらいます、はい」
「よし、じゃあそっちはよろしくね……終わった?」
円は、鰍と巴が小部屋から出てきたのを見て、声をかける。
「莉莉と茉茉は逝ったわ、逝ったと思う」
「そう……じゃあ、これで本当に終りね」
鰍の答えに満足したのか、円は事務机に腰を預け、ため息を一つついた。
「……ケダモノが……何の権利で、儂の……儂のものを……」
その円の足下から、地の底から響くような怨嗟の声がした。
「私……ここは……」
「……大丈夫そうね、うん」
そう言って、鰍は玲子の顔をのぞき込んでいた上体を起こす。
「ばーちゃん、そっちは?」
「五月ちゃんも起きたみたい。どう?あたしがわかる?」
「……円さん……私……」
棺を挟んで反対側に横になっていた五月が、体を起こす。それを、ぼーっと見ていた玲子は、はっとして上体を起こし、回りを見回す。
「柾木様は!」
その声が聞こえたのか、玲子の横に寝ていた柾木が薄目を開けた。
「みんな、大丈夫そうね」
円が、一同を見回して言う。隣の事務所跡に比べると、狭く、薄暗く、土とカビの匂いのこもった、四畳半もなさそうな部屋。
「……おかえり」
微笑んで、円は一同をねぎらう。
「終わったの?」
「どうだった?」
狭い部屋に入りきれず、ドアの外で待機していた巴と馨が顔を出し、聞く。
「ケリはつけてきた、はずよ。玲子さんのおかげで、ね」
鰍が、玲子を振り向き、姉二人に答える。
「私は……」
「お手柄よ」
円が、褒める。
「いえ……柾木様、柾木様に手伝っていただいたおかげです」
「いや、俺は何も……そうだ」
何かを思い出したのか、柾木は立ち上がり、棺に手を置く。
部屋の中央に置かれた、棺。誰も確認はしていない、蓋も開けてはいないが、莉莉が入っているはずの、棺。皆は今、莉莉がずっと見ていただろう夢から戻ってきた。
それは、分類するならば悪夢の類いだったのだろう。だが、柾木に続いて立ち上がり、棺を見下ろしながら、五月は思う。
莉莉にとっては、多分、悪夢ではなかった。それが、自分は不幸ではないと思い込むための自己暗示だったとしても、それが、男にすがる弱さであったとしても、自分が誰かを愛した、その絶頂の瞬間を、ずっとずっと、何度も何度も、何年も何年も繰り返し見て、感じていたのだろうと。
それは、もしかしたら、幸せな事だったのかも知れない。自分は、もしかしたら、余計な事をしたのかも知れない。五月には分からない。もしかしたら、自分も同じように男にすがってしまうかも知れない。だから、正解がわからない。
だが、同時に五月は思う。それなら、こっち側に居続けなくても良いんじゃないだろうか。崩壊してゆく骸にしがみつかず、あっち側で安らかに待っていても良いんじゃないだろうか、と。
五月の心の中に、莉莉はもう、居ない。だが、五月は、莉莉が残した何かが、自分の心の中に溶け込んでいることを感じてもいた。
柾木は、茉茉を片手に抱いたまま、棺の蓋に手をかけた。
「柾木様、何を……」
玲子の問に答える代わりに、柾木はちらりと玲子を見る。玲子は、その柾木の目を見て、柾木が何をしようとしているのかを悟り、自分も棺の蓋に手をかける。
だが、鍵でもかかっているのか、それとも釘でも使って打ち付けてあるのか、棺の蓋は頑として動こうとしない。
その様子を一歩引いて見ていた円が、巴を呼ぶ。
「巴、手伝ってあげて」
「ん」
円と入れ替わって狭い部屋に入った巴は、左手から木刀を抜き出すと、
「ちょっと、手を離しててね」
柾木と玲子に注意を与えた上で、木刀を棺の蓋の縁に当てる。
「……ふっ!」
気合いと共に、鈍色の念が蓋の縁を奔る。
「……」
おそるおそる、柾木は棺の蓋に手をかけ直し、巴の顔を振り仰ぐ。玲子には鮮やかに念が奔るのが見えていたが、柾木には見えていなかったらしい。
巴が軽く微笑んで頷いたのを見て、柾木は棺にかけた手に改めて力を入れる。ごそり、蓋がわずかに動く。それを見て、玲子と、五月も駆け寄り、鰍も手伝って、
「……せえの!」
柾木のかけ声で蓋を持ち上げる。
そのまま蓋が転げ落ちないように気をつけながら、蓋を狭い部屋の壁に立てかける。部屋に、強いカビの匂いが立ちこめる。そして、一同は、初めて、棺の中を、見た。
棺の中の、もはや形も定かでなくなりつつある、人の骸を。
カビと土の匂いこそすれ、腐敗臭などはなく、ただ、そこには元は人であっただろう、服の残骸を纏った、土に帰りつつある骨があった。
