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第一章
第25話 ニルス・レゼレクス
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「ほら、コレ」
キリュウ家を訪れた俺はすぐさま応接室に通される。そこにはマリナ、そしてヒューバートとチドリの姿があった。
「……醜悪な」
「……もう少し何とかならなかったのか? コレを国王に献上するのは俺たちなんだぞ?」
「殺し方に難癖付けるな。どの道得られるのは死体だけだ」
「そうだけどよぉ……」
「いいわ、ありがとうアイル。今日はもう帰っていいわよ?」
他の人間を庇いたてるようにマリナは一歩前へ出る。しかしこれだけは言わなければと、俺はチドリに詰め寄る。
「……アイル」
「お前、勇者を見つけ出すとか言っといてコレか。見つけ出すだの豪語しておいて、星光を見つけ出すのは難易度が高いとか、そんな言い訳は通用しねぇからな」
「……それに関しては、すまなかった。私の――――ッ!?」
「次こんなミスをしてみろ。そこの肉袋みたいな姿に変えてやるよ」
僅かばかりに死の影を覗かせ、完全に脅しをかける。チドリの顔面は蒼白になり、息が荒くなり、視線も定まらない。
「アイル、ありがとう。ごめんなさい、貴方が村にいればこんなことには」
「いいさ、今日は帰る。用事があれば呼んでくれ」
残された僅かな気まずさを振り払い、俺はそのままキリュウ邸を後にする。
――――
「こちらが指名手配を受けた、かの勇者に御座います」
王城の謁見の間、マリナとヒューバートは跪き、件の勇者の亡骸を献上する。
「うむ……確かに、良くやってくれた。マリナ嬢に銀狼会の会長殿。して、早速報酬の件に関してじゃが……」
アステリオ王国国王、オスカーは悠々自適に王座に構え、話を急く。これは国王元々の本質である、働いた者には対価を迅速に、無駄を極力省いた合理的な王としてアステリオを統治してきた男。
「はっ! 港町、セラウスハイムまで続く三番街道、そちらを所望致します」
「ふむ……あい分かった。後は大臣と話しを詰めよ。以上だ、引いてよいぞ」
あっけない程話しは終わり、退室を促される。先頭を大臣が歩き、二人はそのまま謁見の間を後にする。
大臣の執務室、部屋の前に一人の男が壁に背を預け立っていた。
史上最強の星光体、『明星』の星を掲げる者、アステリオ王国軍大将、ニルス・レゼレクスその人だ。
金髪に碧色の瞳。全てを貫き通さんとする双眸がマリナを射抜く。
「レゼレクス大将、如何された?」
「キリュウ嬢と話しがある、先に入っていろ」
大臣とヒューバートは顔を見合わせるが、かの英雄がそうしろというのだ。二人は先に執務室へと入っていく。
「如何されましたか、王の光剣様。私めに何か?」
「猫被りはよせ、どうせオレ達しかおらんさ。チドリ、周囲を監視していろ」
「はっ」
どこからともなくチドリの声が響くが、いつものことだとマリナは一蹴する。
「ふふ、アイルにも言われたわ、猫を被るなって。やっぱり似ているわね、貴方達」
満更でもない様に強面は鼻を鳴らす。
「業腹だな、相も変わらず」
「何がかしら?」
「先の件だ。勇者の討伐、他の代役を立てる訳でも無く、誰が殺したのか、そこを明白にしていないだろう?」
話は簡単だ、最強ですら殺し切れなかった勇者を一体誰が殺したのか。国王は問いはしなかったがあの場の誰もがそう思ったに違いない。
「ハリベルを立てればよかっただろう?」
「お姉さまでは届かない、召喚の儀の日、貴方と勇者の戦闘を見た人なら誰だってそう思うわよ」
「そんなもの――――今まで積み重ねた技術と、ほんの僅かに気張るだけで乗り越えられただろうに」
気合さえ入れればハリベルでも勝てた。簡単な話しだろうと英雄は疑う事無く口にする。
「……呆れた。口を開けばそればかりね、そんな天井知らずの根性論を実践できるのは貴方だけよ?」
