ガーディアン！！

剣士が消える町

第四話 期待の足跡

「劉生、お前は神剣に選ばれたのだ。」
サイガは優しく言った。
「そんな....まるで神話みたいな話あるわけないじゃあないですか！！」いまいち飲み込めない。
「俺もまだ信じきれていない....だが可能性にかけてみようじゃないか。」
「もう一度、燕返しを打ってみろ。劉生！」


サイガは劉生に向かって鉄柱を倒した。
もし失敗したら劉生は死んでしまう。
「そんなっ！！僕には無理だ！！」劉生の手は震えている。
「怖がるな！！今だ！！やれ！！」サイガの声に反応するかのように劉生は雄叫びを上げた。
「うおおおおおおおおおおおお！！」

　　スパァアン！！！

なんと鉄柱は反対側に倒れるどころか折れ曲がってしまった。
「なんて力だ....やったぞ劉生！！」劉生の成功に心から喜ぶサイガ。
「僕は本当に神剣に選ばれたのか....」まだ完全には飲み込めていないが劉生には少し覚悟ができた。
「これで燕返しは完璧だ。後は基本を完全に染みつければ特訓は一旦終了としよう。」



三日後


「それじゃおじさん行ってくるね！！僕はしばらく帰れないけど寂しいなら手紙を送ってね！！」おじさんを気遣ってやる劉生
「ばかやろう、誰が寂しいだコラ。お前は自分の心配をしろ心配を！！初任務だから気を引き締めて行けよ！！」おじさんは笑いながらも悲しそうに言った。
「うん！！行ってくるね！！」おじさんは劉生が完全に見えなくなるまでずっと手を振り続けていた。


「よおっし来たな～それでは出発するか。」
劉生はサイガとの合流し初任務へと出発した。
「もう一度　任務を確認するぞ。これから俺たちは南にある海南町に向かう、海南町は剣士の町として有名だがここ数日その剣士たちの失踪が後を経たないという。恐らくこれは国前町が関わっていると考えて間違いがない。だから俺たちが言って捜査をし、解決するのが任務だ。俺たちが注意しなくてはならないのは海南町に向かう為には国前町との境を通らなくてはならない事だ。恐らくここでは戦闘が起きるだろう。最初から気を引き締めて行けよ劉生。」サイガはもう一度劉生に釘を刺した。


「ずっと思っていたんですが何故、山陵町のガーディアンである僕らが海南町の危機を助けにいくのですか？」別に嫌というわけではないがただ疑問だった劉生。
「いいか。他の町の危機は回り回って自分の元に帰ってくる。だから諸悪の根元を元から絶やすんだ。」サイガは淡々と言った。
「す、すいません。変な事言って。」
「か、海南町は一体どんな町なんですか？」空気を変える為に話をかける劉生。
「それ以上喋るな...」低い声でサイガは言った。
（サイガさん、やっぱり怒っているのかな......いや待てよ。俺は平和ボケしすぎている！！もしかして....）
「サイガさん....これって....」小声で劉生は聞いた。
「あぁ。俺たちはもう囲まれてしまっているみたいだな」周りを警戒しながらサイガは言った。
（漫画と同じような展開だ！！）

今の劉生は恐怖はしていたがそれよりもこないだ入手した神剣を実戦で振るえることにワクワクしていた.....


第四話　完　　　　　　　第五話に続く