言葉は、誰からも出なかった。
どれくらいそうしていたか。柾木は、居住まいを直すと、左手で抱いていた茉茉を、その骸、胸郭にあるはずの骨が見当たらず、ただ空洞になっているその胸に、静かに、優しく、置いた。
「……さあ、本当のお母さんに抱っこしてもらえ……」
柾木は、小さく呟く。
五月は、自分が羽織っていたボロ切れを、莉莉の外套だと言われたそれを、茉茉の上にかけてやる。
茉茉の分膨らんでいたその外套が、ややあって、ぼそり、平らになる。それを追うように、ぼそり。わずかに人の形の面影を残していた朽ちかけた骨が、崩れて土に還った。
「上手くいったんですかね?」
蒲田が、事務所跡から奥の小部屋の方を見ながら、誰に聞くともなく、聞いた。
小部屋の中には、莉莉が入っているという棺。その棺を真ん中に、川の字になって奥に五月が、手前に玲子と柾木が横になり、その足下に円と鰍が膝を抱えるように、さっきまで座っていた。ほんの少し前、急に円と鰍が立ち上がり、それぞれ五月と玲子の様子をうかがい始めたと思ったら、彼女たちもゆっくりと起き出した。つまり、還ってきたということだと蒲田は判断した。
「上手くいったみたいですよ」
その様子を蒲田や境と一緒に、足下に転げる張果を見張る傍らで見ていた信仁が言う。円と鰍に慌てる様子がないから、問題ないと判断しているらしい。
「なら、よかった、って事だな」
酒井も、緊張を解く。夢の中に入る、そう言われても、酒井には何が何だかさっぱり分からない。円達と行動を共にする信仁は慣れているらしいから、心配はいらないのだろうが、様子が分からないというのはそれだけで不安になる。
「あ……出てきた」
そうこうしているうちに、円が、巴と入れ替わるようにして出てくる。
「上手くいきました?」
信仁が、さっそく声をかける。
円は、ゆっくり頷くと、張果を見下ろして、
「思った以上にね……こいつの素性も少しは知れたわ。昭和三年の六月、奉天。わかる?」
男達に向かって、質問する。
「いや俺、歴史弱いんだよな……関東軍がブイブイ言わしてた頃っすよね?」
「……満州某重大事件……」
言い訳っぽく言った信仁に被せるように、蒲田がぼそりと言う。ぴくり、円の眉が動く。
「いえ、今だと張作霖爆殺事件ですか、はい」
「ああ……」
蒲田に言われて、近代日本史を思いだしたらしい信仁と酒井の簡単が重なる。
「古い事、よく知ってるわね?それよ、こいつ、その前後にその辺に居たみたい」
「どうしてそんな事分かるんです?」
蒲田が、聞く。
「だって、あたしもその頃そこに居たもの」
その当時、日本人離れした容姿と堪能な語学を武器に、円は在京の新聞社の現地特派員として満州に居たのだという。そして、色々取材を続けるうちに、ごく自然に関東軍の不穏な動きに気付いた、と円は語った。
「その時に遼東半島で見た風景と、夢の中の光景が一致するのよ。びっくりだわ、こいつ、関東軍の悪巧みに一枚噛んでやがったみたい」
「……一体、何があったんです?あ、でも、こいつ、中国人ですよ?」
事情が飲み込めず、酒井が円に質問する。。
「当時あそこら辺は奉天軍閥だけど、関東軍とも接触はあったのよ。まあ、あたしも面白がってその辺嗅ぎ回っててエラい目にあったけどね……」
酒井は、以前、鰍が「ばーちゃん大陸で戦前に陸軍とやりあった」と言っていたことを思い出す。
「……じゃあ、円さんが陸軍とやりあったって……」
にまっと笑って、円は告白する。
「そおよお。ちょっと裏事情つついたら本気で怒って追っかけられて。まー逃げた逃げた、マジで欧州まで逃げたわよ。まあ、大東亜戦争始まったらそれどこじゃなくなって追っかけてこなくなったけど」
「うわぁ……」
「ま、その辺は後でじっくり聞き出しましょ、警察で確保するんでしょ?」
「はい、本庁の八課に当面はガラ預かってもらいます、はい」
「よし、じゃあそっちはよろしくね……終わった?」
円は、鰍と巴が小部屋から出てきたのを見て、声をかける。
「莉莉と茉茉は逝ったわ、逝ったと思う」
「そう……じゃあ、これで本当に終りね」
鰍の答えに満足したのか、円は事務机に腰を預け、ため息を一つついた。
「……ケダモノが……何の権利で、儂の……儂のものを……」
その円の足下から、地の底から響くような怨嗟の声がした。
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