ハリベルは間違い無く実力者だ。しかし勇者とはどう足掻いても能力の相性が付き纏う。触れた端から消滅させられる灰の光に対し何の対抗手段も無いハリベルは、しかし善戦はするだろう。
「善戦することならば出来るだろう、持久戦に持ち込んで隙を見出せれば勝機などいくらでもあろう」
「……堂々巡りね、一体何の用事で話しかけたのかしら?」
気を取り直すように、ニルスはマリナに向き直る。
「アイルを……あまり酷使してやるな」
「……それだけ?」
「ああ」
かの英雄が人目を忍ばず呼び止めたかと思えばこれだ。あまりにも実直に言葉を発したニルスに、マリナは思わず笑みが零れる。
「ふふ、まったく貴方って人は……」
「何故笑う、可笑しな事を言ったか、オレは?」
「いいのよ、ただ安心しただけだから」
何事も無かったかのように続きを語るニルス。
「奴に注目が集まれば、アイルの日常は崩壊する。――――オレはそれを望まない」
「今回の件は仕方が無いでしょう? 他の人ではアレに勝てないのだから。それとも、誰か別の方を紹介してくれるのかしら?」
「他の者などいない、今回に関しては仕方が無い、ああまさしくその通りだ。他の星光体の育成にも手を回さねばならん、七星に関しても更なる研鑽を積まさねばならんだろう。そうすれば、アイルは必要なくなる」
アイルという神話への逆襲者を眠らせる為には全ての星光体が集い、力を高め合わねばならないと、ニルスは本気で語って見せる。
「ええ、そうね。そうなれば一番良いのかもしれないわね」
例えそれが不可能な夢だと知りながら、マリナはそれを肯定する。
「話は以上だ、時間を取らせた。ああ、それと――――」
去り際に放たれたニルスの頼み事。それを快く了承し、マリナは執務室へと入室する。
――――
「ニルス様……不躾で申し訳ありませんが……アイルという男とはどういう関係で? 彼は何者なのですか?」
通路を歩くニルスに陰から問いかけるチドリ。
「ただの同郷の友人だ。アイルが何者であるかはお前には関係無い、詮索は無用だ」
「了解……致しました」
渋々とチドリは引き下がる。
いずれ辿り着く通路の突き当り。その先の七星専用の会議室を目指してニルスは歩みを進める。
キリュウ家を訪れた俺はすぐさま応接室に通される。そこにはマリナ、そしてヒューバートとチドリの姿があった。
「……醜悪な」
「……もう少し何とかならなかったのか? コレを国王に献上するのは俺たちなんだぞ?」
「殺し方に難癖付けるな。どの道得られるのは死体だけだ」
「そうだけどよぉ……」
「いいわ、ありがとうアイル。今日はもう帰っていいわよ?」
他の人間を庇いたてるようにマリナは一歩前へ出る。しかしこれだけは言わなければと、俺はチドリに詰め寄る。
「……アイル」
「お前、勇者を見つけ出すとか言っといてコレか。見つけ出すだの豪語しておいて、星光を見つけ出すのは難易度が高いとか、そんな言い訳は通用しねぇからな」
「……それに関しては、すまなかった。私の――――ッ!?」
「次こんなミスをしてみろ。そこの肉袋みたいな姿に変えてやるよ」
僅かばかりに死の影を覗かせ、完全に脅しをかける。チドリの顔面は蒼白になり、息が荒くなり、視線も定まらない。
「アイル、ありがとう。ごめんなさい、貴方が村にいればこんなことには」
「いいさ、今日は帰る。用事があれば呼んでくれ」
残された僅かな気まずさを振り払い、俺はそのままキリュウ邸を後にする。
――――
「こちらが指名手配を受けた、かの勇者に御座います」
王城の謁見の間、マリナとヒューバートは跪き、件の勇者の亡骸を献上する。
「うむ……確かに、良くやってくれた。マリナ嬢に銀狼会の会長殿。して、早速報酬の件に関してじゃが……」
アステリオ王国国王、オスカーは悠々自適に王座に構え、話を急く。これは国王元々の本質である、働いた者には対価を迅速に、無駄を極力省いた合理的な王としてアステリオを統治してきた男。
「はっ! 港町、セラウスハイムまで続く三番街道、そちらを所望致します」
「ふむ……あい分かった。後は大臣と話しを詰めよ。以上だ、引いてよいぞ」
あっけない程話しは終わり、退室を促される。先頭を大臣が歩き、二人はそのまま謁見の間を後にする。
大臣の執務室、部屋の前に一人の男が壁に背を預け立っていた。
史上最強の星光体、『明星』の星を掲げる者、アステリオ王国軍大将、ニルス・レゼレクスその人だ。
金髪に碧色の瞳。全てを貫き通さんとする双眸がマリナを射抜く。
「レゼレクス大将、如何された?」
「キリュウ嬢と話しがある、先に入っていろ」
大臣とヒューバートは顔を見合わせるが、かの英雄がそうしろというのだ。二人は先に執務室へと入っていく。
「如何されましたか、王の光剣様。私めに何か?」
「猫被りはよせ、どうせオレ達しかおらんさ。チドリ、周囲を監視していろ」
「はっ」
どこからともなくチドリの声が響くが、いつものことだとマリナは一蹴する。
「ふふ、アイルにも言われたわ、猫を被るなって。やっぱり似ているわね、貴方達」
満更でもない様に強面は鼻を鳴らす。
「業腹だな、相も変わらず」
「何がかしら?」
「先の件だ。勇者の討伐、他の代役を立てる訳でも無く、誰が殺したのか、そこを明白にしていないだろう?」
話は簡単だ、最強ですら殺し切れなかった勇者を一体誰が殺したのか。国王は問いはしなかったがあの場の誰もがそう思ったに違いない。
「ハリベルを立てればよかっただろう?」
「お姉さまでは届かない、召喚の儀の日、貴方と勇者の戦闘を見た人なら誰だってそう思うわよ」
「そんなもの――――今まで積み重ねた技術と、ほんの僅かに気張るだけで乗り越えられただろうに」
気合さえ入れればハリベルでも勝てた。簡単な話しだろうと英雄は疑う事無く口にする。
「……呆れた。口を開けばそればかりね、そんな天井知らずの根性論を実践できるのは貴方だけよ?」
ハリベルは間違い無く実力者だ。しかし勇者とはどう足掻いても能力の相性が付き纏う。触れた端から消滅させられる灰の光に対し何の対抗手段も無いハリベルは、しかし善戦はするだろう。
「善戦することならば出来るだろう、持久戦に持ち込んで隙を見出せれば勝機などいくらでもあろう」
「……堂々巡りね、一体何の用事で話しかけたのかしら?」
気を取り直すように、ニルスはマリナに向き直る。
「アイルを……あまり酷使してやるな」
「……それだけ?」
「ああ」
かの英雄が人目を忍ばず呼び止めたかと思えばこれだ。あまりにも実直に言葉を発したニルスに、マリナは思わず笑みが零れる。
「ふふ、まったく貴方って人は……」
「何故笑う、可笑しな事を言ったか、オレは?」
「いいのよ、ただ安心しただけだから」
何事も無かったかのように続きを語るニルス。
「奴に注目が集まれば、アイルの日常は崩壊する。――――オレはそれを望まない」
「今回の件は仕方が無いでしょう? 他の人ではアレに勝てないのだから。それとも、誰か別の方を紹介してくれるのかしら?」
「他の者などいない、今回に関しては仕方が無い、ああまさしくその通りだ。他の星光体の育成にも手を回さねばならん、七星に関しても更なる研鑽を積まさねばならんだろう。そうすれば、アイルは必要なくなる」
アイルという神話への逆襲者を眠らせる為には全ての星光体が集い、力を高め合わねばならないと、ニルスは本気で語って見せる。
「ええ、そうね。そうなれば一番良いのかもしれないわね」
例えそれが不可能な夢だと知りながら、マリナはそれを肯定する。
「話は以上だ、時間を取らせた。ああ、それと――――」
去り際に放たれたニルスの頼み事。それを快く了承し、マリナは執務室へと入室する。
――――
「ニルス様……不躾で申し訳ありませんが……アイルという男とはどういう関係で? 彼は何者なのですか?」
通路を歩くニルスに陰から問いかけるチドリ。
「ただの同郷の友人だ。アイルが何者であるかはお前には関係無い、詮索は無用だ」
「了解……致しました」
渋々とチドリは引き下がる。
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